むそう塾のコース授業は原則として2年制になっています。
もちろん、1年間だけ通われても良いのですが、2年間続けて通われるととても実力がついて手応えを感じる人が多いです。
それは1年目にマクロビオティックの基本的な考え方とお料理の基本を身につけ、2年目にもっと高度な技術を織り込んだ陰陽料理を学べるからです。
その目的のために1年目の「幸せコース(座学)」では、指定図書を読んでいただいて、その感想文を提出してもらうことになっています。
一方、料理実習では恒例の「桂むき投稿」が6月の授業日から1か月間あります。
どちらも一般的な料理教室、ましてやマクロビオティック料理教室では採用していない方法だと思います。
むそう塾がそれらを取り入れている理由は、何事も基本をしっかり押さえてほしいからです。
さて、読書感想文は私の担当なのですが、3週間の間に3冊の本を読んでいただいて、その感想文を送っていただきました。
これはマクロビオティックが初めてのかたもおられるし、他のマクロビオティック教室ですでに学ばれたかたもいらっしゃいますので、お一人おひとりの理解度に合わせて指導をきめ細かく対応出来るようにする目的もあります。
少人数ならではの徹底した理解と、間違いのないマクロビオティックをお伝えするために、今年も実施しました。
では、幸せコースの皆さんの感想文に対して、私からのお返事をさせていただきます。
お返事の順番は、感想文の到着順です。
* * *
<Ta(37-5)さん> 2015.5.24提出
>この世界に存在している限り行き着くところは同じなのだと思いました。世界の真理や原理、法則があるということは同じ世界の中にあるものはそれらにしたがって在ることに違いが無いということではと思います。その現実に気がつく人は同じようなことを教えてくれています。ただ、桜沢先生は法則と定理を明確に示し、人に分かりやすく、活かせるようにされていて、そのすごさを感じました。
素晴らしいですねぇ。そうなんです。
色々な人が同じようなことをそれぞれの言葉で伝えています。
桜沢先生はそれを陰陽の視点をとおして伝えたことになります。
>食べ物の質は量によって変わるということがとても心に響きました。それは、普段、気にしているもののできていないことをずばり示していたからです。この問題についてマクロビオティックの考え方で分析し解決できたなら、学びが深まりそうだと思っています。
どんなに良い質の食べ物であっても、量が過ぎると結果として体に負担をかけてしまうので、食べ過ぎることを注意している言葉でもあります。
ついつい私たちは食べ過ぎる傾向にありますが、そうすると偏りが出てきますので、偏りを避けるためにも「ちょうど良い」ところでストップできるように意識すると体調管理が楽になります。
>陰陽について学び、生活の中に在る全てのものに陰陽が在りどのように変化しているかを見たり予測したり理解することができるようになると、とても楽しいし面白いだろうなと思いました。小豆ご飯を炊いた時に小豆が何故あの位置に集まるのかを本を読んで知ったとき、なるほど!と、とても面白く感じました。
はい、陰陽って面白いんですよ。
すごく面白いものだから、私はずっと陰陽の勉強をしたくなって、ライフワークのようになりました。
そして、陰陽にはそれだけの奥深さもありますしね。
あなたもぜひ陰陽を深めてみてください。
小豆ご飯の例はほんの一例ですが、そのようなことが無数に転がっています。
これから「魔法のメガネ」をお読みくださるとか。
本に登場する具体的事例を参考に、ぜひマクロビオティックの考え方を練習なさってください。
そうこうしているうちに自然に陰陽の考え方が身につきますよ。
お料理のときと同じで、あなたはポイントをつかみとるのが上手ですね。
思考に弾力があります。
その調子でこれからもマクロビオティックを愉しんで生活に取り入れてみてください。
生活の充実度がアップしますよ。
<Is(84-3)さん> 2015.5.24提出
>私が知っていた陰陽理論と同じ部分はありましたが、今までと違う視点を知り、衝撃と感動を受けました。一度読んだだけではまだ完全に理解出来ていない部分も多々ありますが、それでも今まで陰陽に縛られていた自分から少し解放された気分になりました。
