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妊娠・出産に威力を発揮する玄米とマクロビオティックの視点
昨日、嬉しいメールがありました。
90期の愛クラス受講生さんからです。
<Oさんからのメール> 抜粋
愛クラスを受講し、中川式玄米を炊き始めてもうすぐ100日を迎えます。
予定日まであと10日となりましたが、初期の不調とは打って変わって、引き続き体調がよく、体力もつき、便通も絶えずあります。
また、子象さんの鉄火味噌のおかげで、後期の血液検査では貧血の項目において問題なしとのことでした。
今月に入り出産準備の1つとして、入院中の糠床のお世話と玄米炊飯を主人に教えています。
元気な赤ちゃんを産んで幸せコースに通うことを目標に、やっと100日まだ100日、中川さんにご教授いただいた玄米と糠漬けを食べ続けたいと思います。
<マクロ美風より>
Oさんは妊娠中に愛クラスを受講されました。
過去に低体温や大腸炎などを経験され、体調が良くない状態で妊娠前半期を過ごしておられました。
それで、愛クラスの時に、100日間は中川式玄米ご飯を食べて、体調の変化を観察しましょうとお話をしました。
その結果のメールが上記のような内容です。
妊娠後期になると多くの人が貧血になって病院で鉄剤を処方されます。
しかし、Oさんは無事に貧血にもならず、お通じも毎日あって、体力もついたそうです。
妊娠時期にこんなふうに体調が良くなっていくことは、血液の質がぐんぐん良くなっていることの表れですね。
これは実はものすごいことなんです。
そして、お通じがきちんとあることも凄いことです。
妊娠中は大きくなる子宮のために、便秘になる人がとても多いからです。
昨日の愛クラスの懇親会でもお話をしたのですが、玄米ご飯を食べるとお通じが良くなって、便の量も増えるのですが、それとともに身体には良い変化が現れます。
それがマクロビオティックを知って、玄米に出会って、一番最初の変化ですね。
これからOさんは、目に見えないところでの良い変化が進んでいますから、ぜひそれを途絶えさせることなく、これからお料理面でもバックアップしてくださったらいいなと思います。
そのためにもマクロビオティックの陰陽の視点は、これから大変になる子育て生活で、強力な味方になってくれます。
陰陽の考え方は、食べ物だけでなく、暮らし方や生き方全般に及ぶので、子育て中に湧き上がる疑問や困ったことに明快な答えをくれるからです。
なお、これから妊娠やご出産を予定されているかたは、妊娠してからではなく、妊娠前から身体の大掃除をご夫婦でしておきましょう。
質の良い血液で出来た受精卵を、質の良い血液で育み、親として最高のプレゼントをしてあげましょう。

(中川式玄米ごはん 料理:京料理人 中川善博)
カテゴリー: 子育て・野口整体・アトピー, からだ
7件のコメント
冷えの仕組みと靴下の重ね履きを考えてみる
前回の記事から時間が経ってしまいましたが、靴下の重ね履きについて考えてみたいと思います。
そもそも靴下を重ねて履きたくなるのは、冷えを感じているからです。
では、冷えはどうして感じるのでしょうか?
それは単純にいうとその部分の代謝が悪くなっているからですね。
では、なぜ代謝が悪くなったのでしょうか?
それにはまず人間の歴史から考えてみなければなりません。
そもそも人間の先祖は4本足で歩いていて、長い間の進化で2本足歩行をするようになりました。
二足歩行をするようになると、全体重を2本足で支えなければならず、その足が心臓から最も遠くなってしまったことが問題なのです。
心臓はギュッと収縮したときに動脈を通して細胞の先端(毛細血管)まで酸素と栄養を届け、今度は弛緩したときに細胞の先端で静脈の毛細血管と連携してガス交換をして、代謝すべき残留物(老廃物)を心臓に送り返すためのポンプの役目をしています。
血液が再び心臓に帰ってくる間には、あらゆる器官や臓器が働いて血液を綺麗にし、栄養を蓄えます。
しかし、心臓から一番遠くになってしまった足には老廃物が溜まりやすく、いわゆる老化した足になってしまうのです。
では、老化した足というのはどんな足をいうのでしょうか?
