日本糖尿病学会が「炭水化物制限は薦められない」見解を発表

糖尿病の治療として一部で行われている炭水化物を極端に制限する方法について、日本糖尿病学会から次のような見解が発表されました。

>「長期的に行った場合の安全が確認されておらず、現時点では薦められない」

私は常々マクロビオティックの視点から考えても、従来の指導方針に疑問を感じていたので、「やっと」の思いを強くします。
まだ「現時点では」としているところに苦悩の後がみえてしまいますが(笑)
どんな病気であれ、日本人は主食を疎かにして健康はないのです。
糖尿病に玄米ご飯はとても効果を発揮するのですが、なかなか理解してもらえないのが残念なところです。

 

NHK生活情報ブログ>から転載

糖尿病の治療として一部で行われている炭水化物を極端に制限する方法について、日本糖尿病学会は「長期的に行った場合の安全が確認されておらず、現時点では薦められない」とする初めての見解を示しました。

糖尿病は食べ過ぎや運動不足といった生活習慣などがもとで血糖値が高い状態が続く病気で、重症化すると目の血管が傷ついて失明したり、動脈硬化につながったりします。
患者とその疑いがある人は国内であわせておよそ2200万人に上ると推計されています。

治療は食事の見直しや運動が中心になります。このうち食事療法について日本糖尿病学会は栄養のバランスをとりながら食事全体のエネルギー量を抑えるよう推奨していますが、一部の医療機関などでは減量のため、ごはんやパンなどの炭水化物を極端に制限する方法が行われていて、これに対して「脂肪やたんぱく質のとり過ぎにつながる」という声があがり、専門家の間で議論になっていました。
これについて日本糖尿病学会は100以上の海外の論文などを分析した上で、学会として初めて見解を示しました。

それによりますと▼短期的に体重が減っても長期的にはコレステロールの値が悪くなったという報告や▼心臓病のリスクが高まることを示す研究があるとして「長期的に行った場合の安全が確認されておらず、現時点では薦められない」としています。
その上で、炭水化物の摂取量の目安は日本人の平均的な摂取量にあたる、食事全体のエネルギー量の50%から60%にするとしています。

今回、見解のとりまとめにあたった日本糖尿病学会の宇都宮一典理事は「自己流で炭水化物を制限している人もいるが、これまで国内での研究はほとんどなく、日本人特有の体質や糖尿病の特徴を踏まえた上で、長期的な検証を行うことが必要だ」と述べ、今後、学会として積極的に研究を進めていく考えを示しました。

今回、炭水化物を極端に制限することは「現時点では科学的根拠に乏しい」として安全性の面から否定されました。しかし、見解の中には「他の栄養素とのバランスが大きく崩れない範囲で、患者の食事の好みや病気の状態に応じて炭水化物の割合が目安の50%を下回ることもありうる」という記述も加えられ、炭水化物を減らす方法にも一定の余地を残す形になりました。炭水化物を減らす食事療法が一部で普及してきた背景には、複雑な栄養計算が必要なこれまでの方法に比べ、比較的簡単に取り組めるといった要因もあります。食事療法は続けられなければ意味がありません。どの範囲なら安全なのか、しっかりとした科学的根拠を示した上で、患者の状況に応じ治療の選択肢の幅が増えていくことが望ましいと思います。

<転載終わり>

 

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(玄米ご飯 炊飯&写真:中川善博)

カテゴリー: からだ パーマリンク

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