子育てをしたことのある人ならお分かりでしょうが、子育てって報われることのない作業の連続のような気がして、何だか泣けてしまう時があるものです。
特にお産直後から始まる授乳期の寝不足の連続は、頭が朦朧とすることもあって、正常な判断が怪しいときだってないとは言えません。
その次は離乳食で頭を悩ませます。そこで育児書片手に離乳食を作る人はまだ良い方で、市販のベビーフーズに最初から頼る人もいます。
時間をかけて最初からお料理をしても、小さじ1杯の離乳食を食べてくれなかったり、ひっくり返されてしまったり、虚しいことが続くと離乳食を作るのが嫌になってしまうのがよく理解できます。
先日も離乳食のことで塾生さんからご質問がありました。
マクロビオティックで子育てをしていると、あれこれ余計な悩みが発生して、市販の本では物足りなくなってしまうのですが、難しく考えないで単純に考えてはいかがでしょうか。
まず、離乳食というのは文字どおり母乳から離れて固形物へのデビューとなる大事なときです。
しかし、まだ赤ちゃんは胃腸が固形物用に頑丈になっていませんから、薄いスープや流動食から始めて徐々に硬さのあるものに移行するわけです。ただそれだけなんです。だから難しいことではなく、赤ちゃんの胃腸の育ち具合を想像できれば良いのです。
そして案外忘れられているのですが、子供を育てるということは、子供の胃腸を育てることでもあるのです。
離乳食は味覚デビューでもあるわけですから、お母さんの母乳から異なった味と形状のものに移行するため、本来ならとてもワクワクするし、好奇心を駆り立てられる場面でもあるわけです。
ですから、そんな時はお口に入るものだけが対象となるのではなく、お子さんの気持ちやお食事全体の雰囲気も大切にしましょう。
ご家族が何やら楽しそうにお食事をしていて、そこに赤ちゃんも一員として加わって行くという構図です。
ですから、ご家族が召し上がっているものを少し軟らかくして赤ちゃんのお口に入れるだけで良いのです。
ポイントは軟らかくしすぎないということです。離乳食をするころには赤ちゃんは歯が生えてきていますから、噛み切る用意は出来ているのです。しかし、まだ臼歯が生えていませんから、すりつぶすことが出来ないだけです。
歯の生え具合を観察しながら硬さを調整していけば良いのですが、まだ噛みきれないものでもガーゼに包んで持たせてやると、チューチューと吸ってエキスは吸収できるので、そんな楽しみ方もありですね。
案外と誤解されているのがお粥です。胃腸が弱っている時にお粥を召し上がる人がいますが、あれは食べ方を気をつけないとかえって胃腸に優しくない食べ物になります。
なぜなら、お粥になっていることであまり噛もうとしないからです。つまり、お粥は噛まずにささっと流し込んでしまう食べ方をする人が多いのです。そうではなくて、普通のご飯をよ〜く噛んで、お粥以上の状態にしてから飲み込んだ方がよほど良いエネルギーが体に入ります。
このことはマクロビオティックで陰陽を知った人なら容易に理解できるはずです。水分は陰性ですよね。噛むということは陽性ですよね。ここがきちんと理解出来ていないと、思わぬ食べ間違いをすることになります。
そして、このことは離乳食にも当てはまります。
みんなのお顔が一人ひとり違うように、胃腸の強さも一人ひとり違います。ですから、そのお子さんの要求度に合わせて月齢に惑わされることなく、離乳食を進めてほしいと思います。
究極的には「噛む楽しさ」を教えてあげるのが離乳食の役目でもあります。噛むと美味しい(楽しい)ことがあると教えるのが、子育ての第一歩なんですね。
噛むことは顎の成長にも脳の成長にも影響します。
人間の真の強さの鍵は胃腸が握っています。ですから、いかに胃腸をしっかり育ててあげるかが、育児の最大任務だと思って頭でっかちにならない育児をしてほしいと思います。
マクロビオティックでは陰陽の物差しがありますから、それを大いに活用して温かみのある育児ができることでしょう。
子育ては報われます。必ず報われます。今は寝顔だけで報われているかもしれませんが、もっともっとスケールの大きなところで報われますから、弱音を吐いてもいいので頑張ってください。
子育て中のお母様を心から応援しています。
(1月30日に産まれた一卵性双生児の赤ちゃん 2月21日撮影)
美風さん、こんにちは。
離乳食の記事をありがとうございました。
お粥にまつわる陰陽のお話には、改めてハッとさせられました。
(そしてガーゼでくるむお話も興味深く拝読しました)
離乳食スタート時(まだ流動食しか食べられなかったころ)、
ハンドミキサーでお粥をさらにドロッとさせたことがありましたが、
一気にガーッと細かくなる米粒を見て、「これは何か違う」と思い、
そのあとはすり鉢ですりつぶしていました。
すり鉢の方がお米がどのくらいになったか、その都度よく分かるので、
「粒感」も調整しやすくなりました。
そのあと子供がもっと固形に近いものが食べられるようになったので、
柔らかめのものはそのまま食べさせたり、普通のもの(子供にはやや硬いもの)は
美風さんが書いてくださっているように、私が少し噛んで与えています。
私が噛むと、すり鉢よりもさらに柔らかさの調整がしやすいことに気づきました。
(なんせ『センサー』がすり鉢よりもダイレクトですものね!)
しかも美風さんが仰る通り、噛むことでさらに「陽性化」していると思うと、
親が噛んで与えることは単に「固形を食べやすくする」だけでなく、
「陰陽のバランスを調えてあげる」ということなのだなと思いました。
大人の虫歯菌が!と目くじらをたてる人もいるかもしれませんが、
歯科関係の身内も「そんなことより栄養の摂り方や食べ方などで、
強い歯を作ってあげることの方が重要」と言っていたので、それを信じています。
また、流動食の頃はスプーンで食べていたのですが、柔らかめの
ご飯が食べられるようになるにつれ、お箸であげた方が
嬉しそうに食べるような気がしています。
今日も柔らかめに作ったにゅうめんをお箸で少しあげたら、
チュルチュルと楽しく食べていました。
離乳食とはいえ、子供だからスプーンやフォークと思いこまずに、
その料理に合ったもので食事を楽しませてあげられたらと思います。
(コメント長々と失礼いたしました)
えりんこちゃん、こんばんは。
いいお母さんしてますねぇ。
観察が細かくてよくお子さんを見ていると思います。
えりんこちゃんが選択されたすり鉢やお箸などは、波動として優しいものなんですよね。
そこが感じられているのが偉いと思いました。
えりんこちゃん、こんにちは。
まずはご飯を確立してくださいな。
それがすべての土台です。