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「マクロビオティック京料理教室 むそう塾」カテゴリーアーカイブ
煮物は中庸のお料理方法なので心身を穏やかにします
日本料理の何が一番素晴らしいかって問われたら、私は迷わず煮物をあげます。
これは好き嫌いの問題ではなく、身体に与える影響から考えた結果です。
「煮物=ことこと」という印象がおありかも知れませんが、まさにこの「ことこと」を保つ火加減がとても良い癒やしになるのです。
炒めものや揚げ物では得られない優しい火加減と水分。
これが体の中の小宇宙と響き合って、精神的な安定感や安心感をつれてきます。
あなたが毎日召し上がる食べ物の中に、美味しい煮物はありますか?
お出汁や野菜の旨味をたっぷり含んだ煮物は、身体に優しく作用して体調を整えてくれます。
下の写真はむそう塾の幸せコースで11月にお教えした「中川式筑前煮」です。
地鶏と根菜類の旨味がグッと凝縮して、それはそれは美味しいお料理です。(お汁も飲み干す美味しさ!)
私はこの筑前煮をいただくと、お通じがとても良くなります。
根菜類の力ですね。
(中川式筑前煮 料理:京料理人 中川善博)
最近怒りっぽいな、イライラしてるな、そんな人は煮物不足を疑ってみてください。
しっとりとしたお料理は召し上がるのも良いのですが、作る人が一番その恩恵を受けます。
やさしく立ち上がる湯気を見ているだけでも心が落ち着きます。
手間をかける人の特典ですね。
ですから私はぜひ煮物を作ることをお勧めします。
むそう塾では、幸せコース・上級幸せコースを通して、たくさんの煮物がカリキュラムに入っています。
プロが作る美味しい煮物が家庭の味として自分でも作れる贅沢なコースです。
改めて煮物が精神的に及ぼす影響の強さを自覚して、穏やかな日々が送れるよう煮物上手な人になってください。
煮物は焼き物や揚げ物と違って、冷めても美味しさがキープできるのが素晴らしいところです。
日本の食文化にバンザイ!
なお、煮物はマクロビオティックの陰陽でみると、大半が中庸になります。
これで穏やかな気持ちになれるのも納得ですね。
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾, 食べ物あれこれ
7件のコメント
真に美味しい玄米ご飯を知らない人に伝えたいこと
2008年に「玄米の炊き方教室」としてスタートしたむそう塾。
来年で7年目になるのですが、その間にマクロビオティックの世界も一般の人へのマクロビオティック浸透率も当然のことながら変化してきました。
相変わらずマクロビオティックは宗教だという人や、玄米は良くないという人や、マクロビオティックは間違っているという人などがいます。
それらの情報に心が揺らぐ人もいらっしゃるでしょうが、どの時代にもどの分野にあっても異なる意見というのはあるもので、それで一喜一憂するのではなく、自分の身体で確認しながら答えを出す癖をつけましょう。
特にマクロビオティックは考え方だけでなく、食材の選択と食べ方がともなうものなので、自分の体調にピッタリ合わないとその効果が得られないどころか、かえって体調を悪くする場合もあります。
それらの内容は食べ物であるがゆえに多岐にわたるのですが、一番危惧するのは玄米の炊き上がりです。
玄米は保存性がある分、硬い皮に覆われているのですが、その硬い皮と米糠部分に素晴らしい力があって、それが白米では得られない効果になるのです。
さらに食品成分表でも玄米は白米にない成分を持っていますが、それは玄米を全部吸収できればの話で、あまりアルファ化されていない硬い玄米ご飯を食べると痩せる場合が多くなります。
つまり、玄米の栄養分で吸収しきれていない部分があるのに、玄米の持つ排出力の方が活躍するので、ある意味で身体に残しておきたい栄養分まで持っていかれてしまう感じになるのです。
マクロビオティックを長い間されている人には、痩せ過ぎのように感じる人が多いのは、この辺りにネックがあります。
他に動物性云々の問題もありますが、やはり主食が一番大切で、主食によって体調は大きく変化します。
私は主食が腸の顔を作ると思っています。
もちろんおかずも腸の顔に影響しますが、「毎日続けて同じものを摂る」という点において影響力はおかずのうちの一品より強くなります。
