「メタボリックシンドローム」とマクロビオティック

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉は、2001年にWHO(世界保健機関)が、その名称と診断基準を発表したことによって、知られるようになったそうです。
 (私は、まだ知らなかったけれど)
その前の10年間くらいは、いわゆる「死の四重奏」と呼ばれていた病態なんですね。
「死の四重奏」とは、高血圧・肥満・高脂血症・糖尿病といった四つの生活習慣病を指すことは、ご存知のとおりですね。
私なんかは、古い人間なので、こちらの方がピンと来ます。
ところで、メタボリックシンドロームの診断基準は、WHOの他、複数の機関が発表しているのですが、微妙に異なるそうです。
民族間の意識の違いも根底にあるようですよ。
昨年秋には、アメリカとヨーロッパの糖尿病学会の連名で、診断に待ったをかける声明を出しているようですが、日本の厚生労働省は、積極的に動いているようですね。
事実、厚生労働省は、生活習慣病予防のために、2008年から健康診断で、メタボリックシンドロームも含めて検査するよう、医療保険者に義務づける方針だそうですよ。
膨らむ一方の医療費を何とかしたい、お国の事情なのでしょうか?
           *    *    *    *
さてさて、メタボリックシンドロームの診断基準では、なぜ、肥満を必須条件に挙げたのでしょうか?
それも、なぜ、ウエストサイズ(へそ回り)なのでしょうか?
そもそも、肥満の基準って?
肥満の判定法としては、体格指数(BMIが最も一般的です。
BMIを基準にした調査では、40歳以上の日本人の、実に20%が肥満なんだそうです。
一方、体型ではなく、「体脂肪率」を肥満の目安にすることも出来ます。
肥満の判定法は色々ありますが、問題は、脂肪のつく位置なんですね。
まず、皮膚と筋肉の間の脂肪が増える「皮下脂肪型肥満」では、下腹が膨らんで、洋梨に似た体型になります。
一方、内臓に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」では、腹部全体が出た、リンゴ型の体型が特徴です。
内臓脂肪型の方が、動脈硬化などと結びつきやすく、危険な太り方なんですねぇ。
この内臓脂肪は、腸などの周りに蓄積するので、おおよその量は、ウエストサイズから推計できるそうです。
それで、へそ周りのサイズにしたんですね。
しかし、内臓脂肪の正確な量を知るには、コンピューター断層撮影(CTスキャン)などの検査が必要です。
             *    *    *    *
では、肥満をはじめとして、高血圧・高脂血症・糖尿病が、なぜそんなに重要視されるのでしょうか?
それは、いずれかの病気にかかると、その病気が他の病気を招き、さらにまた他の病気を招くという具合に、次々と病気を発症していくからです。
特に糖尿病は、他の3つの病気と相互にかかわりを持っているので、一番注意しなければならない病気ですね。
そして、肥満も糖尿病と同じく要注意です。
下記の説明を見ても分かるように、肥満を防げば、3つの病気を防げる可能性が大いにあるのです。
そこで、お互いの病気がどのように影響しあうのかを、下記に簡単にまとめてみましたので、参考にしてください。
 (なぜ、その病気になるのかを考えてみると、面白いですね)
ちょっと難しくなりますが、もう少しお付き合いください。
                                ---------------—
                         【なりやすい病気】
                              ↓
●【肥満になると】             
 ? 余分な脂肪が肝臓に流れ込む………→【高脂血症】
 ? インスリンの働きが低下する………… .→【糖尿病】
 ? 循環する血液量が増える…………………→【高血圧】

●【高脂血症になると】
 ? インスリンの働きが低下する ………… →【糖尿病】

●【糖尿病になると】
 ? 余分な脂肪が肝臓に流れ込む……….→【高脂血症】
 ? 脂肪細胞に糖や脂質をとりこむ ….. 【肥満】
 ?
 循環する血液量が増える……………….. 【高血圧】

