腸内細菌と食物繊維の関係は糠漬けにも当てはまります

マクロビオティックでは食べ物が心身に与える影響を細かく判断して行くのですが、とりわけ重要なのが腸との関係です。
人間で一番大事なところはどこ?と質問すると、「心臓!」という答えが返ってくることが多いのですが、東洋医学の考え方をベースにするマクロビオティックでは、腸を一番大切に考えます。
足の裏やふくらはぎを第二の心臓と呼んでツボをマッサージする人が多いのですが、私はまず腸を意識してほしいなと思います。

むそう塾をして多くの塾生さんに接していますと、腸にトラブルのある人とそうでない人は、思考との関係でもつながりのあることが良く分かります。
幸せコースでは食事日記をつけてもらって細かく観察しているのですが、お食事内容や食べ方を変えることによって便の状態が変わり、精神面にも影響することが確認できます。

話は変わってもう15年ほど前のことですが、私が義理の姉に玄米ご飯の炊き方を教えてあげたことがありました。
その炊き方はリマ・クッキングスクールで習った方法だったのですが、その姉が一番最初に発した感想が「うんちの量がすごく多くなってビックリした!」というものでした。
常々お肉が多くて野菜の少ない生活をしていた姉の腸内は、私の想像していたとおりの状態だったので、自身の体調不良もあって私の玄米ご飯に興味を持ったのでした。

昨日、Facebookで内海聡先生が腸のことについて書かれていたのですが、ここに登場する藤田紘一郎先生は私も直接お会いしたことがあって、その考え方に大いに関心をもち、息子を育てるときには「不潔のススメ」をしておりました(笑)
当時は学校給食関係の活動もしていたので、藤田先生にお越しいただいて講演会も開催したのですが、どれほどの人が腸のことを理解してくださったのかな?
私は腸内細菌のことを知ったおかげで、息子のアトピーを治してやれたし、中川式糠漬けの威力も確認できたし、玄米ご飯の食物繊維の働きも確認出来ました。
マクロビオティックを知って玄米ご飯に出会えて本当に良かったです。

この内海先生の記事を読めば、賢いむそう塾生ならハハーン!と来て、糠漬けに関する馬鹿な質問はしなくなることでしょう(笑)
それは「食物繊維は腸内細菌の餌ですから」という部分です。
糠床の中は人間の腸内と同じように考えられるので、糠床(乳酸菌)にも餌が必要になるのです。
このことに気がつかずに、「糠床の調子が悪いんですけど〜」という塾生さんがとても多いですね。
糠床の餌はお野菜だったり米糠だったりするので、それらを定期的に糠床のご機嫌を見ながら補充した結果が糠漬けであることをお忘れなく!

以下に内海先生の記事を転載させていただきます。

*   *   *

<内海聡先生の記事より>

腸内細菌・う〇こ・脳

腸をかわいがれば脳がよくなるというのは、寄生虫博士で有名な藤田紘一郎氏の言葉です。彼は世界各地のう〇こを集めることを長年やっていて、う〇こ集めに訪れた国の数は、発展途上国を中心に70か国近くで、集めたう〇この数は10万個を超えているそうです。そして研究により、世界の人々は実に様々な寄生虫に感染していることが分かったそうで、う〇この大きさが国によって大きく異なることがわかったそうです。

一例をあげるとニューギニアの人々のう〇こはやけに大きいのだそう。一日700gもあるそうで、中南米の人たちのう〇こも大きく、メキシコ人の出したう〇こは巨大だったそうですが、あとで調べるとメキシコ人は世界でも食物繊維を最も多くとっている一つだとか。食物繊維は腸内細菌の餌ですから、食物繊維を多く含む食品をとると、腸内細菌が増えてう〇こが大きくなるのだそうです。

さらにいうとう〇この大きさと自殺率が反比例していることも分かったとか。世界の国々の自殺率を比較すると、う〇この大きい国は自殺が少なく、う〇この小さい国がおしなべて自殺大国だそうです。食物繊維が多い国は自殺率が低いということなのかもしれません。これは腸内細菌が脳内ホルモンの前駆物質を作っているということに、関係していると推測されています。また腸内細菌は栄養にも関係してきます。

腸内細菌は消化を助け、ビタミンBやCを合成し、免疫力の70%を作っているとまで言われています。また、腸内細菌がいるマウスといないマウスの実験では、腸内細菌がいないマウスは非常に攻撃的になることがわかりました。ようするにただ栄養が多い食べ物だけを食べても意味がありません。腸内細菌がよい配分だと吸収率や合成物質も変化し、その相互作用によって健康は作られていくということなのです。

ちなみに、善玉菌、悪玉菌という呼び方はまったく不適なので使わないようにしてくださいね♪。

(画像はネットよりお借り)

内海 聡さんの写真

 


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第209次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します