>恥ずかしながら、本を読んで初めて法則と定理も知りました。
あなたが習って来られたマクロビオティック教室では、法則と定理は違う視点でとらえられていますものね。
同じようにおっしゃる某教室の先輩は多いですよ。
>就職しOLとして働いていましたが、慣れない社会人生活からストレス(陽)が溜まり陰性の甘いものなどを頻繁にとるようになったことで低血糖症状が出始めました。夕方頃の手のしびれや生理前のPMSの症状などです。
>そして、一人暮らしをしてマクロビオティックに出会いました。
それから主人と出会い結婚し今に至ります。マクロビオティックに出会えてよかったのは不安が減った事と低血糖症が克服出来た事です。
>ただ、主人と結婚していなければ、おそらくずっと菜食主義のマクロビオティックで突き進んでいたと思います。主人が肉好きで私の偏った食事を客観的に見て注意してくれたおかげで「むそう塾」とのご縁も出来ました。
なるほどねぇ。体験をもとにマクロビオティックとの歩みを書いてくださいました。
不安が減るというのは多くの人が感じることかと思います。
私は「不安がなくなった」状態になりましたもの。
菜食主義のマクロビオティックという言い方も妙な感じなのですが、そのくらい今のマクロビオティックは混沌としていますよね。
むそう塾なんて動物性料理を堂々とカリキュラムに入れているんですから(笑)
>「何よりも大切な事は命の糧である正しい食物を感謝して頂くという事と、これに準じて楽しく生きて周りと調和するという精神性を失わない事。」という文章を見て、マクロビオティックは単なる食事法ではなく、精神を高める為の考えの一つという理論だという意味も理解できました。
そうなんです。
マクロビオティックを単に食事法だととらえてしまっている人がとても多いのですが、それよりもっともっと大きくて深い世界がマクロビオティックの考え方なのです。
食事法はその世界の入口であるに過ぎません。
ここに気づいてもらえただけでも、本をお読みいただいた価値はあります。
>最後に、本を読んで感じたのは、私がマクロビオティックに惹かれたのは、目に見えないものを感じて大切にするところだと思います。
目に見えないものを感じる方法は色々ありますが、マクロビオティックは食べ物と結びつけたところに一つの特長があります。
しかしそれだけではなく、あくまで生活全体の中で目に見えないものを感じながらも、実践に重きを置くところに特長があります。
そのことによって机上の空論にならないようになっているので、いつも実生活の中から陰陽を感じ取って具体的に当てはめて考えるように癖をつけましょう。
<Sa(83-1)さん> 2015.5.26提出
Word5枚にびっしり書いてくださいました。
お忙しい日々でしたのに、よく頑張られましたね。
>本の中で紹介されている事例には、「そうなのか!」と思うことだけでなく、昔から自分でも無意識にそうしてきたことも多く、マクロビオティックとは何か新しい理論ではなく、日本人が昔から大切にしてきたことの集大成なのだと分かり、自分が恐れていたマクロビオティックとは全く違うものだと理解できました。一方で、マクロビオティックは、食事だけでなく物の考え方や生き方に直結していることから、誤った方向にいってしまうと勢いよく偏り過ぎてしまうというのも納得がいきました。
「自分が恐れていたマクロビオティック」というところが何とも現実的で面白いなと感じました(^^)
きっと同じような視点でマクロビオティックを認識されている人は多いと思います。
正直なところ、今はマクロビオティックに対しては負のイメージの方が多いのではないかと想像していましたので、あなたが感じたのは至極まともな感覚だと思っています。
>次の部分がまだ理解できなかったのですが、「肉体の陽性に対して精神性は陰性を指します。判断力はその人の持つ陰性の世界を言いますが、その陰性の世界の中でも陽性な判断力や陰性の判断力があるのです。」とありました。判断は、精神性を基に下されるため、陰性の世界と整理されるということでしょうか。陽性な判断力と陰性の判断力といったものがどういう事なのかは、今の私には難しく、これから深めていく必要がある所だと思います。
