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寝るときには靴下を履かないようにしましょう
自然界のものには個体差というのがありますから、人間もまた個人差があって当然です。
しかし人間には知識という厄介なものがあって、その個人差を良い方にではなく悪い方にとらえてしまう人が多いように思います。
お仕事でも暮らし方でも、生き方までもが個人差があって当たり前なのです。
親からもらったこの身体だって個人差があります。
同じ親から生まれて同じように育てられても兄弟で個人差があります。
それは当たり前のことなのですから、第三者と比較して自分を卑下したり落ち込んだりするのはナンセンスです。
特に日本人は他と同じであることに安心する国民のようですが、そのこと自体が不自然なことだとそろそろ気づくべきです。
たとえば健康ですが、おおよそ健康的とは思えない食生活をしていても元気な一生を送る人もいるし、健康に細かく気をつけた食生活をしていても今ひとつパワーを感じない人もいます。
これには精神面からの影響もあるので、自分で自分の健康法を確立した方が良いですね。
多くの情報を入手しても、それに翻弄されているようでは確かな健康は望めません。
答えは全部身体が教えてくれるのですが、自分の感覚が鈍っていると見過ごしてしまいます。
感覚が一番敏感なのは人間の持って生まれた機能そのものでしょうか。
たとえば指・舌・眼・耳・肌などを通じてたくさんの感覚をキャッチすることが出来ます。
指は指紋を通じてさらに細かなことまで判断出来るのですが、最近は冷え対策として靴下の重ね履きをする人が増えて来ました。
足というのはいっぱいのセンサーがあって、特に指先は氣の出入りする部分でもあるので、できれば素足、寒い場合は締め付けない程度の靴下で済ますことが理想的です。
寒い時期に手袋をすると、お財布からお金を出すときに感覚が鈍っていることがお判りでしょう?
それと同じく、足の裏も実は靴下を履くことによって感覚が鈍るのです。
ですから、小さなお子さんは靴下をなるべく履かせないで足の裏の感覚を敏感にしてあげると良いですね。
私も息子をそんなふうにして育てました。
寒い冬の朝に、素足が見える足元を見るのは可哀想な気もしましたが、息子は元気に登園していました。
* * *
ところで、冷えがひどくて夜も靴下を履いて寝る人がいますが、これはおすすめできません。
寝ていても足の裏や指先はたくさんの老廃物を出そうとします。
その時に靴下を履いていることはあまり理想的ではないことが容易に想像出来ると思います。
もし靴下が必要なくらい足元が冷えるなら、まずはお布団を厚くするか、足元だけでも暖かくしておきましょう。
主に敷布団側を暖かな素材にすると効果的ですが、化学繊維や発熱素材は体をなまけものにするのでおすすめしません。
それでもまだ靴下が必要と感じる人は、徹底的に体調改善に取り組みましょう。
食べ物の力で体を温めるようにするのは勿論ですが、積極的に足(脚)への刺激を加えましょう。
具体的な足への刺激は足湯であったり、マッサージであったり、歩くことであったりします。
現代人は極端に歩かなくなって来ました。
このままでは足は退化の方向に向かうことでしょう。
冷え性は黄色信号、冷え症になったら立派な病気です。
冷えを侮らないで真剣に向き合いましょう。
一番良いのは体の内側から温めることです。
食べ物で改善できることも多いので、ぜひお試しください。
次は重ね履きの賛否について書いてみたいと思います。
(中川式鴨うどん 料理:京料理人 中川善博)
冷え症の人には温かいスープをおすすめします。
豚肉や牛肉より鶏肉の方が体温が高いので冷え症の人向きですが、寒い季節には鴨肉がより効果的です。
マクロビオティックの陰陽を知ると、その辺のところが陰陽で理解できるのですが、一つの大事な考え方として、鴨の旬は冬だからということが言えます。
冬に旬を迎える食材は、体を温めるものが多いのです。
写真の鴨うどんは、鴨雑煮の授業で中川さんが使った鴨肉の残りで作ってくれました。
上級幸せコースでお伝えする「うどん屋さんの出汁」はとっても美味しくて、お汁を全部飲み干さずにはいられませんでした。
腎臓と食生活のこと
私たちはお母さんのお腹からオギャーと産まれて来たわけですが、実はお母さんのお腹の中にいる時に、すでにその人のパワーのほとんどは決まっています。
残りのパワーを後天的に補って行くわけですが、小さい時にはその役目の大半を母親が果たし、大きくなったら自分で管理しなければなりません。
パワーの主なものは腎臓が請け負っていますので、腎臓が強いか弱いかということはとても大きな要素になります。
じゃあ、この腎臓はいったい誰の責任で強くなったり弱くなったりするのでしょうね。
それはやはりご先祖様まで遡らないといけません。
私が野口整体をしていた時には、7代先のことを考えろと言われました。
ということは、私たちの暮らし方は7代先の子孫にも影響するということですね。
ちなみにマクロビオティックでも3代くらいは遡ってその人の症状を考えますし、精神面ならもっと遡ります。
たとえばあなたの腎臓はどんなふうにご先祖様の影響を受けてきたのでしょうか?
