マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

中川善博が教える盛付けの奥義「青線赤線」とマクロビオティックの陰陽

むそう塾の幸せコースでは盛付けもカリキュラムに入っています。
お料理を作るだけでなく、正統派の盛付けもしっかりと出来るようにするためなのですが、これを苦手とする塾生さんが多いです。
今まで意識していないからですね。
今の時代はお料理屋さんでも、本でも、テレビでも、目を覆いたくなる盛付けが氾濫しています。
本を見ても、気持ちの悪くなるようなお料理の写真が堂々と載っていたりします。
盛付けの意識が薄らいでしまうのは、美的感覚としても悲しくなりますね。

そんな時代にあって、日本人として恥ずかしくない盛付けが出来るようにしっかりと伝えておくこともむそう塾の役割だと思います。
根底には日本人独特の感性や細かな気遣いがあるのですが、多くは日本文化に根ざしたものでしょう。
そのような日本文化の伝承の一つとしても、盛付けの勉強に取り組むむそう塾生の応援のために、授業でお伝えした盛付けの基本をご紹介します。
この赤線と青線のラインが頭に入っていて、それを意識して盛付けが出来れば、あなたのお料理の見映えも良くなります。

 
 

青線赤線

 
 

その他に「仮想トップ」というのがあります。
実際に座ってお食事をいただく時に、見た目にバランスよく映る角度と焦点を指した言葉なのですが、これも理解していない人が多いです。
幸せコースでちゃんと詳しくお伝えしているのですが、これも「ふ〜ん」と何となく素通りしていると、いざ盛付けようとする時に役立ちません。
でも、その時にしっかりと納得されていれば、そのあとはいつも意識します。
なぜなら、意識して盛付けた方が美しいからです。

人は美しい方に心を奪われるように出来ているのですが、その美しさを感じるセンサーには差異があって、その辺が原因でこの仮想トップも理解出来ていない人がいます。
しかし、美しいもの(=バランスの取れたもの)が身の回りにあると、それだけで気持ちに落ち着きが出てきます。
反対にバランスの悪いものに囲まれていると、それだけでイライラ感が募ってしまうこともあります。
これがマクロビオティックでいうところの環境の陰陽の大切さですね。

考え方にも、暮らし方にも、お仕事にも、人間関係にも、経済的にも、もちろん食べ物にも陰陽バランスを調えるように意識すると、あなたはもっと暮らしやすく生きやすくなりますよ。
マクロビオティックとは世界観を含めた壮大なテーマまでまかなえる考え方です。
身近な盛付けから氣を調えることをしてみましょう。

 
 
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マクロビオティックの指導現場から「子供のお弁当」

子供の味覚というのは本当に鋭くて、自分の体にとって必要なものは本能で分かっていますね。
体にとってあまりよろしくないものは、離乳食の段階でもイヤイヤしますし、親が栄養面を考えて無理に食べさせようとすると、泣き出したり放り投げたりします。
離乳食で悩むお母さんも多くて、よくご相談を受けるのですが、子供の様子を観察していればおのずと答えは出てきます。
育児書を読むから悩みが増えるのだと思って間違いありません。
子供の本能を信じましょう。

さて、子供が成長してお弁当が必要になると、お母さんは子供が喜びそうなキャラ弁を作るのが当然だと思っていませんか?
あるいは外食の時、お子様ランチを頼むのが当たり前になっていませんか?
しかし子供は鈍い大人より味覚がしっかりしているので、五感を養う大事なときに子供だけ別料理にするのはあまり感心しません。
大人と同じものをちょっとだけ加減して食べさせてあげるようにしましょう。
そうした日常があって初めて伝統料理の伝承ができるのです。

大人と同じだけどちょっと違うところ。
それは大人と子供の陰陽差を考えるのがマクロビオティックの視点ですね。
大人より子供は陽性であることを頭において、味付けや盛り付けを少しだけアレンジしてあげれば良いのです。
間違ってほしくないのは、お料理はお味が優先するということです。
見た目の可愛らしさや飾りに気が行って、本末転倒にならないようにしましょう。

楽しいことは遊びで体験させて、お食事には一種の敬意を表する姿勢も植え付けてあげられたら理想ですね。
それは食べることが余りにも軽く考えられがちな現代において、精神性を育てる目的も含んだ食べ方を教えてあげるべきだと思うからです。
食材を育てる人、輸送してくれる人、お料理をする人、それらのすべてに感謝してお料理をいただく心を育ててあげてほしいです。

マクロビオティックで考えるともう一つ大事なことがあります。
それはバランス感覚です。
美しいものにはバランスの取れたものが多いです。
自然界が一番バランスが良いのですが、変に人工的にすればするほどアンバランスになります。
手を加えるなら自然なバランスを損なわない範囲内で。
これを基本に考えてお子さんのバランス感覚を磨いてあげましょう。

 
 

むそう塾 マクロビオティック弁当

 
 

【海苔だし巻 蛸のやわらか煮 春夏風金平 黄粉南瓜 蒸キャベツ梅肉和え】 
(姫さんのお弁当tweetより)

