マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

マクロビオティックの陰陽はその都度変わる 絶対的なものではないから

こちらの記事のコメントにお返事を書いていたら、長くなってしまったので記事にしてお返事をさせていただきます。
まずは彩生さんのコメントから。

 
 

美風さん

ブログで詳しく書いて下さってありがとうございました。
コメントするまでに時間がかかり、申し訳ありませでした。

決断と諦めの陰陽のお話を聞けて人生の中で180度かわるくらいの衝撃でした。
なんとしてでも行く!と無理矢理するのは陽性でもなんでもなく、準備不足だったということですね。今回のことだけでなく、温かい海外暮らしで子どもがこんなに風邪をひくことを知らずに今まで過ごしてきたので、そういうことに対しても準備が必要だということがわかりました。

マクロビオティックが好きになってから、陰陽で考えることが世界のどこでも暮らしていけるだろうと思いました。
でも、自分の陰陽の考え方が未熟で間違って体調を壊したり、うまく判断できないことが多くありました。
むそう塾では中川さんの絶品の心と身体にも優しいお料理だけでなく、美風さんと中川さんからの陰陽の口伝が私は京都に行く度に本当に楽しく思っています。

そして家族ができ、子どもに恵まれより自分の時間を捻出することが課題でしたが、「人生を陽性に生きるということは時間を無駄にしない」という言葉に、母になってこれから仕事もするとなった私には、より陽性になることが必要だと感じました。

より陽性に身体だけでなく心も変化できるよう助けて下さってありがとうございます。

*   *   *

<マクロ美風より>

彩生ちゃん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。

彩生ちゃんのコメントには大事なことがいっぱい含まれているので、他の皆さんとも共有したいと思いました。
陰陽を考える上での参考になったらいいなあと思って、長いお返事ですが色々書いてみますね。

まず、無理に自分の思い通りにするというのは、一見すると陽性のようにも思えますが、後でもめ事を招くことにもなります。
もめ事(陰性)は氣の低下を招くので、できれば避けたいものです。
(注:もめている時は悪い陽性状態)

今だけのことを考えたら、行動することが陽性のように見えても、その先にもめ事の種を内包している行動は、必ずしも陽性とはいいません。
一連の流れで判断すると、それは陰性になります。

それよりも、気持ちよく出発できる環境を整えて、帰宅後も笑顔で過ごせることが本当の陽性な行動です。

同じ24時間を、トラブルに心を痛めて過ごすのか、ミスの後始末のために時間をさくのか、笑顔で過ごせる時間を増やすのか?
もう答えは明らかですよね。
ですから私は、トラブルやミスを可能な限り避けるような生き方をおすすめします。

それでも子育て中は、思いがけないことが勃発しますから、常に余裕をもった計画を立てておきましょう。
ギリギリの計画を立てると、結果として子どもを叱ったり、「早く!」とせっついたりしがちで、みんなの気持ちが陰性になってしまいます。

*   *   *

海外生活が長くて、日本での子育てにはまだ慣れていないあなたが、ご家族の思わぬ体調不良に翻弄されながらも、こうしてご自分のやりたいことを目指して頑張っておられるのは、本当に偉いと思います。

あなたはすごく頑張り屋さんです。
でも、そういう人に多い傾向として、誰かに甘えることが苦手というのがあります。
最近、こういう人が多いですね。
それはきっと、学生時代から「頑張って勉強しろ!」と植え付けられているからかもしれません。

でもね、甘えてもいいのです。
甘えられる人が側にいることは幸せなことなのです。
そして、甘えられたら嬉しいのです。
(私も塾生さんから甘えられると嬉しいです。)
子育ては、案外甘え上手な人がそこそこ軽やかに乗り越えています。

クヨクヨと悩むくらいなら他人の力を借りる。
そう割り切って次に進む方が時間が無駄になりません。
時間が足りないのではなく、ご自分のふんぎりが悪いだけということもあります。
こういうときは、物事の結論を長引かせないことを意識するといいですね。

