偉大な先人の教えであっても、常にアップデートが必要

私がマクロビオティックを教わった大森英櫻という人は、本を出さない人だった。
その師である桜沢如一は、反対にものすごい量の本を出版し、あちこちに文章を寄せ、手紙も大量に書いている。

桜沢如一資料室というのがあって、そこでコツコツと資料を集めたり、データベース化している。
たとえば、書籍はこんなふうに
朗読もしている。
「永遠の少年」

 
 

では、なぜ大森英櫻は本を出さなかったかというと、「世の中の万物は刻々と変化しているのだから、桜沢如一の唱える『無双原理』をそのまま、その時代に当てはめればよい」と考えたからである。

そこには大きな理由がある。
桜沢が本を書いた時代にはうまくいった食事法が、すでに大森の時代には合わない事例がたくさんあったからだ。
桜沢の本のとおりに実践して体調が思わしくない人を、大森はたくさん治すようになってしまい、本を残すことの不都合を知ったのだった。

だからこそ、『無双原理』の解釈に力を注ぎ、その時代に合ったマクロビオティックを実践できるように、あえて本を残さなかったのだ。

 
 

「万物は刻々と変化している」のだから、私たちの体も、食べ物も、環境も変化している。
だから、食べ方も常にアップデートが必要なのだ。
しかし、何年も前に出版された本を参考に、あるいは、古い記事をネットで見つけて実践する人が後を絶たない。

その結果、思ったより体調が良くならなかったり、むしろ体調が悪くなってしまう人が出てきてしまう。
仮にどこかで指導者に習っても、その指導者が古い考えのままだったりする。

医学の世界でもそうであるように、食べ方の世界でも「今」に即した情報をもとにして、健康を守らなければならない。
時代は目まぐるしく変わっている。
嘘も多い。

体内に入れるものは、食べ物だけでなく、薬も空気も注意しよう。
触れる情報も選別しよう。
不自然なことには簡単に納得しない姿勢。
みんなで貫いて行こう。

 
 

(焼きプリン 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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