イチョウの想い出

ぢゅんさんのブログで、素敵なイチョウのお写真を拝見して、想い出したことがあります。


息子を育てる時、子育ては出来るだけ自然にしたかった私は、あえて幼稚園ではなく保育園にしました。
少し小高い場所にあるその保育園は、ちょっと上り坂で、我が家から歩いて12分でした。
毎日の往復を、子供と景色を楽しみながら歩いていたのですが、9割の家庭が車での送り迎えでした。
保育園は、お母さんが働いている家庭が多いので仕方がないのでしょうが。
「早く!」を口にしない子育てをしていた私は、息子が何かに興味を持てば、飽きるまで付き合ってやりました。
その結果、保育園から自宅までの帰り道は、時々、1時間余りもかかってしまうことがありました。
連休明けで、雨上がりだった日の朝。
いつものように保育園に向かっていたところ、坂を上りきった途端に、目の前がまっ黄色に!
そこは大きなイチョウの木が2本並んでいる場所で、どうやら連休中に黄葉が進んだのと、強い風雨のために、沢山の葉っぱが落ちたようです。
「ワー!、キレイ!」
駆け寄って無心に葉っぱを集める息子を見ていると、息子の顔も黄金色に見えました。
何枚かを大事そうにポケットに入れて、更に両手にも葉っぱを握り締めて登園する息子。
この感性を大きくなっても失って欲しくないな?と思いました。
                *    *    *    *
息子が中学生の時。
カメラに凝っていた時期がありました。
県民の日で学校がお休みだった日のこと。
とってもいいお天気だったので、急に紅葉を見に行くことになりました。
東京の高尾山まで電車を乗り継いで、重いカメラを抱えて、私と二人で出かけました。(夫は仕事中)
真っ青な青空に映える真っ赤なモミジを、真剣に写している息子と、保育園に行く時の息子がダブって見えました。
ちょっと休憩でもしようということになって、見晴らしのいい場所でお団子を食べていた時のこと。
子:「保育園に行く時、黄色い地面があったよね」
母:「ああ、イチョウの木ね」
子:「楽しかったな?♪」
母:「覚えてるの?」
子:「覚えてるよ」
母:「ふ?ん、まだ小さかったのにね?」
子:「桜の時もキレイだったね♪」
母:「あれは凄かったよね?、だって、桜山公園っていうんだもん」
子:「うん」
こんな会話ができて、嬉しかったのを想い出しました。
そして同時に、まだまだ小さいと思っていた子供の心に、しっかりと景色が残っていたことに、驚きすら覚えました。
毎日毎日、真剣に子育てをし、太陽を、土を、風を、香りを、音を、体の全細胞で感じて欲しいと思って育てた日々。
たった一人で悪戦苦闘しながらの子育てだったけれど、息子はしっかりと自然を感じてくれる感性を維持していてくれたようでした。
息子が中学生の修学旅行で日光に行った時にも、ちょうど紅葉の真っ只中で、「すっごくキレイだったよー!」と声を弾ませて報告してくれたものです。
              *    *    *    *
子育てって、ある意味ではしんどいことの連続だったりします。
そして、答えはすぐに出ません。(だから怖い面もあるのですが)
でも、大きくなってから本人の口から幼い時の記憶を話されると、つくづく、真剣に子育てをして良かったなぁ?と思います。
「子育てはいっときだから、真剣勝負で」と言うのが私の持論です。
私は高齢出産だったので、第三者的に子供を見ることが出来たかも知れません。
しかし、お若いお母さんは、一人ぽっちの子育てはつらいでしょうね。
子育ては、子供の体を大きくするのは勿論ですが、子供の記憶の細胞も一つ一つ創っているという事実。
このことを考えると、この時期を大切に過ごしたいものですね。

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コメント

  1. mimi(popo) より:

    私は子供と過ごす時間がもう少し欲しかったなって今更ながらに思っています。
    妊娠してから籍を入れて、それでも主人は仕事が続かなくて。
    生きていく事に必死で本当に子供達を見てあげられる余裕と時間が無かった事が本当に今更ながらに悔やまれます。
    子育てをしている時にゆっくり立ち止まる時間が欲しかったなと思います。
    でも、きっと私はそんな時間が無いくらい働いていたから子育てが上手くいったのかもしれません。
    子供がどう思ってくれているかはまた別ですが。
    子供が大きくなって、同じ目線で会話が出来るようになって、初めてゆっくり子供との時間を持てるようになりました。
    私は子供と一緒に育ちました。
    まだ子供だった私を子供達は一緒に育ててくれました。
    私はまだまだ子供達にお返し出来ていません。
    なのでこれからの時間も子供達と一緒に過ごしていきたいです。
    美風さん。素敵なお話をありがとうございます。