<第209次 むそう塾 パスポート取得者>

Or(90−1)さん

<寸評>

◆中川善博より
毎日の激務の中で、ぎりぎりのところで公私のオンオフを切り替えておられるあなたは強いです。
パッと集中モードに切り替えて、さっと緩めに入れるのは強さもあるでしょうが鍛えられたのでしょう。
久々に「飯を見れば人が解る」という気持ちの良い投稿でした。
あとはいかに長くこのレベルのご飯を食べてもらえるかです。
どこに行っても食べ続けて欲しいです。
おめでとうございます。

◆マクロ美風より
あなたのお仕事は本当にハードですよね。
真夜中に帰宅されて、それから玄米ご飯を炊いたのは、目的を達するためのあなたの強い意志の表れでした。
自律神経が乱れそうになってしまう体調を食べ物から改善しようとされたのは賢明な選択でしたね。
この玄米ご飯がこれから海外に留学されても、あなたの身体を守ってくださることを期待しています。
余談ですが、中川さんがあなたにお料理を教えたがって、海外に行かれることをとても残念がっています。
5回の投稿でのパスポート取得、お見事でした。
おめでとうございます。

とても素晴らしい炊き上がりなので、記念にあなたの最後の投稿写真を載せておきましょう。

 
 

マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(玄米ご飯 塾生作品 Orさん)

【関連記事】
「マクロビオティック京料理教室  むそう塾」の玄米炊飯指導の過去記事はこちら、パスポート取得者発表の過去記事はこちらのカテゴリーからご覧いただけます。

 
 

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知識の習得と技術の習得の違いを知りましょう

10月5日から始まった煮物コース。
平日開催にもかかわらず15名の方が受講してくださいました。
これから来年の3月まで、煮物ばかりを習う実力のつく講座です。
煮物といえば材料を切ったり皮を剥いたり包丁仕事が欠かせません。
ですから、最初に包丁砥ぎからスタートして、桂剥きや刻みのチェックをしました。
希望者は10回の桂剥き投稿が出来るのですが、13名の方が希望されました。
すでに中川さんのブログで桂剥き投稿の指導が始まっています。
この投稿のために新しいカテゴリーも用意して記事を掲載しているのをご存知でしたか?
「煮物コース基礎力強化桂剥き」となっています。

今朝もHoさんの桂剥き投稿が掲載されました。
動画も上手に編集してポイントをまとめてありましたね。
その動画を見て、私はHoさんが素手で桂剥きができるようになったことにウルウルしてしまいました。
長い間つらかったですよね。いつかのメールに「私が素手でお料理できる日は来るのでしょうか?」という文章があったことを私は忘れていません。
アトピーの排出の最もひどいときには、誰しも将来への不安が増幅して、夢など描けなくなりますからね。

さて、そのHoさんのために、桂剥き投稿のみならず、技術を習得するための姿勢みたいなことを私から書いてみます。
頭で分かってもなかなか実行出来ないのが現実ですが、まずは頭で理解していないと実行にも移せませんのでね。

あなたは一流大学も出て、堅実な職業もお持ちで、きっと学ぶことにご自分なりの手法があるかもしれません。
しかし、ここで一つ区別をつけてほしいのです。
知識の習得と技術の習得は別物であることに。
技術の習得に必要なのは、いかに自分の癖をなくしてその技術のために自分を合わせられるかが鍵になります。

ですから、まずは無欲になってみましょう。
ただひたすら「大根を左手で包丁の刃に向けて送る」ことだけを考えるのです。
この時に包丁を持つ右手は上下運動しかしません。
下がるときも面圧は解除しません。
右利きであっても右手は左に進みません。
大根は正直にあなたの取った行動どおりに結果を見せてくれます。

次に刻みについて。
刻みには性格がよく表れていますねぇ(笑)
先へ先へ急ごうとするあなたの思考癖がそのまんま出ています。
あなたは内面にものすごい陽性を抱えています。
それは悪いことではなく、あなたの頑張りの源にもなっているので良いのですが、刻みの時にはその陽性が邪魔になります。
ですから、刻みの場面ではその陽性をお休みさせて、ここでも無欲になります。

まるで同じ場所でずっと足踏みしているかのように、なかなか左に進まない刻み方をするのです。
その制御は左手の人差し指と中指の押し返しで出来ますね。
このことは何度も中川さんから指摘されていますが、あなたの内面が制御を忘れてしまうのです。
同じことを指摘されるのってご自分でも悲しいですよね。
頭で分かっているからこそ、よけい悲しくなると思います。
ここを解決するために、ぜひとも無欲になりましょう。

無欲とか足踏みなんて、今の激動社会を生き抜くためにはマイナスだと思われるかもしれませんね。
でも、技術の習得は知識の習得より難しいのです。
我が出ると結果は出せません。
でも、マクロビオティックの陰陽を知っていると、苦境に立たされた時でもそれを乗り越える力が出てきますので、今の場面を陰陽で考えてみましょう。