ですから、もしあなたが毎日続けて摂取している食品があるなら、その影響力をもう一度見直されると良いでしょう。
案外無意識に口にしているものがあったりするんですよ。
というわけで、玄米ご飯を主食とされているなら、その炊き上がりは白米より美味しいくらいにしましょう。
なぜなら、人間は美味しいものが好きだからです。
より美味しいものがあるとそちらに気が行くので、子供や男性で栄養面に無関心な人は玄米ご飯を嫌うようになります。
でも、本当にふっくらと炊けた玄米ご飯には白米に優る美味しさがあるので、子供でも男性でも喜んで食べてくれます。
そんな玄米ご飯は体調を良くしてくれるのですが、ふっと白いご飯を食べるとその物足りなさに驚きます。
そこまで感じて初めて「ああ、玄米ご飯ってやっぱり身体にいいような気がする」というところでしょうか。
美味しいと思える、食べたいと思えるというのはとても重要な基準で、そう思えない場合はお料理が下手か、身体に悪い食材か、体調に合っていない食べ物ということになります。
子供は本能でそれを判断しますが、大人は仕入れた情報で頭が毒されているので、「思い込んで」食べようとします。
でも、その思い込みが体調不良につながるので、ぜひ情報に踊らされないで、自分の味覚や直感を信じて判断出来るようになりましょう。
そのためにも、玄米ご飯についていうなら、まずは体に負担のない状態に炊き上がった玄米ご飯を知ることから始めるのが近道です。
お手本がないとどこを目指して良いのか分からないからです。
そういう意味において、考え方の通信教育は出来るでしょうが、お料理の通信教育は難しいですね。
食べたことのないものを作るのは想像でしかないからです。
むそう塾でお料理を習った人たちの復習をみていると、まさに十人十色で、受け取り方が実に様々なのです。
むそう塾ではそれを「自動変換」と称していますが、自動変換のない人は皆無です。大なり小なりあるものです。
それが人間でもあるのですが、それがあまりにも著しいと美味しくないだけでなく、体調に影響してしまいますので、アフターフォローで厳しくチェックしています。
そこまでチェックして初めて、その人にピッタリの玄米ご飯が炊き上がるのですが、精神面が弱い人はその日の心理状態が玄米ごはんやお料理に反映してバランスが崩れます。
そんなところまでお料理と向き合ったことはない人も多いでしょうが、この段階まで来ると、本当に「真の美味しさ」に目覚めます。
真の美味しさとは、口で感じるのではなく、心と細胞で感じるものだと気づくことでしょう。
真に美味しいものを口にした後に訪れるあの癒しこそがあなたをつくるのです。
もしあなたがまだ理想の玄米ご飯の美味しさを知らないのでしたら、むそう塾の「玄米の炊き方秘伝(愛クラス)」を受講してみましょう。
今までの玄米ご飯の概念を吹き飛ばしてしまう美味しさに、きっと驚かれることと思います。
プロが本気で取り組んだ「白米のような玄米ご飯」の炊き方を伝授します。
(玄米稲荷寿司 料理:京料理人 中川善博)
この絶品稲荷寿司の中にはふっくらと炊き上がった玄米ご飯が入っています。
完全にふっくらと炊き上がっていない玄米ご飯でお寿司を作ると、すし酢がご飯の中に入っていかずにお米のまわりにまとわりつくだけなので、ベチャベチャして美味しくありません。
高レベルで炊き上がった玄米ご飯だからこその美味しさがこの稲荷寿司にはあります。
そして白米の稲荷寿司より何倍も美味しくて、玄米嫌いの人でも気づかずに大喜びで食べてくれます。
上級幸せコースでお寿司を習った人は、稲荷寿司の単発講座を受講できますが、もし玄米ご飯の炊き方がぶれていたなら、愛クラスで確実に炊けるように修正しておきましょう。
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
11件のコメント
cookpadを覗いてビックリ! お弁当の温度に思うことあり
けさ初めてcookpadのお弁当カテゴリーを覗いたら、こんな話題があってビックリしました。
<お弁当の温度>
「私は諸事情で子供のお弁当を前日に作り、詰めて、冷蔵庫に入れています。朝子供は冷蔵庫から出してそのまま持っていくのですが、やはりごはんなどが固くておいしくないようです。そこで朝レンジでチンしてから持たせたのですが、夏場は先生から保冷剤を入れるようにと連絡もあります。チンして温めてからまた保冷剤で冷やすのも変だし、どうしたものかと。。みなさんはどうしていますか?
