マクロビオティックの料理教室も変わってきましたね

むそう塾が動物性のメニューもカリキュラムに入れてマクロビオティックの料理教室をスタートしたのは丸8年前。来月からは9年目に入ります。
当初は「マクロビオティックの料理教室なのに動物性のお料理を入れるなんて!」という声もありました。
でも、日本の伝統料理を伝える目的もあったため、どうしても動物性のお料理も外せないと考えていました。
そして、動物性をかたくなに拒否して体調の悪い人を多く見ていたので、本当の陰陽バランスを伝えたいとも思っていました。

2004年の5月、山梨県小淵沢に「クシ インスティテュート オブ ジャパン」が出来て、日本での普及活動が始まると一気にマクロビオティックの様子が変わり始めました。
雑誌でもマクロビオティックが取り上げられるようになり、それとともに誇張されたマクロビオティックが拡がり始めました。
それまであった食養イメージのマクロビオティックから、華やかでお洒落なイメージのマクロビオティックへとチェンジし始めました。

しかし、東京の日本CI協会や大阪の正食協会は依然として従来どおりの教え方を続け、同じマクロビオティックの名のもとに二つの流れが出来たのです。
どちらかというと地味なマクロビオティックより華やかさを伴うマクロビオティックを実践する人が増えて、その辺りから体調が思わしくない人が増え始めました。
もちろん、体調が良くなる人もたくさんいたのですが、マクロビオティックをする前より体調が悪くなった人も増えました。

そんな状態を見て、私はブログで発信しつつ駆け込み寺(むそう塾)を作ったのですが、2004年から12年あまり経って、そろそろ指導者たちも気づき始めたようです。
塩分に頼りすぎたり、塩分を減らし過ぎたり、油を使いすぎたり、油を控えすぎたり、動物性を邪食といって避けすぎたり、指導者たちがもうゴチャゴチャになっていたのですが、やっと最近になって動物性をメニューに取り入れるマクロビオティックの教室が出始めました。
昨年あたりから一部にその動きが出始め、今年はあちこちにその動きが広まっている感じです。

いいじゃないですか。
日本人が鰹節を否定してどんな良いことがあるのでしょう?
日本人とお刺身を切り離してどれだけ幸せな家庭が増えるのでしょう?
笑顔で食卓を囲める家族と、旬の食材がそこにあれば、それだけでいいじゃないですか。

マクロビオティックが逆輸入されてきて一昔経ち、やっとこれから次のステップに進めそうな時代になりましたが、頭の硬い指導者は未だに古いマクロビオティックにしがみついているかもしれません。
しかし、マクロビオティックの細部は常に変わりつつあるのです。
それは対象の陰陽が変化しているから、対応(指導)も変化させなければならないのです。
大枠のマクロビオティックは普遍ですが、細かな調整は必要になります。
それらのことにあちこちの料理教室が気づき始めたことが嬉しいなと思っています。

 
 

ラタトゥイユ マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(ラタトゥイユ 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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一期一会

誕生日の薔薇

 
 

昨年はホテルのお部屋で迎えた私の誕生日ですが、今年は京都のマンションで先日誕生日を迎えました。
中川さんから届いた68本の薔薇は、こんなにもノビノビと元気に咲いています。
60代もあと1年だけなんだなと思うと、ちょっと襟を正して日々を過ごさなくてはと改めて氣が引き締まりました。

ところで、年齢の数え方については去年の記事で書きましたが、この1年間は環境の陰陽をとても感じた日々でした。
マクロビオティックをご存知ない方には、「環境の陰陽」といってもピンと来ないかも知れませんが、人はみな環境とともに生きています。
小さな環境では自分の住まいや職場ですが、大きな環境では地球そのものであり、宇宙までひっくるめて環境になります。
そして人間関係もまた環境です。

私たちはつねづね「生きている」つもりになっていますが、実は「生かされている」のが正しい姿であり、そのことを強く意識すると今ある不満のほとんどは消えてなくなります。
と同時に、自分が生かされている意味を考えると、自分の立ち位置が明瞭になってきます。
自分は何をするべきか、どう生きていけばいいのかが、その立ち位置から割り出されてくるからです。

