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マクロビオティックの指導現場から(9)生理不順と月経痛を改善するために

むそう塾の生徒さんは99%が女性なので、生理や妊娠にまつわる相談をよく受けます。
私は医者ではありませんから、きちんとお医者さんの診断を受けてもらって、それを食事面から改善するためのお手伝いをしています。
それらの相談があるたびに感じるのは、女性たちが自分の体を大事にしていないことです。
そんな格好をしていれば生理痛になるのは当たり前でしょとか、そんなものばかり食べていたらまともに生理が来ないのも当たり前ね、なんていうほど乱れている人がいます。
それから最も困るのは、太っていないのにダイエットをして痩せようとする人がいることです。
こんなのは自殺行為だと私は思うのですが、美しさの認識が異なるようです。

そんな人達は生理痛がひどかったり、寝込むほどの月経困難症だったり、あるいは生理が止まってしまったり、まともに月経を通過していない人が驚くほど多いのです。
中にはマクロビオティックを始めてから生理が止まって10年を経過した人もいました。
20代なのに60代の子宮になっている人もいました。
5〜6年生理がない人も多く、2年くらい生理がなくても「そのうちに来る」と思っている人が結構いてビックリします。
特にマクロビオティックを始めてから生理が止まることに対して、そんなに問題視しないマクロビオティック指導者もいて、問題を厄介にしています。
でも私は、生理があるべき年齢なら、生理が毎月来るのは当たり前であり、むしろ止まる方が異常だという認識をもってほしいと思います。
そして、20代なのに更年期障害と同じ体調を訴える人にならないでほしいと声を大にして言います。

常日頃そんなことを感じていましたが、たまたま産婦人科のお医者さんから別記事にコメントをいただきました。
むそう塾で熱心に学んでくださっていて、レベルの高いコメントを度々いただける先生です。
その先生(てんこさん)のコメントに子宮内膜症のことが書かれていました。
次にそのコメントを引用させていただきます。

ー引用開始ー

月経困難症、つまり月経が『重い』方の多くが子宮内膜症と診断されることになります。
そして子宮内膜症はほとんど根治できない疾患で、多くの方が鎮痛剤や低容量ピルを処方されています。
病態は研究されていますが、原因は特定されていません。

私は、食事による体の内側からの冷え、服装などによる外からの冷え、そしてケミカルなナプキン等による経皮毒の影響が月経困難症を増やしているのではないかと思っています。
冷えている人に薬をどんどん投与することで根治から遠ざかって、最後は女性性器を切除する(子宮全摘、卵巣切除)とうい選択に行き着いてしまうこともあります。

特に低容量ピルは副作用として血栓症の報告が相次ぎ、命に関わる場合があることが知られるようになっていますし、卵巣機能を押さえる作用があるので女性の本来持つ能力を押さえつけている感じに強い抵抗を感じます。
でも、ピルを飲まないと日常生活や仕事に差し障りがあり、服用することで生活の質が向上したと(一時的にでも)感じている方がいるのも実際です。

子宮内膜症の患者さんに、閉経までつき合っていかなければいけない疾患なんですよと若かりし日に説明した時、じゃあ医者は治せないと診断するだけなのかと愕然としました。
今はまだ具体的で効果的なアドバイスが出来る程の経験はありませんが、いつか本当に患者さんのお役に立てる日が来るように学んでいこうと思っています。

ー引用終わりー

私は、食事による体の内側からの冷え、服装などによる外からの冷え、そしてケミカルなナプキン等による経皮毒の影響が月経困難症を増やしているのではないかと思っています。

この文章が私の今の考えとピッタリ一致しています。
これをマクロビオティックの陰陽で考えるなら、陰性のオンパレードということになります。
甘いお菓子や飲み物、ご飯類が少なくて生野菜や南方系果物の多い食生活、豆乳への過信などが引き起こす食べ物からの影響がまず考えられます。
もう何年にもなりますが、腰の部分が露出したファッションが流行っていますね。
あれは腎臓を冷やし、生殖器にまともに悪影響を与えます。
腰からお尻にかけては、昔から腹巻きをしてでも冷やさないようにした大事な大事な場所なのです。
それから、こんなに寒いのにお若い方は太ももをむき出しにしたスカートを履かれています。
ダメです!
生殖器がまともに冷えます。

