これは先日「包丁研ぎの個人レッスン」をした際に、中川さんが剥いた桂剥きです。
まるでシルクのような柔らかさです。
この時期はむそう塾恒例の桂剥き投稿がラストスパートに入っています。
この段階になっても庖丁の持ち方が間違っていたり、右親指の動かし方が間違っていたり、「ああ、時間がもったいなかったね?」という状態の人がいます。
正しく効率の良い練習方法をお伝えして、動画や写真でアドバイスしているのですが、個人の観察力が結果を左右します。
何度もお手本の動画と自分の動画を確認して、指や腕の細部まで観察し直してくださいね。
Kaさんの動画をもう一度掲載しておきます。
ダブルクリックすると画面が大きくなるので、臨場感たっぷりになります。
剥かれていく大根の音を、ぜひ静かな環境でお聴きください。
なお、手の動きばかりに気を取られるのではなく、大根から上に出ている庖丁の部分も観察してみてください。
大きく上下しているのが判りますね。
これが右手で剥かない証拠です。
まるで土の中から筍が生えて来るのを早送りしたかのように、にゅ?っと庖丁が上がって来ます。
この時同時に左指と左手首をぐ?っと回して大根を庖丁の刃先に送ってあげるのです。
人間の目は錯覚をすることがあります。
例えば川岸に立って流れる水を見つめていると、その流れる水のスピードで自分が動いているような錯覚に陥ります。
また橋の上から眼下の流れる水を見つめていると、まるで自分が橋ごと川上に向かって動いているかのような感じになります。
ですから、剥き進む右手と剥かれゆく大根ばかりを見ていると、まるで右手で剥き進んでいるように錯覚してしまうのです。
でも桂剥きの原理は上に書いたように、庖丁を上げるときに大根を送ることに尽きます。
それらが上手くいかない時に考えられる理由を、桂剥き投稿で細かく指摘していますので、あとはその指摘を忠実に具現化するのみです。
* * *
剥くことはある程度上手に剥けるようになって来たのに、刻みの段階でつまづいている人がいます。
普段の詰めの甘さが露呈して来るんですね。
これはもう性格そのものが表れて来る感じです。
荒っぽさ、アバウトさなど、繊細さとは対極の性格ですね。
一つひとつの物事に丁寧に生きて来なかったツケがここに集約されたかのような感じがします。
性格を攻撃するような書き方で申し訳ないのですが、まさにそこを直さなければ綺麗な刻みは実現出来ないので、あえて書かせていただきました。
刻むことの技術的な参考にしていただきたいのが次の写真です。
これも庖丁研ぎの個人レッスン時の写真ですが、左手の中指を見てください。
中指に庖丁が当たっていますね。
これは中指に面圧を当てているわけです。
桂剥きにするときにも大根の中心に向けて面圧を当てますが、刻むときにも面圧が必要になるわけです。
刻むときには左手の中指が刻む幅を感知します。
つまり目で刻む幅を決めるのではなく、センサーが決めるのです。
このセンサーが働くように左手が当てられているかどうかです。
ただなんとなく当てていませんか?
あるいは庖丁と左手が離れていませんか?
そこをもう一度確認してください。
この写真は中指がちょっとだけ浮いています。
それでもいつも中指には庖丁が当たるように。
ちなみに、第一関節とか第二関節とか一般的にいいますが、それは俗名です。
指先に近い方を第一関節と呼ぶ人が多いですが、反対の説もあります。
医学的に、あるいは法令的には呼び方が異なりますので、ここでは単に中指としておきましたが、むそう塾では次のように呼びたいと思います。
「指先に近い方の関節:第一関節」(医学的には遠位指節間関節と呼ぶ)
ということで、刻むときには中指の第一関節が庖丁に当たっているように意識してください。
それからむそう塾でのお約束。
「有次が見えていますか?」
これが最も怪我をしない方法でもあります。
最後まで怪我をしないで頑張ってください!
