マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

「プロが個人指導するマクロビオティック陰陽弁当」(#musobento )について

「プロが個人指導するマクロビオティック陰陽弁当」のシリーズ記事をご覧くださる方への補足説明をさせていただきます。
(2014.5.29 マクロビオティックの陰陽弁当より改題)
「なあんだ、これってお肉やお魚が入っているから、マクロビオティック弁当じゃないよね」という声が聞こえてきそうです。
そのお気持ちはよく理解できますが、体調によっては少し動物性を摂った方が良い場合もあります。
そのような場合には、お薬のように少量の動物性を体に負担なく取り入れる方法を陰陽で考えて、マンツーマンで指導しているのが毎朝の「お弁当Tweet」です。

さらに、お弁当を食べる人のご希望や午後の体調、精神面の状態などまで考慮して、作る人と食べる人の二人三脚メニューになっています。
単に「動物性を抜いたお料理=マクロビオティック料理」と思われているかたには違和感がおありでしょうが、マクロビオティックを続けていると陰陽の観点からその辺の違和感が消えることでしょう。
体は正直に反応してきますので、否応なく陰陽バランスを修正せざるを得ない状態になるからです。
これは長くマクロビオティックを続けていると起きる心身の変化を見据えた上での最善策です。

食べる人が喜ぶお弁当、食べて健康になれるお弁当、それがこの頁のマクロビオティック陰陽弁当です。
原則は玄米ご飯と野菜料理がメインですが、アクセントのように白米や動物性も登場することがあるとご理解いただければ良いかと思います。
比較的お弁当にお魚やお肉が登場するのは、それだけ陰性タイプの人が多いことの裏返しです。
その場合はしっかり毒消しを考えた材料や料理法になっていますので、その辺もご参考になさってください。

また、京料理人中川善博の指導は、それはそれはきめ細かくて、食材の買い方、切り方、料理方法、盛り込みはもちろん、お弁当箱の選び方も含まれます。
その随所にプロならではの経験や知識・工夫が惜しげもなく披露されています。
それが功を奏して、お弁当の腕がグングン上達する人が多くなって、このTweetの凄さを実感しているところです。
そしてそれは、作る人と食べる人の陰陽観察にも役立ち、そんな視点からも十分「マクロビオティック陰陽弁当」といえるでしょう。
むそう塾生の頑張りを温かい目で見守っていただけたら幸いです。

 
 

むそう塾 陰陽弁当 マクロビオティック

 
 

(料理:姫さん 幼稚園児用)

 
 
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お料理における診断の重要性

秘伝コースの試験、じっくりコースの試験が終わって、あとは満足コースの試験があります。
試験というと怖気づいてしまう人が多いですが、お料理の腕をあげるためにこの試験は100%以上効果的です。
今まで試験をしてみて、試験項目を完全に間違いなくトレース出来ている人は一人もいませんでした。
そのくらい我流が入ってしまうのが当然であり、その我流が美味しくない、あるいは作業がうまくいかない原因なのです。
しかし本人はまったくそのことに気づいていません。
でも、試験をすると一目瞭然です。

じっくりコースではその我流を1年間かけて、満足コースでは半年間かけて、過去2年間で教えたすべてのお料理と技術を総チェックして修正する内容です。
これは凄い試みです。
自分のしていることが正しいのか間違っているのか?
間違っているとしたら、それはどこなのか?
それすら判らない人がたくさんいます。

むそう塾には膨大な個々人のデータがありますので、多くの人が陥りやすい問題箇所も先に予測できます。
たとえば写真の桂剥き場面では、姿勢だけ見ても桂剥きの仕上がりが予測できます。
玄米炊飯に至っては、玄米を洗う段階からチェックしますので、相当綿密な洗い出しが行われます。
伝えたとおりに炊いてもらえれば、絶対美味しい玄米ご飯が炊けます。

マクロビオティックの料理教室なのに、なぜそんなことを追究するのかと思われるかもしれませんね。
いえ、マクロビオティックの料理教室だからこそ、それを追究するのです。
それは、まずい現象というのは必ずバランスが崩れているからです。
バランスが整った時にはじめて、心地良いとか、美味しいとか、落ち着くとかいう状態になれるからです。
それをお料理の面から整えてみようというのがむそう塾の試みです。

先の試験結果があまりにも見事に問題点を物語っていたので、単発でもこの試験をしたいと思ってしまいました。
教える側も教わる側も、相当に学びの多い内容になることが確実です。
でも、日程に空きがありません。。。(;´д`)トホホ…

 
 

桂剥き むそう塾 マクロビオティック料理教室 

 
 
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「マクロビオティックの指導現場から」あらゆる束縛からの解放