それは、あなたの「祖母がご先祖様から受け継いだものと、祖母の食生活」で祖母の腎臓が決まり、あなたの「祖父がご先祖様から受け継いだものと、祖父の食生活」で祖父の腎臓が決まります。
それがあなたの父方と母方の祖父母の要因としてあなたの父と母に影響します。
つまり、「父と母が祖父母から受け継いだものと、父と母の食生活」で父と母の腎臓が決まるのです。
そして次はあなたの番です。もうお分かりですね?
「あなたが父母から受け継いだものと、あなたの食生活」であなたの腎臓が決まります。
ということは、あなたの腎臓の状態はあなたの責任でもあるわけです。
ご先祖様からの影響はもう受けていますので、これから将来に向けてあなたが腎臓を守れるような食生活を心がける必要があります。
中医学では腎臓の働きが弱ったり衰えている人を「腎虚」と分類しますが、マクロビオティックなら陰性陽性という言葉で分類します。
「腎虚」には8つのタイプがあって、細かく見ていくと、どこかに自分が当てはまってしまって、自分は病人だと思ってしまう人もいるので、素人があまり首を突っ込むことはおすすめしませんし、ここではそれが目的でもありません。
私の恩師は病人を8タイプに分けて指導に当たっていましたが、それは高いレベルだからこそ出来ることです。
ここでは、腎臓が生命エネルギーの源であることを知っていただいて、だからこそ精エネルギーを司る臓器として、腎臓をしっかり守ってほしいとお伝えしたいのです。
もしあなたに何か不調があったなら、まず第一に腎臓のことを思ってください。
なぜなら、そのくらい腎臓はあらゆる症状に影響していますし、腎臓は水にも関係するため、寒くなるこれからの季節に悪化することが多いからです。
また、腎臓は耳や骨にも関係し、恐れる感情にも影響しています。
ですから、これからの季節は耳を温めたり、少し塩分を意識してみたり、鹹さ(塩からさ)を上手くコントロールしましょう。
むそう塾はマクロビオティック京料理教室として、補腎となるように、塩分の上手な摂り方をそれぞれのお料理に最高の形で陰陽を活かしています。
後天的に腎臓を育てるのはあなたの食生活が鍵を握っています。
ぜひお料理を通じてあなたの生命力を最大限に発揮できるようにしましょう。
(玄米のお雑炊 料理:京料理人 中川善博)
寒い季節には空気が乾燥します。温かくて水分のあるお料理は腎臓を守ってくれます。
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾, からだ, 食べ物あれこれ
2件のコメント
人の身体や精神はその人固有のバランスを持ってる
きょう京都からの帰り道、Twitterを覗いていたら、下のようなTweetがありました。
きょうの深夜に書いた私の記事も、これと同じような背景を踏まえての記事でした。
こういうことを伝えたかったのです。
それにしても、良いタイミングでこのTweetを見つけました。
私が下のTweetの中で注目するのは、「施術を受けても自分の中に毒を持ったままでいられる。」という一文です。
ここがとても大事ですね。
ロボットのように同じ型にはめていくのではなく、その人らしさを残したままバランスを整えるというのが本来の整体であることを物語っています。
つまり、本当の健康とは歪んでいてもいいわけであって、施術者が理想を押し付けるのではなく、相手が気持ちよくしていられたらそれでいいのです。
あくまでも相手の立場に立つことが不可欠です。
<Twitterより>
Un Yamada @uncoubou
時々整体に行くと骨格や内臓は正しい位置にはまるけど何か気持ち悪く扱いずらくなり、癖や思考や踊りにあったスパイスが消えてしまう事がある。その場合歪まないように生活したくなるし歪むことが悪だと思うようになるし自分の体をどんどん受け入れられなくなったりする。正しさは人それぞれなのに。
Un Yamada @uncoubou
若林先生が凄いなーと思うところは私の体を私が扱いやすいようにしてくれるけど一般的な正しさの中に押し込めないこと。気力と体力のバランスを整えてくれて、施術を受けても自分の中に毒を持ったままでいられる。
若林理砂 @asilliza
多分、私自身が自分の精神と肉体の歪みを自覚してるからだろうなぁと思うことがあります。その人の身体や精神はその人固有のバランスを持ってるから、よそから「これが正しい」と矯正しても意味のないこと。
