桜沢如一先生のこと

きょうは急に桜沢先生の本を読みたくなって、手当たり次第読んでいた。
手当たりという言葉がピッタリの、手の赴くまま。
すぐそばに桜沢先生が立っておられるかのような息吹を感じて、やはり凄い人だったんだなぁと思った。
特に桜沢先生最後の著作「健康の七大条件」は、六大条件に一つ加えねばならなかった経緯を思うと、人間ってつくづく完璧はないのだと思う。 
多くの弟子に伝えてしまったマクロビオティックの誤りの部分を完全に正せぬままに、桜沢先生はどのようなお気持ちでこの本を書かれたのだろうか。
一度書いて本にしてしまったものは、もう桜沢先生の手を離れてどんどん一人歩きして行く。
間違いを正したくても現実的には困難である。
晩年になって前説を修正する本を出版しても、すでにインプットされてしまった弟子たちの頭はそう簡単には切り替わらない。
もし今桜沢先生がこの世におられたら、間違いなくネット上で発信しまくっていただろうと思う。
ブログもTwitterもFacebookもどんどん更新されていたと思う。
そして間違いなく多くの人たちに大きな影響を与えていたことだろう。
今なら、あるいは、その間違いを修正するチャンスはあったかも知れない。
恩師の大森英櫻先生があれだけの実力がおありなのに、なぜ本を書かなかったのか最初は不思議でならなかったけれど、書かなかった理由を知ったとき、正直言って「そんなものなのかな??」と思っていた。
しかし今、こうしてむそう塾で「正しく伝える」ことの難しさに 日々直面していると、大森先生があえて本を書かなかった理由が本当に良く理解できる。
大森先生には幼稚な質問もさせていただいたけれど、どんな時にも真っ正面から答えてくださった。
それはきっと「正しく伝えたい」お気持ちの表れだったのだと思う。
マクロビオティックは今過渡期にある。
混乱期にある。
私がこのブログを立ち上げた理由も、むそう塾を始めた理由も、その混乱を少しでも交通整理してマクロビオティックの楽しさをお伝えしたかったからに他ならない。
桜沢先生のお伝えしたかったこと、大森先生のお伝えしたかったこと、それを不肖な私が耳かきほどでも「正しく」お伝えできたらいいなと思った。
4月は桜沢先生の亡くなられた月。
新たな思いで先生の墓前に手を合わせて来たい。
 

カテゴリー: マクロビオティックが楽しい♪ パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です