たとえばこのお弁当は、お子さん(幼稚園の年長)のためにむそう塾生が作ったものです。
大人のお弁当と何ら変わらない感じです。
きょうは15日ということもあって、小豆入り玄米ご飯になっています。
お子さんがこのようなお弁当を喜ぶのだそうですが、聞くところによるとお爺ちゃんやお婆ちゃんの影響があるようで納得です。
ちゃんとご家庭のお味が伝承されていて素晴らしいですね。

お母様がむそう塾でほんまもんの味を会得して、さらにお子さんの味覚は鋭くなって行くことでしょう。
大きくなった時のお子さんの感性が楽しみです。

 
 
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「プロが個人指導するマクロビオティック陰陽弁当」(#musobento )について

「プロが個人指導するマクロビオティック陰陽弁当」のシリーズ記事をご覧くださる方への補足説明をさせていただきます。
(2014.5.29 マクロビオティックの陰陽弁当より改題)
「なあんだ、これってお肉やお魚が入っているから、マクロビオティック弁当じゃないよね」という声が聞こえてきそうです。
そのお気持ちはよく理解できますが、体調によっては少し動物性を摂った方が良い場合もあります。
そのような場合には、お薬のように少量の動物性を体に負担なく取り入れる方法を陰陽で考えて、マンツーマンで指導しているのが毎朝の「お弁当Tweet」です。

さらに、お弁当を食べる人のご希望や午後の体調、精神面の状態などまで考慮して、作る人と食べる人の二人三脚メニューになっています。
単に「動物性を抜いたお料理=マクロビオティック料理」と思われているかたには違和感がおありでしょうが、マクロビオティックを続けていると陰陽の観点からその辺の違和感が消えることでしょう。
体は正直に反応してきますので、否応なく陰陽バランスを修正せざるを得ない状態になるからです。
これは長くマクロビオティックを続けていると起きる心身の変化を見据えた上での最善策です。

食べる人が喜ぶお弁当、食べて健康になれるお弁当、それがこの頁のマクロビオティック陰陽弁当です。
原則は玄米ご飯と野菜料理がメインですが、アクセントのように白米や動物性も登場することがあるとご理解いただければ良いかと思います。
比較的お弁当にお魚やお肉が登場するのは、それだけ陰性タイプの人が多いことの裏返しです。
その場合はしっかり毒消しを考えた材料や料理法になっていますので、その辺もご参考になさってください。

また、京料理人中川善博の指導は、それはそれはきめ細かくて、食材の買い方、切り方、料理方法、盛り込みはもちろん、お弁当箱の選び方も含まれます。
その随所にプロならではの経験や知識・工夫が惜しげもなく披露されています。
それが功を奏して、お弁当の腕がグングン上達する人が多くなって、このTweetの凄さを実感しているところです。
そしてそれは、作る人と食べる人の陰陽観察にも役立ち、そんな視点からも十分「マクロビオティック陰陽弁当」といえるでしょう。
むそう塾生の頑張りを温かい目で見守っていただけたら幸いです。

 
 

むそう塾 陰陽弁当 マクロビオティック

 
 

(料理:姫さん 幼稚園児用)

 
 
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お料理における診断の重要性

秘伝コースの試験、じっくりコースの試験が終わって、あとは満足コースの試験があります。
試験というと怖気づいてしまう人が多いですが、お料理の腕をあげるためにこの試験は100%以上効果的です。
今まで試験をしてみて、試験項目を完全に間違いなくトレース出来ている人は一人もいませんでした。
そのくらい我流が入ってしまうのが当然であり、その我流が美味しくない、あるいは作業がうまくいかない原因なのです。
しかし本人はまったくそのことに気づいていません。
でも、試験をすると一目瞭然です。

じっくりコースではその我流を1年間かけて、満足コースでは半年間かけて、過去2年間で教えたすべてのお料理と技術を総チェックして修正する内容です。
これは凄い試みです。
自分のしていることが正しいのか間違っているのか?
間違っているとしたら、それはどこなのか?
それすら判らない人がたくさんいます。

むそう塾には膨大な個々人のデータがありますので、多くの人が陥りやすい問題箇所も先に予測できます。
たとえば写真の桂剥き場面では、姿勢だけ見ても桂剥きの仕上がりが予測できます。
玄米炊飯に至っては、玄米を洗う段階からチェックしますので、相当綿密な洗い出しが行われます。
伝えたとおりに炊いてもらえれば、絶対美味しい玄米ご飯が炊けます。

マクロビオティックの料理教室なのに、なぜそんなことを追究するのかと思われるかもしれませんね。
いえ、マクロビオティックの料理教室だからこそ、それを追究するのです。
それは、まずい現象というのは必ずバランスが崩れているからです。
バランスが整った時にはじめて、心地良いとか、美味しいとか、落ち着くとかいう状態になれるからです。
それをお料理の面から整えてみようというのがむそう塾の試みです。

