鱧寿司物語

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 塾生作品のお弁当

 
 

(鱧寿司と小巻 料理:むそう塾生  麗可さん マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

このお寿司は先日のお弁当投稿で100点をもらいましたが、この裏では感動的なことがありました。
3連続講座のあった8月9日(火)。
授業中にむそう塾生のユーキさんからスタッフの麗可さんにiMessageがありました。
内容は11日の夜に病気療養中のお父様に鱧寿司を食べさせたいとのことだったのですが、10日も11日も授業があります。
大阪から京都に通う麗可さんが、10日の夜に鱧の購入から始まって鱧をおろしてお寿司を作ることを11日の朝までにしなければなりません。
果たして可能なのか?

結果として麗可さんは、それを決行しました。
そのうえ、出汁巻き玉子も焼いたのですから凄いことです。
お子さんもいらっしゃるようなので、胡瓜巻きにはわさびを入れない配慮もされました。
・盛り合わせ2折
・鱧寿司1本
・鱧巻き3本(うまきの鰻が鱧に置き換わったもの)

麗可さんはこれらを作ってからいつもどおり京都まで来てくれました。
11日のお弁当講座では、ユーキさんも洗い物のお手伝いに来てくれて、授業後大急ぎでお寿司を持ってご実家へ。

その後のユーキさんから麗可さんへのメールが何とも感動的だったのです。
【昨日は鱧のお料理をたくさんありがとうございました。家族全員大喜びでした!!父は棒寿司を5切れも食べました!!数ヶ月前から、声量がかなり落ちていて、滑舌も悪く聞き取れないことが多くあったのですが、驚いたことに、気付いたら元気な声でしっかり喋っていて、鱧パワーのおかげだと思いました。みんな集合できたので、とてもうれしそうな姿が見れてよかったです( ;  ; )麗可ちゃんのおかげです。ありがとうございました。】

ね、素晴らしいでしょう?
前日の10日には抗癌剤を打ったばかりということでだったので、さぞかし体調がおつらかったと思うのですが、前に麗可さんの鱧を鱧うどんにして「美味しい!」と涙を流して召し上がってくれていたそうなので、その美味しさが蘇って来たのでしょう。
ユーキさんからの報告を聞いて麗可さんはどれほど嬉しかったことか。
寝不足して作った疲れが吹き飛んだに違いありません。

中川さん仕込みの鱧寿司や鱧巻きの美味しさは、こうして床に伏しておられるご病気のかたに、一時的であっても活力を与えたことが素晴らしいと思います。
ユーキさんもお父様のそばで美味しいお料理を作ってあげたいと、どれほど思われていることか・・・。
そして、出来ることなら奇跡がおきることを願っておられることでしょう。
私も祈っております。

それにしても麗可さんは頑張りましたね。
さすが「鱧のおじさん」(笑)と中川さんから呼ばれているだけあって、男性のような潔い行動力でした。
女性にしておくのがもったいない(^^)

 
 

【これから開催予定の講座案内】

 
 
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コメント

  1. 麗可 より:

    美風さん、おはようございます。
    ユーキチャンからのメールを中川さんに見せた所、講座終わってから作る体力と気力あるなら作っていいよと言って頂き、迷う事なく作る事にしました。
    出来るか出来ないかではなく作ってあげたい、作りたいと思いました。

    たくやさんには事情を話して仕事が終わったら引き取るので、それまで預かってて欲しいとお願いしました。
    いつも朝市場で締めた鱧を買うのですが、今回はたくやさんのご好意で、お店の水槽で夕方まで泳がして下さりました。
    そのお陰でおろしてる時も骨切りしてる時もピクピクして、流線も出ました。

    中川さんの鱧寿司に感動して少しでも近付きたい、ただそれだけで練習をして来ましたが、ユーキチャンのお父様が一時的にでもお元気になられ、ユーキチャンやご家族の方達にも喜んで頂けて本当に嬉しかったです。
    たくやさんも、魚屋しててよかったと喜ばれてました。
    練習し続けてきてよかったと思いました。
    鱧のおじさん、これからも修行頑張ります。

    • マクロ美風 より:

