【生後2ヵ月の子どもが「胆道閉鎖症」に】
少し長くなりますが、素敵なむそう塾生のご夫婦がおられるので、第三者の立場から記事にさせていただきます。
今から4年あまり前、こんなメールを送ってくれた塾生さんが、大きく成長して眩しいくらいの存在になりました。
>まるで思いがけない展開にとてもショックですが、これから
>勉強して息子のために出来ることがあれば何でもしたいと思っています。
>なかなか受け入れられない大変な状況ですが、息子からわたしは
>大切なことを沢山教えてもらっています。大好きな息子のために
>家族力を合わせてこれからがんばっていきたいのでどうか
>力を貸してください。
おっとりとして幸せな暮らしをしてきた、むそう塾生の“おたに”さんは、2016年にママになりました。
・むそう塾生の赤ちゃんが産まれました 2016.3.13
ああ、よかったと安堵したのもつかの間、お子さんが生後2か月で「胆道閉鎖症」と診断されて、緊急手術をしました。
2016年5月のことでした。
しかし、この手術の時点で肝硬変が進んでいたため、残された手段は肝移植のみになってしまいました。
【肝移植手術】
そこで、ご主人様が息子さんのためにドナーとなって、「肝移植手術」が行われました。
2016年9月のことでした。
おたにさんはご主人様の体への影響を心配して最初は反対したそうですが、ご主人様の強い希望で移植手術が行われたそうです。
それから4年。
息子さんもご主人様もお元気で、おたにさんのお料理を喜んで召し上がってくれているそうです。
一家で玄米ごはんはもちろんのこと、お子さんはすごく食欲があってモリモリ食べてくれるそうです。
そして、何より嬉しいのは、おたにさんの言葉によれば、「夫も元気です! 心配は夫が息子を好きすぎて子離れ出来ないんじゃないかということくらいで、息子の方がドライです(汗)」ということでした。
【死ぬことが怖くなくなった】
おたにさんは結婚をする前に、むそう塾の「幸せコース」「上級幸せコース」を修了し、結婚・出産・お子さんの手術と大激変の日々を過ごしたあと、2019年にもう一度基本の「幸せコース」を受講されました。
そして、今年は「満足コース」で学んでいて、来年の5月からは「秘伝コース」に進む予定です。
それと同時におたにさんは、お弁当投稿も頑張っています。
お子さんがいて、お仕事も持っていて、その環境で朝からお弁当投稿をするのは大変だと思うのですが、彼女は笑顔でこなしています。
彼女のそのエネルギーはどこから湧いて来るのか?
それを彼女に直接尋ねたことがあります。
そうするとやっぱり、予想どおりの答えが返って来ました。
「人間はいつ死ぬかもしれない。泣いてばかりいたあの時に比べたら、今は何でもできる。」
「死ぬことが怖くなくなった。」
そうなんです。
彼女は肚が据わったのです。
著しく成長したのです。
【たった一人の授業】
今年の4月に、コロナ禍でクラスメイトが次々と欠席する中、幸せコース最後の授業をおたにさん一人で行なったことがありました。
・マクロビオティック京料理教室 むそう塾 幸せコース 第11期 日曜クラス 2020.4.12
色々な話をして、その時におたにさんの強さをしっかりと確認したのでした。
やはり人は困難を乗り越えると強くなれます。
私がおたにさんのお子さんのことでとても感動したのは、ご主人様の素晴らしさです。
まさに自分の体で我が子を助けようとした決断、そして、おたにさんへの愛ある暮らし方。
こういう判断ができる男性は心から尊敬できます。
そして、おたにさんのお料理のことも理解してくださって、全面的に応援してくださっていることが素晴らしいです。
こちらの記事にそのことが書かれています。
・自分には料理があって本当に良かった 塾生さんのコメントより 2020.4.12
おたにさん、素敵な男性と出会えて、本当によかったですね。
【誰かのお役に立てれば嬉しい】
この記事を書くにあたって、私はおたにさんに確認しました。
病名や個人情報をさらけ出すことになってしまうけれど、どこまで書かせてもらえるでしょうかと。
そうしたら、おたにさんのお返事が感動的でした。
「大丈夫ですよ。わたしも、息子の闘病中、いろんな方のブログで体験談を読んで勇気をもらいました。誰かのお役に立てれば嬉しいです。」
うなりました。
私よりずっとおたにさんの方が人間が上でした。
この何気ない光景が、どんなに稀有で幸せなことか。
極限を味わったからこその宝の時間。
【おたにさんとむそう塾】
・2011.2.20 玄米ご飯の炊き方講座(愛クラス)受講
・2011.3.8 パスポート取得
・2013.5〜2014.4 第5期幸せコース受講
・2013.8.25 第75回玄米の炊き方講座(愛クラス)受講
・2014.5〜2015.4 第4期上級幸せコース受講
・2015.5.1 結婚
・2016.3.9 出産
・2016.5 息子さんが「胆道閉鎖症」で緊急手術
・2016.9 息子さんが「肝移植手術」を受ける
・2017.10.21 第112回玄米の炊き方講座(愛クラス)受講
・2019.5〜2020.4 第11期幸せコース受講
・2020.5〜 第7期満足コース受講中
・2021.5〜 第7期秘伝コース受講予定
終わり
美風さん
こんばんは。記事にしていただきありがとうございます。
むそう塾と出会ってからいままでの出来事を丁寧にまとめていただき、いろいろなことを思い出しながら読ませていただきました。
これまで中川さんと美風さんにはいつも温かく、優しく見守っていただき、感謝してもしきれません。
息子の病気が分かり、美風さんからメールの返事でいただいた「人生にはどうにもならないことがある」という言葉はそのときからずっと私の胸にあります。
そして、どうにもならない出来事でも、それには意味があることも知りました。
息子が病気になっていなければ、私は自我が捨てられず、夫や息子に自分の理想を押し付けて、不足ばかりを感じて息苦しい日々を送っていたかもしれません。
家族の幸せという一番大切なものに気付いた今、とてもシンプルな思考になって、迷うことが減りました。
むそう塾はそれを実現するためにもとても大切なものだと感じているので、大変な出来事を経て、またむそう塾に通うことができて本当によかったなと思います。
産後まともに休めず、満身創痍だった私の心と体も癒され、いまは体力も戻り充実した日々を送っています。
人よりもたくさん遠回りをしているなぁと思うのですが、それでもあきらめずに料理ももっと頑張っていきたいと思います。
いつもお二人には頼ってばかりですが、これからもどうぞよろしくお願いします。
おたにちゃん、こんばんは。
>「人生にはどうにもならないことがある」
私もこのお返事を書いた時の気持ちを、よ〜く覚えています。
でもね、これは諦めの気持ちというより、その限界ギリギリでこそ強くなれる人間の力を信じて書きました。
そうしたら、見事におたにちゃんは、本当にその強さを見せてくれました。
人間って、平和なときには出てこない不思議な力が潜んでいるんですよね。
(せっかく潜んでいても、その力を出せない人もいますが・・・。)
それを知ることができるのは、苦しさを乗り越えた人だけのご褒美かもしれません。
>家族の幸せという一番大切なものに気付いた今、とてもシンプルな思考になって、迷うことが減りました。
うんうん、すごーくよく理解できます。
もう何十年分も先の考え方ができるようになっていますね。
ここがおたにちゃんの素晴らしいところです。
思考のシンプル化は、なかなかその年令ではできないのですが、それを息子さんからプレゼントされましたよね。
ここが自分のことのように嬉しいです。
これからもずっと応援していますので、一緒に頑張りましょう!