昨日は「マクロビオティックとは真の自由を実現するための考え方です」という記事を書きました。
では、「真の自由」とはなんでしょうか?
それは誤解をおそれずにひと言でいうなら、「あらゆる束縛からの解放」と言えるでしょう。
純粋無垢の状態で産まれた赤ちゃんは、その日から親の常識の洗礼を受けます。
すでにお母さんのお腹の中でも、その常識の影響を間接的に受けていたわけですが、オギャーと産まれた途端に親やその周りにいる人の常識や思惑を直接的に受けることになるのです。
そもそもそれが不幸の始まりなのですが、赤ちゃんはどうすることも出来ません。

たまに親が健康志向だったり、哲学的な考え方に関心があったりすると、マクロビオティックという考え方に出会ってくれるかも知れません。
そこで正しくマクロビオティックを理解してくれたら、親の人生観や価値観が変わって、それまでの学校教育や社会常識や健康に対する認識が根底から揺さぶられて、新たな判断を下すことになるでしょう。
あるいは少数でしょうが、それまでの社会や学校教育に疑問を抱いていた親は、「これだ!」と意を強くして小躍りされることでしょう。

すでに私たちは自由なのだから、「真の自由」っていわれても・・・と思われる人も多いことでしょう。
しかし私たちは学校教育や育てられ方で直接的に自由から程遠い思考をしています。
さらに常識という真綿のような存在が遠巻きで首を締めるのです。
それらが知らず知らずのうちに私たちの精神を束縛していることに気づいている人と、疑問を感じない人に分かれます。
もしかしたら疑問を感じない人の方が数としては多いかもしれません。
でも、そのような人たちでも不満や苦しみがあるときは、冒頭の「あらゆる束縛から解放」されると、嘘のように平穏がおとずれます。

誰しも悩みや苦しみを抱えることはあるものです。
物事が思いどおりに進まないことは日常的にあるものです。
そんな時にそれらを解決する方法が「あらゆる束縛からの解放」なのです。
今の自分の思考をマクロビオティックの考え方で根底から洗い直してみると、矛盾や根拠のない不安や刷り込みがほとんどを支配していることに気づくはずです。
それを知ったら、その支配をはねのければ良いわけです。
それが「あらゆる束縛からの解放」になります。

具体的方法は、懸念事項をマクロビオティックの陰陽の視点で洗い直すことです。
複雑に絡み合ったことでも、陰と陽という二つの視点まで分解して行くと、なぜかスルスルとほどけて行く問題ばかりです。
多くは欲や見栄に邪魔されていたことを知ります。
誰でも持っているそれらの本能を、いかにバランスよく保つかが真の自由を実現できるかどうかの分かれ道になります。

誰かとぶつかるときには、自分の欲が前面に出ていないだろうかと考えたり、すごく割り切れない思いがあるときには、それは見栄の心がそうさせていたのではないかと考えたりしてみましょう。
その結果なんらかの心当たりがあったなら、あとは謙虚にそれを改めるだけです。
しかし多くの人はその「謙虚」と「改め」が持続しないのです。
そのためにマクロビオティックの本当の良さを享受できないまま、あれこれと迷いながら時間を浪費しているのが現状です。

マクロビオティックの創始者である桜沢如一先生は、貧乏であっても勇気と希望を持てる内容の本を書いていて、その一冊が「永遠の少年」です。
「魔法のメガネ」をかけて世の中を見回してみると、多くの迷いや矛盾を払拭できて、自分の進むべき道が拓けてきます。
そこで伝えたかったことは、きっと「存在そのものが贈り物になる人を目指す」ことではなかったかと思います。

あなたも経験がありませんか?
その人のそばに行くと勇気が湧いてきたり、元気になれたり、笑顔になれることがありませんでしたか?
何もしてくれなくても、その人の存在そのものに価値があると思える人っていますよね。
そんな人になろうよっていうのがマクロビオティックだと思えば解りやすいと思います。
身近な例として赤ちゃんがあげられます。
あの屈託のない笑顔やしぐさそのものが周りの人に幸福をもたらします。

大人になっても存在そのものが誰かの幸福につながる生き方をしている人って素敵ですよね。
そんな人になるための方法が具体的に示されているのが陰陽のものの見方考え方です。
現実には、まず自分の健康を確立することから始めます。
それが出来て初めて、周りの人にも氣のプレゼントが出来るからです。
真の幸福はお金でも名誉でもありません。
そんなことに目が眩まない生き方ができるために、そして、あなたの中にある不要な束縛から解放されるために、私はきょうもお手伝いさせていただきます。

 
 

京都御所の砂利道

 
 

