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現代版マクロビオティック食事法(2)食事バランス
<食べ物の割合を整理してみよう>
私たちは何かしら食べながら生きるわけですが、一体何を食べれば健康に良いのかという食べ方に関する本はいっぱい出版されています。
しかし、その内容は千差万別で、もうわけが分からなくなるほどです。
さらにその情報の背景まで考えると、それを信じてはいけない場合もあるので厄介です。
ですから、そんな情報に一喜一憂するくらいなら、自分の体をよく観察しながら自分で答えを出しましょうよと言いたいです。
そのためにはマクロビオティックの考え方がとても素晴らしいのですが、時代とともに提唱者の目指した方向とは少しずれて認識されつつあるので、今は本来の考え方を現代に当てはめて弾力的に受け入れるのが良いのではないかと思っています。
<食べ物の割合>
最初にそれぞれ異なる立場で出されている食べ物の割合を見比べてみましょう。
* * *
(1)【日本CI協会が提案する「マクロビオティック食事法:食材の割合」】
(出展:リマ・クッキングスクール)
* * *
(2)【桜沢如一が提案した「マクロビオティックの食の10段階」】
下の表を最新版に作り直したものが、上記(1)のコマ型になります。
(マクロビオティックの食の10段階 出典:マクロビオティック ムーブメント)
* * *
(3)【久司道夫が提案した「マクロビオティック食事法ガイドライン」】
桜沢如一の門下生である久司道夫氏がアメリカで考案したもの。
(出展:THE マクロビオティック 久司道夫著)
* * *
(4)【農林通産省の「食事バランスガイド」】
(出展:食事バランスガイド 農林通産省)
* * *
(5)【むそう塾が提案する「食事バランスの目安」】
<食事バランスに中心軸をつくる>
あなたのお食事の割合はどの表に一番近いですか?
きっとどれにも当てはまらないという人が多いことでしょう。
案外正解かもしれません。私も当てはまりません。
こんなに日々お食事のことを仕事にしている私でさえ該当しないのですから、世の男性たちならもっと割合なんて気にしていない人の方が多いと思われます。
それがむしろ平均的な姿なのではないでしょうか。
ですから食べ物に関してはこれらの分け方より、もっと簡単に大雑把だけど中心軸のあるバランスを意識するのが良いと思います。
それにはありきたりな分け方ですが、「主食」「副食」と分けて、その副食をマクロビオティックの陰陽で調整すれば簡単なのです。
しかし、世の中にはマクロビオティックを知らない人がほとんどですから、陰陽を知らない人でも理解できる分け方を次にご紹介します。
なお、ここでいう中心軸とは、「ご飯・味噌汁・発酵食品としての漬物」を中心に据え、その他は添え物と位置づける方法です。
農林水産省の食事バランスガイドでは、
「主食」(ごはん、パン、麺)
「副菜」(野菜、きのこ、いも、海藻料理)
「主菜」(肉、魚、卵、大豆料理)
「牛乳・乳製品」
「果物」
に分かれていますが、私は「主食」「副食」「果物」に分ければ十分だと思います。
「副食」の内訳には「主菜」として野菜・きのこ・いも・海藻・豆をベースにし、「副菜」として少量の動物性を添えます。
肉・魚などは主菜ではなく副菜としての位置づけになりますので、農林水産省が示したガイドラインの逆になります。
ここの認識が一番難しく、メインが動物性になるような食べ方しか出来ない人は、お肉やお魚を摂らない日を1週間に何回か作るべきです。
これらを踏まえて一日合計の食事バランスが次の表ぐらいになっていたら理想的ですね。
もしこのようになっていない場合には、時々1食〜2食を抜くとか、全体の食事量を減らすとかして、体への負担を減らしてあげましょう。
ポイントは空腹を楽しむことです。
人間はそんなに食べなくても生きられるので、大抵は食べ過ぎ傾向にあるのです。
もちろん個人差がありますから、この目安に拘束されないようにしてくださいね。
(食事バランスの目安 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
なお、副菜が「魚・肉・卵」という分け方には反対される方も多いかと思いますが、実際に観察していると多くの方が動物性食品の持つ旨味に弱いのです。
どうしても動物性がないとお食事をした気にならない人も多く、そんな現実を踏まえて動物性を副菜にしてあります。
おかずは動物性がメインなのではなく、植物性がメインなのだという認識を持てると、一気に色々な体調の変化を感じることでしょう。
動物性を排除するのではなく「減らす」認識です。
このぐらい厳しくしておいてやっと結果が「動物性の毒消しができる」程度に落ち着きます。
これが現実なのです。
<関連記事>
現代版マクロビオティック食事法(1)序
* * *
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現代版マクロビオティック食事法(1)序
<自分の生き方を定めて責任をもつ>
マクロビオティックに限らず、今は様々な食事法が提案されているため、情報過多から混乱している人も多いと思います。
割と多いのは、何かを売るためだったり、資格を与えたりする方法で食事に関する情報を出していることです。
これらの場合は受け売りの内容も多いのですが、正しくないものも含まれていて、体調に合っていない場合には危険なこともあります。
私はマクロビオティックが大衆的になっていくにつれ、今こそ「惑わされない中心軸」をもつ必要があると思っています。
健康は考え方に支配されるので、まずは健康に対する自分の考え方の結論を出しておくのが良いと思います。
言い換えると、「自分の生き方を定めて責任をもつ」とでもいいましょうか。
どんな生き方をして、体にはどんな責任のとり方をするのか?