  2. しろうさ より:

    先日、母に会ったときに、
    「子供っているとそれなりに楽しいことがあるのよ」
    「孫がほしい、ということではなくて、あなたが先々幸せであるように、子供を持つかどうかも考えたらいいいわ」
    と言われました。
    私は、母は家事・子育てに向いていない人、母親らしくない人と思っていたので、意外でした。
    が、そういう思いを聞けてよかった、と思います。

  3. じゅだの より:

    塩気が抜けてきて、少しずつ落ち着いてきた娘と
    てくてく散歩するのが最近特に楽しくなってきました。美風さんを見習って、私もできるだけ娘の好きなようにさせています。
    自然に癒され、子供の笑顔に癒され、本当に幸せです。

    でも、、、やっぱり大人の都合で時間に追われ、ゆったり構えられないこともあります。今日がまさにそうでした。
    山村先生にお会いする貴重な時間なのに、娘は寝ない。(前回起きていて本当にめちゃくちゃだったので。)

    話している最中、始まりました。。
    膝をボリボリ…、かゆい~痛い~(泣)
    寝ないことで既にイライラしていた私の気分は最悪。
    その様子を見ていた山村先生に言われてしまいました。
    「実際にかゆいだけではないね。気を引きたい、愛情を確認したいんじゃないかな?」
    とても辛くて認めたくないけれど、娘の痒みは私に構って欲しいストレスも原因なのですね。。

    つくづく、自分は多重人格なんじゃないかと思います。子供と居て幸せと思う時と、子供が邪魔で仕方ない時。後者の時は本当にひどい。鬼のようです。
    本当に難しいです。

  4. いちご より:

    美風さんのお子さんの話を読むと
    わが子も あーだった こうだった・・・なんて事を思い出します。

    うちの子も 10分ほどの道のりを1時間以上かけて帰ってきた事がありました。
    手には いっぱいのタンポポを持って
    満面の笑みでかえって来た事を思い出しました。

    つらい事ばかりじゃなかったな~
    あの笑顔が 何よりの宝物だったと 改めて思うことが出来ました。

    でもね・・こうは思えど・・・やっぱり 憎たらしい~~~~と思うことも あります。
    こんな事の繰り返しで 母も子も大きくなっていくのでしょうね。

     

  5. macrobi papa より:

    子供と向き合っていられる期間に、美風さんのお話を聞けて良かったです。

    忙しいとつい「後で!」「忙しいから」と云ってしまいがちなんですが、子供といる時間は、もっと彼らのことを見つめてあげようと思いました。

    >横やりのコメントですが、じゅだのさんへ。

    子供が大泣きして、あ~もうこれ捨てちゃおうかと、僕はしょっちゅう思います。
    子供生んで、育てているだけで、お母さんは偉いですよ。

  6. マクロ美風 より:

    mimiさんは、黙っていたらお子さんがいらっしゃるなんて思えないです!
    そのくらいお若いし、スタイル抜群で、本当に羨ましいです!
    これからは、マクロビオティックやお子さんと共に、充実した人生にしましょうね。

  7. マクロ美風 より:

    お母様って、すっごく相手のことを考えたお話のされ方をなさるんですね~。
    素晴らしいです!
    相手の負担にならないように、でも、ご自分のお気持ちは伝える。
    さすが、しろうささんのお母様ですね。

    親の気持ちを、大きくなってから聞くと、新たな発見がありますよね。
    私も反省したり、親を見直したり、心の変化がありました。

  8. マクロ美風 より:

    アトピーの原因は、ストレスが半分以上だと私は思っています。
    なぜなら、お食事を完全にしてもアトピーが改善しない人を沢山見ているから。

    アトピーを治すということは、腸を治すということですが、腸はまさに精神的な影響を受けるところでもありますよね。

    マクロビオティックの人は、お食事だけで解決しようとしがちですが、精神的なことと体を動かすことを抜きにしては、アトピーの改善は難しいと思っています。

    じゅだのさんは、お子さんをご自分に合わせようと思っていませんか?
    残念ながら、子供さんは親に合わせてくれません。

    子供を持つということは、今までの価値観を覆すチャンスでもあるわけです。
    この機会に、じゅだのさんの物差しが、本当にそのままでいいのか、見直したほうがご自分もお子さんも幸せなのかを意識なさるのもいいですね。