代謝残留物(つまり汚れ)が溜まった足は、化合物なので「固く」なります。
次に、固くなった老廃物は血管やリンパや神経を圧迫します。
それぞれの循環や経絡(連絡通路)を阻害します。
特に血液の循環を阻害されると、血液は体温も同時に運んでいますから、「冷たく」なります。
ということで、老化した足というのは「固い」「冷たい」状態をいうのです。
* * *
赤ちゃんの足はつるつるして柔らかいですよね。
寒い真冬でも冷たい床をハイハイする赤ちゃんは、冷えとは無縁の世界にいます。
赤ちゃんはまだ老廃物とは無縁なので冷え知らずなのです。
ですから、老廃物だらけのお爺ちゃんやお婆ちゃんがお孫さんに厚着をさせたり、熱いお風呂に首までつからせようとするのは、赤ちゃんにとっては拷問みたいなものなのです。
マクロビオティックで陰陽を知ると、そのへんのことが良く理解できますから、赤ちゃんを無駄に不機嫌にしなくて済むようになって、子育ても楽になります。
冷えの仕組みが分かったら、あとは老廃物を除去出来るようにすれば良いのですが、その方法はいろいろあります。
食べ物の陰陽を考えながらお食事内容を改善することも必要ですが、それだけで十分とは思いません。
もっと身体を動かすことも必要ですし、こわばった精神面を解きほぐすことも必要です。
温泉やお風呂で体を温めることも効果的ですし、デトックスで積極的に毒出しのお手伝いをすることも良い方法です。
靴下の重ね履きで冷え症から脱出した人もいますので、この方法が合う人もいるのは事実ですが、私はあまりおすすめしません。
それは先の記事に書いたように、氣の問題とも関連して考えると不自然な感じがするからです。
外側から何重にも重ねるのではなく、内側から老廃物を除去出来るように誘導した方がスッキリすると思います。
身体には反射区というのがあって、下のような反射区図表をご覧になったことのある人も多いと思います。
この反射区の概念は、2500年以上前の中国で原型が作られたとされ、時代を経て各地に広まり、ヨーロッパでは「フット・リフレクソロジー」として20世紀に広まっていました。

足の冷えはまず指先から始まり、足の裏、甲部、踝(くるぶし)、ふくらはぎ、膝、太股、股関節というように、徐々に上部に向かって固く冷たくなります。
この状態が踝まで来ると下の血圧が高くなり、膝まで来ると上の血圧が高くなって、高血圧の人は膝の裏に固いしこり(卵のような塊)があり、そこをもみほぐすととても痛がる傾向にあります。
膝まで詰まった状態の血液循環の阻害は、心臓からの圧力を強くしないと下方まで下がりませんので、それが高血圧だとも解釈できますね。
怖いのは、こうして循環を阻害された血液がどこに行くかということです。
結論として、下半身が詰まると、行き場のない余分な血液はどんどん上半身に突き上げてきますので、各臓器に次のような影響が出ます。
【腎臓】濾過が間に合わずに、汚れを他の臓器に回す。
【脾臓】血液の成分とそうでない成分を分けるのが間に合わなくなる。→再生不良の血液を他の臓器に回す。
【肝臓】解毒が十分にできない。
【小腸】栄養が吸収できない。
【大腸】水分を身体に回せない。
【心臓】東洋医学で瘀血(おけつ)、西洋医学で高コレステロールの高い血液が心臓を弱らせる。
【頭部】毛細血管を詰まらせたり破ったりする。
【肺】空気中の酸素を充分に取り入れられなくなる。
【脳細胞】酸素の足りない血液によって、脳細胞が死滅する。
こんなふうになったらイヤですね。
ですから、重ね履きだけで寒さを凌ぐのではなく、ぜひ根本的なところから改善するようにして欲しいと思います。
それが出来たら、血液の循環が良くなることで、各臓器に負担がかからなくなります。
そして、細胞に酸素と栄養が届くようになって、弱った細胞を健康な状態に戻すことが可能になります。
また、足(正確には脚部)をもむことで、静脈のそばを走っているリンパ腺のマッサージができ、身体に抵抗力がついてきます。
台湾の官有謀先生は、戦争で例えるなら「血液が食糧、リンパが兵隊、神経が通信部隊」といっています。
これら3つがすべて揃っていないと、病原菌に負けてしまい、健康な状態を維持できなくなり、病気で悩んだり、痛みで苦しんだりすることになると。
反射区というのは素人には難しく感じられますが、そんなときには足の裏とふくらはぎを揉むだけでも違いますし、足湯をするだけでも違います。
