私はね、本当はマクロビオティックの何に惚れているかというと、考え方に惚れているんです。哲学部分ね。
でも実際は食べることに関心の行く人が多くて、私が通っていたマクロビオティック指導校の先生も嘆いていました。
まだ私が通っていた頃は桜沢先生の直弟子さんがご健在でしたので、別講座も開催されて哲学的なお話をたくさん伺うことができました。
本もいっぱい読みました。
桜沢先生のカセットテープやビデオもあって、実際にお会いしたことはなくても桜沢先生の勢いが伝わってきて心が踊りました。
幸いに桜沢先生に関する資料を見事に保存されている先輩たちにご縁を得て、親しくさせていただいたりしながら、私の中のマクロビオティックは熟してきました。
マクロビオティック指導校の先生は一クラスで何十人も教えますから、心の中ではもっと伝えたいことがあっても、お料理を終わらせることに時間を費やさなければならず、正直言って少しご不満だろうと思います。
ですから、そのような先生は指導校の外で少人数でご自分のお考えを伝える場をお持ちです。
お料理となると人が沢山集まりますが、お話だけとなると案外人は集まらないので、ボランティア覚悟でないとこのような小さな集まりは続けられません。
人間はそれほど「食べる」ということに関心が高いものなんだと思い知ります。
これでは桜沢先生の目指す最高判断力はなかなか非現実的なものになってしまいます。
ところで、むそう塾では動物性の食材もところどころで使います。
もちろん体に負担がかからない状態での食べ方をお伝えしているのですが、これがまだマクロビオティックを盲信している人にはご理解いただけないと思います。
つまり「血が汚れる」という観点ですね。
過去の私もそう思っていました。
しかしそれは思い上がりのように感じます。
反対解釈として、動物性を食べている人は血が汚れているということになりますから。
確かに血液は食べたもので出来るので影響は受けますが、動物性を完全に排除して家族ともめて孤立したり、挙句の果てにはマクロビオティック離婚なんていうのもあります。
それはおかしいと思うのです。
桜沢先生は完全なものを示したのではなく、後に続く君たちの手で完成させてくれ給えと仰っているのですから、排除一辺倒がマクロビオティックだと誤解されない方が良いと思います。
私はもし排除するなら甘いものを対象にします。
甘いものを止めることが出来なければ減らすだけでも体調は大きく変わります。
完全に甘いものを断つ体験を一定期間してみるとはっきり違いが分かります。
マクロビオティックマクロビオティックと言って排除するなら、むしろその方が体調が悪くなりません。
甘いもののせいで体調の悪い人は、現代病といっても良いくらい多いですからね。
* * *
さて、下の写真には動物性が入っています。
あなたはこのお弁当を拒否なさいますか?
前の日からおかずの設計をして買い物をして、朝早くに起きて玄米ご飯を炊いて、こんなに美味しそうに作って盛り込むまで、どれほどの時間と想いをこのお弁当にこめていることでしょうか。
そんなお弁当を手渡されたら、動物性云々なんて言っていられないのではないでしょうか?
