マクロビオティックで泣く時 本物の自由人になるために

昨日は「夏の特別料理 涼麺と賀茂茄子のピザ」を開催しました。
最初は麺つゆにするお出しの取り方から始まりました。
一般的なマクロビオティックの出汁の取り方とはまったく異なる方法なので、すでに他のマクロビオティック指導校で何年も学んでいた人はビックリ!
すでにその段階で相当ショックだったようです。
むそう塾で教えているのはプロの料理人であること、そしてその一流料亭の味を家庭でも素人が再現出来るように工夫されていることが、独特の料理法につながります。
お料理の途中で目をまん丸くして、「全然違う!」と私に語りかけて来るNさんの表情が可愛かったです。

涼麺も悶絶しながらいただいて、今度は賀茂茄子のピザです。
マクロビオティック料理では乳製品を使用しない点が特徴の一つとして伝えられていますが、むそう塾では本当に美味しいものは陰陽を駆使して体に負担のないお料理にしてお伝えしています。
その一つが「賀茂茄子のピザ」なのです。
ピザの商品開発を何年も手がけてきた中川さんの手にかかると、一般のピザよりも美味しいピザが出来上がってしまいました。
もどき料理ではなく、元のお料理を超える美味しさになったものだけが講座になるため、このピザも小麦粉を生地に使ったものより美味しいのです。
そして、ちゃんと毒消しができているのです。
つまり一品の中で陰陽バランスが取れているということですね。

その美味しさと考えぬかれた陰陽に感動して、それまで実践して来た自分のマクロビオティックは何だったのかという思いが胸を去来したのでしょうか。
ピザの試食をして泣き出す人がいました。
マクロビオティックで泣く時3

 
 

あれ?
壁の方に向いちゃったよ。
マクロビオティックで泣く時1

 
 

涙を拭いて食べ直しています(^^)
マクロビオティックで泣く時2

 
 

私は彼女を抱きしめたくなるほど、お気持ちがよく理解できます。
なぜなら、私がかつて歩んだ道だからです。
あれダメ、これダメと排除のマクロビオティックを何年もして、何か違うんじゃないかと模索した経緯があるからです。

マクロビオティックとは自由になるための考え方であるにも拘らず、実際は不自由な考え方にとらわれてしまってがんじがらめになっている人をよく見かけます。
それは一にも二にも伝え方が悪いと思います。
お料理の末端部分だけが伝えられて、マクロビオティック本来の実践的哲学の部分が理解されていないためです。

さらに言えば、マクロビオティック料理は健康になるための手段であって、料理が最終目的ではありません。
健康でない体の人は、マクロビオティックの考え方で陰陽バランスの取れたお食事をして健康になり、その体で自由な生き方をしましょうというのがマクロビオティックの目的です。
その自由というのは一般的に考えられているような気ままなものではなく、「無双原理十二の定理」や「健康の七大条件」を踏まえたものでなければなりません。

手段と目的を取り違えてしまって、マクロビオティックをしているのに体調が悪いという人は後を断ちません。
動物性を食べたから、白砂糖を摂ったから、乳製品を摂ったからといって体調の変化に神経質になるのではなく、「何を食べても大丈夫」な体になることが本来のマクロビオティックの考え方です。
もしあなたがミクロな考え方をしているなら、もっとマクロ(大きい意味)な視点で考えましょう。
本物の自由人になるために。

そして一番大事なこと。
それは、健康な体になって「どんなふうに生きるのか?」「何をしたいのか?」ということです。
単なる病気治しのマクロビオティックではなく、生き方の哲学としてマクロビオティックの本来の意味を知ってほしいと思います。

講座を受講された皆さんの楽しい笑顔はこちらから。

 
 

カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, マクロビオティックが楽しい♪ | 4件のコメント

マクロビオティックの中庸と安定性のとらえ方

マクロビオティックでは中庸を良しとする。
しかしその中庸(安定)はじっとしているのではなく、常に微妙な調整を刻々としていて、遠くから見ると何もしていないように見えるだけである。
いつでも素早く対応しながらバランスを保つのがマクロビオティックの理想の姿である。
じっとしているとそれは偏りにつながって行く。

