マクロビオティック京料理教室 むそう塾」カテゴリーアーカイブ

食事日記のこと

今年も幸せコースの食事日記を拝見し終わりました。
毎年食事日記を拝見して思うのですが、実に望診どおりの物を召し上がっているなぁということです。
愛クラスのときにその人の望診は終わっていて、その後機会あるごとにその確認はしていますが、食事日記でさらに決定的に確認することになります。
食事日記のつけ方にも個性がありますし、陰陽が面白いほど表れています。
それほど食事日記は雄弁です。

食事日記の良い点は、日記をつけている人本人が自分を客観的に知ることができることです。
なんとなく食べていたものでも、それには心の反映があったり、体の偏りを修正しようとしていたり、実に食事日記には多くの信号が埋もれています。
日記をつけているうちに、多くの人がその食べ癖や嗜好の偏りを感じることができるようになります。
あとはそれを診断して改善すれば良いわけですが、その改善がなかなか困難を極める人がいます。

食事の癖を改めるのは一般的には大変です。
それは長い年月をかけて確立されてしまっている面があるからです。
生活習慣病なんてまさにこの食事の癖を改めれば激変する病気です。 
マクロビオティックを知っている人は幸いにも陰陽で物事のバランスを判断する術を知っていますから、食べ物と関連づけて自分がなりたい自分になることが可能です。
楽しみながら自分を操作してみてください。

なお、食事はとても大きな力を持つものですが、もっと大きなものは精神の力です。
どのような精神状態で、何を、どのようにいただくのか?
そちらの方がもっと体に影響します。
マクロビオティックの究極の目的は、「何を食べても動じない肉体と精神」になることであって、あれを食べたからこうなった、これを食べたからこうなったと一喜一憂するようではまだ初心者です。

どのような食べ物であっても、その時目の前に自分のために生命を捧げてくれた動植物や作り手や自然のすべてに感謝して、ありがたくいただくことが一番大事なことです。
そのような感謝の気持ちをもって食事日記をつけられたか?
日記の食べ物の内訳より、実はどのような気持ちで日記をつけられたかの方が重要であることを知ってほしいなと思います。
食事日記とは、実は心の日記なのです。

 

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | 10件のコメント

生命観と松茸

 

これは京都丹波産の上物松茸です。
手前の松茸だけでも5万円です。
そんなに高い松茸をなぜ授業で使うのか?
それはむそう塾のポリシーでもある「ほんまもん」をお伝えしたいからです。
復習のときにはカナダ産の安い松茸でも良いけれど、教室では一級の食材でほんまもんの味を覚えて帰ってほしいと思うからです。
でも、松茸の値段は刻々と一日ごとに変わります。
きっと皆さんが復習される頃には、買いやすいお値段になっていることでしょう。

こちらは愛媛産の大きな栗です。
丹波産の大きな栗はまだ出回っておりませんでした。
授業では皆さんが上手くむけなくて、中川さんの手直しが何度も入るため、大きめの栗を用意しておかないとLLがSになってしまうからです(笑)

ところで日本人は食べ物の旬や季節感を大事にしますね。
それは日本人独特の民族としての感性の素晴らしさだと思います。
生命観ですね。
季節の移ろいとともに住まいや暮らし方、そして食べ物や心を同期させていく生き方は、マクロビオティックそのものの生き方です。
日本人が桜をこよなく愛するのも、潔く散ってしまう短い桜の生命に心が共鳴するからです。

そしてあっという間に旬が駆け抜けてしまう松茸もまた、桜に通じる潔さがあるのだと思います。
一年に一度だけ一瞬の香りを楽しむ食べ方は、まさに日本人的ですね。
そんな日本人としての感性もまた、むそう塾が大切にお伝えしたい内容であります。

きょうは幸せコース最後のDクラス。
ほんまもんの味と心を持ち帰ってくださいますように。

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | 2件のコメント

玄米の松茸ご飯・白米の栗ご飯

 

この松茸ご飯は玄米で炊いています。
玄米で炊き込みご飯を美味しく炊き上げるのは非常に難しいため、炊き込みではなく混ぜご飯にしてしまうマクロビオティックの先生もいるほどです。
それほど難しいのは玄米の特性を充分に把握しきれていないからですね。
食材の陰陽、お料理の陰陽を徹底的に追求していない証拠です。
白米と同じ要領では、玄米の炊き込みご飯は絶対美味しくなりません。
でも、むそう塾では、中川さんの研究の結果、ほっぺたが落ちるほど美味しい松茸の炊き込みご飯を召し上がっていただき、秘伝をお伝えしています。

一方、栗ご飯は白米で炊きました。
これは玄米と白米の炊き方の違いを知っていただくためでもあり、見た目の美しさのためでもあります。

どちらも愛クラスでお伝えした玄米炊飯の理論がしっかり身についていれば、深く納得出来るはずです。
玄米の炊き込みご飯は、プレーンな玄米ご飯がきちんと炊けてこそのお料理です。
しっかりと基本を押さえて、ブレのない美味しさを味わいましょう。

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

第127次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します!