●【高血圧になると】
 ? インスリンの働きが低下する……………→【糖尿病】
                         ---------------–

◆【???の説明】
 ?【肥満が原因で
高脂血症になる理由】
  
肥満は、内臓脂肪を大量にたくわえています。 
    内臓脂肪は、分解すると脂肪酸になります。
   この脂肪酸が肝臓に流れこむと、肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成が促され、高脂血症を引き
       起こすのです。
 ?【肥満が原因で糖尿病になる理由】 
  
肥満はインスリンの働きを抑えるので、肝臓でのブドウ糖の生産が活発になり、血糖値を上昇させてしまう
      のです。
 ?【肥満が原因で高血圧になる理由】
  
肥満になると循環する血液量がふえるので、結果として血圧が上昇します。
   運動不足や過食による塩分の摂りすぎも原因の一つとされていますが、マクロビオティック的にはちょっ
      と・・・。
 ?【高脂血症が原因で糖尿病になる理由】
  
高脂血症はインスリンの働きを低下させるので、肝臓でのブドウ糖の生産を促進して、血糖値を上昇させ
      てしまうのです。
 ?【糖尿病が原因で高脂血症になる理由】
  
血糖値が高くなると、肝臓が余分なブドウ糖を中性脂肪につくりかえます。
  その結果として、血中の中性脂肪がダブついてしまい、そのため、高脂血症を引きおこす。
 ?【糖尿病が原因で肥満になる理由】 
  
インスリンが過剰に分泌されて、食後に増えた血中の糖や脂肪を、脂肪細胞にとりこんでしまいます。
  その結果、肥満を促進するのです。
 ?【糖尿病が原因で高血圧になる理由】
  
血糖が増えると、血中のナトリウムの量も増えて、細胞内の水分がしみ出てきます。
  その結果として、血液の量が増えて、血圧が上昇するのです。
 ?【高血圧が原因で糖尿病になる理由】
  
高血圧はインスリンの働きを低下させるので、肝臓でのブドウ糖の生産を促進して、血糖値を上昇させてし
     まいます。
 
             *     *     *     *
メタボリックシンドロームは、いわゆる生活習慣病なので、西洋医学では限界があります。
それには、日々の生活を改めることが、症状の改善には最も効果的なのです。
その意味では、マクロビオティックの食事法は、非常に理想的だと思います。
私がこんなに長い文章を書いたのは、このことをお伝えしたかったからです。
生活習慣病については、書きたいことがいっぱいありますが、あまりにも長くなるので、今回はこの辺で。

カテゴリー: マクロビオティックが楽しい♪ パーマリンク

コメント

  1. minmin より:

    マクロ美風さん、今日は。お久しぶりです。

    自分のブログを始めると、一度にいろいろできない不器用な私は、ほかのプログへのコメントがおろそかになってしまいます。(笑)

    メタボリックシンドロームや生活習慣病に対する認知度は高まっていると思いますが、現実はそれらに向かってまっしぐらの人が一杯です。

    忙しい日々の中で「生活習慣」を変えるのは容易ではありませんものね。

    健康志向が極端に強い人と、そうでない人と、ここでも二極分化が進んでいるように思います。

    生活習慣病の予防と改善にマクロビオテックがぴったり♪これを機会におじ様たちにもマクロビオテックを知ってほしいです。

    女性誌だけでなく、週間○○にも取り上げてほしいなあ。(実は一度だけ見たことがあります。そのときは大森一慧先生の写真入りでした。)

  2. マクロ美風 より:

    minminさん、こんばんは。

    おろそかなのは私の方ですよ~。

    生活の仕方、食事の内容を変えるのは、簡単なようで難しいですよね~。

    >生活習慣病の予防と改善にマクロビオテックがぴったり♪これを機会におじ様たちにもマクロビオテックを知ってほしいです。

    まったく同感です。

    そのためにも私たちが、ぜひ、力を合わせましょ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です