(京都御所 マクロビオティックとはこの砂利を踏みしめながら歩くようなものかもしれない。進みは遅くとも、必ず道は出来る。)

 
 
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マクロビオティックとは真の自由を実現するための考え方です

私もお世話になったマクロビオティック指導校の某先生が退社されました。
かれこれ20年はお勤めになったのではないでしょうか?
先生とは何度かお食事をご一緒したり、個人的なお話で連絡を取り合ったりしていたのですが、むそう塾を始めてからはとんとご無沙汰してしまいました。
これからは楽しいマクロビオティックを伝えて行きたいと燃えていらっしゃるので、やっとご自由になれたのだなあと思っています。
組織に属していると、どうしても個人的な考えは控えることになりますから、どこかで自由度は減っていたはずです。
これからは多くのご経験とともに、先生の視点からのマクロビオティックを伝えてくださることに、私も楽しみにしております。

ところで、マクロビオティックは制約が多すぎたり、偏りがあって宗教的だと思われたりして敬遠される人が圧倒的多数です。
いずれもマクロビオティックの断片しか伝えられていない時にそのように反応されます。
しかしマクロビオティックの本当の姿は、「真の自由を実現できる考え方」です。

私たちは無限の世界からやって来て、この世という有限の世界に生き、また無限の世界に還って行くわけですが、その有限界での生き方をいかに愉しく自由にするかという「考え方」がマクロビオティックなのです。
その「愉しく自由に」を現実化するにあたって、まず最初に求めるのが健康なのですが、その健康になるための食べ物の説明が「食養料理」だったわけです。
その食養料理があまりにも効果があったので、そのお料理だけがひとり歩きして、本来のマクロビオティックの精神を置き去りにしたまま「マクロビオティック料理」の名のもとに広まってしまったのが現状です。

その結果単純に食材を陰陽で判断することと料理法と体調判断方法だけが広まって、実際には愉しいどころか苦しさや窮屈さや家庭不和や体調不良者まで出す始末です。
ですからマクロビオティックを知っても、そのお食事の極端さに家族から反対されることが多くて、そこから不幸が始まります。
しかしマクロビオティックは先に述べたように、「真の自由を実現できる考え方」なので、玄米を食べなければダメなのではなく、お魚やお肉を食べたらダメなのではなく、白砂糖や牛乳を使ったお菓子を食べたらダメなのでもないのです。

「真の自由を実現するため」には、まずは健康でなければ何も始まりませんよねという話です。
もしあなたが頭が痛かったり、お腹が痛かったり、病気を抱えていたら、そのことに気が奪われて、他人のことまで気を配る余裕が生まれにくいですよね。
ましてや将来の夢も描きにくくなります。
ですから、もし今体調不良があるのなら、それを先に改善してからマクロビオティックの目指す生き方をしましょうよという順序です。
その体調改善のためのお料理が主に「マクロビオティック料理」と呼ばれて、誤解を招きつつも広まっているわけですね。

では、「真の自由」とは何なのでしょうか?
それは自分の好きなことをして新しいものを創りあげたり、色々なアソビをしたり、多くの人に愛されたり尊敬されたりして、最期にこの世に「ハイ、サヨウナラ!」と人生を「アソビ」で終わらせることを意味します。
「アソビ」の人生には苦痛や疲れはありません。
あるのは燃える魂のみです。

ですから、食べ物に囚われているうちはまだ真のマクロビオティックではないのです。
何を食べても健康であって、自由な生き方が出来てこそ、真のマクロビオティックを愉しんでいることになるのです。
夢々食べ物の段階でウロウロする人生でありませんように。
食べ物は手段であって目的ではありません。

真のマクロビオティックを実現するためには、まず陰陽の考え方と自分の状態を知るところから始まるのが現代人ですが、マクロビオティックなんて言葉は知らなくても、すでに真のマクロビオティック的な生き方をされている人は昔からすでに存在します。
それは真理の行き着くところはたぶん同じだからでしょう。
たとえば富士山の頂上に到達しようと思えば、登山ルートはいくつもあるのと同じです。
その人に合ったルートをたどれば良いのであって、マクロビオティックではない考え方でそのルートを歩んでいる人はたくさんいらっしゃいます。
むしろマクロビオティックの方がその人数も少ないし歴史も浅いです。

それでも食べ物から自分の健康を調節して、ひいては精神状態もコントロールできるマクロビオティックの考え方は、食の乱れた現代には有効な方法だと思っています。
それを陰陽という二つの視点で考えるところがとても解りやすいのですが、目で見えるものだけを対象に教育をされた現代人には理解に手間取る人もいます。
それでも目に見えない世界に意識を向けると、グッと心が穏やかになったり、人生観や価値観が変わったりして、「自分の人生を自分で生きている感じ」がするようになります。
それはまた、「自然界に生かされている自分」でもあり、そこに有限と無限の世界のつながりがあって、それを垣間見ることがマクロビオティックの愉しさの一つでもあります。