その辺が定まったら、のびのびと大らかに生きましょう。
* * *
<自分で出来ることを増やしておく生き方>
私たちは小さい時から、他人に迷惑をかけないように教えられて来たはずです。
その迷惑の中には「健康を損なう」ことも入るというのが私の考え方です。
体調が悪いときには自分だけが困るのではなく、家族や同僚にも影響を及ぼしてしまうことがあります。
誰しもそんなことを故意でしているわけではないのですが、結果として迷惑をかけてしまうことがあります。
どこかで「体調が悪い時にはお医者さんに治してもらう」とか、薬を飲めば良いとか思っていると、それは自分の健康に責任をもっていないことになります。
たとえば生活習慣病というのは、まさに自分の体に責任をもっていない結果だと思うのです。
なるべく病気にならないように、自分で出来ることを増やしておく生き方の方が気持ちが良いですね。
それでも人間は病気になることがあります。
ひとたび病気になると、完全に元の状態に戻ることは不可能だと思っておきましょう。
(再生できるものは除きます。)
病気によっては何割かは戻りますが、100%完全に戻るわけではないのです。
ですから、まずは健康を損なわないために、空気も含めて口にするものから気をつけましょう。
* * *
日々私たちが口にするお食事は、空腹を満たすだけでなく、その人の血液をつくり細胞をつくり、精神をもつくります。
その精神は人間関係をもつくります。
ですから、まずは食べ物から手をつけるのが最も効率が良くて、効果的な方法です。
そのためにはマクロビオティックの陰陽を用いた食べ方がとても参考になります。
ただ、マクロビオティックに関してはとても誤解が多いので、私はあくまでも現実を直視して、一人ひとりの体調を判断してアドバイスをするようにしています。
ですから、ブログでは最大公約数的なことしか書けないのですが、一般的にこのようなことを意識してお食事をされたらいいなと思うことを次回から書いていきます。
(シナノレッド)
甘酸っぱくて本来の林檎らしい味がします。
早生種なので今が食べ頃。
お肉を召し上がる人にはぜひ召し上がってほしい果物です。
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カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, むそう塾スタイル
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食べ物の好き嫌いとマクロビオティック料理
むそう塾をしていて面白いなあと思うことが幾つもあるのですが、そのうちの一つに「嫌いだったものが食べられるだけでなく、美味しいと感じるようになる」というのがあります。
細かくあげれば切りがないのですが、幸せコースを例にあげると、酢の物・煮魚などが代表例です。
先日も乳製品すべてがダメという人がいました。
むそう塾はマクロビオティック京料理教室なので、積極的に乳製品を使ったお料理をすることはありませんが、隠し味としてほんの少々使うことがたまにあります。
でも、食べた人はその存在に気づかないことがほとんどです。
煮魚は生臭くてイヤという人が多いのですが、中川式の煮魚は全然生臭くありません。
習ったその日からご家族に大喜びされる煮魚が作れるようになります。
仮にお安い食材であったとしても(笑)
酢の物はもう、多くの人がビックリされますが、あの「ツン!」と来るきつい味がしないので、酢の物大好きになる人が多いです。
超酢の物大好きな私が保証します(^^)
* * *
今日は幸せコースの授業でトンカツをお教えします。
もともとは「車麩のカツ」を教えていたのですが、車麩のカツって小麦粉の三重奏なんですよね。
それに男性陣は豚肉を使ったカツを食べたがるものなんです。
(中川式の車麩のカツは超絶品なのですが、それでも豚肉の美味しさは別物なんです。)
ですから、そんな要求に応えるために、本物の絶品トンカツをカリキュラムに組み込んだ次第です。
案の定、トンカツは大絶賛で、添え物(毒消し目的)としてお教えした「茸のガーリックバター」も、きのこ嫌いのお子さんが大喜びで食べてくれたと報告がありました。
理由は簡単、全体としての陰陽バランスが取れるようにお料理をしたからです。
きのこには繊維質はありますが、ほとんどが水分です。
その水分をどんなふうに扱うかで美味しさが決まるわけです。
マクロビオティックの陰陽を美味しさアップのためのポイントとして使えば、健康に貢献してくれるだけでなく、色々なお料理を楽しめる笑顔につながります。
食べ物の好き嫌いは人間関係にも暗い影を落としたり、交際範囲を狭くすることが多いので、なるべく何でも食べられる人になっておくのが一番理想的ですね。
特に女性はお母さんになったときに困ります。
* * *
命はすべて循環しています。
何の命が良くて、何の命が悪いということはありません。
この世に生きるすべての命が大切にされ、その生涯を意味のある終わり方にするのが、せめて他者の命をいただくものの務めではなかろうかと思います。
(京都 無鄰菴にて)
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一日に何食食べるかは個人によって違います
健康に関する情報を流すのは本当に危険を伴います。
私が良いと思っても、受け手の体調によってはマイナスに作用するからです。
ですから私はこのブログでもなるべく具体的に書かないように気をつけているのですが、それでも勝手に自分に都合の良い方向に採用してしまう人がいますので要注意です。
お会いする機会のある人は修正するチャンスがあるのですが、情報を一方的に受け取ってしまい、そのままお会いすることもなければ、どこで誰がどんなことになっているのか知るよしもありません。
ま、情報の取捨選択は自己責任なので、私がそこまで気にする必要はないと言ってしまえばそれまでなのですが、あまりにも疑うことなくコピーしようとする人がたまにいらっしゃるので危険です。
先日、塾生さんからメールがありました。
その人は前からパワー不足を感じていたので、気になっていたのですが、近況報告のメールがあってビックリしました。
体を使うお仕事をしているのに、朝食抜きで働いて、午後2時すぎにやっとご飯を食べ、それから寝るまで何かしら食べている状態です。
もちろん甘いものもあります。
もうメチャクチャです。
なぜ朝食を摂らないのかを尋ねると、一日に3食は良くないと本に書いてあったからというのです。
_| ̄|○
こういう人が他にもいるんでしょうね。
午前中にどんな仕事をするのか?