とにかく下半身は冷やさないこと、ただし締め付けて血流を阻害するような服装はしないこと。
そんなことを考慮しながら、下半身をたくましく弾力ある状態にしましょう。
下半身が強ければ生命力に溢れます。
それが一番自然で無理のない健康法につながると思います。
なお、マクロビオティックでは同じ冷えでも、陽性の冷えと陰性の冷えがあると考えていますが、それについては別の記事で書きたいと思います。
ステロイドの処方量が減り続けている塾生さん
むそう塾生の智さんからメールをいただきました。
前回に続いて今月もお薬の量が減ったそうです。
玄米を食べ始めて1か月、2か月、3か月とステロイドの処方量が減り続けています。
ご本人は諦めていた難病なのに、こんな変化があって私や中川さんはもちろん、ご本人とご主人様が一番嬉しいことと思います。
腸を変えるんだよ〜といいながら過ごした夏でしたが、こうして嬉しい方向で今年を終えられそうで本当に良かったです。
同じ県に住む先輩むそう塾生のののかさんが、小豆玄米ご飯と餡かけうどんをご馳走してくださったそうで、そのことも心が温まって嬉しかったです。
ののかさん、お世話になりました。
<智さんからのメール>
むそう塾 中川善博 様、マクロ美風 様
こんにちは。
来週は愛クラスの再受講でお伺いいたします。
改善点を見つけふうわり柔らかな玄米ご飯を炊くこと、小豆玄米ご飯も炊けるようになることが目標です。
ご指導頂けますようどうぞよろしくお願い申し上げます。
先週12月9日に定期通院しました。
風邪を引いていたにもかかわらず貧血以外は検査結果が良好で、ステロイド1mg減量になりました。
ありがとうございます。
また、一昨日12月15日にののかさんのお宅を訪ねた際、
お昼に餡かけうどんと小豆玄米ご飯をご馳走になりました。
私はもう大感激で、夫は「どんなにすごいことなのかはよくわからないけど、とにかく美味 かった!」
と言っておりました。
ありがとうございます。
感謝の思いをうまく表現できずもうしわけありません。
玄米ご飯、お味噌汁、糠漬けと共に歩んでまいりますので、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
智より

智さんがメールに添付してくれたお写真です。
東京へ向かう電車の中から撮影されたそうです。
カテゴリー: からだ, むそう塾の雰囲気(塾生の体験談を含む)
4件のコメント
寝るときには靴下を履かないようにしましょう
自然界のものには個体差というのがありますから、人間もまた個人差があって当然です。
しかし人間には知識という厄介なものがあって、その個人差を良い方にではなく悪い方にとらえてしまう人が多いように思います。
お仕事でも暮らし方でも、生き方までもが個人差があって当たり前なのです。
親からもらったこの身体だって個人差があります。
同じ親から生まれて同じように育てられても兄弟で個人差があります。
それは当たり前のことなのですから、第三者と比較して自分を卑下したり落ち込んだりするのはナンセンスです。
特に日本人は他と同じであることに安心する国民のようですが、そのこと自体が不自然なことだとそろそろ気づくべきです。
たとえば健康ですが、おおよそ健康的とは思えない食生活をしていても元気な一生を送る人もいるし、健康に細かく気をつけた食生活をしていても今ひとつパワーを感じない人もいます。
これには精神面からの影響もあるので、自分で自分の健康法を確立した方が良いですね。
多くの情報を入手しても、それに翻弄されているようでは確かな健康は望めません。
答えは全部身体が教えてくれるのですが、自分の感覚が鈍っていると見過ごしてしまいます。
感覚が一番敏感なのは人間の持って生まれた機能そのものでしょうか。
たとえば指・舌・眼・耳・肌などを通じてたくさんの感覚をキャッチすることが出来ます。
指は指紋を通じてさらに細かなことまで判断出来るのですが、最近は冷え対策として靴下の重ね履きをする人が増えて来ました。
足というのはいっぱいのセンサーがあって、特に指先は氣の出入りする部分でもあるので、できれば素足、寒い場合は締め付けない程度の靴下で済ますことが理想的です。
寒い時期に手袋をすると、お財布からお金を出すときに感覚が鈍っていることがお判りでしょう?