冷えはマクロビオティックでは陰性に分類されますね。
体の内外を問わす、女性は冷やして良いことは何もありません。
子宮内膜症の原因ははっきりしていないわけですが、マクロビオティックの視点から症状を觀察すると、それは陰性そのものですね。
たとえば月経血の逆流説をとったとしても、それは陰性な動きであり、あちこちに転移することを考えても陰性です。

さらにこれも大きな影響だと私が思うのは、冷房による冷えです。
冷たい空気は下の方に降りますから、下半身の冷えは確実に女性器に影響します。
それらは子宮内膜症の原因を探るうえで、絶対欠かせないことだと思います。
てんこさんもご指摘のように一生の問題ですから、将来後悔しないためにも、女性たちは絶対冷やさないようにしてほしいです。
このようなことも考えて、女性は常々陽性を意識した食事や暮らし方をするのが効果的だと考えられるわけです。
それを細かくチェックして実行に移すことがマクロビオティックでは可能です。

そしてナプキンのこと。
毎月生理痛がひどかったけれど、布ナプキンに変えたら嘘のように楽になりましたという報告はよく受けます。
生殖器はお肌がやわらかいため、皮膚に当たったものからの吸収率も高いので、たとえばステロイド入り軟膏の吸収率も恐ろしく高いのです。
こちらのPDFをご覧ください。
表を引用しますと次のようになります。

ステロイドの部位別吸収率 マクロビオティック

どうですか?
陰嚢とありますが、これを女性器に置き換えたらどこに該当するかはもうお分かりですね。
こんなにも高い吸収率の部位に、何の疑問もなく色々な化学物質が含まれた物を当てるなんて、考えただけでもゾッとしませんか?
徐々に体に何らかの影響を及ぼしても当然だと私は思います。
そんなことを私は塾生さんには伝えていますが、まだお会いしたことのない女性たちにも、食事と暮らし方の改善で、あなたの体調はもっと良くなることを発信しておきたいです。

 

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マクロビオティックの指導現場から(8)乳児湿疹を考える

アトピーと乳児湿疹の違い マクロビオティック

(診断名:乳児湿疹 生後4か月)

ああ、可哀想ですねぇ。。。
赤ちゃんは不快だからよけい泣くんですよね。
新米ママがアトピーのお子さんをかかえると、それはもう戸惑いが何倍にもなります。
私も39歳で初めて産んだ子が、生後1か月からこんな状態になって、どんどん悪化して、それはそれは何年も苦労しました。
いっぱい勉強もしたし、いっぱい体験もしたし、いっぱいお金も使いました。
でも最後にたどり着いたのは、赤ちゃん自身に治す力が備わっているのだということでした。
ですから親がするべきことは、その力の邪魔をしないことと、その力を信じることです。
そうはいっても何かをしたくなるんですけどね。

ところで息子の場合、生後1か月で皮膚科に連れて行ったらお医者さんは「あ、乳児湿疹だ」と言いました。
それから皮膚科に行く度に、「アトピー性皮膚炎」と言われたり、「乳児湿疹」と言われたり、最後はアトピー性皮膚炎になりました。
それほどアトピーと乳児湿疹の見分けは難しいということです。
もちろん、いくつかポイントはあって、それに従って判断するのですが、写真の赤ちゃんは4か月なので、乳児湿疹と診断されているそうです。
もしこれがひどくなって耳に切れが生じてきたら、アトピーと診断されるかもしれません。
お顔だけでなく、胴体や手足にも出るようになると、「アトピー性皮膚炎」に変えられるかもしれません。
その際は痒みも判断の対象になります。

よく私のところには、赤ちゃんのお顔に何かができたと、大慌てでメールが届くのですが、それは大抵一過性のものであることが多いです。
赤ちゃんはお母さんの胎内から外に出てきて、凄い勢いで成長をしているのですが、まだまだお母さんからもらったものでまかなっています。
ですから、生後半年間くらいはお母さんにもらったものの影響が大きいです。
母乳を飲んでいればその影響は顕著です。
その影響されたもののうち、赤ちゃんにとって不要なものを体外に出そうとしているのが湿疹だったりアトピーだったりするわけです。
もちろん外的要因もあります。

