(吉兆 京都グランヴィア店 2016.12.28)
12月27日の夜、用事があって京都入りしたのですが、気温が低くて雨が降っていました。
翌28日の朝、起きてみると、マンションから見える東山は真っ白です。
この白さなら比叡山はもっと真っ白だったことでしょう。
お昼に中川さんを誘って二人で忘年会をしました。
急に思い立ったので、気軽に行こうと思ったお店はどこもせわしないかお休みです。
おせちの仕込みのためにお休みなのでしょう。
落ち着かないところでお食事をするのもいやなので、むそう塾ではお馴染みの京都グランヴィアにある吉兆さんにお電話をすると、席がありましたのでそこに行きました。
昨日はとても良いお味で、満足の行く内容でした。
秘伝コース修了生にはお勉強になる内容だと思いますので、盛り付けの参考のために写真を載せておきます。
中川さんが記事のためにお料理名をサササッと書いてくれました。
プロというのはこういうところが凄いといつも感心します。
作り方までぜーんぶ説明できてしまうのですから。
【先付 車海老と椎茸の酢の物 土佐酢ジュレ 針生姜 菠薐草 青交趾雪中花小鉢】
椎茸に切り込みが入っているのがいいね。
ジュレを口に運ぼうと思っても器の上部に穴があいているから、そこからこぼれてしまう。。。
う〜ん、残念。
【煮物椀 丸仕立 すっぽん 焼餅 小蕪 鶯菜 金時人参 露生姜 薄葛仕立 寒椿蒔絵椀】
すっぽんが美味しかったです。
鶯菜にはもう一仕事ほしいところ。
3年前のお正月の時にもこういう感じだっから、吉兆さんはこれで良しとされているんですね。
むそう塾ではこういう仕事を教えていますね。
お好みで葱を載せてくださいということだったので、お汁を一口味わってから全部載せました。
結構な量ですが、マクロビオティックの陰陽で考えると、このくらいの量は必要です。
【旬肴 てっさ(虎河豚薄造) 芽葱 紅葉おろし 鉄皮細切 橙酢 古伊万里螺子目皿】
【造里 クエ 寒鰤 とろマグロ 長芋 芹 乾山写雪笹造里鉢 染付猪口】
とろマグロは辛子醤油がよく合いました。
【八寸 小原木盛 松葉蟹ちしゃとう酢の物 おからの炊いたん 青菜胡麻和 牛カツ 平豆 茶振海鼠 瑠璃雀香合 】
朝から断続的に雪が舞っていたので、まさに季節にピッタリの盛り付けでした。
角度を変えてみましょう。
家の屋根を取ると、中から牛カツが。
それぞれに分けてくれました。
松葉の先にも雪が演出されています。
瑠璃雀香合の蓋を取ったところ。
【焼物 真名鰹幽庵焼 慈姑チップス 菊花蕪 京焼笹葉皿】
慈姑のチップスがなかなか美味しかったです。
角度を変えて。
裏を返すと。
【温物 粕汁鍋仕立 海老芋 金時人参 堀川牛蒡 菠薐草 針柚子 飴釉楽焼銘々鍋 焜炉】
海老芋が美味しかったです。
グツグツ グツグツ 体が芯から温まります。
【飯物 鯛飯 焼き鯛 錦糸玉子 三つ葉 伊賀焼土鍋】
【香の物 大根 日野菜 塩昆布 白菜 吹墨四方皿】
【味噌汁 赤だし 生湯葉】
【水物 マンゴー オレンジ 苺羹 メロン羹 フルーツソース ペパーミント 白磁洋皿】
メロン羹が気に入りました。
【茶菓子 葛焼 黄粉ソース 唐津小鉢】
【薄茶 海鼠手茶碗】
* * *
いかがでしたでしょうか。
マクロビオティックを知っている人なら、誰しも陰陽がそこかしこで自然に組み合わさっていることに気づかれることでしょう。
特に温物の粕汁は、全部お野菜だけの材料なので、お魚をいただいた直後にはさっぱり感があって落ち着きました。陰陽ですねぇ。
こうして日本料理はとても陰陽バランスが良い組み合わせなので、食後でも体が楽です。
そして、むそう塾生(特にOBENTERS™)なら、焦げの季節感にもピピーンと反応されることでしょう。
お菓子まで焼いてあることに、和の世界の繊細さが素敵だなって思いました。
写真で見るとすごい量のように思われるかもしれませんが、一つひとつが小ぶりに仕上げられているので、常々あまり量を食べられない私でも完食できました。
こうして時々外でお食事をすることは、今のお料理界の水準を知ることでもあり、私にとってはむそう塾でお伝えしている内容のレベルの高さを確認することにもなります。
瓢亭さんや吉兆さんのお味は、むそう塾生にとっては特別のものではなく、いつも作っている美味しさに他なりません。
ですから、これらのお店に行くと、どこかに日常を感じると思います。
家庭料理であっても常に美味しく。
家庭料理だからこそ美味しいものを。
これがむそう塾スタイルです。
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