若林理砂 @asilliza
特にアスリートやクリエイターは、「壊さないでね、歪めないでね」がムリな人々。物理的世界から乖離しないことと、次元の違うクリエイションやパフォーマンスを産むことのせめぎあいを助けるのが私たちの仕事。
以上引用おわり
(ふろふき大根 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
歪んでいても、ずれていても、曲がっていても、それも自分
整体でもカイロプラティックでも、人の身体に触れることを職業とされている人が案外犯しがちなこと。
それは教科書どおりの身体でなければ、すべて異常と判断して調整しようとしてしまうことです。
結論からいってしまうと、少々骨がずれていても、姿勢が歪んでいても、指が曲がっていても、長年の間にその人にとってはそれがちょうど良いことがあるのです。
それを単純に教科書的に矯正してしまうと、他のところに歪みが生じたり、痛みが出たり、不快な症状に悩まされる場合があります。
みんなお顔が違うように、人の身体もそれぞれの個性があって、異常かと思えるような特徴にビックリすることがあります。
ベテランになると、その一見異常とも思える部分の存在をまるごと認めて、そこには手をつけないで他の部分に着目したりします。
私の父も若いお医者さんが「これは大変です」というのを、「いやいや、これで何十年もやって来ているので、ここは別にこれでもいいんだよ」とやんわり返していたことがあります。
あるいは、夫もカイロプラティックにたった一度だけ行った際に、骨盤を矯正しますと余計なところをいじられて、その後股関節が痛いといい、完全に痛みが消えるまで3年ほどかかりました。
ですから人の身体に触れる職業の人は、本当に腕を磨かねばなりません。
ちなみに頭はとても敏感なところなので、すぐ体調に影響します。
美容院では頭をマッサージするところもありますが、そのせいで体調が狂うのがいやなので、私は頭のマッサージはいつもお断りしています。
自分の頭は信用できる人にしか触らせません。
自分の体は自分でかなり調整できます。
ですから、骨折部分を元に戻す場合などを除いて、あまり機械的にいじくりまわさない方が良いと私は思っています。
(ひじき豆 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
身体に少しの毒はあっても良い
昨日久しぶりに野口整体のことを書いたので、ついでにもう一つ。
野口整体ではお食事のことをあまり厳しく言いません。
しかし、「白いものは体に良くないよ〜」的に言われますが、マクロビオティックのように細かく陰陽で分類することはありません。
大雑把な言い方をすると、何を食べても良い体にすることが目的なのでそれは当然のことなのですが、あまり理詰めで食べ物に目くじらを立てることがありません。
たとえば、体に好ましくない働きをするものは、すぐ排除しようとする人が多い現在の世の中ですが、野口整体ではその好ましくないものも健康には意味のあるものと考えるのです。
少々の毒は身体に効果的な面もあるので、体内毒を一掃しようとやっきにならないことです。
よく潔癖症の人は神経質になって食べ物に膨大な時間と神経を使うのですが、その割には健康的ではなかったりします。
それよりも、のほほんとしている人の方が何となく健康的だったりすることも多いです。
なぜなら、身体はいつでも怠け癖がつきやすいので、常に身体を理想的な状態にしないことによって、逆に健康になろうとする身体の働きを呼び起こさせられるからです。
つまり、毒もちょっとあった方が良いということになります。
心身ともに完全に満たされた状態は渇望感に薄れ、丹田に力がありません。
人のパワーは丹田にあるので、ここがズブズブの人はいただけません。
あなたの丹田をちょっと触ってみてください。
満ちていますか?
満ちる(陽性)前は欠乏(陰性)も必要なのです。
いつも満たすことを考えていても満ちません。
その時には反対分子の存在が役立つのです。
この辺のカラクリはマクロビオティックの陰陽で面白いように解説出来ますね。
この記事に書かれていることは、断食をしてみるといっぺんに納得できます。
(京都 真如堂にて 2015.11.24)
カテゴリー: 子育て・野口整体・アトピー, からだ
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