*   *   *

ところで、マクロビオティックの陰陽を考える時、間違って解釈されていることが多々ありますよね。
ネットだけの情報だとそういうことが起こり得ます。

陰陽は上っ面だけとらえていると、核心を見抜くことができません。
特にマクロビオティックの陰陽は、中医学の陰陽とは少し異なる部分があるので、なおのことです。

目の前の状態だけで考えるのか、結果だけとらえて考えるのか、結果のその後まで考えるのか?
その都度陰陽が変わります。
お料理でもそうですよね。

大事なことは、陰陽は相対的なものであるということです。
これをついうっかり、絶対的なものとして取り込んでいませんか?
昆布は陽性、砂糖は陰性というふうに。
でも、昆布が陰性な働きをしたり、砂糖が陽性な働きをする場面もあるのです。
100%陽性、100%陰性ということはありません。

ですから、色々なケースで陰陽の視点から考えて当てはめてみる練習が必要です。
ある程度練習すると、考え方の順序が理解できてきますので、そうなったらしめたもの。
あらゆる事象で練習してみましょう。
(実はこれが面白くて面白くて、夜を徹して語り合いたいほどなんですよ。)

むそう塾のサイトに、「陰陽を感じる日々の暮らし」というコーナーがあるのをご存知ですか?
先輩たちが日々の暮らしの中から、陰陽視点で感じたことをメールで送ってくれて、記事にしたものです。
先輩たちもこうしながら陰陽をジワジワと身につけて行かれました。

陰陽は話しながら身につけていくのが一番手っ取り早いですね。
考え方の間違いをすぐ修正できるチャンスがあるからです。
でも、それが無理なら、こうしてメールでの会話を利用しましょう。

むそう塾は、学びたいあなたを色んな形で応援しています。

 
 

(雪が解け始めた京都東山です 2022.1.21)

 
 
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塾生さんからの復習投稿があまりにも素晴らしくて涙が流れた 

心が洗われるような場面 思わず涙が出てくるような場面

そんなことは しょっちゅうあるわけではない

しかし けさ 涙が流れる感動をした

 
 

(実山椒の佃煮 料理:Ryokoさん マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

(穴子の飯蒸し 料理:Ryokoさん マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

(菜花の伊風お浸し 料理:Ryokoさん マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

これらの写真を見たら なぜか涙が流れた

澄んでいて

迫力があって

爽やかで

心をつかまれた

 
 

コメントにも感動した

師弟のやり取りに

厳しさだけでない

愛を感じた

 
 

実は 彼女は病気を抱えてむそう塾にやってきた

だが 今はこんなすごいことができるようになった

この写真に彼女のすべてが反映されている

 
 
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キッチンで涙 お料理を作れる嬉しさともらう嬉しさは陽性の力 

今では京都にいる時間の方が長くて、埼玉の自宅に戻ると懐かしい感じがしてしまう私です。
先日、埼玉の自宅でキッチンのお掃除をしていると、急に涙がこぼれて来ました。

このキッチンで色々なお料理を作ったことが思い出され、今は家族にあまりお料理を作ってあげられないことを申し訳なく思ったのでした。
と同時に、料理好きな私がこのキッチンに立っていられないことにも、少し感傷的になってしまいました。

家の中で主婦が一番長くいるのはキッチンですね。
ですから、当然ながらその場所は時間が積み重なって陽性な場所になります。
と同時に、色々な想いもその場所に残ります。

キッチンに立つと、嬉しいこと、悲しいこと、さまざまな想いが胸をよぎります。
誰かに美味しいと言ってもらえたお料理は、それを作るたびに、その人のことを思い出します。
そんな想いの積み重なりも陽性になります。

*   *   *

昨日、中川さんからおせちが届きました。
その梱包の仕方が実に見事で、一滴の汁も漏れていないし、届いてからも美味しくなるようにして包まれています。
こういうお料理をいただくと、心から感謝の思いが溢れてきます。

それは、そこに費やしてくれた時間だけでなく、「その想い」が伝わってくるからです。
ですから、むそう塾で習ったお料理を誰かにお渡しして喜んでもらえた経験のある人は、最高のプレゼントをしてあげたのだと自信を持ってほしいと思います。