私はそんなマクロビオティックに惚れて、ずっとマクロビオティックに関わって来ました。
今は京都と埼玉を毎週往復して、京都にいる時間の方が長いのですが、それでもこうして元気に仕事ができるのは、やはり陰陽バランスのおかげだと思っています。
マクロビオティックを難しく感じたら、「とにかく陰陽バランスを取ること」というように理解されたら良いと思います。
冒頭の先生が「楽しいマクロビオティックを伝えたい」とおっしゃるように、マクロビオティックを正しく理解している人は、手段と目的を間違えていません。
あなたのマクロビオティックは今どの段階ですか?
どうか早く真の目的に近づきますように。

 
 

京都産筍 マクロビオティック料理教室 むそう塾

(京都産筍 料理:中川善博)

私はマクロビオティックを知ってからしばらくの間、筍は陰性が強いからといって食べませんでした。
しかし恩師は筍の性質をよーく見抜いており、癌を改善するために用いていることを知って陰陽の奥深さを学びました。
陰陽は一面だけ見てはいけないと思い知ったものです。
常に陰陽は表裏一体のものであることをいつも忘れないようにしなければ、「論語読みの論語知らず」と同じことになってしまうと痛感しました。

筍は確かに陰性が強いのですが、だからこそ陰性を必要とする時季に生えてくる自然に思いを馳せなければなりません。
陰性を陰性としていただくことも必要なのです。
いつも中庸のお料理が理想なのではなく、陰性を必要とする季節にはスパッと陰性を摂ります。

「筍の木の芽和え」なんて、陰性に陰性を重ねたお料理です。
でも、それは一時期一瞬の旬をいただくお料理です。
陰陽が解らなくなったら「旬をいただく」。
それで大きく間違うことはありません。
旬は食べ物にも人生にもあります。
旬を意識して生きてみましょう。
それが案外マクロビオティック的だったりするんですよね。

 
 
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オナニーのマクロビオティック料理は止めましょう

食習慣を変えるというのはなかなか難しいものです。
それでも命が危ない状態に追い込まれたら、案外と変える気になったりします。
しかし、そこから復活してくると、またぞろ元の木阿弥状態になる人が多いですね。
それほど食べ物の魔力は大きいのです。

ところで、マクロビオティックを始めるのは多くが女性です。
それからご家族も巻き込まれるケースが多いのですが、男性と女性の食の好みは差があって当然なのに、お料理を作る人(主に女性)の考えが男性の胃袋を支配すると、悲劇(大袈裟ですが^^)が始まります。
男性には女性より陽性を心がけてちょうど良いのですが、それを野菜ばかりでまかなおうとすると、男性はなんとなく寂しくなります。
もちろん、みずからベジタリアンやビーガンを良しとされている男性は別です。
また進んで穀物菜食を喜んでいる男性も別です。
ここでは一般的な男性を指します。

マクロビオティックを知ってから動物性抜きのお料理をせっせとご主人に作って、ご主人の健康を思っているのは、ある意味奥様の自己満足であり、オナニーに似てしまうことがあります。
それより、相手が喜ぶお料理で、なおかつ健康にも良い組み合わせにする方がもっと喜んでもらえるはずです。
男性の体が喜ぶ食べ物。
それもむそう塾ではお伝えしています。

ポイントは毒消しです。
食材や料理方法できちんと毒消しをして、男性にも喜んでもらえるマクロビオティック料理を作りましょう。
動物性を一切排除するのがマクロビオティックだと思うのではなく、相手の体調や体質を踏まえて陰陽バランスを取ることが本当のマクロビオティックであることを知りましょう。

次にご紹介するのは、麗可さんがご主人にその日の朝に作ったお弁当の感想を聞いた文章です。
文中にテンションが上がると書いてありますね。
これなんです。
男性は案外こういう要素を求めます。
こういう生の声は大事にしましょう。

昨日のお弁当の感想です。バランスが取れててとても美味しかった。平貝のフライは肉厚で柔らかくて甘かった。やっぱり蓋を開けた時に、揚げ物かお肉があるとテンションがあがると言われました。

 
 

鯵のお造り 中川善博 マクロビオティック

(鯵のお刺身 料理:中川善博)

たまにはこんなお刺身も出来るように、むそう塾では1尾のお魚をおろすところから指導します。
しっかり毒消しの仕方も教えて。

 
 
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