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macro88のtweet
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美風さん、こんにちは。
まさしくたった今、このことで、途方に暮れていたところでした。
詰めの甘さで、刻めない。
いつも何かに追われてる気がして、
しっとり、心を落ち着かせることができない。
基本に立ち返り、根本が揺らいでしまう。
ぽっかり、晴れ渡る空を思い浮かべ、
深呼吸して、むきあいます。
大切なポイントをありがとうございます。
おはるちゃん、こんにちは。
おはるちゃんのために書いたような記事です(笑)
あとは手首を柔らかく動かして、ギロチンにならないようにね。
それから滑走路に着陸するような角度で刃を入れることね。
大丈夫!
誰も追いかけて来ません。
キッパリ!
美風さん、ありがとうございます。
しっかり意識して、身体をついていかせます。
美風さん、こんにちわ
タイムリーな記事を有り難うございます
私もおはるちゃんと同じく、刻みの段階でつまづいています
全ての原因は自分にある
これまで何でも力ずくで荒っぽくやって来た事が、色んな所で問題となっています
自分を変えるチャンスを頂いたと思い、強く意識して練習を続けます
おはるちゃん、頑張ってね!
応援してます!
麗可ちゃん、こんにちは。
おはるちゃんと麗可ちゃんは本当に似ていますね~(笑)
ちょっとヒントになる記事を書きますから、ちょっと待っててね。
愛情溢れる記事に、嬉し泣きしそうでした
その上、さらにヒントになる記事を書いて下さるのですね(涙)
有難うございます
おはるちゃんと楽しみにしています
美風さん
こんにちは。わたし、刻みが甘い人です。
丁寧にやればできるはずのことができない、ということは、
生活全般、生き方全般がそもそも大雑把で普段からできていないんだ、
ということを先月の絹さやの時に痛感しました。
まさに、
>一つひとつの物事に丁寧に生きて来なかったツケがここに集約されたかのような感じがします。
ということなのですよね。
落ち着いて、ひとつひとつを大切にするためにも
生きかたと生活を見直し、正そうとしているところですが
今まで生きてきた癖ってほんとうに手強いです。
だけど、自分を変えるのはこういう一つ一つが大切なのだと思うので、
懲りずに大事にしていこうと思います。
投稿中の方々、横から失礼いたしました。
一緒に学ばせていただいてありがとうございます。
麗可ちゃん、こんばんは。
抽象的な内容ですがとっても大事なことです。
ぜひ身につけてくださいね。
舞ちゃん、こんばんは。
舞ちゃんは技術は高めたのに精神面がついて来ていないのです。
う~ん、逆に言うと、精神面が強くなればもっともっとレベルアップします。
だからもったいないと思います。
今月の授業のとき、白髪ねぎの刻み方を見ていて改めて思いました。
中川さんにも速すぎると注意されましたね。
つまり切られる側と切る側の呼吸が合っていないという感じ。
野菜に呼吸だなんて「そんな~」って思われるかも知れませんね。
でも玄米炊飯の時には「玄米の気持ちになって」が合言葉でした。
そうであるなら「長ねぎの気持ちになって」というのも当然のことですね。
庖丁の一振りひとふりに心をこめて、慈しみをもって切ってみる。
来月はそんなことを確認してみましょう。
舞ちゃんなら出来ます。
頑張ってください。
美風さん
お返事ありがとうございます。
はい・・精神面の弱さ、プレッシャーへの弱さから、
越えられない壁があること、感じています。
たとえどれだけやっても、「国賓」級にはなれないですね。
多分、刻みが早すぎてしまうのは、自信がないからなのだと思います。
包丁を待てるゆとりがわたしにないから
切られるものを感じ取れず、呼吸を合わせられない・・・
「慈しみのある丁寧」の記事もひしひしと響きました。
慈しみ、丁寧にすること、寄り添うことを心がけて、
ひとつひとつ、自信にしてゆきたいです。