もしそれでもそれを拒否するなら、それはマクロビオティック以前に人間性として問題があると思います。
私は何を食べていてもいいから、社会人として納得の行く人間であることを優先したいと思います。
【茹で青梗菜、秋刀魚の蒲焼、大根と茗荷の甘酢漬け、茄子と獅子唐の揚げ浸し、椎茸ビーフン】
(マクロビオティック陰陽弁当 料理:むそう塾生 Mさん)
まだ若い女性がこんなに地味なお料理が作れること自体が素晴らしいことだと思います。
こんなに素敵なお弁当を作ってくれる女性と結婚した男性はどんなに幸せなことか。一生の財産ですね。
そして、そこから笑顔や幸せが広がって健康に暮らせること。
それが本当のマクロビオティックがまず目指したかったことではないかと思います。
あえて私は脱マクロビオティックでもニューマクロビオティックでもネオマクロビオティックでもなく、正々堂々とマクロビオティックとしてのあるべき姿を伝えて行きます。
今マクロビオティック指導校で教えているお料理は、陽性寄りか陰性寄りかの二つに分かれます。
陽性寄りの指導校では動物性を使わない代わりに油と塩と調理時間を多目にし、陰性寄りの指導校ではその反対で、油と塩と調理時間を少なめにし、なおかつ動物性を著しく減らして甘いものは日常的に登場する指導をします。
そのどちらのメニューも今限界に来ていると断言します。
なぜなら偏っているからです。
食べたい物は体調に合わせて刻々と変化するのが常であって、理論的に排除してしまうのは現実的ではありません。
それは人間から食べる楽しみや喜びを奪ってしまうことにもつながります。
誰に教えられなくても人間は自分で自分に必要な食べ物を判断できる能力を持っているのですから、そのセンサーを磨くことに氣を注ぐべきです。
そのセンサーを磨く一つのツールとしてマクロビオティックの陰陽の考え方があって、それが心地よいので私はそのことに時間を使っています。
今体調が悪いなら、一時的に特定の食べ物を除外することも有効な方法であることを教えているのがマクロビオティックの食事法であって、その除外した食事をずっと続けることがマクロビオティックなのではありません。
変化した体調に合わせて次なる変化に対応することが最大のポイントであることに気がまわっていない人が大多数です。
このことは桜沢先生の時代から間違って受け止めている人がいて、書物にも残っていますから、大いに勘違いされる方法なのだと思います。
人間は心身ともに常に変化していますし、それが生きている証でもあるわけですから、太極を見誤ってはならないと思います。
生き物は守れば守るほど弱くなります。
人間も同じで、守るための食事をし続けていると、気がついたらすっかり弱くなっていたなんてことにもなりかねません。
事実、体は守ると退化の方向に向かいます。
偏った食事は緊急避難的に一時期にして、その後は陰陽のバランスを取りながらいただくのが本来のマクロビオティックの食事法です。
自分の体調に常にフィットする食事の重要性を説いたのがマクロビオティックの食事法でもあるので、指導校に通われている方々もそこを間違えないようにしてくださいね。
何を食べても健康な体になること。
これが理想です。
美風さん、おはようございます。
お弁当を記事に取り上げて頂き、ありがとうございました!
大変遅くなりましたが、コメントさせて下さい。
ついこの間まで、お弁当を作ろうにも何をどうすれば良いのかさっぱり…だった私が、ブログに載せて頂けるようなお弁当を作れるようになったこと、自分でも驚いています。むそう塾で学び、お弁当講座にも参加させて頂き、中川さんとOBENTERSの皆さんのやり取りを共有させて頂き、日々多くの事を学ばせて頂いているお陰です。こうして新しい世界をたくさん魅せて頂けることを、本当に有難く思っています。
私自身も、動物性を完全に断ったり、極端に減らした生活をした時期があります。しかし、私の場合はどうしても貧血になりやすく、生理が止まったり、大幅に遅れたりしたので、徐々に極端な動物性の排除には疑問を持つようになっていきました。自然にあるべき姿から長期間外れてしまう事が、果たして正しいのだろうか…と考えていた時に出会ったのが美風さんのブログです。そこで、動物性についてのお考えを含め、真のマクロビオティックとは何かを知り、非常に納得できたことを思い出します。
私はこれまでアトピーを治すために、様々なことを試してきました。なぜ症状がこれほど酷くなるのか、どうしたら良くなるのか、質問したくても教えてくれる人はいなかったので、得た情報を実際に試して、自分の判断で選択していくしかありませんでした。元々勘が良いわけでもなく、ある意味人体実験のようで失敗も多かったですが、そんな経験があったからこそ、むそう塾の考えに心から納得できたし、学ぶ機会を得られたとも思います。間違ったマクロビオティックの解釈で体調を崩していらっしゃる方、窮屈に考えて苦しんでいる方など、ぜひ多くの方にむそう塾を知ってほしいと願うばかりです。
