先日こちらの100点お弁当の記事で、お料理の味について触れました。
私たちが常々食べているお料理は、体に良いかどうかということより、美味しいと思える味が優先されていると思います。
その「美味しい」がイコール健康につながるのなら良いのですが、そうでないこともあります。
マクロビオティックでは物事を陰陽でとらえて、お料理も陰陽で考えます。
食材や切り方だけでなく、お料理方法や味付けも陰陽で考えます。
そのとき、どの辺りのお料理が癒やされるのかというと、中庸なのです。
たとえば私はこのような「あらめ玄米ビーフン」が大好きです。
あらめがこんなに美味しいなんて、このお料理をいただくまで知りませんでした。
むそう塾生にもこのお料理が大人気です。
(あらめ玄米ビーフン 料理:京料理人 中川善博)
あまりにも美味しくて、もっとたくさん食べたい衝動にかられるときには、こんなふうに丼にしてしまいます。
これがまたとても美味しくて、お箸と丼を持ったまま気がつくと一気食いしているほどです。
(お下品な食べ方ですみませんm(_ _)m)
でも、どんなに美味しくて満足感があっても、こんな食べ方を毎日していたのでは偏りが生じてしまいます。
それはお料理方法やお味や食材が偏るからですね。
* * *
毎日食べても良いのは、下の写真のように色々な料理方法でさまざまなお味と食材で構成されたお料理がベストです。
(秋鮭南蛮漬け、出汁巻き、ひじき豆、三度豆の胡麻和え、丸十檸檬煮。玄米230g、別で糠漬け。)
(夫が妻に作ったお弁当 料理:むそう塾生 カモメさん)
このお弁当はお料理方法もお味も食材の選び方も、実によく計算されています。
焼く(陽性)、煮る(中庸)、和える(中庸)などの料理方法に加え、陽性なお魚を南蛮酢の陰性で中庸にもっていき、毒消しの玉ねぎも覗いています。
三度豆は胡麻の陽性で中庸になり、ひじき豆で海のものと山のものとを融合させ、お出汁をたっぷり入れた出汁巻き玉子は、玉子であるのにその陽性さが強くなりすぎません。
デザート代わりにさつま芋の優しい甘さが唯一の陰性です。
ところで、健康だけでなく精神的にも癒やされるお料理の味付けというのがあります。
それは決して濃い味付けではなく、最初口にした時には「ちょっと薄いかな?」と感じる程度がちょうど良いのです。
食べ進んで行って最後に甘過ぎもせず、しょっぱ過ぎもせず、ほわ〜っと優しく食べ終えられる味ですね。
なお、味が薄いというのは、水くさいのでもなく物足りないのでもなく、甘さやしょっぱさなどの味が前面に突出していないことを指します。
ですから、食べているうちに塩辛さや甘さが邪魔をするようでは、もうしんどくなります。
上のカモメさんのお弁当を拝見した時、お写真ではありますが食べ終わりが想像できて、良いバランスのお弁当だなあと思いました。
そして、きっとこのお弁当を召し上がった人は癒やされるであろう、つまりセラピー効果のあるお弁当だと思ったのです。
むそう塾では京料理人中川善博が、超一流の味にマクロビオティックの陰陽でさらに絞りをかけたお料理をお伝えしていますから、それを叩きこまれているカモメさんのお弁当は、間違いなく癒しのお料理になったことでしょう。
本当に美味しいお料理をいただいてお箸をお膳に置いた時、思わず「あ〜、幸せ」って口にされたことがありますよね?
食べ物にはそんな癒しの力があります。
それが中庸の味付けです。
最後に一言。
中庸って、素材と調味料が喧嘩しない味なんですよね。
調味料が出しゃばらない味が人間にとっても心地よいわけです。
出しゃばる人ってうるさくてイヤでしょ?
食べ物でも同じですね。
美風さん
こんにちは。
確かにこの日のお弁当は、自分で作ったのにホッと癒される感じがしました。妻に聞いても同じ感想でした。
外食や市販品の影響でパンチが効いたお味を美味しいと思いがちですが、「美味しさ」を陰陽で考えられるようになったのはマクロビオティックのおかげです。
最近ではメニューに困ることもなくなりましたし、お弁当を作り続けてきて良かったと思います。
お二人のご指導に感謝いたします。
カモメさん、こんばんは。
ぜひ奥様のご感想をお聞きしたいと思っていたので、教えていただいて良かったです。
ああ、やはり奥様も同じだったのですね。
ご夫婦で癒やされるなんて、素敵なお弁当ですよね。
>外食や市販品の影響でパンチが効いたお味を美味しいと思いがちですが、「美味しさ」を陰陽で考えられるようになったのはマクロビオティックのおかげです。
まさにそうなんです。
一口目に美味しい!と反応するお料理はお味がキツイということでもあるんですよね。
色々と自己主張が激しいのは今の時代の特徴なのかもしれません。
それに流されず、本当に体に良いお味を追求できるツールとしてのマクロビオティックを、これからも自在に使いこなしてくださいね。