朝は早く起きるのか?
夜は何時頃どんな食事をするのか?
そんなことなどが背景にあっての朝食です。
単に朝食を食べなければ健康になるというのではありません。
置かれた環境と体調を考えながら、朝食を摂った方が良いのか、午前10時頃にした方が良いのか、正午あたりで良いのか。
まったく人それぞれなのです。
この塾生さんは小さなお子さんを育てていらっしゃいます。
お子さんの食習慣を確立する大事な時期でもありますので、楽しくお食事する習慣をぜひつけてあげてほしいです。
むそう塾で習ったお料理は、ご主人様も美味しいと言って召し上がってくれるそうなので、あとはお料理のレパートリーを増やして、食べ方を正してほしいと思います。
今月の幸せコースの座学は、「食事日記のつけ方と体質別アドバイス」です。
詳しくチェックしますので、しっかり取り組みましょう。
(小茄子の田楽 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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マクロビオティックの陰陽を人間関係に活かそう
物事は何でもそうですが、本人がそのことを求めている時が一番効果的に吸収できるし、効率よく進んで行きます。
反対に本人にその気がないときは、いくら外野が口うるさく言ってもいっこうに効果が出ません。
マクロビオティックもまったく同じで、本人がマクロビオティックの考え方やお食事方法に興味を持たなければ、まったく厄介な存在でしかありません。
世の中には良いと思われることが沢山ありますが、それを採用するかどうかは巡り合わせですね。
つまり、出会った時にそれを必要としているか否かなのです。
ですから、ご縁のあったものだけを丁寧に紡いで行けば良いと私は思っています。
必要な時にはベストのタイミングで大切なものにご縁がつながればそれで良いのですから。
ところで、そのベストのタイミングですが、ことごとくタイミングを外してしまう人もいます。
そういう人を見ていると、もう「業」としかいいようがありません。
うまくタイミングよくご縁を引き寄せられるようになるには、自分の心が整理整頓できている必要があります。
自分がゴチャゴチャのままだと、それに似た波動のものを引き寄せますから当然ですね。
もうそこは陰陽そのものです。
私も過去にそんな経験があります。
そんな日々に嫌気がさしたので、思い切って周りの環境を変える決断をしました。
それは人間関係の整理整頓でした。
そこから本当の私になれた気がします。
それまでは他人の気持ちを優先しすぎていたかなと思います。
当時はマクロビオティックも知らないし、もちろん陰陽も知らないのですが、今にして思うと陰陽の流れに逆らっていない方向に軸足を移していたんだなと思います。
陰陽って自分の人生を考えるときには大いに役立つと今なら思えるのですが、当時は感情を優先して判断していたため、行き詰まることがあったのでした。
* * *
2年前の記事に「お弁当の力(玄米が嫌いだと言っていたのに食べてくれた!)」というのがあります。
塾生さんのお母様が、玄米ご飯のお弁当を「ご飯があまくて美味しかった」といって召し上がってくださったというのです。
そこに至るまでこの塾生さんは親子関係のことでちょっと悩まれていたので、親子関係を少し陰性にするようアドバイスをしていたのでした。
親子関係を陰性にすることは、親不孝をすることとは違います。
少し距離を置いて風通しを良くするだけです。
その陰性があってこそ、お弁当という陽性の氣が心に沁みるのです。
マクロビオティックの陰陽は、食べ物だけに当てはめるのではなく、人間関係に活かすと物凄く生き方が愉しく充実してきます。
そして、自分の進むべき道に迷うことなく決断を下せます。
これがマクロビオティックの考え方の一番素晴らしいところですね。
そんな自分になるために、日々のお食事が重要な鍵を握るのです。
(賀茂茄子を揚げたところ 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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