薬(西洋医学)との付き合い方(薬剤師さんからの寄稿)

「陰陽を感じる日々の暮らし」コーナーに掲載した記事が、Facebookでも反応がありまして、コメントをしたい方もおられると思いますので、こちらでも掲載しておきます。
「陰陽を感じる日々の暮らし」コーナーは、もともと「塾生の声」として、一方通行の欄だったものを変更して使っていましたので、コメントがつけられない仕様になっています。
したがって、読んでくださる皆様のことも考えて、今後仕様変更も検討しますが、取り急ぎはこちらでの転載ということで対応したいと思います。
ご感想などをご遠慮なくコメントくださいませ。

 
 

<むそう塾生 恭子さん(29-4)から寄せられた原稿より>

【薬(西洋医学)とのつき合い方】

私は大学病院の薬剤師として働いています。
普段は入院中の患者さんに服薬指導をしたり副作用のモニタリングを行う仕事をしています。
月に数回夜勤をやっており、夜勤のときは救急外来を受診された患者さんの薬の調剤を行い服薬指導を行っています。

救急外来を受診する患者さんは薬(西洋医学)に頼っている方が多く、たいしたことのない症状でも受診して薬をもらって安心するようなケースが多々見られます。
時には主治医が 「投薬の必要はない」 と診断しても 「薬をもらうまでは帰らない」 というような患者さんもいて驚かされることもあります。
現代社会において薬(西洋医学)は救世主的存在であると認識されている証だとつくづく感じます。

しかし一方でマクロビオティックを実践している方や自然療法などを学んでいる方の中には薬(西洋医学)を毛嫌いしている方もたくさんいるのではないでしょうか?
確かに薬というのは化学物質でたくさんの添加物もたくさん含まれており、私たちの体にとって異物(毒)以外の何物でもありません。

我が家には3歳の息子がいますが、ワクチン接種は一切していませんし、風邪を引いたり、発熱したときも解熱鎮痛剤や抗生物質などの薬を服用させたことはありません。

私が息子にワクチンを接種させなかったり、薬を服用させなかったのは、ただ単に 「薬=異物(毒)」 だからという理由だけではありません。
ワクチンに関しては有効性と副作用を比較検討して必要ないと判断したため接種させませんでした。
風邪や発熱時の薬に関しては息子の症状や状態をよくよく観察した上で、息子の免疫力だけで克服できると確信したから服用させなかっただけです。
万が一、息子の症状や状態が薬を必要としていると感じたら、迷わず薬を服用させます。

先日,40℃以上の発熱をした小さな子供を連れた親御さんが救急外来を受診しました。
主治医が解熱剤の処方をしたのですが、そのご両親はとにかく 「薬は飲ませたくない」の一点張りでした。
40℃以上の発熱の場合,熱性痙攣などのリスクが高くなるので、解熱剤の服用させる必要性があることをお話しましたが,こちらの想いは届かなかったようです。
結局,お薬を受け取って帰宅した数時間後に熱性痙攣で搬送されてきてしまいました。

服薬による不利益もありますが、拒薬による不利益の方が大きくのしかかる場合もあるのです。

子供のことを守るのは親の役目です。
薬害から子供を守りたいという親の気持ちは私もよくわかります。
ただ、偏った知識で間違った判断をして不利益を被るのは子供なんです。

これを読んでるみなさんの中には「医学的知識があるから薬が必要か不必要か判断できるんでしょ?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに私は一般の方より医学的な知識はあるかもしれませんが、医学的知識よりももっと重点を置かなくてはならないことがあります。
それは子供の症状や状態をよく診る観察力です。
自分の子供の異変について良く観察した上で、家で様子を見れば良いのか?医師に診察してもらった方がいいのか?をまず判断してください。
私も判断に困ったときは医師に診察してもらうようにしています。
医師に医学的診断をしてもらい、普段の息子の様子を一番よく知っている母親の私が症状と状態を診て薬の必要性について最終的に判断しています。

もちろん、薬や西洋医学に頼らない生活をできることが一番です。
ただ、もしもの時に偏った知識による誤った判断で自分自身や大切な家族に不利益を与えないよう、薬や西洋医学と上手にお付き合いできるきっかけになってくれればと思い記事を書かせていただきました。

 
 

恭子さんの息子さん4

 
 

(近所のスーパーへ買い物に行く息子の姿です  いつもマイバック持参です)

【2016.6.19 恭子(29-4)記】

*   *   *

<マクロ美風より>
何でも医療機関に丸投げしてしまうのではなく、まずは自分で子供を守る姿勢が子育ての基本になるのは当然ですね。
しかし、現実には自分で勉強をしないで丸投げするか、西洋医学を頑なに拒否するか、このどちらかが多いので、過去に他のむそう塾生さんも同じようなメールをくださったことがあります。
「西洋医学と東洋医学とマクロビオティックの間で最良の選択を」
マクロビオティックを知りながら医療現場で働いている人は、きっと同じようなお気持ちなのだと想像します。
恭子さんの記事を参考になさって、親が判断ミスをしないようにしてもらえたらいいですね。

 
 
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コメント

  1. かのん より:

    美風さん、おはようございます。
    恭子さんの記事にたいへん共感いたしました。
    子どもの状態を良くみて、その時に応じた処置をほどこすこと。医師に丸投げせず、責任を持って判断、対処することの重要性は、自分が病気になってみて痛感いたしました。
    恭子さんのように育児に仕事に頑張り、素晴らしい手本となってくださっている方がいることに感謝して、自分も頑張ります。

    美風さん、コメント欄お借りします。

    恭子さん、いつもOBENTERSの投稿、拝見しています。今回の記事にたいへん勇気づけられました。私も先輩を見習って、育児にのぞみます。お忙しいところ、記事の投稿をありがとうございました。次回も楽しみにしています。

    • マクロ美風 より:

      かのんさん、こんにちは。

      かのんさんは周りが西洋医学に任せようとされる中で、時間をかけながらも薬に頼らない方法で病気の快復に向けて頑張りましたよね。
      同じく子育てをされているからこそ、恭子さんの言葉には一つひとつ染み入るものがあると思います。
      むそう塾の良き先輩であり仲間である恭子さんが、こうして多くの人に向けて発信してくださったことがとても嬉しかったですね。

  2. 姫(69−1) より:

    美風さんこんにちは。
    恭子さんの記事をブログでクローズして下さりありがとうございます。
    今回の記事は、私にとって本当にタイムリーでした。
    5月末に長男、そしてその15日後に次男が流行性耳下腺炎(おたふく風邪)に感染し、病院にかかったところでした。流行性耳下腺炎はウイルス性によるもので、特効薬がないので鎮痛剤のみの処方でした。もともと、私もできるだけ薬に頼らず子育てをしてきましたので、特効薬がない…と言われても、気になりませんでした。
    鎮痛剤も使わないだろう…と思いつつも、一応もらって帰りました。すると、割と痛みに強い長男が、悲鳴をあげるくらいの激痛に襲われて泣き叫んでいました。痛みはすぐに治まる事はなく2、3日は続くそうで、これは仕方ない…と鎮痛剤を飲ませました。すると、長男は5分くらいで何事もなかったようにケロリとしてました。この即効性が本当にびっくりして怖くなりましたが、2、3日はこんな日が続きました。薬で痛みが治まっている間に食事をしたり寝入ったりしました。薬に頼らざるを得なかったのを悔やまず、回復したら調整したらいいか…、と気持ちを私自身が切り替えられたのは、むそう塾を通じて色んな回復方法を教えていただいてるおかげです。(ぬか床がキープできていて良かったです。)
    2人とも、ピーク時は咀嚼もできなかったので、白米で対応していました。
    頑なに薬を使わず、頑なに玄米しか食べさせない、となっていたら今回は乗り越えられなかったかもしれないです。
    やっと、次男ももう一息で完治しそうなので、日常に戻れるのを心待ちにしています。
    医療従事者の自身のご経験からのお言葉は、本当に学びになります。
    恭子さんの『薬や西洋医学に頼らずに生活できるのが一番だけど偏った考えにはならないこと。そして、何よりも重要なことは子供の病状や状態をしっかり見る観察力。』この言葉はこれからも指針になります。
    むそう塾生で何人かいらっしゃる医療関係者の経験談、むそう塾生先輩お母さんの経験談、そして美風さんや中川さんが発信してくださる情報、知識。どれも大切な生きた情報です。
    これからも、自身でも学びつつ、しっかり観察できる母であれるように精進します。(まだまだ、オロオロすることも多いので…)

    • マクロ美風 より:

      姫ちゃん、こんにちは。

      >「頑なに薬を使わず、頑なに玄米しか食べさせない、となっていたら今回は乗り越えられなかったかもしれないです。

      むそう塾では「頑な」というのを一番注意しているかもしれませんね。
      頑なは偏りにつながるからです。
      ですから、あなたが臨機応変に判断されて息子さんを苦しめなかったのは正解だと思います。
      息子さんにお薬のアレルギーも出なくて良かったです。
      恭子さんが書かれているように、観察と判断が一番大事で、病院にかかる場合もこの観察情報を細かく伝えられた方が望ましいです。
      病気によっては症状の経過で病名が変わったり、処置が変わったりするからです。

      ところで、子育てっていつもいつも観察することに尽きるかと思います。
      子供は勝手に成長していくので、親は子供を観察しながら対応することになりますね。
      早く親から離れてくれる子、ゆっくり親のもとで自分を見つめる子、どちらもそれで良いのだと思いますが、その間中親は気をかけながら観察ですね。
      お子さんが早く快復されますように。

  3. おたに より:

    美風さんこんにちは。
    恭子さんの記事に大変共感しました。
    わたしはなるべく自然に、薬に頼らず子育てしたいと思いが強く、人の意見を柔軟に受け入れない頑固なところがありました。
    しかし生後少ししてから息子に病気が見つかり、現代医学によって命を救われました。息子の異変に気が付いたあの時、間違った判断をして頑なに病院に行かなければ手遅れになっていたかもしれません。わたしはいままでの自分の頑固さを強く反省しました。
    息子はこれからも病院や薬と付き合いが続きます。正直なところ、これで良いのかと毎日悩みながら心苦しい気持ちでいます。だからこそ、恭子さんがおっしゃるように、しっかり観察して偏らない正しい判断をして子供を守りたいです。
    恭子さん、これからの子育てにとても参考になる記事をありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      おたにちゃん、こんにちは。

      お子さんのことではあれこれ考えてしまうでしょうが、決してご自分を責めないでくださいね。
      お子さんもあなたも「今」を精一杯生きれば良いのです。
      長生きすることだけが生きる目的ではありません。
      いかに濃厚な時間を過ごすか。
      これはむそう塾に通っていたころから感じていたはずです。
      ですから、そのままお子さんに向きあえばいいんですよ。
      お薬のことで余計な悩みを抱えないようにね。

  4. おはる より:

    美風さん、おはようございます。
    頑なさのあまりに西洋医学の付き合い方、子供のこと、自分のこと、これまでいろいろ体験してしまいました。
    恭子さんの寄稿に頷くばかりです。

    年期をかけて何度か危うい状況にいたことを思い、母子共々無事に今あることが、ありがたいです。

    日々の学びの場をありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      おはるちゃん、こんばんは。

      あなたは頑固に西洋医学を拒否するタイプでしたね。
      それで周りとの摩擦を大きくしてしまいました。
      ま、それも勉強だと思えばいいでしょう。
      命がかかっていないのであればね。
      臨機応変ということも身につけて行きましょう。

  5. 恭子 より:

    美風さん、こちらにも記事にしてくださりありがとうございます。
    かのんさん、姫ちゃん、おたにちゃん、コメントありがとうございます。

    同じ悩みや葛藤を抱えているお母さんたちのお役に立てたら…と記事を書いたのでコメント嬉しかったです。

    あんな偉そうなことを書いた私ですが、実は子供の観察が大切だ!と痛感させらた出来事がありました。

    みなさんのコメントを見て、そのこともお伝えした方が良いなぁと感じました。

    それについてはコメントだと長くなってしまいそうなので、また後日記事にさせていただきたいと思うのですが…

    美風さん、それでも良いでしょうか?

    • マクロ美風 より:

      恭子さん、こんばんは。

      こうして皆さんが感謝してくださって嬉しいですね。
      「子供の観察が大切だ!と痛感させらた出来事」もぜひ記事にさせてください。
      子育て中の皆さんの参考になりますので、お待ちしています。

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