      麗可ちゃん、おはようございます。

      「講座終わってから作る体力と気力あるなら」という中川さんの言葉も、「迷う事なく作る事にしました。出来るか出来ないかではなく作ってあげたい、作りたいと思いました。」という麗可ちゃんの言葉にも心意気を感じますよね。
      私は生きる上で「心意気」がとても重要だと思っています。
      その心意気にはスピードが必要なのですが、麗可ちゃんはそれも併せ持っていて、本当に気持ちの良い人だなあと改めて思いました。

      今回は、ユーキちゃんのおかげで貴重な経験をさせてもらえましたね。
      ユーキちゃんのお父様に喜んで召し上がってもらえたことは、麗可ちゃんの鱧寿司物語に残る大切な1ページです。
      こういう経験をさせていただきながら、腕が上達して行くのですから、ありがたい機会でしたね。
      きっととても遠慮しながらメールを送ったであろうユーキちゃんも、お父様の姿を見て教えられることがあったに違いありません。
      美味しいものがこんなにも人を変える現実を目の当たりにして、彼女なりに心に決めたことがあると思います。
      先輩としても良いお手本になった出来事でした。
      このことを私は高く評価しています。

      それから、たくやさんにもご協力していただき、「魚屋しててよかった」と思っていただけたことも嬉しいです。
      麗可ちゃんを中心に周りに笑顔が広がって行くこの生き方。
      これこそがマクロビオティックの真の生き方ですね。
      とても素晴らしいことです。
      そして、鱧のおじさんに惚れます♡

  2. ユーキ より:

    美風さん

    おはようございます。
    奇跡がおきるのを願っている反面、どこかで覚悟を決めておかずにはいられない部分もあります。
    元気なときの姿を思うと、やはりその時がくるのは遠い話ではないかもしれないと思わざるを得ないというのが正直な気持ちです。
    来年自分でおろした鱧で棒寿司を食べてもらいたいと思っていましたが、叶わないかもしれない。
    生きてくれていたとしても、美味しく食べられる身体ではないかもしれない。
    無理を承知で麗可ちゃんにお願いさせていただきました。
    連続講座があるお忙しい中にもかかわらず、快く引き受けてくださり、父の分だけでなく家族の分まで気遣ってたくさん作ってくれました。
    幸せな時間を麗可ちゃんのお陰で過ごすことができました。
    本当にありがとうございました。
    むそう塾には目標とする素晴らしい先輩がいて、中川さん、美風さんもいる。
    それが今のわたしにはとても心強いです。

    • マクロ美風 より:

      ユーキちゃん、こんにちは。

      心の内がにじみでていて、いい文章だなあと思いました。
      お父様のご病気には奇跡が起こってほしいと私も思います。
      しかし、奇跡を起こせるかどうかはご本人次第なんですよね。
      そこが家族としてのジレンマでもあります。

      ユーキちゃんのお気持ちを十分理解したうえで、中川さんも麗可ちゃんも即座に「作る」決断をしていました。
      お父様が身をもって示してくださった「美味しいものの威力」は、病床にありながらも子供に学びを与えてくれますね。
      親の存在ってありがたいものです。

      来年にはぜひユーキちゃんの手で鱧寿司を作ってあげてください。
      そして、鱧寿司を召し上がることが出来るお父様でいてくれますように。

      • ユーキ より:

        美風さん

        たくさんの優しいお言葉をありがとうございます。

        はい、日々ジレンマとの戦いです。
        本人でないとわからない辛さの中、ポジティブに考えることは相当難しいことなのだな、と父を見て感じます。
        頑張れ、とは軽々しく言えないけれど、やっぱり頑張ってほしいと思ってしまいます。

        中川さんと麗可ちゃんの潔さに、たくさんの学びがありました。
        何度お礼を言っても足りません。
        たくやさんのご配慮にも心から感謝しています。

        • マクロ美風 より:

          ユーキちゃん、おはようございます。

          人生は自分のものだから、病気になることも治すことも自分で選んで良いのですが、残される家族としては「もっと生きてほしい」と思ってしまいますよね。
          親だからこそ、「その人の人生なんだ」と思うことはつらいものです。
          でも、それでいいのではないでしょうか。
          みんな自分のために生きているのだから。

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