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烏賊
今日は顰蹙を買いそうなお話をしましょうか。
読者の中に関係者様が居られましたら大きな心でお許し下さい。
京都のタダの料理人の戯言ですので。
さて イカです。
漢字では烏賊と書きます。
その由来は、海に飛び込んでイカを食べようとした烏が、反対に
イカの方に食べられてしまったという言い伝えかららしいです。
昨今の原油価格の高騰で陸上運送以外でも燃料コスト高で立ち
行かなくなって居る人たちが沢山居られます。
漁師さん達もその一つです。
先日、イカ漁の2日間休業の知らせをドーン!とトップニュースで
ぶちあげていました。
東北の震災の影に隠れて押し出しが弱くなってしまったのでご存
じない方も居られるでしょう。
イカ漁は通常の漁業よりも燃費の悪い漁です。
重油を焚いた発電機で起こした電気で集魚灯を明々と灯しながら
夜通し作業します。
その灯りの元となる重油が高騰し、イカを獲っても獲ってもトントン
か、下手をすれば赤字が出るような状態になってしまったと言うの
です。
海にイカが居なくなったわけではありません。
ここから少し経済のお話も出てきます。
■イカを獲れば獲るほど供給過多となり市場価格が下がる。
↓
■漁獲高に正比例して収入が増加しなくなる。
↓
■しかし、ランニングコストは一定なので漁に出れば出る
ほど正比例的に増加する。
↓
結果コスト高となる。
イカ漁は今まではこんな状況でした。
今回は上の状況に加えて燃料の値上げが来て出漁するほど損が
出てしまう可能性が出てきたわけです。
そして休業を決めました。
収入の増加が見込めないのだからコストの減少を謀ったわけです。
2日間の休業です。
京都人というのは元来真正面から物を見ないのですね。
うがっています。
どう見たかといいますと・・・。
■2日間休業します、非常に困っています!と、世間や政府に
アピールして漁を休みます。
↓
■そうすると市場にイカが出回らなくなります。
↓
■イカを食べたい国民はイカを探します。
↓
■イカに対する渇望感を充分に煽ります。
↓
■イカに対する欲求が充分に高まった頃に2日間の休業を終え
てイカ漁が始まります。
↓
■久々のイカの水揚げに港は活気づき、買い出し業者も高値を
付けて買い付けます。
農産物と違って水産物は潮次第なところがあり、競り値が平気
で3倍5倍になったりします。
1日分の漁獲高でも値段が3倍になったとするということはイカに対し
て燃料コストが1/3になったと同じである。
以降、休んだり出漁したりを繰り返しながら市場のイカ不足感を保ち
続ける。
漁師さんの休みが増えて燃料コストが下がって収入が減らない。
これを「品薄商法」と言います。
こんなことをイカ漁の偉いさんがコントローラブルに粛々とこなしてい
たら怖いよなぁ。
やっぱり振り回されるのは消費者なんだなぁ。と思いました。
イカ漁休業のニュースを見ていて、私の頭にこんな事が湧いて来たの
は私がニンテンドーを擁する京都生まれだからでしょうか?(苦笑)
静かに50になりました
最近良い曲だなと思ったのは
SEAMOのお母ちゃんへの唄ではなく、superflyでもなく、キマグレンでもない。
いいなぁ♪と素直に聞けたのはクロマニヨンズのエイトビートだ。
母の日
スクラッチ度とシズル感と
「前社長がしていたことで」
今年の流行語大賞にノミネートされるのだろうか?
通称腹話術女将がまたまたヒットを飛ばしてくれた。
この女将はよほどプライドが高いのか、負けず嫌いなのか、記者達の
故意にムッとさせる質問に見事に引っかかってくれるのだ。
言わなくてもよい一言がポロポロ出てくる。
そしてメディアの編集という名の情報操作で視聴者が喜ぶキャラクター
としてオンエアされるのである。
それはよいとして、問題なのは残飯を次の客に回して堂々と定価で
売り上げを上げていたことである。
捨てるのがもったいないのであれば家族や従業員のまかないにすれば
よいこと。 そもそももったいないという言葉の使い方を間違っている。
その前社長に言われてハイハイと言うことをきいて残飯を使い回しして
いた料理人も料理人である。 馬鹿者が!
もっと大馬鹿者はそんな店をブランド力のある高級店として利用して
いた客であろう。
少し味のわかる人間であれば温めなおした料理とできたての料理の
違いくらいはわかるものだ。 そんなこともわからずに高ければ良いと
詣でている大馬鹿者が何年間もの愚行を許したのだ。
恥ずかしいと思わないのだろうか?
先代が草場の陰できっと泣いておられるだろう。
おそらくここの女将や料理人達にコンビニ弁当やファーストフードを食べ
させたらこう言うだろう。「こんな身体に悪そうなもんは食べられません」
と。 しかしね、コンビニ弁当やファーストフードはね、たっぷりと時間を
とった賞味期限を固く守って時間が来たら廃棄するんですよ。
お客様に鮮度の良い商品を提供するために。
一人前何万円も取って残飯を大事なお客様に食べさせたのだから
この人たちに料理をする資格は無いと思います。
でも止めずにがんばります。とおっしゃってましたから猛省の上に猛省を
し、全員で麒麟になってがんばってほしい。
人の噂も七十五日、喉元過ぎれば熱さ忘れるという言葉がある。
喉元を過ぎるのに時間がかかる麒麟になっていただきたい。
社長の首をすげ替えて頭を下げてしばらく辛抱していたらすぐに誰も
言わなくなるから。という作戦は失敗に終わったのです。
料理というものは食べてくださる相手の事を思いながら気を込めて心
を込めて作るものである。
しかもその込めた気は長く料理に留まることはないのである。
1日間。 長くて2日。
だから冷凍食品やレトルト食品は旨くないのである。
機械で作ったおにぎりよりお母さんが作ってくれたいびつなおにぎりの
ほうが旨いのは誰でも実感したことがあると思う。
「シズル感とスクラッチ度」
こんな言葉も覚えて頂くと料理の感性を高めるのに役に立つかもしれ
ません。
シズル感というのはたとえば昨日の絹さやのブランチングしたての青さ
湯気加減で「うまそー!」と感じさせる様子。
焼きたてのステーキやハンバーグがジュージュー言ってる状態もシズル
感の高い様子ですね。
このシズル感は焼き直した鮎の塩焼きや揚げ直した天ぷらでは感じら
れないはず。
スクラッチ度とはDJがレコード盤をきゅきゅきゅきゅしてるわけではありま
せん。
飲食店の「手作り度」と訳せばよいでしょうか。 原材料からすべての
行程を経て料理を作る店をスクラッチ度が高いと表現します。
今流行の焼きたてパン屋さんにも使われます。
パンを粉から合わせて生地を捏ね、発酵させてパンを焼く店を完全
スクラッチ店と呼んだりします。
今はだんだん少なくなってきて、CKで作った冷凍生地を凍ったまま
店舗にあるオーブンでバイトが焼く店が増えています。
食えれば良いというものを作るのか?
食べてくださる人の健康や幸せまで考えて調理するのか?
ちゃんとしようぜ!