マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

時間がない人は考え方を整理しましょう(恭子さんの例)

むそう塾生は本当に頑張り屋さんが多いです。
それは中川さんがプロなので、プロの味に近づけるためにどうしても必要なスピードがあるのですが、普通の人はそのモードで生きていない人が大半なので、そこに近づくために頑張るからです。
つまり美味しいお味にするために頑張っているというのが正しい言い方になります。
これは悪いことではなく、自分を高めるためには最高の環境なのですが、頑張れなかった人は居場所がなくなるような錯覚を抱く人もいます。
しかし、そんなことで小さくなっては損です。
今の自分に出来ることを精一杯やろうと切り替えれば良いのです。

多くの場合は練習時間が取れないと嘆くのですが、練習時間がたっぷりあっても上達しない人が多いのも事実です。
要は時間の問題ではなく、自分の取り組み方の問題なのです。
働きながら子育てをする人、専業主婦で子育てをする人、独身の人、結婚をしているけど子供のいない人、仕事が滅茶苦茶忙しい人など様々な環境の人がいます。

そんな人達は出来るようになるために真逆の条件を求めるのですが、それより先に必要なことは、「今置かれた環境の中で出来ることを見つける」ことです。
きっと今までは時間をもったいない使い方をしていた人が大半だと思いますので、その時間の使い方をギュッと濃縮するだけでかなり時間は捻出できます。
一番もったいないのは、迷ったり悩んだりすることに時間を使ってしまうことです。
そんなことに時間を使わなくても良いように、むそう塾の練習は「お手本どおり」に完全コピーしていただければ良いようになっています。

しかし、この完全コピーというところで引っかかる人がこれまた多いのが悩みの種ですが、これは自分をさらけ出して恥をかく覚悟がある人はサッサと前に進んでくれます。
「今の自分の出来」をチェックしてもらう方法が何通りも用意されているので、その方法に乗っていただければすぐに解決します。
これすらしないで上達しないと嘆く人は、自分を改めましょう。
何もしないで上達出来る人は誰もいないのですから。

ところで、恭子さんという塾生さんがいます。
結婚前からむそう塾に通われていて、途中で結婚・出産をされ、復職した今も夜勤を含むハードなお仕事をこなされています。
それでも毎朝お弁当を作って投稿されています。
先日は100点も取られ、その時にいただいたコメントがとても参考になります。
お仕事をもっている人には参考になる考え方です。

 
 

<恭子さんのコメント>

美風さん、おはようございます
たくさんのお弁当の中から記事にしていただきありがとうございます

お弁当だけでなく生き方までも褒めていただき嬉しいやら恥ずかしいやらです

練習や復習をがんばってどんどん成長し進化を遂げているむそう塾生を目の当たりにして、「私はダメなむそう塾生だ」とずっと思っていました

でもそんな私の考え方を変えてくださったのは美風さんです

今一番大切なことを見失わず、それを第一優先にすること

これを意識するようになったら何をするにも判断も早くなり後悔もしなくなりました

桂剥きの練習も復習メールもなかなか出来ない状況でも今は仕方ないと割り切っています

そんな中でも唯一、むそう塾生としてできることがOBENTERS™でした

中川さんのご指導とOBENTERS™の皆さんのおかげで継続することができ、わずかながらの成長も感じることもでき、OBENTERS™は私の活力になっています

私のような塾生にも学びの機会を与えてくださり本当にありがとうございます

これからもよろしくお願いいたします

*   *   *

私が当時の恭子さんに送ったメールは「今一番大切なことを見失わず、それを第一優先にすること」という内容でした。
物事に優先順位をつけて、今しか出来ないことをトップにする考え方は、家事アドバイス講座でも説明しました。
それを恭子さんは実行して、自分がすることを整理されたのです。
その結果は次のとおり。
「これを意識するようになったら何をするにも判断も早くなり後悔もしなくなりました」
ここですね。判断が早くなって後悔をしないということがどれだけ時間の無駄使いを減らしていることか。