では、なぜそれらのお料理に心が動かされるかというと、そこにはお料理に費やした陽性さがあるからです。
(陽性の力は人や物を動かします。)

過去にお弁当にまつわるこんな記事を書きました。
お弁当に自分を詰める 沢村貞子さんのこと 2014.2.19
お弁当とは「自分」を持って行ってもらうもの 2014.8.19
「夫婦の時間を大切に育んで行きます」 塾生さんのメールより 2018.1.14
マクロビオティックの指導現場から お弁当が育てた子どもの心 2021.5.19

 
 


(ガパオライス弁当 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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適度なゆるみはあなたを助けてくれる よい陰性のススメ

私がマクロビオティックを始めたとき、それまでの生活が一変しました。
もともと調味料は厳選していたし、食材もかなり選んで購入していたのですが、限られた料理方法と食材の中で、とても窮屈な感じは否めませんでした。

でも、息子のアトピーを治してあげたい一心で、厳格に実践したのです。
その結果、体も考え方も結構陽性になって、その変化が面白かったのですが、恩師から見れば陽性になりすぎていたようです。

そこからですね。陰性の必要性を強く認識したのは。

*   *  *

むそう塾では、「自由人コース」で洋菓子をお教えしていますが、これが物凄く好評で、ご家族の皆さんで喜んでくださっています。
(満足コースや秘伝コースでは和菓子をお教えしています。)
それらのお菓子は陰陽はもちろんですが、体に負担のない食材や作り方なので、本当に体が楽なのです。

私は中川さんの生クリームなら食べられます。
でも、一般的な生クリームは気持ちが悪くなるから嫌いです。
そうしたら、実際に習った塾生さんやご家族さまの反応が同じでした。
多かったのですね、生クリーム苦手という人が。

*   *   *

マクロビオティックの飲み物に「穀物コーヒー」や「たんぽぽコーヒー」があります。
これらはカップに注いだときの色は一般のコーヒーに似ているのですが、お味や香りは当然のことながら別物です。

そして何より、原料が異なるので陰陽も異なります。
一般的に「もどき料理」といわれるものと同じように、陰陽が異なるところが私は気になるのです。

ですからむそう塾では、本物の食材がもつ陰陽をちゃんと知って、体に負担のないような形で楽しく取り入れることをお奨めしています。

*   *   *

ある人の事例です。
食べ物や生活環境を最高の状態にしたのに、今ひとつ体調が完全ではない人がいました。
そこで、もしかしたら勤務先で飲むコーヒーが原因ではないかと考えました。

それで、自宅から中川さんのコーヒーを持参して、会社のコーヒーは止めてもらったところ、体調がよくなったのです。
会社では福利厚生として設置している自販機が、社員の健康にあまり役立っていなかったということですね。

体の反応にはもちろん個人差がありますが、自販機設置会社の利益も考えれば、その内容は推して知るべしだと思います。

*   *   *

お菓子もコーヒーも陰性の代表格で、マクロビオティックでは避けるものとされていますが、それを好きな人はいっぱいいます。
じゃあ、それらが持つ悪いところを極力減らしたらどうなるの?
そんなところからむそう塾のお菓子やコーヒーはスタートしています。

物事も体も心も、急に変えると反動が来ます。
それは陰陽の理を考えれば容易に想像ができます。

じゃあ、今のすべてを受け入れて、それを少し良くしたらどうなるのかな?
もう少し良くしたらどうなるのかな?

そんな楽しみを伴った変化のあり方もよいのではないかな?
ここまでゆるやかに考えられるようになった私は、結構陰性を意識して暮らして来ました。
恩師の言葉を大切に実行して。

*   *   *

ここまで至るのに、16年以上の歳月を費やしました。
一つひとつ周りの人の反応(肉体的・精神的ともに)で確認しながら進んで来ました。

その結果、「適度なゆるみ」はかなり多くの場面で必要だと感じました。
そして、これこそが陰陽そのものであることを、何度確認したことでしょうか。

特に新型コロナウイルスで2年間も不自由を強いられている私たちは、かなり悪い陽性が積もっています。
意識的に良い陰性を取り入れるようにして、陰陽バランスをはかるようにしましょう。

