「第12回穀菜食祭」に参加して

2007年11月25日(日)は、とっても暖かくて、風に揺れるススキの穂を目にしなければ、春かと思うような素晴らしいお天気でした。
伊豆はさすがに温暖です。
伊豆長岡に向かう電車の中で、私はありし日の大森英櫻先生のお顔を想い出していました。
それは、日本CI協会の一室で、大森先生と二人っきりでお話をしていた時のこと。
最近(2005年当時)のマクロビオティック事情を憂いて、思わず大森先生が本心を吐露した時の、悔しく、苦しく、やるせない想いがない交ぜになった表情です。
2年後のマクロビオティック界を、大森先生はどんなお気持ちで予想されていたのでしょうか。
その時の大森先生の表情を想い出すたびに、「きちんとマクロビオティックを伝えていこう」と気持ちを新たにするのです。
             *    *    *    *
さて、昨日は伊豆長岡のこだま荘さんで、大森英櫻先生の生誕88年記念を兼ねた「第12回穀菜食祭」が開催されました。
北海道や九州から110名の方が参加されていたのですが、その中に、な、なんと札幌の「Lilas(りら)・マクロビオティックスクール」を受講してくださっているMさんがいらっしゃってビックリ!!
大森一慧先生にお会いしたくて参加されたとのこと。
その熱意に頭が下がりました。
大森英櫻先生が亡くなってから3年経った今も、多くの人達が遠くから駆けつけて来る光景を目にすると、生前の大森先生の「美学」ともいえる生き方に共感しているからなんだなぁと思います。
その証拠に、大森先生を慕う人には男性の数が多いのです。
よく、お葬式でその人の真価が分かると言われますが、お葬式より月日が経ってもなお、人の心に生き続ける大森先生を、やはり私は尊敬します。
今私が死んだら、何人の人が悲しんでくださるのだろう。
それから3年経ったら、何人の人が私を覚えていてくださるのだろう。
そして、何人の人が私の生き方を肯定してくださるのだろう。
そんなことを思うと、大森先生の偉大さがよく分かります。
希薄なインターネットで繋がっている私の世界。
どれだけ現実の繋がりとして生きていけるのでしょうか。
ご報告すべきことが沢山あるのですが、きょうは、故人を偲んでこれだけの内容にいたします。


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マクロビオティックと病気

ずっと前から感じていたことなのですが、まわりに風邪ひきさんが多くなったので、ちょっと一言。

 

マクロビオティックを始めて間もない人に、多く見られる傾向なんです。
・ マクロビオティックがカラダやココロにいいらしい。
・ このとおりにやればいいらしい。

 

ということで、マクロビオティック(らしき)ことを始めます。
しかし、病気の根本をもう一度見直すことを忘れたまま、「薬をマクロビオティックに置き換えただけ」という人が多いんですね?。
つまり、「なぜ病気になったか?」は追求せず、「病気になったらマクロビオティックをきちんとやればいいんだ」と思っているんですね?。
あるいは、「マクロビオティックをしてたら病気にならないんだ」と思っている人もいます。
(いえいえ、病気はそんなに甘いもんじゃありません)
ですから、自分の体が自分の思うとおりにならないと、すぐ、誰か(何か)に答え(薬)を求めます。
最初は分からないことだらけですから、誰かに尋ねるのは当然ですし、むしろ、そうしながらマクロビオティックを理解してほしいと思っています。
でも、体の不調には、何かしら必ず原因があるはずです。
その原因を探ることが、第一になされるべきだと思うのです。
それをしないで、すぐ何かに飛びつくのは、「マクロビオティックをしている」ことにはならないと思います。
*    *    *    *

 

分かりやすい例で言うと風邪かも知れません。
特にインフルエンザは、予防接種に始まって風邪薬うんぬんまで、考えることがいくつもあります。
でも、病気は「治す」のではなくて「治る」のです。
体には病気を治そうとする力があるのです。
ですから、「その力の邪魔をしない」ことです。
もし、何かをするのなら、その力を最大限に尊重して、その力を引出すお手伝いをするくらいでしょうか。
もちろん、病気によっては西洋医学のお医者さんに診ていただくことも必要でしょう。
しかし、その時でも、決してお医者さん任せでは本当の快復ではないと思います。
病気を克服するのは、人間の遺伝子に組み込まれているプログラムであることを充分認識したうえで、そのプログラムがきちんと動作できるような環境を整えることがマクロビオティックなのではないでしょうか。
マクロビオティックは、精神の自立への道でもあります。
◆参考記事
 風邪?おめでとう!
 「H5N1」強毒性新型インフルエンザウィルス
強毒性新型インフルエンザウィルス の記事の補足
再びインフルエンザについて

追記(11/24)
病気によっては、どのように考えても原因が見当たらないものもあるように思います。
そのような病気に苦しんでいる人を何人も見ていると、不可抗力のような病気もあることを認めたいです。
不条理というか、無常というか、そんなどうしようもないやるせなさを、いつも感じます。
マクロビオティックの陰陽理論で病気の原因を追究して行ったとき、何だか、どうしようもなくせつなさを感じてしまう病気があるのです。
本当にすべてが必然と言い切っていいのだろうか?
本当にすべてに原因があるのだろか?
そんな想いも去来するのが、今の私の正直な気持ちです。
ですから、今病気で苦しんでおられる方は、私の記事によって落ち込んだり、ご自分を責めたりしないでくださいね。
私の書いた記事があてはまる病気の場合はいいのですが、そうでない病気の場合は、患っている方を苦しめてしまうことに気づきましたので、追記いたします。
参考記事
マクロビオティックに優しさを!