それは陽性になれたということでもあります。
陽性になると判断も早くなるし、後悔もしなくなります。
過ぎ去ったことにクヨクヨあれこれ悩むなんて無縁になります。
時間がない人は、自分の考え方を整理するところから始めましょう。
そして、むそう塾に喰らいついた分だけ満足度が上がって行きます。
いいですね、こんな生き方。

そして私が声を大にして言いたいこと。
それは、むそう塾はマクロビオティックの良いところを取り入れた京料理教室なのですから、お料理が下手でも構わないのです。
マクロビオティックの考え方を知って、それを実生活に反映させて、今より良い生き方ができればそれで成功なのです。
ただ、お料理が上手になれたら、もっと幸せ感が強くなるよねということです。

ですから、お料理が不得手な人は、お料理が出来ないからこそ、先に幸せの感じ方を知った方が良いと思います。
その上で技術が追いついてくれば鬼に金棒になります。
マクロビオティックはお料理だけの世界ではありません。
このことをしっかりと胸に刻み込んでおきましょうね。

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(マクロビオティック京料理教室  むそう塾 塾生作品のお弁当 恭子さん

 
 
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ある塾生さんと身だしなみやお行儀のこと

むそう塾はマクロビオティックをベースにしたお料理教室ですが、日本文化の伝承ということも大切な役目と考えて、カリキュラムにも盛り込んであります。
今月は12月ということもあって、お正月を迎えるためのお料理が各コースで展開されています。
それぞれの習熟度に合わせて、お伝えするお料理のレベルが違いますが、あとは秘伝コースさんのおせち料理を残すだけとなりました。
むそう塾初の試みである京料理人中川善博のおせち料理が、塾生全員の関心の的かと思いますが、ここで難題が・・・。
それは、塾生さん(素人)の腕でも作れるように、料理方法をアレンジするという課題が待ち受けています。
それを実現可能にするため、忙しい毎日の合間に、中川さんは着々と準備を進めています。

さて、その日本文化ですが、ここ京都にはさすがに東京にはない文化が脈々と生き続けています。
普段の暮らし方や街全体を包み込む雰囲気の中に、日本人が忘れかけている大切なものが残っていて、それを感じるときに私はとても幸せな気持ちになります。
その幸せな気持ちをもっと感じたくて、京都にお部屋を借りた私ですが、住んでみると見えてくる京都を、そして日本文化を、塾生の皆さんを通じて伝え続けて行きたいと思っています。

今月の上級幸せコースの授業は、中川式お雑煮の作り方でした。
授業では京都の白味噌お雑煮も試食していただいたり、鴨の治部煮丼まで登場して、皆さんをビックリさせました。
そんな中でふと感じたこと。
京都生まれの京都育ち、何代も続く生粋の京都人である塾生(ふみよ丸)さんのしぐさが、いつも綺麗だなあと思って見ていたのです。
ちょっと写真を探してみました。

最近では治部煮丼を持っているところや白味噌お雑煮のお汁を飲んでいるところがありました。
マクロビオティック京料理教室 むそう塾1

 
 

お椀の持ち方が美しいですね。
マクロビオティック京料理教室 むそう塾2

 
 

試食中のお皿の持ち方も綺麗です。
綺麗にアイロンのかかったエプロンと可愛い模様のお手拭きも清潔感が溢れていて美しいです。
吸水性の良い素材を選択されていますね。
マクロビオティック京料理教室 むそう塾3

 
 

食べ物をいただくとき、そっと手を添えたり、お洋服を汚さないしぐさが日本女性としての立ち居振る舞いですが、彼女は無意識にそれが出来ているだけでなく、見た目に美しい所作になっています。
ブラウスの選び方にもセンスがありますね。
マクロビオティック京料理教室 むそう塾4

 
 

いつも明るめのお洋服で、イヤリングも上手に気配りされています。
清潔感が漂うのは、ブラウスに無粋なシワがないからです。
そして、スカートの上に置かれたハンカチ。これが日本女性の美しいところですね。
マクロビオティック京料理教室 むそう塾5

 
 

彼女はご家庭での躾が厳しかったと話していたことがありました。
それがこんなふうに色々な場面で自然にできているので、その躾は大成功です。
お父様やお母様に感謝ですね。
そしてまた、彼女はなで肩で和服がとても似合う肩とお顔立ちです。
(ましておちょぼ口)
和服姿を一度拝見したいなあと思うほどです。