私の学生の頃を思い出すと、母は暖かいおかずやごはんを朝つめて、私はそのまま学校に持っていき、お昼には常温になっているものを食べまていました。部活で夏場外に置きっぱなしでも、保冷剤もなしで、普通に暖かいお弁当を持って行っていました。一度も食中毒になったことはありません。でも最近はいろいろ怖いニュースもききますからね。。
私のように前日に詰めてしまう場合、おいしく、さらに安全なお弁当を食べさせてあげるにはどうしたらいいでしょうか。」
さらに、別の人からこんな発言も。
「私も旦那のお弁当を前日に作ってます。
冷蔵庫で完全に冷やしてから保冷バッグに入れて持って行きます。
確かにご飯は固くなりますね…
なので、かなりやわらかめに炊いてます。
もしどうしても冷たいご飯が嫌なら
おかずだけ前日に作って
ご飯を別容器に自分で朝に詰めて行くとかは?(´・ω・`)?」
* * *
んも〜、絶句です。
いつもむそう塾生と接しているので、このような人がいてこれからこの話題が展開して行くのかと思うと、何だか背中が寒くなります。
冷蔵庫過信の問題もありますけど、その原因は食中毒を避けるための基本的なことを知らないためにこうなってしまったと考えられます。
しかし大事なことは、少々の毒で負けるような体にならないことです。
もっと体の中から活力の出る食生活で免疫力をつけてほしいなと思います。
率直な気持ちとして、この寒い季節にはどうか温かい食べ物(せめて常温)のお弁当を持たせてあげてほしいと感じました。
もうここを覗くことはないと思いますが、どうか前向きで真っ当なご意見が出ることを願っています。
それにしてもむそう塾生のレベルは高いですね。
OBENTERSのレベルには毎日唸ります。
朝早くに起きて(3時頃から起きる人も)、玄米ご飯を炊き、おかずを全部手づくりして、携帯用のお味噌汁と糠漬けを用意して、6時過ぎには一人目の投稿が始まります。
そんな仲間が何十人もいるのですから、凄いエネルギーです。
ちなみに今朝の100点お弁当は3名でした。
(好さんの100点お弁当)
(舞さんの100点お弁当)
(カモメさんの100点お弁当)
砂糖と乳製品に関する内海聡先生の記事より
Facebookで医師の内海聡先生の書かれた記事が私の書きたいことそのものなので、こちらでリンクさせていただきます。
先生は特定の健康法を勧めているわけではなく、社会と物事の本質を見極めて情報を発信されているのですが、大いにマクロビオティックとリンクする部分があります。
しかし、桜沢先生の不十分な部分はちゃんと指摘しており、ある意味で巷のマクロビオティックの先生より正確にマクロビオティックを分析されていると思います。
私は常々、街で見かける女性たちを望診していて、せめて砂糖と乳製品を控えるだけでも体調が激変するのになあと思っていました。
そして、主食をしっかり摂ってほしいとも。
そんなことを内海先生も書かれています。
なお、むそう塾では煮物の授業で陰陽の差を目のあたりにして、皆さんが驚かれます。
鍋の中で起こっている現象は、私たちの体の中で起こる現象と同じなんだと知った時、お砂糖に伸びる手が引っ込みます。
甘味料はすべて陰性に作用しますので、このことをしっかり頭に入れておきましょう。
美しくなるために♡
女性はいつも美容のことを考えていらっしゃいますが、そ
これは黒砂糖やてんさい糖や三温糖だから美容にいいなど
果糖はそれ以上の猛毒になります。フルーツばかり食べて
牛乳や乳製品も美容の大敵です。牛乳は骨を強くする作用
また、現在の牛乳はホルモン剤や抗生物質やワクチンを多
(ホテルオークラ京都 桃李)
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾, マクロビオティックが楽しい♪
4件のコメント
味覚を正確に認識できない子供が30%超。このままでは日本の食文化は崩壊する
むそう塾で最近登場するようになった「味覚音痴」の話題です。
事の発端は糠床の酸味が判らないというものでした。
最初は冗談かと思ったのですが、どうやら本当に判らないようです。
最初は亜鉛不足などを疑ったのですが、他にも似たような人がいたので真剣に考え始めました。
フランスではかなり前から「味覚の授業」をしているのは知っていましたが、日本でも三國清三シェフが何年か前から「味覚の授業」をされていますね。