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本田宗一郎氏の父に学ぶ中庸

マクロビオティックでは体質の判定をする時に、陰性の特徴や陽性の特徴をチェックしますが、どちらにも当てはまらないものは中庸とします。
マクロビオティックの実践者とお話をしていると、陰性を悪いことだと思ったり、陽性が最高だと思っている人に出会います。
それぞれがマクロビオティックに出会った経緯と、勉強の仕方で違いが出るのですが、陽性信仰の強い人にちょっとお伝えしたいことがあります。
確かに陽性タイプの人は、この経済社会で都合の良い場合が多いのですが、こと、人間関係になると、そうではないことも多いように思います。
私は少し陰性寄りの人に出会うと、ホッとした気持ちになります。
しかし、これは私との相性であって、少し陰性寄りの人が最高だという意味ではありません。
一般的に陽性の強いタイプの人は、自己主張が強いですね。
そうすると、人間関係でギクシャクすることが多いものです。
最近はそんな人を多く見かけるようになりました。
日本人の特徴であった「和」より「個」の時代に入ったということなのでしょうか。
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「本田技研工業」の創始者である本田宗一郎氏に関するエピソードで、とても印象に残っていることがあります。
少年時代の本田宗一郎氏は、自分の意見を押し通すことばかりを考え、対立した相手と始終衝突していたそうです。
そんなある時、鍛冶屋を営んでいた父がおもむろに一尺(約30cm)の物差しを本田少年の鼻先に突き出しました。
そして、「真ん中はどこか?」と尋ねたのです。
本田少年が迷わず「五寸(約15cm)の所」と答えると、父親は物凄い勢いで怒ったというのです。
「一尺の物差しだからといって、五寸が真ん中じゃない。こっちの端から四寸(約12cm)、こっちの端から四寸(12cm)。その残った二寸(6cm)が真ん中なんだ」
意見の違う二者が、五寸の所でぶつかれば衝突するだけですが、間の二寸で譲り合えば、互いに工夫して、知恵を活かすことが出来るというのです。
若き日のこの父の教えが、本田宗一郎氏の対人関係の原点になったと、遠い昔本で読みました。
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似たようなことは、歴史上の人物でも色々出てきますよね。
そして、マクロビオティックでも、やはり五寸が中間ではない方がいいなと思います。
残りの二寸に限りない魅力を感じるからです。
私事ですが、歳を重ねると益々二寸を意識するようになりました。
どんな晩年になるのか、今から楽しみです♪


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歯を守るための食事- – 最低限 – –

以前、 「歯は命とつながる臓器」という記事を書きました。(2007/9/25)
そこに頂いたコメントに対して、現役の歯科医師さんからアドバイスのコメントを頂きました。
ぜひ、多くの方にも知っていただきたい内容なので、記事にさせて頂きます。
<以下コメントの抜粋>
虫歯がいっぱい出来る、歯ぐきが腫れ出血する、歯が揺れる、などの症状をお持ちの方はもともと妊娠しにくかったり流産しやすかったりするものです。
まず考えなければいけない事は食です。
食が正しければ歯は壊れないものです。
今良い治療を受けられ、身体が調子よくなっている事は喜ばしいことですが、食が変わらなければまた同じ失敗を繰り返す可能性があります。

◆歯を壊さない食事とは◆
1 玄米をおかわりして食べる。
2 パンを食べない。(良いパンも含む)
3 砂糖類を含む物は口にしない。
間食はしない。

このくらいの事はまもって下さい。
壊してしまった歯は歯医者に治してもらわないと何ともなりませんが、どの歯医者にでも身を委ねることは出来ません
治療を繰り返さない、もう二度と歯を壊さないことが大事と思います。
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コメントをお寄せいただいた歯科医師さんは、「玄米先生」と呼ばれ、奥様もマクロビオティックの先生をなさっております。
ご自宅で患者さんや地域の人にマクロビオティックのお料理を教え、「歯を守る」ことに情熱を注いでおられます。
このコメントには、とっても重要なことがいくつも盛り込まれていますので、この文章のもつ意味をよく考えながらお読みいただければ嬉しいです。
玄米先生は、当然ながら、もっともっと「歯を守る」ためのノウハウをお持ちです。
今回のコメントは、そのホンの一部なので、タイトルにも「最低限」と入れさせていただきました。


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食べ物への欲求 

最近、食べ物に対する感覚が変わって来ました。
体が変化しているようです。
・ずいぶん前から「ごま塩」に手が伸びなくなった。
・木枯らしが吹くというのに、圧力炊きの玄米ご飯がおいしくない。
・1週間に1回ほど、レーズンパンを食べたいと思うようになった。
・お酒は外でしか飲まないが、ひと月に2?3回、日本酒でお銚子1本未満。
 よっぽど相手がいいと、それ以上。
・甘いものはひと月に2回くらい「食べたいな?」と思う。
 いずれも和菓子。
・1週間に1回ほど、りんごかみかんを食べたくなる。
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その他に、なんというか、食べ物に対する欲求が薄くなっているのが分かるのです。
私は元々食べ物に対する執着が薄いのですが、それが更に薄くなったように思うのです。
食べてもいいし、食べなくてもいい。
食べなさいと言われれば食べられるのですが、食べるなと言われても悲しくない。
著しい空腹感もない。
食事を抜いても心地よい。
目の前で、美味しそうにデコレーションされたケーキを食べられても、無関心でいられる。
「目で買ってしまう」こともない。
何だか、食の楽しみを奪われたような、楽なような、不思議な感じ。
それが最近の私です。


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