中川善博の盛付秘伝(京都)が終わりました

昨日、実は私自身も待ちに待った「中川善博の盛付秘伝&料理写真の撮り方講座」の京都版を開催しました。
集合写真はこちらから。
盛付けの基本的事項は「盛付秘伝」(辻嘉一著)に書いてありますが、そこにないけれどとても大事な秘伝中の秘伝に焦点をあてての講座でした。
お弁当投稿の記事を読んでも解らなかった疑問の言葉や、幸せコースで習ったけれどまだ理解出来ていなかった部分などを、しっかり質問できて解説してもらって、あれこれ腑に落ちたことがいっぱいだったことでしょう。

特に舞扇理論については、中川さんが作ったお手製の道具で練習する度に理解が深まって行くのを感じました。
舞扇理論は感覚なので、何度も練習して「こんな感じ」というのを身につけるのが大事です。
日本人なのに、日本に住んでいるのに、「和」より「洋」の感覚が優先してしまっている現代人ですが、「和」の文化は私たちのDNAの中にしっかりと残っているので、この舞扇理論はどこかに和の心を思い起こさせる力を持っています。

お茶でもお華でも書道でも、それらをしていると心が落ち着きますね。
それがお料理の世界にもあって、盛付けが絶妙のバランスを保てていると、美術品のように美しさを放つようになるのです。
そんな世界を可能にしてくれる基本が舞扇理論なのですが、昨日は何度も練習して、どんどん皆さんの表情が明るくなって来るのを確認しましたので、ご理解いただけたんだなと思っています。

*   *   *

ところで、料理写真の撮り方や補正の時間では、驚くほど古いパソコンをお持ちの方が多くてビックリしました。
むそう塾の記事にある写真は、なるべく最高の画質で見られるように、カメラにも投資して撮影しています。
しかし、せっかくのその画像が古いパソコンでは綺麗に見えないのです。
Macと並べて写真を見比べると一目瞭然でした。
まるで霞でもかかっているのかなと思うほどぼやけて見える人がいました。

写真の大きさを小さくする方法が分からない人もいましたが、一瞬にして納得していただけました。
また、カラー調整の方法もご説明しました。
それだけで写真が見違えるようにイキイキとしてくるのを実感していただけたと思います。

一番困った人は、スマートフォンでしか操作しない人です。
パソコンを持っているのにパソコンを開かない人って、それは情報収集の量や質の点で大いに遅れを取りますので、ぜひパソコンを開いてほしいです。
パソコンを開くのが面倒くさいといっているようでは、上達に限界が出てきます。
なぜなら、自分が目指すお手本が大きな画面で鮮明に見られないので、目指すべきところがぼやけてしまうからです。
玄米投稿や復習投稿、それにOBENTERS™指導で中川さんから発信している細かい指導の部分が判別できないので、指導そのものを受け取れないからです。
つまり、お手本がないことになるんですね。

*   *   *

今回は何とかして盛付けのことを理解してもらおうと、常々口で言っていること、あるいはOBENTERS™で毎朝指導している言葉を文字化して資料にしました。
この資料は「盛付けのバイブル」ともいえる内容で、ここに書かれていないことは前出の辻嘉一さんの本を参考になさってください。

このバイブル資料の中で一番大事なところは、「中心線とマトリックスの説明」ですね。
これを知っているか知らないかで、盛付けに大きな差が出ることになります。
今まで断片的にOBENTERS™では登場していたのですが、こうして一つにまとめると一貫性があって、とても解りやすい内容になっています。

そして、そこに登場する陰陽理論こそが陰陽京料理人中川善博にしか出来ない視点です。
辻嘉一さんもそこまで踏み込んで解説していません。
マクロビオティックを知らないのですから当然ですね。
私はこの解説を桜沢如一先生が読んだら、きっと膝を叩いて大絶賛されただろうと思うのです。
こういう解説をできる人って、マクロビオティックの陰陽を詳しく知っているか否かだけでなく、お料理の「格」と「本物の技術」を備えた料理人が少なくなってしまった現在となっては、この後出てこないかもしれません。

ミシュランで星をいくつもらっても、それは外国人の目から見た評価であって、日本文化の本当の良さを評価したものではありません。
日本人がそのDNAレベルで落ち着ける世界。
それをむそう塾は伝え続けたいと思っています。

 
 

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(写真の補正方法などを説明しているところ マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

この他に、あちこちでパソコンや携帯での補正指導も同時に行われていました。
東京からお手伝いに来てくれた舞ちゃん、ありがとうございました。
東京の皆さんは29日をお楽しみにね♪

 
 

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【サイト内の記事】
マクロビオティックの盲点
塾生のきょうの100点お弁当
陰陽を感じる日々の暮らし
中川善博から娘へのお弁当

 
 
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コメント

  1. ミニつぶ より:

    美風さん、おはようございます。
    この写真を見ていたら昨日の「おおおお!」とか「わー、すごい!」とか
    私たち受講生の「!」具合が思い出されます。

    お料理の技術も盛り付けも、職人さんの世界では「見て盗め」とか言われてしまうようなことだと思うのですが、ロジカルかつわかりやすく楽しい解説してくださる姿に本当に感動しました。
    自分の些細な出来事や思いすら言葉にすることが難しいのに、多くの人を対象に様々な手法を考えて伝えようとしてくださる姿に時々身震いしている自分がいます。
    京都に通って中川さんのお話に触れるたび、日毎に身震いは強くなってます。
    そして時折挟まれる笑い話の中に光る中川さんの生き方にガーンと衝撃を受けました。

    受講中、自分は考えて考え抜く日々を送っているだろうかという疑問(愚問)が頭から離れず
    その生き方に応えられているかと思うと恥ずかしい気持ちになってしまったのが本当のところです。

    盛付の秘伝の秘伝まで包み隠さずに
    さらに生き方、お人柄までフルに魅せてくださってありがとうございました。
    改めて すごい世界に出会ってしまった、という気持ちでいっぱいです。
    むそう塾生としても普段の生活でもちょっと最近ナーバスになっていましたが、日々少しでも進化できるよう諦めず取り組みます。

    • マクロ美風 より:

      ミニつぶちゃん、こんばんは。

      盛付け講座に感動していただいて嬉しいです。
      私が初めて中川さんのブログをのぞいてからずっと感動していたこと。
      その一端を盛付け講座でお伝えできたと思います。
      中川さんはまるでスルメのような人で、噛めば噛むほど味のある人です。
      そして、誠意があって絶対裏切らない人でもあります。
      そんな中川さんの内面も一緒に受け取っていただけたようで、ミニつぶちゃんにも感謝しています。

  2. 香華 より:

    美風さん、おはようございます。
    先日は貴重な講座を開催していただき、ありがとうございました。

    いままで霧に覆われていた部分が晴れました。
    紐解いていくと実はとてもシンプルで、色々なことと繋がっているなぁとも感じました。
    子供の頃に習い事をしていたけれど(させられていた)、なぜか書道は入っておらず、社会人になってから学びたくて始めました。舞扇の実践で、書道のことがなぜ活きているのかあまりわからなかったのですが、数日経ってピンときました(笑)

    お料理と書道。先生から言われることは、中川さんと共通する部分も多いです。
    どう筆を動かしたらこんな線質が書けるかは頭で理解しても、なかなか思うように動かせないし、それには練習しかない、と。
    その度に別の意味で、耳が痛くなります(^^;;
    まずは色んな古典から基本を学べとも言われます。
    臨書していくうちに自分の創作も生まれてくると。

    いただいた秘伝書は本当にわかりやすく、中川さんがその場で語りかけてくださっているようです。また中川さんならではの表現が面白くてわかりやすくて好きです。
    実習セットのアイデアも凄いですし、講座でも中川さんの生き方、考え方も垣間見えて本当に奥深くて魅力的な方だなぁと改めて感じ入りました。

    美風さんが身震いするとおっしゃったことに納得しました。
    受講できて本当に良かったです。
    日々活かしていきます。

    • マクロ美風 より:

      香華ちゃん、こんばんは。

      霧が晴れて良かったです。
      今まで断片的に発信していたものを目で確認できる形としてお伝えしたかったので、そのように受け取っていただけて嬉しいです。
      舞扇理論と書道の世界がつながって良かったですね。
      感性の世界は共通しているので、これからもこういう発見はあると思います。

      一緒に身震いの感動を共有していただいて嬉しいです。

  3. ふみよ丸 より:

    美風さん、こんばんは。
    盛り付け講座の開催、ありがとうございます。

    講座が終わってからも、
    中川さんの解説や修行時代のお話し、
    舞扇の練習風景・・・、
    たくさんの質問と中川さんの返答…等々が、あの時の感動や笑いとともに、何度も何度も思い出されます。

    その度に、また、理解が深まっていっています。

    これは直接中川さんから口伝頂き、みんなで『学びの場を共有』したからこそだなと、講座を開いてくださったことに、改めて感謝の気持ちが湧いてきます。

    頂いた中川さんの秘伝書は素晴らしいものです。
    ですが秘伝書だけをポンと頂いても、きっとこんなにストンと理解できなかったと思います。

    でも、当たり前のことですが「知ってる」ことと「できる」ことは、次元の違うことです。

    教えて頂いた宝物を、体験を繰り返して、「できる」ようにします。

    受講出来て嬉しかったです。
    ありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      ふみよ丸ちゃん、こんばんは。

      舞扇の練習をはじめとする講義風景をよく覚えていらっしゃるということは、そのことそのものが感性の力ですね。
      感性豊かなふみよ丸ちゃんは、舞扇理論が自然に身についていて素晴らしいですね。
      やはり京都の生まれ育ちだと納得です。
      あとは実践して盛り付けを完成させるだけですね。

      中川さんが苦心して伝えようとしたあの内容が、ふみよ丸ちゃんの手で再現されることを期待しています。

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