テレビでも取り上げられていましたから、ご存知のかたも多いでしょう。
三國シェフの授業の記事がありましたので、リンクしておきます。
お子様を育てているご家庭では参考になさると良いかもしれません。
日々のお料理でこれらの味覚が刺激されていれば問題ないのですが、中には心を痛める食生活環境の人もいますから、大人になってからでも確認しておきたいですね。
一番難しいとされる「旨味」について、今は外国から注目を集めている日本ですが、先日目にした雑誌にもその旨味の本場(日本)にフランスから「発酵」とともに研究に来られた人の記事が載っていました。
(SIGNATURE 12月号より)
世界で旨味が判るのは日本人だけと言われた時代は遠く去って、将来は旨味の判らない人が増えないためにも、せめて味覚音痴は解消しておきたいですね。
日本人が旨味を判断できるのは、発酵の文化があるからなのですが、今では発酵食品を摂取しない人が多いので、なおのこと本物の旨味が判らないのかも知れません。
むそう塾では発酵食品をしっかり摂るように指導していますし、味の指導は徹底的に繰り返して行なっています。
そして、教えっ放しにしないで、いつも塾生さんの作品を味見して中川善博本人がチェックしています。
ある意味でむそう塾生は「旨味」を知りすぎて、旨味のとりこになっているかもしれません(笑)
<参考記事>
「味覚を正確に認識できない子供が30%超。このままでは日本の食文化は崩壊する」
「和食」が無形文化遺産に登録され、ミシュランの星の数でも世界一。すしやラーメンを食べるためだけの観光客が欧米からも訪れる。2013年には、農林水産物の海外輸出額も過去最高を記録。官民共同でさらに日本の「食」を世界に展開しようという動きも多い。現在の日本はまぎれもなく、世界有数のグルメ大国だ。
ところがその土台が危うい。先日、東京医科歯科大学の研究グループが発表した調査結果では、基本となる4つの味覚(酸味、塩味、甘味、苦み)のいずれかを認識できない子どもが全体の30%あまりを占めていたという(調査対象は小学1年生~中学2年生)。もし「うまみ」を加えた五味で調査されていたら、この数字はさらに増えていたはずだ。
4つの基本味は歴史的に見ても世界中で認知されてきた味で、子どもの30%以上が基本味を感じ取れないというのは結構な問題だ。といっても、単に食べ手としての”不感症”なら特に問題はない。本人はただ「うまいうまい」と食べていればそれで幸せなのだから。ただし、「食」や「農」を国外に向けて売り物になるレベルの産業として考えているならば、大至急対策が必要だ。
メーカーの開発者だろうと、飲食店のシェフだろうと「食」を作り出す現場で共通する最後のチェックポイントは「官能テスト」――平たく言うと「味見」である。味がわからない人が「食」を作り出すのは非常に難しい。「正解」のイメージが捉えられず、しかも特定の味がわからないとなると、味を構成するロジックも構築できない。イメージ、ロジックが両立してこそ一流の味になるわけで、どちらもなしにまともなものが作れるわけがない。
日本よりも先に「食」を無形文化遺産に登録したフランス(美食術)では9~10歳を対象とした「味覚の授業」というプログラムがある。「味」について考えさせ、「塩」「酢」「チョコレート」「砂糖」を味わい、食材の色、形、匂い、味など食べ物と五感の関係に触れさせる試みだ。
近年、日本でもこのプログラムに「うまみ」を加えた五味の「味覚の授業」が行われるようになった。もっとも昨年授業を受けたのは5803人とまだ実績は少ない。野球やサッカーなどのスポーツを見ても明らかなように、競技人口は国の競技レベルを決める大きな要因だ。味覚についても教育によって”識味率”は向上できるし、すそ野が広がればトップのレベルも上がる。調理実習も悪くはないが、その前に”味見実習”を行うことで、より「食」について効果的な育成が可能となるはずだ。
2020年の東京オリンピックという打ち上げ花火のあと、日本の基幹コンテンツである「食」をいかに継続的、かつ効果的に内外に向けて発信し続けるか。その担い手を育成するシステムの整備は産業としての「食」を維持・発展させるためにも急務である。
<文/松浦達也>
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