先日親戚の人(Aさん)が病院から自宅に帰って来ました。
病院にいると望まぬことをされて気に入らないからのようです。
お医者さんと看護師さんが付き添って帰宅し、夜は付き添いの人がつくそうです。
Aさんは76歳で、既往症はあったものの、お腹が痛いから病院に行ってくるといって、車を運転して病院に行き、いきなり入院になって言動に異常を来しました。
入院から1週間も経っていないうちに、この状態になったのです。
乱暴な言葉を吐いたり、付き添いの人に暴力をふるうような行動があったり、それまでのAさんとは別人になってしまったのです。
話の内容も意味不明になって会話が成立しなくなりました。
夫と私は、きっと薬のせいではないかと思っているのですが、真相はわかりません。
ベッドにつながれたりするので、それを断ち切ろうとしたり、家族もその変わりように唖然としています。
それで、本人の希望で自宅に戻ったというわけです。
* * *
普通に会話をしていた家族が、ある日突然こんなことになったら、誰しも途方に暮れると思います。
身内に高齢のかたがおられたら、病院のお世話になることもあるでしょうが、そのときに本人の治療に対する考え方が予めはっきりしていると、周りの人も方針が決めやすくて助かると思うのです。
高齢の親を抱える人は、どのような選択をするのがベストかお悩みの人も多いと思います。
一番はご本人のご希望ですが、ご本人が明確な意思表示をされていないことが結構多いのです。
そんなときには、自分が当事者だったらどうされたいだろうか?と、我が身に置き換えて考えると答えが出てくるはずです。
人はいつ何時病院のお世話になるか分かりません。
もしある程度の年齢になっているのなら、早くてもいいから一度自分の将来のことについて、自分なりの気持ちを固めて、ご家族さまに伝えておきましょう。
日本の高齢者医療と外国の高齢者医療は相当な違いがあって、その違いをしっかり認識しておいた方が良いと思うからです。
自分の体を病院任せにするのではなく、最後まで自分の体は自分で管理する姿勢を持つのが人として当然だと思うのです。
病院に行けばなんとかしてくれるといった発想は捨てましょう。
ちなみに、私は胃ろうをしてまで生きていたいとは思いません。
人は食べられなくなったら死ぬのです。
これが当たり前のことだからです。
そんなことを考えるためにお奨めの本があります。
とても勉強になる本です。
「欧米に寝たきり老人はいない」ー自分で決める人生最後の医療ー
宮本顕二医師と宮本礼子医師がこちらに書かれた記事を書籍化したものです。
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