話し方や考え方に京都には独特のやさしさがあって、その良いところを彼女は存分に受け取って育ったのだと思います。
まさに京都の文化と日本の文化を理解できる本場にお住まいなのですから、これからお料理の腕を上げて、中川さんのお料理を受け取れる人になって欲しいと思います。
そのためには、克服すべき課題はたくさんありますが、まずは玄米ご飯と糠漬けと包丁砥ぎが合格でしたから、最初の難関は越えましたね。
これからの成長を楽しみにしています。

おまけ。
写真を探していたら、こんな楽しい写真がありました。
中川式ラーメンのスープがあまりにも美味しくて、全員で完食したときのものですね。
皆さんが良い笑顔をされています。
美味しいって笑顔になれる魔法ですね。

マクロビオティック京料理教室 むそう塾7

 
 
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心の排毒について 泣くということ

きのうは体の排毒について書きましたが、きょうは心の排毒について書こうと思います。
実は、私のところには排毒メールがいっぱい来ます。
あっちからもこっちからもやって来ます。
いいのです。こうして排毒してくださって、病気にならないでくれたらいいので、私はなるべく直ぐお返事を書くようにしています。
しかし、あまりその量が多いと、ちょっと1〜2日お待たせしてしまうことがあります。

ところで、メールには実に色々な要素が含まれていて、文字で書かれていないことまで判断材料になります。
メールアドレスまで参考になるのです。
それらを総動員してお返事を書いています。
排毒メールは重い氣(陰性)を送って来ますので、それに耐えられるだけの陽性の氣を私が持っていなければ、私が体調不良になってしまいます。
ですから、いつも体調を整えていなければ、良い氣のお返事が出来ないので、当然のことながら自分の体調にも氣を配っています。

さて、本題の心の排毒ですが、これは皆さんが経験済みのように、泣く、笑う、喋る、書く(描く)、歌うなどの行為によって排毒されていきます。
(皮膚炎、下痢、チックなどの症状による排毒もあり。)
多くは受動的な行為より能動的な行為によって排毒が進みます。
ですから、友達に愚痴を聞いてもらうと、あなたはスッキリしますが、友達はその人のタイプによってはどよ〜んとしてしまいますので、相手を選びましょうね。
なるべく陽性な人に排毒してください(^^)

先日のメールでは、親から泣くことを禁じられて育ったという人がいました。
これも結構あります。
子供は親の顔色をよく見て育ちますから、具体的に禁じられなくても、泣かないで我慢をしていたら親の機嫌が良かったという体験をすると、その子は泣くのを我慢する方向に行きます。
長男長女にこの傾向が多いですね。
あるいは、家族の誰かが病気になって、そのために泣きたい時に泣けなかった体験をすることも影響します。

ですから、泣きたい時には泣きましょう。
声を出したかったら大声を出してオイオイ泣きましょう。
涙が出なくなるまで泣きましょう。
失恋した時などはこの方法は結構効果的です(^_-)-☆

男は母親の死に目まで涙を見せるなと言われて育っている人もいますね。
それだけ持ち堪えられる強靭な精神を昔の人は持っていたかも知れませんが、今の男子はそこまで持たない人が多いと思います。
ですから、男子も泣きたい時には泣きましょう。
男の涙って、私には真剣味が感じられて好きです。
男性に泣かれた経験がありますが、一生忘れないのでなかなか良い想い出になりますよ。

愛クラスの時にも自己紹介で毎回泣く人がいますが、これは心の排毒になるので、ティッシュペーパーを用意してどんどん泣いてもらっています。
12月1月の愛クラスでも泣く人がいるかもしれませんね。
あ、心の排毒についてもっと書きたかったのですが、もう時間になってしまいました。

 
 

梅人参 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(梅人参 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

今日はお正月を迎えるためのお料理の授業があります。
「正月事始め」といって、12月13日からお掃除をはじめとして、お正月を迎える準備をあれこれするのです。
盛り付けの世界では今日から梅が登場しても良いのです。