無欲も足踏みも停滞(陰性)しているようにみえますが、陰性は陽性を生む力を持っています。
ですから、ここは陰陽の力関係を信じて、ただただ無欲と足踏みに甘んじてみましょう。
完全なる陽も完全なる陰もないのですから、時間の経過(陽性)とともに陽性への動きが出てくると思いませんか?
このことが理解できたら、期待感を持って「今するべきこと」が実行出来ると思います。

自分の意志で先に進むことばかりを考えがちな今の時代ですが、あえて自分の意志は最小限に絞っておいて、周りの環境とともに静かに進ませてもらう受け身に見える生き方も悪いものではありません。
その方が進んだ時の安定感が増します。
今回の桂剥き投稿は、あなたの内面を成長させる機会となってくれたら嬉しいなと思っています。
残りの9回を陰陽の視点で取り組んで、新たな世界を切り開いてください。

 
 

マクロビオティック料理教室 むそう塾 刻み指導

 
 

先日の授業での様子です。
これから刻もうとする大根の並べ方をもっと丁寧にしましょう。
体の重心が後ろに倒れていますので、首を折るようになってしまいます。
頚椎に負荷をかけますので、体の重心をかかとから足の親指に移動させましょう。
目的に向かって少し陽性な姿勢が最も疲れませんが、陽性になりすぎても疲れます。
写真の状態は少し陰性な姿勢ですね。
マクロビオティックの食べ方と同じだと思いませんか?

 
 

カテゴリー: マクロビオティックの陰陽で考えてみよう | 2件のコメント

サイトとブログの復活に伴うおわび

10月7日(水)、突然むそう塾のサイトと中川さんのブログ、そして私のブログにエラー表示が出るようになって、サイトが不通になってしまいました。
8日には復活してヤレヤレと京都に向かったのですが、またその日の夜からエラー症状が出てしまい、結果として昨日(14日)の夕方までサイトもブログも更新出来ない状態が続いておりました。

原因は海外から不正アクセスがあったそうで、それが何回も繰り返されたため、緊急避難としてサーバの移行を選択しました。
ところが、その結果私のブログの過去記事において、改行が指示どおりに反映されず、最初から最後まで段落なしのベタ埋め状態になってしまいました。
私の記事は長くなるものが多いので、6〜7行ごとに1行空けるようにしているのですが、それがすべて詰まってしまい、とても見にくくなってしまいました。
(中川さんのブログでも同様のことが起きています。)

以前、gooブログからWorldPressに移行した時に同様のことが起きたのですが、今回は同じWorldPress内のことでもあるし、サーバー会社が変わったわけでもないので、このようなことになるとは思ってもみませんでした。
しかし、結果としてこのようになったことは、WindowsとMacの相性問題なのかなと素人判断で思っています。
データーベースのバックアップを取る時の問題かも知れません。

このことは関係先にメールをしてありますが、まだお返事はいただいておりません。
(追記 この件に関しては10:30に解決しました。)
結果として読みにくい記事が並ぶことになってしまい、このブログをご覧くださる皆様には大変申し訳なく思っております。
何日も不調とつき合うことは氣の良いことではありませんので、気持ちを新たに仕切り直しをして更新を続けて行きますから、これからもよろしくお願いいたします。

 
 

南京の炊いたん マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(南瓜の炊いたん 料理:京料理人  中川善博)

あえて市松かぶりにした盛り付けです。
切り口が最後まで直線を崩すことなく仕上げるのがこのお料理の難しさです。

 
 

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京料理人が炊いたカマスの炊き込みご飯が絶品!

むそう塾でお世話になっているお魚屋さんの「たくや」さん。
私はお会いしたことがないのですが、とても体格の良い陽性さんなんだそうです。
そのたくやさんがご自分のところでおろして塩をして干したカマスの干物を使って、中川さんがカマスの炊き込みご飯を作ってくれました。
あまりにも美味しかったので、お昼も夜も2回続けていただいてしまいました。
カマスがふっくらとしてとても良い品質であるだけでなく、塩加減が絶妙で、中川さんは「このカマスだけのためでも彼とつき合う価値がある」と言い切ったほどでした。

まずはカマスを焼き上げます。
こんな感じにね。
ぷっくりして美味しそうでしょう?

 
 

カマスの干物 魚屋たくや

 
 

これを炊き込むとこんなに美味しそうなカマスご飯になります。

カマスの炊き込みご飯 マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(カマスの炊き込みご飯 料理:京料理人  中川善博)

とにかく美味しいので、ぜひ作ってみてください。
料理時間はお米を洗うところから始まって30分以内です。
あ、実山椒があると一層美味しくて幸せ過ぎます(^^)

中川さん、たくやさん、ご馳走様でした。

 
 

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