マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

白砂糖より甜菜糖の方が本当に体に良いのか?

マクロビオティックに限らず、今は白砂糖が体に良くないことを多くの人が知りつつあります。
これはこれで良いのですが、もう一つ落とし穴があります。
マクロビオティックの指導校では、「白砂糖は悪いけれど甜菜糖は良い」と教えているところがほとんどで、いわゆるマクロビオティックの甘味料は、甜菜糖・メープルシロップ・米飴などに置き換えれば大丈夫だと教えているのが現実です。

しかし、これは大いに問題です。
白砂糖は精製した結果白いのですが、甜菜糖のベージュ色はなぜあの色だと思いますか?
私は北海道で生まれ育ちましたから、当然甜菜畑(北海道ではビート畑)は毎日見ていましたし、実際に収穫も手作業でしていました。
さらに近くには製糖工場があって、甜菜糖が出来る工程も知っています。
そんな私が甜菜糖を誤解している人のために、書いておきたいことがあります。

いかにも北海道らしい夏の景色です。
これは甜菜畑ですね。
photo_jul-aug

(画像はこちらから)

しかし、こんなふうに保つためには、相当農薬を使った結果なのです。
そうでないと、甜菜畑は無残な姿になって秋の収穫を迎えられません。
本来の甜菜はこんな形をしています。
im100j01

(画像はこちらから)

ここであることに気づかれた人がいらっしゃるかも知れませんね。
そうです。甜菜(ビート)は根の部分が白いのです。
切ると中は大根のように真っ白です。
ですから、甜菜のことを別名「砂糖大根」と呼んだりしますね。
でも、一般的に出回っている甜菜糖はベージュ色をしています。
それは、甜菜を煮詰めていく過程の灰汁(アク)の色なんです。
甜菜はほうれん草の仲間なので、アクがあるのも納得ですね。

たとえばスイスのオーガニック甜菜糖の色は白です。
しかし、日本でそれを買うととても高い値段がついています。
500gで1,500円くらいです。
甜菜は北海道の緯度では、オーガニックにするのが大変なんでしょうね。
とまあ、こんな感じで甜菜糖は白くないから体にいいと思っている人がいたら、ちょっと違うかなと思いますね。

次によく説明されるのが、「甜菜糖は白砂糖に比べて体への吸収に時間がかかるので、血糖値を急に上げないから体に優しい」という言い方です。
これは吸収にちょっと時間差があるだけで、体に入ってしまえばその陰性の働きは大差ありません。
私に言わせれば気休めみたいな感じですね。

それから、これが大問題なのですが、「甜菜糖にはミネラルが含まれているので、甜菜糖をたくさん摂りましょう」なんて言っている料理教室があります。
そういう教室では黒砂糖はおすすめ甘味料になります。
さらに、「白砂糖は体を冷やすけれど、甜菜糖は体を温めるから、冷え性の人には甜菜糖をおすすめします」なんていう教室もあります。
もう、ここまで来ると頭がクラクラしてしまいます。

いえいえ、白砂糖も甜菜糖もマクロビオティックの陰陽で分類すれば、極陰性であることに変わりはありません。
そして、体内でどちらも組織を緩める働きをするのです。
血糖値云々の問題だけではありません。

もしあなたがマクロビオティックを知っているのなら、白砂糖の原料と甜菜糖の原料は産地で大きな違いがあることに気づくことでしょう。
そうすると、当然のことながら産地の陰陽と形状の陰陽が大きく違うことに気づくはずです。
そういう違いによる体への影響の仕方を参考にする程度ですね。

実際にお料理に使ってみると歴然とした差が出て、頭でどっちがいい、どっちが悪いなんて言っている場合ではありません。
あくまでも調味料としてとらえた場合、両方のお砂糖が体に及ぼす影響をよく知って、最低限の量と回数にとどめるのが賢い選択かと思います。
お料理には白砂糖でなければ出せない味や色、甜菜糖や粗糖の方が良い味もあるのです。

私は「甘いものの摂り方で人生が変わる」と常々話していますが、嗜好品としての甘味、お料理としての甘味、それらを総合的に考えて、ご自分の食生活を見直されたら良いと思っています。
やみくもに砂糖断ちをすると必ず反動がきますから、必ず満足の出来る状態で移行する必要があります。

 
 

【ご案内】
これから開催予定の講座案内 最新版
【サイト内の記事】
マクロビオティックの盲点
塾生のきょうの100点お弁当
陰陽を感じる日々の暮らし

 
 
カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, マクロビオティックの陰陽で考えてみよう | コメントする