私はありがたいことにマクロビオティックを知ってから、いつも自分が進むべき道が明確になっていて、知らず知らずのうちに道ができている感じがします。
「一期一会」を大切にして生きていると、自然に感謝の気持ちが湧いてきます。
良いとか悪いとかそんなちっぽけなことではなく、ただただ出会いに感謝して「今を生きる」というのは、マクロビオティックの精神そのものでもあります。

私は中川さんに出会えて本当に良かったです。
精神的な強さをしっかり学ばせていただいただけでなく、一人では到底出来なかったことが出来るようになり、多くの人達と喜びを分かち合える場を作ることが出来ました。
さらに陰陽の違いを身をもって確認することも出来ました。
お互いに一期一会を大切にするからこそ、こんな面白い生き方が出来ています。

これからも一人ひとりの塾生さんとの一期一会を大切に生きて行きます。

 
 

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鱧の棒寿司やお弁当や利尿作用のこと

昨日は税理士さんとの打ち合わせがあり、中川さんも3階の片付けに大忙しなので、お昼ごはんはデパ地下でお弁当を買うことになりました。
向かいの銀行で税金を払ってから、京都高島屋の地下食料品売場を歩いていたら、鱧の棒寿司が目にとまりました。
いつもはお弁当のコーナーであれこれ買ったりするのですが、昨日はよそ様の鱧の仕上がりを勉強したいので、違うお店のお弁当を選びました。

いつもはこちらのお弁当。
いづうの鯖寿司は小さい方は切ってあるのですが、大きい方は切っていないので、購入する際は気をつけましょう。
京都高島屋

 
 

さて、鱧の棒寿司ですが、ショーケースを見ただけで、鱧の流線が出ていないのが一目瞭然ですが、それでも「活け鱧の棒寿司」と書かれていました。
一般的にはそんなものですね。
むそう塾の鱧はたくやさんのおかげで特別鮮度の良いものをお届けくださっているのですから。
では、鱧の骨切りを習った人のために、包装を含めてご紹介してみましょう。

 
 

美濃吉 鱧の棒寿司1

 
 

美濃吉 鱧の棒寿司2

 
 

美濃吉 鱧の棒寿司3

 
 

美濃吉 鱧の棒寿司5

 
 

う〜ん。。。
美濃吉 鱧の棒寿司6

 
 

骨が何本も出てきました。
でも、これが普通です。
京都の有名料亭ですら、鱧の骨が出てくることが何度もありましたから。
写真は中川さんの指なので、骨の長さが短く見えます(笑)
美濃吉 鱧の棒寿司7

 
 

むそう塾では今年も鱧の骨切りに挑んでいる主婦が何人もおられます。
そんな物好きなと思われるでしょうが、完全に骨切りされた鱧は本当に美味しいので、その美味しさに惹かれて骨切りに挑戦しているというのが本音でしょうか。
幸せコースから地道に続けてきた包丁砥ぎや刻みの練習があったからこそ、素人でもプロ顔負けの骨切りが可能になるのです。
考えてみれば本当に凄いことですね。
日々の努力ってこういうところで実るんですね。
なお、この棒寿司は税込みで4,104円でした。
1貫820円ほど。この値段を考えたら、自分で骨切りしたくなるのではないでしょうか。

 
 

鱧の棒寿司 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

鱧の棒寿司 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

*   *   *

ついでに他のお弁当も献立参考のために載せておきましょう。
美濃吉のお弁当1

 
 

美濃吉のお弁当2

 
 

これらのお弁当の良いところは、煮物がたっぷり入っているところです。
煮物は体に優しく、汗をかく季節には上手にいただきたいものばかりです。
梅雨の季節には湿気に負けている人が結構います。
だるい、重い、むくむなどの症状は、体の中に水分が滞っていますので、積極的に汗をかいたり、ミネラル分の補給を上手にしましょう。

マクロビオティックではよくこの季節には乾物を摂ることを推奨します。
高野豆腐や切り干し大根ですね。
それからとうもろこしのひげもお奨めです。
今はとうもろこしが出まわっていますが、それはちゃんと意味のあることなので、とうもろこしのひげを捨ててしまわないで、天日乾燥してからそれを煮だして飲みます。
利尿効果があるのでむくみ解消に役立ちます。

