味覚を正確に認識できない子供が30%超。このままでは日本の食文化は崩壊する

むそう塾で最近登場するようになった「味覚音痴」の話題です。
事の発端は糠床の酸味が判らないというものでした。
最初は冗談かと思ったのですが、どうやら本当に判らないようです。
最初は亜鉛不足などを疑ったのですが、他にも似たような人がいたので真剣に考え始めました。
フランスではかなり前から「味覚の授業」をしているのは知っていましたが、日本でも三國清三シェフが何年か前から「味覚の授業」をされていますね。
テレビでも取り上げられていましたから、ご存知のかたも多いでしょう。

三國シェフの授業の記事がありましたので、リンクしておきます。
お子様を育てているご家庭では参考になさると良いかもしれません。
日々のお料理でこれらの味覚が刺激されていれば問題ないのですが、中には心を痛める食生活環境の人もいますから、大人になってからでも確認しておきたいですね。
一番難しいとされる「旨味」について、今は外国から注目を集めている日本ですが、先日目にした雑誌にもその旨味の本場(日本)にフランスから「発酵」とともに研究に来られた人の記事が載っていました。

日本の食文化 旨味 むそう塾 味覚の授業2

 
 

日本の食文化 旨味 むそう塾 味覚の授業1

 
 

(SIGNATURE 12月号より)

世界で旨味が判るのは日本人だけと言われた時代は遠く去って、将来は旨味の判らない人が増えないためにも、せめて味覚音痴は解消しておきたいですね。
日本人が旨味を判断できるのは、発酵の文化があるからなのですが、今では発酵食品を摂取しない人が多いので、なおのこと本物の旨味が判らないのかも知れません。
むそう塾では発酵食品をしっかり摂るように指導していますし、味の指導は徹底的に繰り返して行なっています。
そして、教えっ放しにしないで、いつも塾生さんの作品を味見して中川善博本人がチェックしています。
ある意味でむそう塾生は「旨味」を知りすぎて、旨味のとりこになっているかもしれません(笑)


<参考記事>

「味覚を正確に認識できない子供が30%超。このままでは日本の食文化は崩壊する」

「和食」が無形文化遺産に登録され、ミシュランの星の数でも世界一。すしやラーメンを食べるためだけの観光客が欧米からも訪れる。2013年には、農林水産物の海外輸出額も過去最高を記録。官民共同でさらに日本の「食」を世界に展開しようという動きも多い。現在の日本はまぎれもなく、世界有数のグルメ大国だ。

ところがその土台が危うい。先日、東京医科歯科大学の研究グループが発表した調査結果では、基本となる4つの味覚(酸味、塩味、甘味、苦み)のいずれかを認識できない子どもが全体の30%あまりを占めていたという(調査対象は小学1年生~中学2年生)。もし「うまみ」を加えた五味で調査されていたら、この数字はさらに増えていたはずだ。

4つの基本味は歴史的に見ても世界中で認知されてきた味で、子どもの30%以上が基本味を感じ取れないというのは結構な問題だ。といっても、単に食べ手としての”不感症”なら特に問題はない。本人はただ「うまいうまい」と食べていればそれで幸せなのだから。ただし、「食」や「農」を国外に向けて売り物になるレベルの産業として考えているならば、大至急対策が必要だ。

メーカーの開発者だろうと、飲食店のシェフだろうと「食」を作り出す現場で共通する最後のチェックポイントは「官能テスト」――平たく言うと「味見」である。味がわからない人が「食」を作り出すのは非常に難しい。「正解」のイメージが捉えられず、しかも特定の味がわからないとなると、味を構成するロジックも構築できない。イメージ、ロジックが両立してこそ一流の味になるわけで、どちらもなしにまともなものが作れるわけがない。

日本よりも先に「食」を無形文化遺産に登録したフランス(美食術)では9~10歳を対象とした「味覚の授業」というプログラムがある。「味」について考えさせ、「塩」「酢」「チョコレート」「砂糖」を味わい、食材の色、形、匂い、味など食べ物と五感の関係に触れさせる試みだ。

近年、日本でもこのプログラムに「うまみ」を加えた五味の「味覚の授業」が行われるようになった。もっとも昨年授業を受けたのは5803人とまだ実績は少ない。野球やサッカーなどのスポーツを見ても明らかなように、競技人口は国の競技レベルを決める大きな要因だ。味覚についても教育によって”識味率”は向上できるし、すそ野が広がればトップのレベルも上がる。調理実習も悪くはないが、その前に”味見実習”を行うことで、より「食」について効果的な育成が可能となるはずだ。

2020年の東京オリンピックという打ち上げ花火のあと、日本の基幹コンテンツである「食」をいかに継続的、かつ効果的に内外に向けて発信し続けるか。その担い手を育成するシステムの整備は産業としての「食」を維持・発展させるためにも急務である。

<文/松浦達也

 
 
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