秘伝コースの人はこれから待望のおせちの授業がありますね。
どんな展開になるのか、私も楽しみにしています。
むそう塾初授業の「中川善博のおせち」ですからね。

 
 
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マクロビオティックで体調が悪くなったらリセットしましょう

昨夜ある人とお電話でお話をしました。
これから愛クラスを受講される人なのですが、申し込み欄に書かれた体調が気になったので、こちらからお電話を差し上げた次第です。
私は時々こうしてお電話をさせていただくことがあります。
それは相手の体調をより正しく判断するための一つの手段になるからです。

その方(Aさん)は体調を改善するために某マクロビオティックスクールに通われたそうですが、体重が10キロ減ったそうです。
身長164センチで47キロとのこと。
お伺いしたいことは山ほどありますが、1月の愛クラスでお会い出来ますので、詳しくはその時と思って手短に話を済ませました。
それでもAさんが1月末までするべきことをアドバイスできますし、緊急性があるかどうかも判断できますので、お電話をして良かったと思いました。

過去記事にもたくさんありますが、マクロビオティックを始めてから体調が悪くなった時には、二つの原因が考えられます。
一つはその方法が合わないこと。
もう一つは体が良くなる前段階の排毒状態であること。
しかし、マクロビオティック指導者には実力の差があるため、方法が合っていないのに排毒だと楽観視する人もいるので油断できません。

私自身も排毒状態が3年半ほど続きましたが、度胸のある指導者は排毒を助長する指導をしてくれますが、実力のない指導者は排毒を弱める指導をくださいます。
しかしこれは相手あってのことなので、あまり派手に排毒があっては仕事に差し障りが出るという場合は、排毒を小出しにしながら様子を見ることもあります。
最近は体質を変えたいと言いながらも排毒は好まないという人が多くなりました。
これは時代の流れでしょうが、やはり根本的なところにメスを入れないと大きな変化は望めません。

ということで、冒頭のAさんには、玄米とお出汁の変更をアドバイスしました。
これを変えるだけでも体は結構変わります。
玄米を食べる場合は絶対消化吸収の良い状態に炊き上げること。
それが出来ない時は白米に戻ること。
そして次はお出汁です。
お出汁は液体ですから即効性の力を持ちます。
住んでいる地域と体調に合ったお出汁を摂るのが一番良いのです。

もしあなたがマクロビオティックを始めてから体調不良になった場合は、一度リセットしましょう。
リセットの方法には大きく分けて、①マクロビオティックを始める前に戻る、②断食などの方法で体の排毒を促す、この二つがあります。
②の方が体の中から変えられるので、環境が整ったらお試しになることをおすすめします。

①の方法は一度元に戻る感じですが、これがなかなか戻れない人もいます。
頭でマクロビオティックを実践しようとしているため、マクロビオティックを過信されているからなんですね。
でも体は正直なので、一度元に戻ると出てくる体の反応そのものがマクロビオティックの勉強になります。
その反応をしっかり見て、そこから「自分に合う」マクロビオティックを仕切り直しすれば良いのです。

何においても仕切り直しは重要です。
心の問題でも仕切り直しは有効なので、次回は心の排毒について書こうと思います。

 
 

吉兆 新宿伊勢丹店

 
 

(吉兆 新宿伊勢丹店にて)

 
 
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まさにマクロビオティック料理! 蒸し鮑

マクロビオティック料理というと、動物性排除のイメージが強いのですが、そんなことはありません。
そう思っていらっしゃる方は、こちらのページの記事をお読みくださいね。
アワビのような硬い食材を軟らかくする料理方法は、マクロビオティックを知らない先人の知恵が大いに参考になります。
昨日の秘伝コースで紹介された料理方法は、まさにマクロビオティック料理なのでした。
陰陽を最大限に使いこなしてこそ引き出されてくる濃厚なお味は、まさにマクロビオティックの陰陽を勉強するには最適な教材かと思います。
そして、美味しい!

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 蒸し鮑

 
 

(  蒸し鮑 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

とろけるような舌触りをお届け出来ないのが残念です。

 
 
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