判断は精神性の世界のことなのですが、だからといって判断は常に陰性ではなく、陽性の判断力や陰性の判断力があるという意味です。
例えば陽性の判断力なら、判断した内容に積極性が含まれ、判断に要した時間も短いのが特徴です。
反対に陰性の判断力なら、消極的な方向で物事を決定し、決定までの所要時間も恐ろしく長いのが普通です。
迷うのも陰性です。
つまり、様々な場面で陰陽は存在しており、それをどのように取り入れるかによって陰性な判断力と陽性な判断力に分かれますよということです。
>何よりも大切な事は、『炊事する時間と、ご飯をゆっくり噛むひまがない人』は幸福になれる見込みはありません。それは、自分の一生を幸福にする唯一の基礎である『健康』を作り出す時間すら見つけ出せないからです。そのような人はあきらめた方が良いかも知れません。つい、物事の責任を人のせいにするからです。
途中ご自身の生活と重ねあわせて細かく観察してくださいました。
丁寧に考えられたことがよく伝わってきます。
そして最後に桜沢如一先生の言葉を書き出してくださいました。
私もとても大事にしている言葉で、そこにあなたも目を止めたことが偉いなと思います。
ここの文章こそがマクロビオティックの入り口を端的に表現していると思いますし、日常生活でいつも意識してほしい内容です。
私も忙しい毎日なのですが、それでも桜沢先生のこの言葉は大事に心に刻んで実行しています。
感想文(2)につづく
(中川式糠漬けの古漬け 料理:京料理人 中川善博)
美風さん こんばんは。
読書感想文へのお返事をありがとうございます。
他の方の学びも勉強になり、ありがたいです。
マクロビオティックはその名前の通り「マクロ」だと感じました。
すごいです!
魔法のメガネは想像していた読み物と毛色が違っていて、
楽しく読ませていただいています。
これからも楽しく学んでいきたいと思います。
よろしくお願いします。
ひかるちゃん、こんにちは。
おお、魔法のメガネを読んでいらっしゃるのですね。素晴らしい!
リメイク版は読みやすくなっているのでお奨めです。
他のかたの文章も勉強になるので、記事にさせていただきました。
目の付け所が違っていたりして面白いですよね。
またご感想を教えてください。
美風さん、こんにちは。
感想文のお返事ありがとうございます。
まさか、ブログ上で返事を頂けると思ってなかったので、自分の事ばかり書いてしまいました。
的外れな文章でしたが、丁寧に答えて頂いて嬉しかったです。
振り返ってみて、自分の周りの陰陽を考えると定理と当てはまる事も多くて、驚きました。これからは定理も含めて、実際の場面で活用出来るように使って、理解を深めていきたいと思います。
ミホちゃん、こんばんは。
陰陽って自分の周りにいっぱい存在しているでしょ?
そんな中で私たちは生きているのですから、当然その陰陽の影響を受けるわけです。
そこまで考えて初めてマクロビオティックの本丸に進むことになります。
これからはそんな視点を養って、陰陽の理解を深めてくださいね。
美風さん、こんばんは。
感想文の中で疑問に感じていたことにもお答え頂いてありがとうございます。
陽性な判断力と陰性の判断力。分かりやすく説明頂いて腹落ちしました。そして、自身についても思い当たり、一番変わりたい部分でもあります。
今は、自分や周りにあてはめて一歩づつの理解でしたが、もっと大きな視点で理解できるようにこれからも精進して参ります。
ご指導、宜しくお願いします。
かよちゃん、こんばんは。
判断力の陰陽のこと、ご理解くださって良かったです。
きちんと理解されようとするあなたの姿勢は本当に素晴らしいですね。
きっと正しくマクロビオティックを理解してくださると期待しています。
陰陽の本当のお勉強はこれから始まります。
お料理で、座学で、いっぱい陰陽が登場しますので、自然に具体的事例で理解出来るようになりますよ。
お楽しみにね。
お返事ありがとうございます。
陰性を深く理解するには時間がかかりそうですが、単なる知識ではない所が楽しいです。
具体的な事例が自然と理解できるようになると良いです。
かよちゃん、こんばんは。
まずは基本の陰陽からしっかり勉強しましょう。
マクロビオティックは陰陽に始まり陰陽に終わるからです。