    しつこいようですが、お子さんの方が「本能」は優っています。
    お子さんは、宇宙のリズムで暮らしている時が、最も落ち着くはずです。
    でも、親は宇宙のリズムを忘れているか、反対のことをしていることが多いですね。

    せっかくマクロビオティックに出会ったのですから、せっかくお子様を手にされたのですから、お子様をお手本にもう一度物差しを見直してみませんか?

    お子さんは、じゅだのさんの所有物ではありません。
    宇宙からの預かりもののように、私は思っています。

  9. マクロ美風 より:

    本当に子育て中は、「可愛い」と「憎たらしい」が行ったり来たりですね。
    子供の寝顔に手を合わせる親も結構いることでしょう。
    それでも、やはり子供は親を育ててくれますね。
    私は子供を持ってから、「思い通りにいかないこと」を学びました。
    それまで、自分の思うとおりに生きて来た私にとって、価値観のひっくり返ることの連続でした。
    でも、あそこで価値観をひっくり返してくれて、本当に良かったと今は思えます。
    お互い、子供から教わることはいっぱいありますね。

    私はいちごさんの包み込むような柔らかい笑顔が大好きです。
    夏の太陽のようなまぶしい暖かさではなくて、障子越しの冬のお日様のような、ホワ~っとする温かさです。
    この柔らかさを醸し出すために、お子さんが貢献してくれたかも知れませんね(^^)
    いちごさんの財産ですね~。
    見習いたいです。

  10. マクロ美風 より:

    papaさん、しばらくです~♪
    子供を捨てたくなる気持ち、ワカリマス!

    ところで、papaさんの所は3人だから理想的ですよね~。
    3人いると、子供の世界が出来るから。
    そのうちに、子供同士で助け合いながら育つそうですよ。
    だから、子供の多い昔の方が子育ては楽だったと聞きます。

    papaさんも、今、お子さん達に価値観をどんどん変えられている最中ではないでしょうか?
    素敵ですね。
    そんな機会を大切にして、人生のホンの一時期に、「子育ての旬」を満喫しましょう♪

  11. じゅだの より:

    美風さん、メッセージありがとうございます。
    正直、昨日から落ち込みが激しくて、初めは美風さんのお言葉も辛くてお返事が書けそうにありませんでしたが、今日一日考えてみました。

    私の今までの人生は、何でも努力さえすれば叶わなかったことはないくらい恵まれていました。しかし、子供が生まれてから、気持ちいいくらいにあらゆる理想像をこわしてくれたので、あぁこれはきっと「人生は自分の思い通りにばかりいくものじゃないんだよ」ということを、今まで恵まれすぎていた私に教えてくれているんだなぁと、行き詰る度に思ってきました。

    そうやって何度も思っているくせに、そう、私はやっぱり自分の物差しを忘れられないのです。自分のやりたいように出来ない時、ものすごいストレスなのです。それはもう、数歩先にある物を取りたいのに、娘がかじりついて離れないとか、もれそうなのにトイレに行けないとか、本当に笑っちゃうくらい些細なことからすべて積もり積もって。。
    それから、私の悪いクセがあります。それは、何かをしながら、常に先のことを考えてしまうこと。「いま&ここ」に集中して楽しむのが難しいのです。

    それでも、美風さんはじめ色々な方のアドバイスを参考に、「少しの間でもその場で要求をかなえてあげる」とか「自分の都合で怒らない」とか、少しずつできるようになってきました。
    今回、「子供の方が優っている」「子供をお手本に」というお言葉が響きました。
    うちの娘は、とにかく元気で自由人。天真爛漫です。そうか、あれが宇宙のリズムを地でいっている姿なのですね。
    子供の存在がストレスに感じたら、このことを思い出します。明日から、また気持ちも新たに。

    ただ…アトピーのことに関してだけは、どうしても簡単に心の中で処理しきれないものがあります。でもそれはまた改めて相談させてください。

    というわけで、今日はお風呂に入ってもう寝ます!

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