ただし、漢方では生薬にもなっていますので、体調をみながら飲み過ぎには注意してください。
そういえば、上のお弁当にも冬瓜の煮物が入っていますね。
この冬瓜も利尿作用があります。
こうして体内の水分と相談しながら食べ物を考えるときに役立つのがマクロビオティックの陰陽でもあります。

こんなふうに、季節に出回る食材に敏感に反応したお料理をいただくことは、地道に健康を築いて行くことになります。
マクロビオティックの食べ方は決して難しいものではなく、旬を大事にしていれば大きな間違いはありません。
動物性も含めて、陰陽バランスの取れたお食事にするために、この鱧は京都の人たちに大きく貢献しているのでしょう。

 
 

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「2012年版 瞬速料理5品 夏バージョン」開催のお知らせ

昨日の授業で過去に開催した瞬速料理の話が出ました。
以前は夏の瞬速料理とか秋の瞬速料理とかを開催して、サッと出来るお料理を教えていたものです。
今ではお弁当講座がその瞬速料理も兼ねていたりしますが、お弁当講座との違いは、自宅で召し上るお料理として水分たっぷりなお料理があることです。
汗をかく季節には、水分とミネラルの上手な補給が必要なのですが、この瞬速料理は理想的な形で水分を摂る工夫がされていて、格別の美味しさがあります。

昨日ご希望があったのは、2012年の夏に開催したものですが、そのままの内容で再び開催することにしました。
なお、夏の食材を使うため、少しでも早い日程ということで、あいにく平日開催となってしまいますが、1人でも多くの方にご縁がありますように。
「何も作れなかった私がいろんなお料理ができるようになるまで」の記事を書いてくださった舞さんも、この瞬速料理に助けられた時期があったようですね。
お料理が苦手な方も、今年の夏にはこれらのお料理に助けてもらってください。

瞬速料理はお弁当講座よりメニュー数が少ないのですが、マクロ美風から「マクロビオティックの夏の落とし穴」と題して大事な注意点をお話ししますので、そちらに少しお時間をいただきます。
このお話は陰陽的にもとても重要な内容なので、マクロビオティックで体調を崩さないためにも、さらには自分の思い込みマクロビオティックから脱出できていない人は、ぜひこの時間で解決できるようにしましょう。

なお、日程は下記3日間のうち2日間を予定しておりますが、ご希望の多い日から開催日にしたいと思います。
今夜の22時までにTwitterでつぶやかれた状況で開催日を確定させていただきます。
8/10および8/15に開催日を確定しました。 22:24追記)

<過去の瞬速料理夏バージョンの雰囲気>
瞬速料理5品 夏バージョン  2012.8.12開催
瞬速料理5品 夏バージョン  2012.8.12開催
瞬速料理5品 夏バージョン  2012.8.13開催
瞬速料理5品 夏バージョン  2012.8.13開催

*   *   *

【講座名】
「2012年版 瞬速料理5品  夏バージョン」

【開催日】
・2016年8月10日(水)
・2016年8月15日(月)

【会場】
「なかがわ」京都市左京区孫橋町18

【内容】
◆<料理5品>
デモ形式&レシピ付
1 茄子の油炊き
2 三度豆のソテー ベーコン風味
3 賀茂茄子田楽
4 トマトのバルサミコ風味
5 マスカットのみぞれ和え

◆<昼食>
軽食をご用意します(その後の試食があるため。)

【タイムテーブル】
11:00 開場
11:30〜12:15 軽くお食事
12:15〜12:30 自己紹介
12:30〜14:00 「マクロビオティックの夏の落とし穴」(マクロ美風より)
14:00〜16:00 料理デモ&試食
16:00 記念撮影・解散

【持ち物】
なし

【定員】
各10名

【受講資格】
幸せコース修了者・在籍者

【お子様】
会場が狭いため、申し訳ありませんがご同伴出来ません

【受講費】
32,400円(消費税込)

【受講費の支払期限】
仮受付メールが届いてから7日以内

【申し込み方法】
こちらの予約システムから 2016年7月11日(月)22:30より受付開始

【締切】
定員になり次第

【キャンセル料】
・入金前:0%
・開催日の15日前~8日前:受講費の50%
・開催日の7日前~当日:受講費の100%
(ご返金に伴う振込手数料はいただきません)

 
 