先の試験結果があまりにも見事に問題点を物語っていたので、単発でもこの試験をしたいと思ってしまいました。
教える側も教わる側も、相当に学びの多い内容になることが確実です。
でも、日程に空きがありません。。。(;´д`)トホホ…

 
 

桂剥き むそう塾 マクロビオティック料理教室 

 
 
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「マクロビオティックの指導現場から」あらゆる束縛からの解放

昨日は「マクロビオティックとは真の自由を実現するための考え方です」という記事を書きました。
では、「真の自由」とはなんでしょうか?
それは誤解をおそれずにひと言でいうなら、「あらゆる束縛からの解放」と言えるでしょう。
純粋無垢の状態で産まれた赤ちゃんは、その日から親の常識の洗礼を受けます。
すでにお母さんのお腹の中でも、その常識の影響を間接的に受けていたわけですが、オギャーと産まれた途端に親やその周りにいる人の常識や思惑を直接的に受けることになるのです。
そもそもそれが不幸の始まりなのですが、赤ちゃんはどうすることも出来ません。

たまに親が健康志向だったり、哲学的な考え方に関心があったりすると、マクロビオティックという考え方に出会ってくれるかも知れません。
そこで正しくマクロビオティックを理解してくれたら、親の人生観や価値観が変わって、それまでの学校教育や社会常識や健康に対する認識が根底から揺さぶられて、新たな判断を下すことになるでしょう。
あるいは少数でしょうが、それまでの社会や学校教育に疑問を抱いていた親は、「これだ!」と意を強くして小躍りされることでしょう。

すでに私たちは自由なのだから、「真の自由」っていわれても・・・と思われる人も多いことでしょう。
しかし私たちは学校教育や育てられ方で直接的に自由から程遠い思考をしています。
さらに常識という真綿のような存在が遠巻きで首を締めるのです。
それらが知らず知らずのうちに私たちの精神を束縛していることに気づいている人と、疑問を感じない人に分かれます。
もしかしたら疑問を感じない人の方が数としては多いかもしれません。
でも、そのような人たちでも不満や苦しみがあるときは、冒頭の「あらゆる束縛から解放」されると、嘘のように平穏がおとずれます。

誰しも悩みや苦しみを抱えることはあるものです。
物事が思いどおりに進まないことは日常的にあるものです。
そんな時にそれらを解決する方法が「あらゆる束縛からの解放」なのです。
今の自分の思考をマクロビオティックの考え方で根底から洗い直してみると、矛盾や根拠のない不安や刷り込みがほとんどを支配していることに気づくはずです。
それを知ったら、その支配をはねのければ良いわけです。
それが「あらゆる束縛からの解放」になります。

具体的方法は、懸念事項をマクロビオティックの陰陽の視点で洗い直すことです。
複雑に絡み合ったことでも、陰と陽という二つの視点まで分解して行くと、なぜかスルスルとほどけて行く問題ばかりです。
多くは欲や見栄に邪魔されていたことを知ります。
誰でも持っているそれらの本能を、いかにバランスよく保つかが真の自由を実現できるかどうかの分かれ道になります。

誰かとぶつかるときには、自分の欲が前面に出ていないだろうかと考えたり、すごく割り切れない思いがあるときには、それは見栄の心がそうさせていたのではないかと考えたりしてみましょう。
その結果なんらかの心当たりがあったなら、あとは謙虚にそれを改めるだけです。
しかし多くの人はその「謙虚」と「改め」が持続しないのです。
そのためにマクロビオティックの本当の良さを享受できないまま、あれこれと迷いながら時間を浪費しているのが現状です。

マクロビオティックの創始者である桜沢如一先生は、貧乏であっても勇気と希望を持てる内容の本を書いていて、その一冊が「永遠の少年」です。
「魔法のメガネ」をかけて世の中を見回してみると、多くの迷いや矛盾を払拭できて、自分の進むべき道が拓けてきます。
そこで伝えたかったことは、きっと「存在そのものが贈り物になる人を目指す」ことではなかったかと思います。

あなたも経験がありませんか?
その人のそばに行くと勇気が湧いてきたり、元気になれたり、笑顔になれることがありませんでしたか?
何もしてくれなくても、その人の存在そのものに価値があると思える人っていますよね。
そんな人になろうよっていうのがマクロビオティックだと思えば解りやすいと思います。
身近な例として赤ちゃんがあげられます。
あの屈託のない笑顔やしぐさそのものが周りの人に幸福をもたらします。

大人になっても存在そのものが誰かの幸福につながる生き方をしている人って素敵ですよね。
そんな人になるための方法が具体的に示されているのが陰陽のものの見方考え方です。
現実には、まず自分の健康を確立することから始めます。
それが出来て初めて、周りの人にも氣のプレゼントが出来るからです。
真の幸福はお金でも名誉でもありません。
そんなことに目が眩まない生き方ができるために、そして、あなたの中にある不要な束縛から解放されるために、私はきょうもお手伝いさせていただきます。

 
 

京都御所の砂利道

 
 

(京都御所 マクロビオティックとはこの砂利を踏みしめながら歩くようなものかもしれない。進みは遅くとも、必ず道は出来る。)

 
 
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