まなみちゃん、おはようございます。
コメントをありがとうございます。
むそう塾のことを深くご理解いただき、心からありがたいなと思っています。
私も息子も重症のアトピーだったから、まなみちゃんのお気持ちやご経験はよ〜く理解できます。
息子のアトピーも手探りだったので、お金がいっぱいかかりました。
その結果たどり着いたのは食べ物と排毒とストレスでした。このうちストレスが最も影響が大きいと今なら断言出来ます。
(ただし、乳幼児のアトピーは母親の影響が大きいので、ストレスは最小限に考えます。)
ストレスを減らす一つのコツは陽性になることです。
一時的に動物性を断ったり極端に減らした時に出た症状は見事に陰性なものでしたね。
そこをうまくバランスを取りながら陽性に移行していくことで、徐々に精神面での変化も現れてきます。
早起きして、こうしてお弁当を作り続けられている自分をもっと褒めてあげましょう。
中川さんに100点をもらえるのはどれほど凄いことなのかを考えた時、過去のまなみちゃんからかなり進歩している自覚をもって、もっと自分に自信をもちましょう。
そして過去は過去、すべてはこれからが大事と割り切って物事を前向きにとらえましょう。
そういう考え方の覚悟(決意)がストレスを大いに軽減します。
これからも遠慮せずに、どんどんご質問くださいね。
そして「アトピーよさようなら♪」と言えるまなみちゃんになりましょう。
世界が変わりますよ。
空が広く感じます。
心が快晴になります。
ずっとまなみちゃんに伴走していますからご安心ください。
美風さん、こんばんは。
いつもためになる記事をありがとうございます。
私はマクロビオティックの学校に通った経験は無く、主に書籍とインターネットで情報を得たので、初歩的な陰陽の考え方が正しく理解出来ていません。
そして、元々はアトピーを良くしたくて知ったマクロビオティックですが、
今は「健全な人間らしい生活」を送るため、脆弱すぎる精神を治そうと日々過ごしています。
何を食べていてもいいから、社会人として納得の行く人間であることを優先したい
胸に響きました。自分の欲求だけで、独りよがりな行動から玄米ご飯を食べていた私。
今は白米を食べています。
あまりに体調が不安定な時はとにかく何か食べています。
あまりに低次元な現状ですが、ありのままを受け入れ、いつかこんな素敵なお弁当を家族に持たせてあげられるよう頑張ります。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
ゆりかさん、おはようございます。
お久しぶりでございます。
インターネットと書籍からマクロビオティックを始めている人も多いですよね。
私も最初にマクロビオティックを知ったのは書籍でしたが、これは特殊なお料理だから直接先生に教わった方が良いと思って、翌日からスクールに通いました。
そこでは動物性や白砂糖を使わないお料理を教えていたので、自宅でのお料理もそのとおりにしました。
しかしそうすると食卓から華やかさは消え、茶色一色になって何だか悲しくなりました。
それでも家族に「これが健康にいいんだって」と言いながら食べさせていました。
でも夏のある日、素麺を食べていた息子が「前のつゆの方がいい。あの方が香りが良かった。」と言ったのです。
それは昆布と鰹節で作っためんつゆのことですが、マクロビオティックを知ってからは昆布と椎茸で作るめんつゆにしていたのです。
私も夫も健康のために少々の寂しい味は我慢してその味に慣れようとしていたのでしたが、息子は過去の私のお料理の味を知っているので、そちらの方が美味しく感じていたのでしょう。慣れがありますのでね。
息子のアトピーを治そうと思って始めたマクロビオティックでしたから、徹底的にしないと効果は出ないと思って真面目に排除食をしていたのです。
そこでスクールの先生にご相談しましたが、やはり昆布と椎茸でというご指導でした。
そうこうしているうちに息子のアトピーも良くなっていたので、試しに昆布と鰹節でめんつゆを作ってあげました。
そうすると、表情が一変して目が輝きました。「あ! 前のつゆだね!」と。
夫も「やっぱり鰹節が入ってる方がいいね。」と言いながら食べています。
その表情を見た時、何か違うことをしていたかもしれないと思い始めたのです。
そこからなぜ息子の表情があれほどまで輝いたのかを考え始めました。
私がマクロビオティックを再考し始めたきっかけは、息子のひと言だったのです。