トマトのバルサミコ風味 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(トマトのバルサミコ風味 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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「病気」や「症状」は、環境と自分の間でのバランスが崩れている信号機

マクロビオティックはとかく分かり難いものとして、先輩たちはその伝え方に苦慮されてきました。
しかし、高桑智雄氏はその難解なマクロビオティックをとても分かりやすく説明できる人で、私も高桑氏からいっぱい教えていただきました。
Facebookでまたまた素晴らしい文章を書かれていますので、ご紹介させていただきます。

 
 

<高桑智雄氏の記事より> 抜粋

<引用はじめ>

マクロビオティックにおいて「食」とは、二つの意味があります。狭義には私達が食べている「食べ物」、広義にはその食べ物を成り立たせている「環境」そのものをいいます。

「食=food=風土」とはよく言ったものです(笑)

マクロビオティックでは、私達を取り巻く環境は、物質を取り巻く空間と捉えられ、その物質を成り立たせているのは空間そのものであると考える東洋思想が基底にあります。

つまり私達と環境、物質と空間は、切り離すことができないことが前提となっています。

よくマクロビオティックは「疑似科学」とか「ニセ医学」とかご批判をいただくのですが、そんな時私は「はい、そうですよ」としか答えようがありません(笑)

「科学」や「医学」の基底にある西洋哲学は、物質と空間を切り離すことが前提となっています。

病院は外環境を遮断しますし、実験は研究室の中や試験官の中で、細心の注意を払って空間を遮断します。

ですから「病気」や「症状」に対しても、科学や医学とマクロビオティックでは、まったく捉え方が違うのです。

マクロビオティックは、「病気」や「症状」は、環境と自分の間でのバランスが崩れている信号機とみます。

だから環境と自分をとりもつ狭義の意味での「食」をまず見直すことことから、信号機を赤から黄、そして青へと戻し、再び環境との調和を復帰して行きます。

一方科学や医学は、「病気」や「症状」を異常を起こした部品として、最新の技術で撤去することを信条としています。

ですからまったく前提や目的が真逆的に違うのです。
ただ結果的副産物的にマクロビオティックで「病気」や「症状」が消えてしまうように見えることがあります。

だから、西洋思想を基底に考える人には、根拠のない「疑似科学」とか「ニセ医学」に見えてしまうのも、まったく仕方のないことなのです!

<引用おわり>

*   *   *

これはマクロビオティックを知っている人のみならず、西洋思想で教育された私たちが、何か不都合を感じた時にぜひ読んでいただきたい文章です。
特に、次の部分がとても重要な視点です。

マクロビオティックは、「病気」や「症状」は、環境と自分の間でのバランスが崩れている信号機とみます。

信号機というとらえ方が素晴らしいですね。
体の不調のみならず、心の不調も信号機で説明できます。
それほど環境は自分の体にも心にも大きな影響を与えます。
そのことに気づけたら、今不調で悩んでいる人にも解決の糸口になると思いませんか?

さらに、マクロビオティックの真髄を言い表しているのが次の文章です。

ただ結果的副産物的にマクロビオティックで「病気」や「症状」が消えてしまうように見えることがあります。

ここなんですよね。
この副産物にすぎないものを、受け取る側が「病気治し」と直結してしまったところにそもそもの誤解が生じたのです。
このブログでも何度も書いていますが、マクロビオティックは病気治しが目的ではありません。
生き方のヒントがいっぱい詰まった「考え方」です。

さらにコメント欄のお返事で参考になる言葉があります。
この違いを知っておけば、無駄な悩みは大いに減ること間違いなしです。

西洋視点は物質を見てるし、東洋視線は空間を見ていますよね。見ている方向がどだい違うので、議論しても咬み合わないですよね~

物質と空間。
これも陰陽の違いです。
物質という陽性の考え方に対し、空間という陰性の考え方、つまり、目に見えるものと目に見えないものの世界の差は大きいです。
陽性の考え方だけで行き詰まったのなら、陰性の考え方で解決策を図るのが至極当然な考え方だと私は思います。

 
 

賀茂茄子と万願寺唐辛子の揚げ浸し

 
 

(ある日の昼食から 賀茂茄子と万願寺唐辛子の揚げ浸し 料理:京料理人  中川善博)

 
 

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