ですから、理想をいえばその不要なものを出すお手伝いをしてあげるのが良いのですが、実際には可愛いほっぺに何かができると心配になってしまいます。
お肌はトラブルのないのが当たり前という先入観を持ってしまっているからですね。
でもこの月齢の赤ちゃんは、いつもつるんとしているというより、体中で排泄して成長しているんだと思った方が気が楽になります。
毛穴からも、汗腺からも、お口や目やあらゆる場所から排泄しているわけです。
排泄は尿や便だけではありません。

そんなことを考えると、乳児湿疹の対処はお湯で清潔にしてあげることが一番だと思いませんか?
でも一般的にはせっけんを使うことが必須のように思われています。
しかしその石鹸が肌の状態を悪化させることもありますので、私は石鹸を使わない方をおすすめします。
病院で塗り薬を渡されると、たいていはべとつきますので、石鹸できれいに洗いたくなりますが、せっかく赤ちゃんが持っているガード機能を弱めてしまうことになります。

これは大人についても言えることですが、皮膚のバリア能力を落とさないためにも、石鹸は多用しない方が良いです。
髪の毛は皮膚の延長です。
皮膚とは構造が違うだけです。
ですから髪の毛もボディも本来は同じ洗い方で良いのです。
私たちはいつからか洗剤をたくさん使う国民になってしまいました。
体は一つなのにいくつの洗剤を使い分けるのでしょう?
滑稽だと思いませんか?
洗剤会社の陰謀に騙されないようにしましょう。

ちなみに洗剤の使い過ぎは経皮毒として、生殖器にも影響を及ぼすという見解もあります。
ある意味では食べ物より怖いのです。

 

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マクロビオティックの指導現場から(7)お鍋の陰陽と玄米の炊き上がり

マクロビオティックの本では、玄米を炊くお鍋を何種類か紹介しているものが多いです。
主に圧力鍋と土鍋ですが、電気炊飯器が登場する本もあります。
しかし前の記事で書いたように、玄米は白米と違ってお米の生育状況が如実に炊き方に影響するため、玄米を炊くお鍋もまた白米と同じでは陰陽バランスの悪いものとなってしまいます。
一般的に硬いものを軟らかくするには、①水を含ませる、②熱を加える、③圧をかけるということが頭に浮かびます。
玄米炊飯にはそのどれもが必要なのですが、問題はそのバランスです。

【1】圧力鍋
一番陽性で玄米の旨味を引き出せる鍋ですが、陽性体質の人は長く食べ続けられないことがあります。
しかし、これは炊き方で解消出来ます。

【2】土鍋
陰性な鍋なので、時間という陽を補って陰陽バランスを取ろうとしますが、玄米の良さが引き出しきれずに旨味に欠け、圧力鍋には負けます。
しかし、陽性の強い体質の人はこの焼き上がりを好む場合があります。
そんな人でも長く食べ続けると体調に陰性な面が増えて来ます。
白米なら美味しく炊き上がるんですけどね。(でも陰性)

【3】電気炊飯器
これはもう国民病を招く元凶ではないかと思うくらい困った鍋です。
つまり、熱源が陰性なんですね。
ですからお焦げが出来ません。(最近はうっすらとお焦げのつくものが登場して来たようですが)
電気炊飯器で炊いたおこげのつかない白米ご飯を食べ続けていると、長い間に陰性に偏って行きますし、陽性のおかずがほしくなって来ます。
これで玄米を炊くと、玄米モードであったとしても炊き上がりが硬いです。
胃腸の弱い人には絶対お勧めできない炊き上がりです。

他には電気圧力鍋や発芽玄米も作れる電気炊飯器、特殊な形の土鍋も試しましたが、いずれも陰陽バランスの問題と炊き上がりの不安定さがあります。
玄米を炊くには材質の関係で土鍋を選ぶ人がいますが、玄米の中(胚乳部分)と皮の部分では硬さが異なるため、土鍋ではそれに対応しきれません。
玄米ご飯が体に悪影響を与えるのは皮の部分なので、その硬さがなくなるように最後まで炊き方を工夫しなければなりません。

その原因は気温なのか? お米の種類なのか? お米の栽培方法なのか? お米の保存方法なのか? お水なのか? 火加減なのか? 圧力なのか? 塩の種類なのか? 塩の量なのか? はたまた炊く人の精神的な問題なのか?