それと同じく、足の裏も実は靴下を履くことによって感覚が鈍るのです。
ですから、小さなお子さんは靴下をなるべく履かせないで足の裏の感覚を敏感にしてあげると良いですね。
私も息子をそんなふうにして育てました。
寒い冬の朝に、素足が見える足元を見るのは可哀想な気もしましたが、息子は元気に登園していました。
* * *
ところで、冷えがひどくて夜も靴下を履いて寝る人がいますが、これはおすすめできません。
寝ていても足の裏や指先はたくさんの老廃物を出そうとします。
その時に靴下を履いていることはあまり理想的ではないことが容易に想像出来ると思います。
もし靴下が必要なくらい足元が冷えるなら、まずはお布団を厚くするか、足元だけでも暖かくしておきましょう。
主に敷布団側を暖かな素材にすると効果的ですが、化学繊維や発熱素材は体をなまけものにするのでおすすめしません。
それでもまだ靴下が必要と感じる人は、徹底的に体調改善に取り組みましょう。
食べ物の力で体を温めるようにするのは勿論ですが、積極的に足(脚)への刺激を加えましょう。
具体的な足への刺激は足湯であったり、マッサージであったり、歩くことであったりします。
現代人は極端に歩かなくなって来ました。
このままでは足は退化の方向に向かうことでしょう。
冷え性は黄色信号、冷え症になったら立派な病気です。
冷えを侮らないで真剣に向き合いましょう。
一番良いのは体の内側から温めることです。
食べ物で改善できることも多いので、ぜひお試しください。
次は重ね履きの賛否について書いてみたいと思います。

(中川式鴨うどん 料理:京料理人 中川善博)
冷え症の人には温かいスープをおすすめします。
豚肉や牛肉より鶏肉の方が体温が高いので冷え症の人向きですが、寒い季節には鴨肉がより効果的です。
マクロビオティックの陰陽を知ると、その辺のところが陰陽で理解できるのですが、一つの大事な考え方として、鴨の旬は冬だからということが言えます。
冬に旬を迎える食材は、体を温めるものが多いのです。
写真の鴨うどんは、鴨雑煮の授業で中川さんが使った鴨肉の残りで作ってくれました。
上級幸せコースでお伝えする「うどん屋さんの出汁」はとっても美味しくて、お汁を全部飲み干さずにはいられませんでした。
腎臓と食生活のこと
私たちはお母さんのお腹からオギャーと産まれて来たわけですが、実はお母さんのお腹の中にいる時に、すでにその人のパワーのほとんどは決まっています。
残りのパワーを後天的に補って行くわけですが、小さい時にはその役目の大半を母親が果たし、大きくなったら自分で管理しなければなりません。
パワーの主なものは腎臓が請け負っていますので、腎臓が強いか弱いかということはとても大きな要素になります。
じゃあ、この腎臓はいったい誰の責任で強くなったり弱くなったりするのでしょうね。
それはやはりご先祖様まで遡らないといけません。
私が野口整体をしていた時には、7代先のことを考えろと言われました。
ということは、私たちの暮らし方は7代先の子孫にも影響するということですね。
ちなみにマクロビオティックでも3代くらいは遡ってその人の症状を考えますし、精神面ならもっと遡ります。
たとえばあなたの腎臓はどんなふうにご先祖様の影響を受けてきたのでしょうか?
それは、あなたの「祖母がご先祖様から受け継いだものと、祖母の食生活」で祖母の腎臓が決まり、あなたの「祖父がご先祖様から受け継いだものと、祖父の食生活」で祖父の腎臓が決まります。
それがあなたの父方と母方の祖父母の要因としてあなたの父と母に影響します。
つまり、「父と母が祖父母から受け継いだものと、父と母の食生活」で父と母の腎臓が決まるのです。
そして次はあなたの番です。もうお分かりですね?
「あなたが父母から受け継いだものと、あなたの食生活」であなたの腎臓が決まります。
ということは、あなたの腎臓の状態はあなたの責任でもあるわけです。
ご先祖様からの影響はもう受けていますので、これから将来に向けてあなたが腎臓を守れるような食生活を心がける必要があります。
中医学では腎臓の働きが弱ったり衰えている人を「腎虚」と分類しますが、マクロビオティックなら陰性陽性という言葉で分類します。
「腎虚」には8つのタイプがあって、細かく見ていくと、どこかに自分が当てはまってしまって、自分は病人だと思ってしまう人もいるので、素人があまり首を突っ込むことはおすすめしませんし、ここではそれが目的でもありません。
私の恩師は病人を8タイプに分けて指導に当たっていましたが、それは高いレベルだからこそ出来ることです。
ここでは、腎臓が生命エネルギーの源であることを知っていただいて、だからこそ精エネルギーを司る臓器として、腎臓をしっかり守ってほしいとお伝えしたいのです。
もしあなたに何か不調があったなら、まず第一に腎臓のことを思ってください。
なぜなら、そのくらい腎臓はあらゆる症状に影響していますし、腎臓は水にも関係するため、寒くなるこれからの季節に悪化することが多いからです。
また、腎臓は耳や骨にも関係し、恐れる感情にも影響しています。
ですから、これからの季節は耳を温めたり、少し塩分を意識してみたり、鹹さ(塩からさ)を上手くコントロールしましょう。
むそう塾はマクロビオティック京料理教室として、補腎となるように、塩分の上手な摂り方をそれぞれのお料理に最高の形で陰陽を活かしています。
後天的に腎臓を育てるのはあなたの食生活が鍵を握っています。
ぜひお料理を通じてあなたの生命力を最大限に発揮できるようにしましょう。

(玄米のお雑炊 料理:京料理人 中川善博)
寒い季節には空気が乾燥します。温かくて水分のあるお料理は腎臓を守ってくれます。
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