今回のパスポート発表はちょっと辛口になります。
でも、これからのためにとっても大事なことなので、私からのコメントをさせていただきます。
どうしても主婦生活が長くなると、今までの流れで「なんとなく」の面が出てきますが、玄米ご飯は「なんとなく」美味しく炊けるものではありません。
白米とは比較にならないほど炊く人のすべてを反映してしまいます。
そしてそれは氣の問題も含んでいます。
丁寧に生きること、氣を調えて物事に向き合うこと。
それが生き方としてもとても大事なことです。
そしてその氣が玄米炊飯に及ぶことを意識してくださいね。
今回はビジョン鍋の力が難しい玄米でも美味しく炊きあげてくれた側面があります。
パスポートで氣を緩めることなく、玄米投稿の時に中川さんから指摘されたことをいつも反芻してお台所に立ってください。
まずはバタバタしながらもパスポートレベルに到達されました。
これからはご主人と美味しく楽しく、笑顔の食卓になることを願っております。
では、パスポート取得者を発表させていただきます。

*   *   *

(1)絶対美味しい玄米ご飯の炊き方をマスターしていただきたい。
(2)その玄米ご飯を炊く行為を通じて、自分を見つめ気づきを得て、幸せに繋げてほしい。
(3)まわりの人と一緒に幸せになろうとする意識を持ってほしい。
これが「むそう塾」の願いなので、この(1)~(3)をおおむね理解され、なおかつ実践出来ていると思われる方に、パスポートを発行させていただきました。
これからは、ご自身と向き合いながら、日々の心の持ち方を大切にして、中川さんに言われたことを思い出しながら、人間性をより高めて幸せな日々をお過ごし下さることを願っております。
パスポートを手にされても気を緩めないように、引き続き真剣に玄米と向き合ってください。

パスポートは出発点であり、到達点ではありません。
従ってこれは、第三者に教える力を認めたものではありません。
「中川式玄米ご飯の炊き方」は、中川善博本人のみが口伝の形でお伝えしております。
なぜなら、「中川式玄米ご飯の炊き方」はオーダーメイドの炊き方だからです。
パスポートを取得されましたSaさんは、これで玄米投稿の目的は達成されましたので、お写真を中川さんに送らなくても結構です。
パスポートの発行は、この記事をもって公表するとともに、個人宛へのメールでお知らせいたします。
このメールにはパスポートナンバーが記載されていますので、もし、届かなかった場合はご連絡ください。
過去のパスポート発表記事集 1
過去のパスポート発表記事集 2

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | 5件のコメント

お米の水加減

毎年新米の季節になると、「新米が美味しく炊けないんですが・・・」というメールが中川さんのところに届きます。
今年もその季節になって来ました。
昨年はとってもそのメールが多かったので、23年度産新米の炊き方を別バージョンでお伝えしたほどです。
それほどお米は自然界の異変をまともに察知しているということですね。
今のところ今年のお米は順調なようですが、新潟方面では夏場の高温でお米粒が小さめになっているとの情報もあります。

むそう塾がお世話になっている京都のお米屋さんは、ご自分の田んぼを去年の経験から栽培方法を少し変更された結果、見事に良質のお米が収穫できたそうです。
賭けのような栽培に挑んだその勇気と研究熱心さに頭が下がります。

*   *   *

さて、新米というと水加減を控えめにして炊くと思っている人が実に多いです。
私も以前はそのようにしていました。
しかし今は必ずしもそうとは言えない時代なのです。

お米を刈り取って稲架(はさ)掛けした光景は、日本の原風景であり、安堵と平和の象徴でもあります。
しかしこれは人手を要するし天候の影響も受けやすいので、今ではその両方を解決するためにコンバインで収穫する農家が多くなりました。
問題はここからです。

お米は刈り取った時点では30%ほどの水分が含まれています。
しかしこのままの水分ではお米にカビが生えたり、呼吸が活発でどんどんまずくなってしまうため乾燥が必要になります。
そこで稲架掛けをして天日乾燥で水分を下げるわけですが、今では乾燥機を使って乾燥する農家が増えてきました。

そもそも玄米は生きています。
ですから当然のことながら呼吸をしているのですが、玄米の含水率が15~16%あるいはお米の温度が15~20度を超えると、玄米の呼吸は盛んになります。
しかし玄米が呼吸をすると、お米の中のでんぷん質などが消耗されてしまい、まずくなってしまいます。
それでお米の管理を一定湿度と一定温度を保つように保管することが必要になるわけですが、自分の買ったお米がどのように保管がされているのかを知っていると参考になりますね。
また、購入してからの保管方法にも神経を配りたいものです。

というようなわけで、新米だからといって単純に水加減を減らすのではなく、乾燥機を使っている玄米なら越年した玄米と大して変わりない含水率であることを知っておきましょう。

私も新米を23年度米と同じ水加減で今朝炊いたところ、決して多くはありませんでした。
昔から伝わる常識であっても、今の時代はそれが当てはまらない場合が時々ありますね。
そんなこともむそう塾ではお伝えしていきます。

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする