マクロビオティックは宗教食ではありません

マクロビオティックには誤解されていることがいくつかあるのですが、何と言ってもその最たるものは「完全菜食でなければならない」と思い込んでいることでしょうか。
何を隠そうこの私だって、マクロビオティックを知った当初は動物性を一切排除することだと思い込んで、徹底的にストイックなお食事をしていました。
そのうえ、病気治しのための講座を受けていたので、玄米菜食をすることによって病気が良くなる実例ばかり聞くと、玄米菜食バンザイのように思ってしまいました。

でも、よくよく勉強すると、そのようなお食事は半永久的に続けるものではなく、体の状態が変化したらそれに合わせて食べ方も変えなければならないと気づきます。
でも、病気がよくなった時のお食事に効果を体験した人は、なかなかそのお食事の呪縛から逃れられません。
そうこうしているうちに、その人の体調に合わないお食事を頭で摂るようになってしまい、体の反応に対応できていないことに気づきません。
よく自然食品店で見かける不健康そうな人は、ただいま病気中か、マクロビオティックを盲信している健康であるべき人だったりします。

ところで、私がマクロビオティックを始めた頃は今ほどマクロビオティックが知られていなかったので、第三者に説明するときには苦労したものです。
そこで相手がイメージしやすいように、「精進料理みたいなお料理」と言ったり、ベジタリアンといったり、ヴィーガンと言ったり、相手の認識に合わせて言葉を変えていました。
でも、もっと勉強を進めていくと、「マクロビオティック=宗教食」ではないことに気づきます。

マクロビオティックは体の状態に合わせて食べ方を変えることを教えているだけであって、精進料理そのものでもないのです。
私たちは日常的に「精進します」なんて言いますが、文字どおり精進したいときには精進料理にすればよいだけです。
それは精進料理のお食事を続けていると、精神面での煩悩がたしかに減ってくるのが分かります。
他の修行をしているわけではありませんから、僧侶のようになるわけではありませんが、考え方に変化が出てくるのは経験しています。
確かに食べ物の影響はあります。

桜沢如一先生が説いたマクロビオティックは、宗教食ではなく、「健康になるための食べ方」と、健康になった体でどう生きるかという哲学でした。
そのために10段階の食べ方を提唱しています。
そのうちの7・6・5・4・3段階には動物性が入っていませんが、2・1・−1・−2・−3段階には動物性が入っています。
一番多いものは−3段階の30%ですが、このあたりが知られていないことと、各段階を適用する判断が個々人には難しく感じるのでしょう。

この10段階だけでもお分かりのように、桜沢先生は動物性を排除することにこだわっているわけではないのですが、数多い著作物に動物性を嫌う文章が多く散見しているので、これが誤解のもとになっているのです。
ですから、すでに健康な人は無理に排除食をする必要はありません。
もしあなたが今、体調に不都合があるなら、それを改善するために食べ方を変えてみましょう。
それにはこんな何段階もの食べ方がありますよ。
ただそれだけのことを言っているのがマクロビオティックなのです。

今はあまりにもマクロビオティックが誤解されてしまって、良い面より悪い面がひとり歩きしていますが、それは「体調に合わせる食べ方」が難しかったのかもしれません。
いえ、頭では理解できても実行しにくい内容だったのかもしれません。
私はむそう塾で、そこのところを丁寧に一人ひとりの体調に合わせて実行しやすい方法でアドバイスしています。
ですから、むそう塾では動物性のお料理もお教えしています。
あくまでも現実を直視して、現場からマクロビオティックを考え直してみたいからです。
一人でも多くの人に真の健康と幸せを実感していただくために。


京都 無鄰菴の塀

(京都 無鄰菴の塀 この並びに瓢亭がある)


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コメント

  1. ふみよ丸 のコメント:
    美風さん、こんばんは。
    記事を拝読し、ほんまもんのマクロビオティックを教えて頂けるむそう塾に、最初から出会えた幸せを、改めて噛みしめました。

    愛クラスへ行ってすぐ位の時、ブログコメントに中川さんからこんなお返事を頂きました。
    『陰陽を振り回すのです。
     陰陽に振り回されている方のいかに多い事か。 情けない。
     幸せコースで待っていますよ。』

    その後幸せコースを受講し、現在上級幸せコースに通わせていただいていますが、陰陽を判断する時、いつもこの言葉が甦ってきます。

    むそう塾にお伺いするまで、ベジタリアンとヴィーガンとマクロビオティックの区別もつかないくらい無知でした。
    他のマクロビオティックスクールで学んだ経験も皆無なので、振り回されずに済んだのだと思いますが、未だ振り回すまでには至っていないなあと思います。

    でも、むそう塾で、繰り返し繰り返し教えて頂いている基本的なこと。
    ・主食(玄米ご飯)と副食の秩序を守ること(主より副が多いのは理に合わない)
    ・旬のモノをいただくこと
    ・その土地で出来るものをいただくこと
    (宇宙はそこに必要なものを用意してくれている。けど、人間が作った文明の利器によりその秩序が乱れ、色々なものが手に入るようになってしまった。そこをしっかり見分けて食べること)
    ・社会と調和していくことも大切で、外食や宴会なども楽しみ、1食だけで考えるのではなく1日単位で調節すればよいこと。
    ・よく噛んで食べること。
    ・カラダの声を聞くこと。

    これを守っているだけで、仕事で疲れても朝には回復するし、随分良い方向に変化しています(まだどう生きたいのかは、見つかっていませんが・・・)。
    また、むそう塾で教えていただくお料理は、心まで満たされる美味しさなので、少しの量で満足感があります。
    だから暴飲暴食することもありません。

    これからも上級幸せコースで、たくさんのお料理を教えていただけるのがとても楽しみです。
    引き続き、ほんまもんのマクロビオティックを学ばせていただけることが、ありがたいです。
    頑張りますので、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
    • マクロ美風 のコメント:
      ふみよ丸ちゃん、こんばんは。

      お伝えしたことをしっかりと覚えていてくださって、ありがとうございます。
      とても嬉しいです。

      >これを守っているだけで、仕事で疲れても朝には回復するし、随分良い方向に変化しています。
      >また、むそう塾で教えていただくお料理は、心まで満たされる美味しさなので、少しの量で満足感があります。
      >だから暴飲暴食することもありません。

      この3点を維持できることは、今の社会においてはある意味凄いことなのです。
      あれこれお金や時間をかけてこの3点を目指すより、食べ物の力と食べ方を知るだけで実現可能になることを教えてくれているのがマクロビオティックです。

      毎日いただくお食事に限りない可能性が含まれていることと、繰り返しの力を知ると、1食1食のお食事をとても大切に思えますよね。
      これからも美味しくて健康になれるお料理をお伝えしますので、しっかり復習して技術を身につけてくださいね。
      一生の財産になりますから。

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