私がマクロビオテッィクを知ってから一番納得したのは、「食べない効果」でした。
それは、「断食」や「少食」という修行僧のような世界を思わせる言葉とは裏腹に、実は「空腹の快感」を教えてくれたのでした。
それまで満腹が幸せ感につながると思っていた私には、空腹に快感があるなんて知らなかったのです。
過去にも「究極のグルメとは?」という記事で書きましたが、断食明けに口にするものが最高の美味しさだとはっきり言い切れます。
ところで、「細胞が自分を食べる オートファジーの謎」という本を読みました。
・出版:PHP研究所
・著者:水島昇
著者の水島氏は2011年現在で東京医科歯科大学の教授をされており、酵母から哺乳類へとオートファジーの研究を展開されているかたです。
ここには断食や少食の実行で感じていたことが、細胞のレベルで書かれていてとても納得しました。
後々の研究のために実験内容を細かく書いた本なので、楽しい読み物としてお薦めする本ではないのですが、食べないことの快感をもっと知りたかった私にとっては面白い本でした。
この本の中に興味のある文章がありますので写真で掲載します。
207Pにある次の文章の一部が、先日私がTwitterで呟いた内容です。
<引用開始>
寿命の研究は現在盛んに行われているが、大きな注目を集めているのがカロリー制限による寿命延長効果である。
これは、線虫、ショウジョウバエ、マウスなどの多くのモデル生物で確認されている。驚くべきことに、出芽酵母のような単細胞生物でも、カロリー制限によって分裂回数などを伸ばすことができている。
カロリー制限は完全な絶食ではなく、普通の食事の六〇%程度のカロリーに抑えるというのが一般的な方法である。しかし、この程度の弱い飢餓でもオートファジーが誘導されることが線虫やマウスの実験からわかっている。
<引用終わり>
断食についての記述もあります。
<引用開始>
最近は週一回食事(固形物)をとらず、水分のみをとる、いわゆる「プチ断食」というのが世間で流行しているようだが、線虫の研究から確かに断続的なカロリー制限でも寿命延長効果があることがわかっている。その場合、オートファジーが関係するかどうかはまだ不明である。
地球上では依然として飢餓が深刻な問題である一方で、先進国では過栄養による健康障害が問題となっている。過度の食事がさまざまな悪い効果を及ぼすことはよく知られた事実であるが、オートファジーを不活性化することで新陳代謝を抑制していることもその一因である可能性もある。少なくとも細胞レベルで見た場合、過剰な栄養は新鮮さを損なうといえるであろう。
<引用終わり>
マクロビオテッィクをしている者は、常に細胞のことを意識して食生活や体のことを考えていますので、この最後の一文には深く納得します。
>少なくとも細胞レベルで見た場合、過剰な栄養は新鮮さを損なうといえるであろう。
つくづく食べ過ぎを戒めたいと思う本でした。