そんなことを総合的に検証して炊き上げれば、まさに玄米は健康に最短距離の主食になりえます。
しかし、炊き方やお鍋の選定が間違っていると、体調を崩す一因になってしまいますので、目的に合ったお鍋を選んで、陰陽バランスのとれた炊き方をマスターしましょう。

なお、むそう塾では上記のような視点から、圧力鍋で玄米を炊くことをお勧めしています。
今のところ、最新のおすすめ商品はeコントロールビジョン(2.5リットル)です。
ドイツのシリット社から輸入したものです。
このお鍋の特長は遠赤外線が多く出ることです。
鍋の周りに何段もある筋状の線がそれを表しています。
このお鍋は圧力鍋の陽性さは持ちつつも、玄米をふっくらとさせる力が優れています。
しかし、同じビジョンでも3.0リットルや4.5リットルはお勧めしていません。
お鍋の形状の陰陽によります。
なお、写真のお鍋はむそう塾生のみが購入出来ます。

 
 

玄米炊飯向き圧力鍋 マクロビオティック

 
 

昨年の中川式稲荷寿司講座でもこのお鍋が大活躍しました。
中川式稲荷寿司は、玄米ご飯が50点以上(パスポート取得レベル)の炊き上がりでないと美味しく仕上がりません。
第一の理由はご飯にお酢がスッと入って行けないからです。
ご飯が硬いと米粒のまわりに水分がまとわりついて、ベチャベチャしてしまいます。
そんな稲荷寿司は美味しくありませんね。
美味しい稲荷寿司の基本は玄米ご飯にあるのです。

 
 
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マクロビオティックの指導現場から(6)間違いだらけの玄米選び

毎月「玄米の炊き方秘伝(愛クラス)」を開催していると、たくさんの学びがあります。
学びというのは、何かを伝える側にも受け取る側にもありますが、玄米の選び方についてきちんと把握していない人が圧倒的に多いという現実が私の学びです。
私もマクロビオティックを始めた時にはそうでしたが、どんな玄米を選べば良いのか詳しくは知りませんでした。
ですから、教室で使っていたもの、あるいは教室に併設された売店で扱っている玄米の中から食べた感じで選んでいました。
そのうちにお米関係のつながりも増えるようになって、選択肢の幅は広がりますが、明確な基準があるわけではありませんでした。

そんな経験も踏まえて、むそう塾では玄米の炊き方を教える時に、必ず塾生さんが使用される玄米とお塩を少し持参してもらっています。
仮に毎年同じ生産者から購入されていても、その年ごとで微妙にお米の仕上がりが変化していることがあるからです。
それは土に原因があったり、お水に原因があったり、気候に原因があったり、あるいは生産者自身に原因があったり、もっと大きな環境(空気を含む)が原因だったりします。
それで塾生さんが再受講であったとしても、毎回玄米を見せていただくのです。
玄米を入手するまでは例年通りだったとしても、保管方法が変わっただけで玄米の品質は変化しますので、その辺の細かな差を炊き方に反映させるためです。

玄米を召し上がっていても、白米を召し上がっていても、炊き方はお米に合わせるのが常です。
ということは、まずお米のことを詳しく知らなければなりません。
でも、その辺のところが多くの人は無頓着だったり、文字の情報だけを鵜呑みにしていて、お米そのものを見ていない人が多いです。
お米を触ったり握ったりしながらその見極めをするのですが、参考のためにいくつか列挙しておきます。
これらはすべて経験済みで、受け売りではありません。

【1】玄米にゴミや籾殻が混じっているものは避ける。
これは玄米を洗う前にこれらのゴミ類を取り除くための手間がかかり過ぎるためです。
脱穀機の性能が悪いとこのような混じり物が多くなります。
このような場合は、玄米が汚れていることも多かったりするので要注意。

【2】自然農法米は一長一短。
自然農法米は白米でいただいたらとても美味しいのですが、玄米でいただくと炊き方が難しくて、かたく炊きあがってしまう人がほとんどです。
しかし、高度な炊き方を使いこなせば、強いエネルギーをいただくことが出来ます。
ただし陽性タイプの人には重く感じることもあります。
生命力の強さが重さになるのでしょうね。