なりたい自分になるためにマクロビオティックの食べ方を

昨日は幸せコースの8月の授業がありました。
今日も火曜日も幸せコースがあって、私の座学は「マクロビオティックと食べ方」を話すことになっています。
しかし、座学は実習の後なので、実習の終わる時間で座学時間が左右されます。
この実習時間というのが面白いもので、陽性さんの多いクラスだと早めに終わりますが、陰性さんの多いクラスだと時間が遅くなります。

中川さんはいつも早く終わらせて私の時間を確保しようとしてくださるお気持ちなのですが、塾生さんが理解して納得していただかないと帰宅してから復習出来ないので、皆さんの反応を見ながら進行するわけです。
これが実に難しいバランスですが、今の段階ではまだ皆さんの生き方そのものの癖が出ていますから、仕方のないことでもあります。

でも、これからむそう塾でお料理を習って復習する段階で、必ずスピードが要求されますので、ご自宅でお料理をする際もスピードを意識して練習なさってくださいね。
ご自宅での30日間が本当のお勉強であって、京都に来られる一日はチェックする日なのです。
教室で練習しようとすると、新しいお料理に時間を割けませんから、練習はひたすらご自宅でして、疑問点はメールや写真や動画をお送りください。
お料理関係は中川さんに、座学関係や相談事はマクロ美風宛にメールを送ってくださいね。
このフォローこそがむそう塾の特長なので、最大限に活用してお料理の腕をあげましょう。
むそう塾モードにスイッチ・オン!

*   *   *

ところで、マクロビオティックの食べ方については私のブログでいっぱい発信していますので、過去記事をお読みいただいていると自動的にインプットできるのですが、昨年のこの記事もとても大事な内容が含まれています。
「マクロビオティックにおける動物性と鱧の生命力」

昨日も放課後に動物性の摂取についてご相談がありました。
マクロビオティックでは動物性を禁じているわけではなく、「必要性を感じれば摂る」というスタンスです。
その必要性は個人差があるので、画一的には申し上げられないのですが、一つの目安として「どんな自分になりたいか?」「どんな生き方をしたいか?」というのがあります。
それは、自分の体は「食べたもののようになる」ので、自分の体と精神をどんなふうにしたいかを考えるのです。
そしてそれに見合ったものを食べれば良いわけです。

気分で食べ物を選んで食べ物に翻弄された人生を送るのがいいか、食べ物の影響を知ってその力を最大限に発揮させた人生がいいかですね。
マクロビオティックの考え方は、食べ物の力を知って効率よく人生に反映させることができますので、「なりたい自分になるために」マクロビオティックの食べ方をご参考にされたら良いと思います。

 
 

うざく マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(うざく 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

玄米ご飯がつむいでくれた素敵な現実

1年前のきょう、こんな記事を書いていたのですね。
今読み返してみても心から良かったと思えます。
Kさんはその後も単発講座に通ってくださり、今年の5月から第8期の幸せコースに通い始めました。
桂剥き投稿も熱心に頑張ってくれました。
素直な性格が幸いして見事に欠点を克服しつつあります。
きょうはKさんが授業のために京都に来られます。
「頑張ったね!」って抱きしめてあげるつもりです。

1年半前のKさんからは想像出来ない世界を、今は生きていらっしゃいます。
彼女の本気が彼女を別次元に連れて来てくれました。
多くの人とこの感動を分かち合いたいので、もう一度記事をリンクしておきます。

【愛クラス受講後の体調と気持ちの変化(1型糖尿病と母娘の気持ち)】

 
 

稲庭うどん マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(きょうはこんなお料理を習いますよ〜 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

すべての始まりは愛クラスから。
【これから開催予定の講座案内 最新版】

 
 
カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, 体験談 | 4件のコメント

鱧の骨切り100本目(むそう塾生 麗可さん)

むそう塾生の麗可さんが中川さんのところに「鱧の骨切り100本目」の動画を送ってくれたそうですが、中川さんのブログはすぐ桂剥き投稿で更新されてしまうので、私のブログで記事にすることになりました。

昨年の8月4日に行われた「鱧の骨切り講座」から1年も経たないのに100本に到達するのは並大抵なことではありません。
根性もありますし、よほど鱧と相性が良かったのでしょう。
良いお魚屋さんを見つけて、活きのいい良質の鱧を入手できたこともありがたいことでした。

今年も7月7日8日に鱧の骨切り講座がありますので、後輩たちの良いお手本になることでしょう。
なお、昨年は24センチの骨切り包丁でしたが、今年は27センチの包丁で練習しています。

 
 

鱧の骨切り むそう塾生1

 
 

(骨切りされた鱧 料理:むそう塾生 麗可さん)

 
 

鱧の骨切り むそう塾生2

 
 