ゆりかさんもお子さんがいらっしゃるので、ご自分の体調に合わせたお食事を作りにくいかも知れませんが、そんな時には安心できる食材を選ぶことだけでもすると良いですね。
その次は陰陽バランスを取ることです。
玄米ご飯はパスポートレベルで炊けていないと、お子さんからOKは出ないと思います。
白米を召し上がっていても、陰陽バランスが取れるようなお食事内容にすれば良いので、ご家族が笑顔で食卓を囲めることを優先なさってください。
玄米に比べて少し排出作用は落ちますが、多くの人が白米で暮らしているので、広い視点で考えても良いと思います。
ゆりかさんの考え方の癖を踏まえてのお返事でした。
良い方向に行きますように。
美風さん、お返事ありがとうございました。
私がパスポートを取って初めて家族に玄米を食べてもらった時の感想を思い出しました。
あの時の息子の笑顔と夫の「これなら毎日食べてもいいね。」の言葉。
誰かに何かをしてあげられる喜びを忘れていました。
謙虚に、感謝を忘れず、進んでまいります。
ゆりかさん、おはようございます。
ご家庭の中心はお母様です。
お母様が健康でなければ暗い空気が漂ってしまいます。
ご主人様にもお子さんにも感謝して、今一度皆さんの存在の意味を噛みしめてください。
>あの時の息子の笑顔と夫の「これなら毎日食べてもいいね。」の言葉。
これはとても重要な基準を示しています。
「一生食べ続けられる炊き上がりのごはん」がむそう塾でお伝えしている基準です。
そこから外れた玄米ごはんは体に良い影響を与えないので、その場合は白米にしてくださいね。
全員がいつも笑顔でいられるご家庭づくりを心がけてくださることを心から願っています。
美風さん、こんにちは。
なんだかご無沙汰してしまいました。
京都に伺うチャンスがないことは残念ですが、今は仕事と子供に集中すべき時のようです。
私も子供達のアレルギーのためにマクロビオティックの勉強をし始めたころはじみ〜な食卓でした。
でもむそう塾で食卓を整える意義とバランスの取り方を教えて頂き、以前よりずっと楽しい食卓になったと思います。
先日息子の校外学習があり、リクエストを聞いてお弁当を作りました。(タコさんウィンナーでした)
帰ってくると、校外学習で見た劇よりお弁当が楽しみだったと言っていました。
お弁当箱を開けると梅干しの種だけが1つコロンと残っていて、楽しく食べてくれたんだなあと感じ、泣きたいくらい嬉しく思いました。
地味な茶色いお弁当じゃなく、子供がウキウキするお弁当を作ってあげられる環境に感謝しました。
最近では娘がぬか漬けを毎日食べると『顔』の調子がいい(肌ではなく顔だそうです)と体調の変化を感じ取り、食と体の関係を頭ではなく体で感じているようで、その感性を殺さないようにしてあげたいなと改めて思っています。
>誰に教えられなくても人間は自分で自分に必要な食べ物を判断できる能力を持っているのですから、そのセンサーを磨くことに氣を注ぐべきです。
全くその通りで、食だけではなく全ての事象を判断する力を与えられているはずなのに、その能力をしまい込んでしまって面倒な事はみんな外注にだしてしまっていることが問題を生んでいると思います。
もっとシンプルに、ただ自分の感性がさびないように、それだけで良いのではないでしょうか。
むそう塾で学んでいるおかげで我が家には笑顔が増えた、このことは間違いのない事実です。
これからもむそう塾が伝えるマクロビオティックで笑顔が増え続けますように。
てんこさん、おはようございます。
お久しぶりのコメントをありがとうございます。
>お弁当箱を開けると梅干しの種だけが1つコロンと残っていて、楽しく食べてくれたんだなあと感じ、泣きたいくらい嬉しく思いました。
いいですねぇ。この光景を想像して私まで嬉しくなってしまいました。
体に良いお食事も大切なことなのですが、成長期のお子さんにとっては社会性を育てることも大事なことなので、お子さんのご希望をうまく聞き入れてあげるのは必要だと思います。
ある程度のものは、その梅干しがチャラにしてくれたことでしょう。
>全くその通りで、食だけではなく全ての事象を判断する力を与えられているはずなのに、その能力をしまい込んでしまって面倒な事はみんな外注にだしてしまっていることが問題を生んでいると思います。
本当にそうですよね〜。
今は外注全盛時代で、下手をすると赤ちゃんまで外注してしまう時代になってしまいました。
いつも陰陽のものさしで判断した時、それらの外注はどんな意味をもつのかを十分考慮したいものだと強く思います。
楽をしたいことと、欲求を実現したいことの二つが強ければ、物事はねじれて行くと考えます。
与えられた環境の中で感謝して生きて行く謙虚さは、あらゆる場面で必要なのではないかと常日頃思っています。
もちろん、感性を磨いて!