【3】棚田米も難易度高し。
棚田米は棚田の厳しい環境をまともに受けますので、炊く技術としては難しいのですが、強さのあるエネルギーが秘められています。
細心の注意で丁寧に炊き上げなければ、かために炊きあがります。

【4】平地のお米は炊きやすい。
棚田や自然農法米とは違って、生育にエネルギーを使わないので、のほほんとしたお米が出来上がります。
何だか人間と同じですね。
ですから、玄米としてはこれが一番やわらかく炊き上がります。

以上が玄米を選ぶときの主な基準ですが、まだまだ選択のポイントはあります。
でも、ブログでお伝えできるのはこの程度でしょうか。
体の負担にならない栽培方法と、玄米を炊き上げる技術の両方がタッグを組んで初めて、玄米はその力を発揮できるのです。
お米だけ理想的なものを入手しても、炊く技術が幼稚園並みでは、体への負荷は大きくなり、場合によっては白米を食べた方が良い体調になってしまうことがあります。
こういう人は結構多い現実があります。
ですから、玄米を食べる場合は、体に良い状態で召し上がってほしいと思います。

まずはご自分の玄米炊飯の技術に見合った玄米を選び、それから難易度の高い玄米に挑戦して行くのも良いかと思います。
むそう塾ではそれぞれのレベルの玄米に対して、異なった炊き方の指示を出して、消化吸収の良い玄米ご飯を炊き上げるように二人三脚で炊き方を追究しています。
玄米はちゃんと体に吸収されなければ、白米以上に体に負担になりますから、炊き上がりの硬さまで見究めたうえで炊飯方法を確立してほしいと強く思っています。
なぜなら、玄米の選び方が間違っている人が次から次とむそう塾に来られるからです。
少しでも柔らかい玄米ご飯が炊きあがるようにと思ってこの記事を書きました。
皆様の玄米ご飯が少しでも改善できますように。

 
 

玄米ご飯 マクロビオティック むそう塾

(玄米ご飯 料理:中川善博)

 

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マクロビオティックの指導現場から(5)直感力・判断力・行動力

日々マクロビオティックのアドバイスをしていると、相談者の傾向がつかめて来るのですが、これが面白いほどに分かれます。
陽性に偏っている人と、陰性に偏っている人が多いのです。
これが偏りを増すと「病気」ということになります。
陽性の偏りは比較的早めに解消できることが多いのですが、陰性の偏りは相手が陰性なだけになかなか時間がかかります。
しかも斑陰性なんていうのもあって、結構困難を極めます。

じゃ、陽性に偏っている人は楽なのかというと、これがどっこいなかなか手強いのです。
陽性なだけに頑固な部分をしっかり持っていると、手のつけようがないことがあります。
それでも人間ですから、どこかに突破口があると信じて探すのです。
そうするとフッと緩むところがあったりします。
絡まった糸がほぐれるように、一気に解決に向かうこともあります。
陽性ですから行動力も決断力もあるためです。
判断のポイントをつっついてあげれば良いのです。

桜沢先生の言葉に次のようなものがあります。
「人は直感力、判断力、行動力で幸、不幸が決まる」
「むさぼりの心は大飲大食、偏食にある」

前者はまさに陽性を求められるため、陰性どっぷりの人は判断や行動に時間がかかります。
それでも根気よくアドバイスを続けて行くと、行動力も出てくるんですねぇ。
これが本当に嬉しいです。
諦めないでアドバイスを続けて良かったと思うと同時に、ここまで頑張ってくれた相手に感謝の気持ちが湧いて来ます。
まさに二人三脚で歩んだ月日を思い出します。

人間は頭では理解できても、なかなか心が思うようにならない時があります。
そんな人は「手間がかかってすみません」なんておっしゃるのですが、そんなに遠慮される必要はありません。
手間がかかる分だけ会話も多くなるので、意思の疎通がはかれて親しみが湧くというものです。
陰性には陰性の良さがあり、陽性には陽性の良さがあるのですが、どんなにそれらの良さが備わっていても、むさぼりの心があってはマクロビオティックではありません。
感謝を忘れて食べることに氣が集中しているようでは、人間とはいえず動物そのものです。

マクロビオティックを意識した生活の基本を次の記事で書きたいと思います。

 
 

菜の花 マクロビオティック

(菜の花の地浸け辛子風味 料理:中川善博)

 
 
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