<死亡原因>
死亡診断書には、「大腸がん」と書いてありました。
しかし、ガン特有の痛みはまったくなく、ベッドの脇で座っていた母は、
父が死んでも眠っていると思っていたほどです。
回診に来たお医者様が手を合わせるので、やっと死を知ったのでした。
まさに、眠るように亡くなったのです。
父は4年位前から「肺気腫」になり、急いで歩くと呼吸が乱れていました。
それでも、ゆっくり歩いてゲートボールを楽しみ、父が運転する車で
老人仲間を送り迎えしていました。
他にはどこも悪いところはなく(神経痛はありましたが)、元気だったので、
きっと風邪か、肺炎あたりが引き金になって、一気に亡くなるのかな?と
常々思っていました。
ところが、肺気腫が進行して入院したところ、検査で大腸ガンが発見された
次第です。
ガンは、ハイライトの箱より縦横とも大きかったのですが、最後まで痛みが
なかったのは、本当に不思議でした。
ガンの部位は、下行結腸で直腸に近いところでした。
しかし、ガンはいつごろから出来て、あるいは何が原因だったのか、
ちっとも分かりません。
父は食べ物の好き嫌いは何もなく、お酒も煙草も大好きでした。
玄米は食べていませんが、マクロビ的には、比較的陰陽のバランスがとれた
理想的な食事をしていました。
なにしろ、92歳になる母が一貫して手づくりしているのですから、欧米食は
入っていません。
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父の死に顔はとっても穏やかで、いい夢をみて少し微笑んでいるようでした。
葬儀に参列して下さったお年寄りが、「あんなにいい顔で死ねるんなら、
死ぬのも怖くないな」と話しておられたのが、印象的でした。
お父様穏やかな顔だったんですね。
私の母も、私も介護の仕事をしているのでいろいろな話を伺います。
この間、母から聞いたのですが、死ぬときは自分のご先祖様が勢揃いして迎えに来てくれるんだそうです。だから、お父様もたくさんのご先祖様が来てくれたから穏やかな顔をしていたのかもしれませんね。