「安定性とは何か!?」(佐伯剛氏の記事より)
http://kazetabi.weblogs.jp/blog/2014/07/post-6f8d.html

この中の
「安定性とは不動の状態ではない。様々な状況に瞬時に対応できる不安定さこそ、安定性には必要。」
という表現に同感である。
まさに私達はその不安定さを陰陽という視点で操っている最中なのだから。

 
 

魔法のメガネ マクロビオティック 



カテゴリー: マクロビオティックが楽しい♪ | 2件のコメント

「よろず“医者いらず”」柿渋の効能と歯医者さん

Facebookで柿渋の話が載っていました。
マクロビオティックの大先輩の記事なのですが、歯が痛い時に柿渋でグチュグチュしたよという内容です。
そのコメント欄が色々と展開されていて、歯医者さんでも柿渋を使って歯周病に対応しているところがあるというコメントもありました。
週刊新潮の記事に載っていた写真も紹介されているのですが、Facebookをされていない人のために、こちらでもその写真を転載しておきます。
よろず“医者いらず”
マクロビオティックを知らない時代から、柿渋は私たちの生活に溶けこんでいたわけです。
それをのちにマクロビオティックの陰陽で考えると、強い陽性作用が様々な場面で活躍することになります。
塩も強い陽性ですが、柿渋には独特の収斂作用があります。
現代人はすぐドラッグストアに直行しますが、まだまだ自然界は私達にプレゼントを用意してくれています。
薬のお世話になることも時としては必要なこともあるでしょうが、まずは身の回りのものの陰陽をうまく使いこなすことで対応する癖をつけましょう。

私も塗料として柿渋を使いましたが、年数が経つと共に色合いが変化して、なかなか趣きのある味わいになりました。
安心な塗料ならドイツが進んでいますが、大きな缶で購入するほどではないという時には、柿渋で楽しんでみるのも良いですね。
知り合いの建築士は、自宅を建てるときの壁に柿渋を使ったほど惚れ込んでいます。
お口に入れるとあの渋みがなんとも強烈なので、これからの季節は虫に刺されたときにつけると良いでしょう。

ところで、Facebookで柿渋の記事を書かれた花井良平さんは、お兄様とお顔がとても似ていて、初めてお見かけした時は心臓が止まるくらいビックリしたものです。
私はお兄様の方に長く接していました。
お兄様がマクロビオティック界に残された業績は数多く、弟さんの良平さんもまた日本CI協会で月刊マクロビオティックの編集長をされていらっしゃいました。
現在は会社を作ってマクロビオティックの啓蒙にあたっておられます。
ご兄弟でマクロビオティックの素晴らしさを堪能される生き方って素敵だなって思います。

話は変わって本題の歯のことです。
マクロビオティックって確かに素晴らしいのですが、歯に関してはやはり歯医者さんのお力をお借りした方が良いと思います。
症状を悪化させない努力は自分でする必要がありますが、すでに悪くなってしまった部位に関しては、納得のいく治療をされる歯医者さんで適切な治療を受けた方が良いと私は思います。
歯は命の写し鏡のようなものです。
腸をすこやかに保つことと、噛める歯をキープすることが、健康に生きるための必須条件です。
歯を失うことのないよう、漠然と「マクロビオティックをしているから大丈夫」なんて思うことのないよう、歯にはきちんと対応しておきましょうね。

 
 

カテゴリー: マクロビオティックの陰陽で考えてみよう, マクロビオティックと歯科治療 | 5件のコメント

黒毛和牛の金平牛蒡

黒毛和牛の金平牛蒡

 
 

先日中川さんのところでいただいた金平牛蒡です。
「黒毛和牛入り金平牛蒡」とした方が正確かもしれないと思うほど、牛肉の量は多くないのですが、それでも動物性は存在感がありますね〜。
植物性オンリーに比べていただける量は少なくなります。
お酒のおつまみやお弁当に入れると、男性はきっと喜ばれることでしょう。
ちなみに牛蒡は牛肉の毒消しになりますし、こんにゃくは腸のお掃除をしてくれますから、体の負担になるお料理ではありません。
陽性の力がほしい時にどうぞ。

 
 

