私が独身時代に部屋探しをしていたときのこと。
東京の地理が詳しくわからない中での部屋探しは、楽しくもあり冒険もありな感じであっちこっち歩き回りました。
その中の一つ、四谷見附駅付近の物件に行ったときのこと。
今みたいにネットで物件の写真を見られる時代ではないので、直接該当物件に足を運んで、周りの環境や水回りなどを細かく見ます。
中には不動産屋さんで紹介されていた図面がずさんな場合があったり、故意でなくても現場と違う表示がされている場合があるので、注意深く見ます。
駅からの距離、物件の向き(南向き)、間取りなど、まあまあ何とかなるかなあと思いましたが、築年数の割に物件の傷みがあることと、東側と南側に背の高い建物があって、日照時間の確保が懸念されました。
私は当時物件を下見するときには、昼と夜、できれば雨降りにも見るようにしていたのですが、昼の時点でこれなら、夜も雨降りも推して知るべしだと思いました。
この部屋の契約はないな、と心で決めて部屋を出ようとしたところ、案内してくれた不動産屋さんがポツリとこんな言葉を口にしたのです。
「こういうところに住むと、病気になっちゃうよね。」
そうなのです。
彼は仕事柄ちゃんと物件を氣で見ていたのです。
つまり日照不足が建物の劣化を加速し、そのうえ建物内の湿度も上げ、その湿度が腐食を招いたり、カビの発生につながることを知っていたからこそ、出てきた言葉だと思われます。
湿度が高くてカビが発生すると、室内の空気が汚れて呼吸器系統に影響しますから、そういう意味でも彼のいう“病気”というのは、正しい判断なのです。
人は生きている限り呼吸をしているわけですから、その時に吸い込む空気の質は極めて重要なのです。
また、湿度が高いと、水に関係する臓器として腎臓への影響も考えられますし、精神疾患につながった知人の例もあります。
一戸建てなら北向きのお部屋もあるでしょうから、そういうお部屋は南側のお部屋より念入りにお掃除をして、結露や換気に気配りしなくては、嫌な氣の空間になってしまいます。
そういう場所は陰性が強くなってしまうので、マクロビオティックを知っている人は特に陰陽で考えて良い環境にしておきましょう。
私が「マクロ美風の家事アドバイス」をするときにも、そういうことを考えて寝室やベッドの向きをアドバイスしています。
設計士が考えた図面より、さらに良い氣の流れる部屋使いを提案しています。
住まいの環境を陰陽で考えることは、とても大きな影響があるので、新年は気持ちの良い空間で過ごせるようになりましょう。
12月も後半に入って、お掃除をするご家庭も多い時期ですから、私の60年近い部屋探しの想い出をつらつらと書いてみました。
悪い氣は良い氣に置き換えるようにして暮らしましょう。
(吉兆グランヴィア店にて 2019.12.15)
お花を飾ると、その空間が陽性になります。