(骨切りされた鱧 料理:むそう塾生 麗可さん)

活け活けの鱧をおろします。
おろしている時から骨切りまでピクピクしていたそうです。
[youtube width=”880″ height=”440″]

気持ちの良い音をさせて骨を切っています。
[youtube width=”880″ height=”440″]

<中川善博より>
100本達成おめでとう。そしてお疲れ様。
あなたの技術向上には「難し楽しい」が大好きという気質が基本になっています。
今季は骨切もサイズアップして難易度が上がったのに平気な顔してもうすでに使いこなしていますね。
内緒にしていましたが、サイズを上げるということは実はけっこう難しいのです。
さらっと知らん顔をしていたらあなたは平気で新しいサイズに順応していました。
恐るべし鱧能力ですね。お見事です。
今年はシーズン中、量より質で研鑽しましょう。見守っています。

<マクロ美風より>
100本おめでとう!
ついにこの日がやって来ましたね。
楽しそうに練習されるのが上達の一番の秘訣になったのかも知れませんね。
ますます麗可ちゃんのファンが増えそうです。

 
 
カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | 8件のコメント

家庭料理だからこそプロの技術を!

むそう塾でお伝えするお料理は、どれも絶対美味しいお料理ばかりです。
それはプロの技術を惜しむことなく投入した作り方だからです。
私がなぜ中川さんと一緒にお料理教室をしようと思ったか?
それは、家庭料理の危機を感じたからです。
マクロビオティックを知ってからマクロビオティックの指導校に通いましたが、そこに通う人たちのお料理に対する姿勢や技術にはビックリすることが多かったです。

それは彼女たちが悪いのではなく、親からも教えてもらえなかった世代がゴロゴロしているだけだったのです。
下手をすると、その親世代もまた子どもたちに伝えるべきお料理を知らない時代であることを実感しました。
ましてや時代の風潮とともに女性が外に働きに出て、家庭料理はどんどんみすぼらしくなり、挙げ句の果ては食源病とも思える病気が増加しています。

どんなにマクロビオティックの魅力を伝えようと思っても、導入部分のお料理がまずければ絶対受け入れてもらえません。
食べるものは美味しくないと軍配が上がらないからです。
どんなに体に良いお料理だと口で説明しても、まずいものは敬遠されてしまいます。
子供が一番わかりやすいのですが、美味しいと感じたら残しません。
そして食べるのが早くて笑顔になります。
ですから、子供に好き嫌いが多いということは、その食材がニセモノか、お料理する人の腕がニセモノということがほとんどです。

絶対美味しいマクロビオティック料理を伝えたい。
体調不良のマクロビオティック難民を救いたい。
そう思ってむそう塾を始めて8年目になりましたが、やはり中川さんのお料理の美味しさが大絶賛されて、ご家庭でもその味を再現してくださる方が増えました。
ご家族様の体調が良くなったのはもちろんですが、お子様やご主人様の反応が凄いのです。
嫌いだったはずの食材も食べてくれるとか、煮魚がきらいだと言っていたご主人様が「美味しい!美味しい!」と言って食べてくれるとか、この類の話は枚挙にいとまがありません。

それは、プロの技術をご家庭でも使えるようにアレンジして、味の妥協は一切しないでお伝えしているので、この結果が出せたのだと思っています。
ご家庭で毎日食べるものこそ安心で美味しいものを。
これで本当のマクロビオティックの良さを伝えられると確信しています。
家庭料理だから三流の味で良いのではありません。
愛情だけ注げばそれですべてがチャラになるような時代ではありません。

食材や環境の汚染を含む複雑な時代にあって、自分の健康や命を守るために、今ほど家庭料理の大切さが問われている時代はないと思います。
だからこそ、家庭料理は笑顔のこぼれる内容でなければなりません。
マクロビオティックの玄米菜食だけにとどまらず、動物性の良さも取り入れようとすれば、そこにはプロの技術が大いに活きて来ます。
そのための最低限の基本である包丁砥ぎと剥き方・刻み方だけは最初に身につけていただこうとするのが幸せコースの最初の授業です。

今は桂剥き投稿の真っ最中ですが、目的を見失うことなく、今の自分にできる精一杯を目指してください。
苦手なことに取り組むのは誰でもいやなものです。
でも、だからこそ、その人の真価が問われる場面でもあります。
桂剥きというチャンスを活かして、ぜひ飛躍なさってください。

 
 

カツオのタタキ マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(カツオのたたき 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

【これから開催予定の講座案内】
【玄米の炊き方秘伝(第98回愛クラス)のご案内】

 
 
カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, むそう塾スタイル | コメントする