カテゴリー: 料理人 中川善博の陰陽料理 | コメントする

マクロビオティックの陰陽バランスを考えた茄子のお惣菜

この季節になると茄子や胡瓜やトマトなど、いわゆる夏野菜がどんどん採れて、自家栽培をしている人には嬉しい悲鳴でしょうか。
そんな人からお野菜をいただくこともあるでしょう。
たくさんいただいて嬉しい半面、お料理方法で悩むこともありますね。
そんな時には中川さんの美味しいお茄子料理を思い出してみてください。
3以下はいずれも中川さんのブログから集めて来ました。
初めてこのサイトにいらっしゃった方のためのサービス記事です。

1【茄子の油焚き】
包丁目が美しい。

茄子の油炊き1

 
 

汁もたっぷりと器に注いで、じゅるじゅるっといただきます。
あまりの美味しさに、ついつい食べ過ぎてしまいますから、ここはぜひマクロビオティック仕様ではなく、動物性の鰹を使って陰陽のバランスを取ってほしいです。
このお料理に生姜はとても合うのですが、それはまさに鰹の毒消しになるからだと思います。
地方によってはいりこを入れるところもありますね。
これもまさに陰陽を図る食べ方です。
作ってから少しおいた方が味が馴染んで一層おいしくなります。
冷やして召し上がるのも暑い季節の食べ方として陰陽的にも良いです。
皮の柔らかい茄子がこのお料理には向いています。
茄子を揚げるより簡単で、一般的なお惣菜ですから、お婆ちゃんやお母さんが作ってくれてご存知だと思います。

茄子の油炊き2
(1の写真を別角度から)

 
 

2【茄子味噌 2006.9.5】
写真は長茄子を使用していますが、千両なすでも出来ます。
茄子とお味噌ってとっても良く合うのですが、それはまさに陰陽バランスでした。
凄いですねぇ、陰陽って自然にバランスが取れるようになっているのですから。

茄子味噌 マクロビオティック

 
 

3【焼き茄子 2006.8.29】
とてもポピュラーなお料理方法ですが、正しい焼き茄子の料理方法は案外と知られていません。
焼いたあと水にとってから皮をむくことを教えているプロもいますが、それでは味が落ちてしまいます。
美味しいお料理にするためには、熱いのを我慢して手早くむきます。
<正しい焼き茄子の条件>
・焼いたあと水にとらない
・皮をむいたら薄い緑色

焼き茄子1

 
 

美味しく焼き茄子ができたら、こんなアレンジ料理も楽しみましょう。

4【焼き茄子パスタ 2005.8.30)
中川さんのこの頃の作り方と今の作り方は、もしかしたら変わっているかもしれません。
パスタの選び方もね。
この頃は完全ベジ仕様のお料理を研究されていた頃だったのです。
「アルチェネロを硬い目に茹でてオリーブオイルで炒め、自然醤油を焦がし入れ、黒胡椒でひきしめる。手で裂いた焼き茄子と一緒に盛りつける。甘くて焦げの香りがする茄子を焦がし醤油の味がするパスタで食べる。あくまで茄子料理。 九条葱と土生姜を載せて。」なんて書いてあります。

焼き茄子パスタ マクロビオティック

 
 

【江戸風焼き茄子赤だし茶漬け 2013.9.17】
作り方は次の記事から。
瞬時の工夫力が問われる事もある。 マクロビオティックは判断力
中庸な人向け。

江戸風焼き茄子赤だし茶漬け マクロビオティック

 
 

【小松菜と焼き茄子の博多 土佐酢かけ 2013.9.17】
作り方は次の記事から。
瞬時の工夫力が問われる事もある。 マクロビオティックは判断力
陽性な人向け。

小松菜と焼き茄子の博多 土佐酢かけ マクロビオティック

 
 

【焼き茄子豆腐 2013.9.17】
作り方は次の記事から。
瞬時の工夫力が問われる事もある。 マクロビオティックは判断力
陽性な人向け。

焼き茄子豆腐 マクロビオティック

 
 

いずれもマクロビオティックでは陰性食材として、召し上がるのを敬遠している人も多いです。
私なんか3年間くらい徹底的に避けていました。
もちろん当時は動物性も避けていましたから、夏でもあまり暑がらずに、冬は寒がる体質になってしまいました。
その後陰性の大切さを痛感してからは、これらのお野菜もいただくようになりましたけどね。

 
 

カテゴリー: 料理人 中川善博の陰陽料理 | コメントする