それは飲食だけでなく、精神面を解放することによっても達成できます。
オミクロン株に惑わされることなく、人間本来の陰陽バランスで乗り越えましょう。
私たちの内側には秘めたる力があるのです。

 
 

(ブッシュ・ド・ノエル 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

「ブッシュ・ド・ノエル」は、「自由人コース2」の12月の授業でお教えしました。

 
 
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梅人参からの贈り物 うれしかったこと

先日、「上級幸せコース」の授業で、「梅人参」(ねじり梅)をお教えしました。
毎年12月にお教えして、おせちの「炒り鶏」に入れられるようにしているのです。

 
 


(梅人参 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

この「梅人参」、毎年苦戦する人が多くて、授業では大忙しになります。
今年もご多分にもれず、あちこちからお助けコールが(笑)

実は、できない理由は、桂むきがきちんとできていなかったからです。
中川さんは梅人参の説明に、よく下の図を使います。
5弁の花びらは、実はチョークのような円柱を5本イメージして作るのです。
その1本1本は、桂むきの授業で「チョークの細さ → 割り箸の細さまでむくんですよ〜」とエールを送った、あの細さなのです。
ここまで練習した人の梅人参はやはり美しいです。
面圧が理解できているからですね。

中川さんのブログには、梅人参の投稿記事がたくさんあります。
「梅人参」でブログ内検索をしてみましょう。

 
 

【うれしかった塾生さんからのお返事】

授業中に手順の段階で??となっている人がおられたので、これは復習できないと思って、私が大急ぎで動画を撮りました。
これで少なくても手順だけは正しく伝わると思ったからです。

その動画を「上級幸せコース」の皆さんにお送りしたのですが、ふと、先輩たちにも自信のない人がおられるかもしれないと思って、急遽ご希望者にお送りすることになったのです。
Twitterで告知して、すぐ反応のあった人たちにお送りしました。

iMessageでお送りしているのですが、お返事の中に嬉しい内容がありました。

 
 

コロナ禍の影響を心配して、ご家族から京都行きを止められ、コースの授業を1年以上も欠席されたMさんから、次のようなお返事をいただいたのです。

むそう塾のブログとTwitterは鎖国状態の私の心の支えでした。
秘伝には絶対通いたいです。

もう、嬉しくて涙が出ました。
遠い土地でむそう塾への思いを持ち続けてくださっていること、そして、その支えにブログやTwitterが役立っていたこと。
この事実を知っただけでも、私は大いなる励みをいただきました。
Mさん、お待ちしています!

 
 

ブログやTwitterをしていると、ついつい直接反応をいただいた方に目が行きがちですが、こうして静かに見てくださっている人がいることに、こちらが勇気をもらった感じです。

Facebookでもそうですが、直接のコメントがなくても、その向こうで何かを感じてくださって、シェアしてくださる人がいることに元気をもらえます。
私はこうして皆さんに育ててもらっているのだと、梅人参を通じて感じたことでした。

 
 

ここまで書いたところで、Kさんからも嬉しいお返事をいただいたので追加します。

むそう塾のおかげで、むそう塾で習えたレシピのおかげで、毎日、料理することで、元気にすごせることができていると、感謝しています。

Kさんは60代の美しい女性で、2年間むそう塾に通ってくれました。
満足コースでもっと美味しいお料理を!と思っていたところで、コロナ禍になってしまいました。
ご高齢のご家族のことも考えて、外出を自粛されていたそうですが、毎日お料理をすることでお元気さをキープされて、素晴らしいと思いました。

外に食べに行かなくても、家で美味しいお料理ができることに感動されていたKさんなので、きっとお孫さんたちにも腕を振るわれていたことと思います。

 
 

梅人参が何だか風のように、うれしい氣を運んできてくれました。
お返事をくださった皆さん、ありがとうございます。

そして、ブログやTwitterやFacebookの向こうにいらっしゃる皆さんも、ありがとうございます。
皆さんに支えられて、私も頑張ります!

 
 
カテゴリー: うれしかったこと, 塾生さんのメールから心に響いたこと, マクロビオティックの指導現場からシリーズ | コメントする