おふくろの味

お歳暮が届きました。
マクロビ生活をしていると、複雑な思いが交錯するこの時期ですが、思わぬことで「おふくろの味」を考えるいい機会をいただきました。
私が北海道出身なのをご存知なのでしょうか、「北海道の海産物詰め合わせ」が届いたのです。
イクラ・鮭・などに混じって「松前漬け」が出てきました。
「懐かしい?」
マクロビ生活になってから、松前漬けは作っていなかったので、あまりの懐かしさに、ちょいと一口食べてみました。
「ん?」 違う? 甘いのです。「あ?、ここにも甘さが・・・」
私の母は、何でも手づくりする人だったので、当然、松前漬けも自家製でした。
昆布やスルメなどを細く切るのは子供達の仕事で、兄弟でおしゃべりをしながら切ったのを思い出します。
切りながらスルメをつまみ食いして、材料の割合がバランスを欠いてしまい、母が後で補ってくれたのも楽しい思い出です。
お醤油などの調味料と混ぜて蓋つきの容器に入れるのですが、毎日「まぁだ?、まぁだ?」と聞きながら、つまみ食いをしておりました。
母は市販品によくある「甘み」のあるおかずや漬け物が嫌いで、お味噌から納豆の果てまで自家製でしたから、子供達は当然甘みの強くない味に慣れて育ちました。
大人になって、昔母が作ってくれた料理名と同じ物を口にした時、そのお料理が美味しく感じたり、まずく感じたりする時には、無意識のうちに母の味を基準にしていたと思います。
今回の松前漬けは、まさにその典型例でした。
ところで、夫は埼玉県の生まれ育ちですが、完全な消費者の家庭で育ったので、私より食材の生(き)の味は知りません。
たとえば、乳製品は体にいいからと、牛乳を毎日飲まされて育ち、チーズも「△Pチーズ」などを毎日食べていたそうです。
一方私は、実家で牛乳を生産していましたが、母が「牛乳はそんなに好きでない」という理由で、あまり食卓にのぼることはありませんでした。
でも、時々、お菓子を作るときに、お水の代わりに牛乳を使っていました。
理由は、その方がふっくら出来上がるから、というものでした。
母は、チーズも作りましたが、1年に6回程度でした。
それは絞りたての牛乳を使って、すべて自家製ですから、怪しげな添加物は一切なしです。
それらの味に慣れていた私は、結婚した時夫が口にする牛乳やチーズは、「何か変?」な味に感じました。
牛乳の味の違いは特に顕著だったので、あまり飲みませんでしたが。
マクロビオティックを知った今では、私は、自然の食材が手に入る環境と、母の手づくり料理によって育ててもらえて、本当に良かったと思っています。
夫の母親も一生懸命お料理を作って育ててくれたそうですが、育った環境が私より都会に近かったこともあって、現代栄養学を真面目に反映した食生活だったようです。
こうしてみると、子供が育つ段階で日々口にする物は、人間の味覚の原点を形成することに気がつきます。
この「味覚の原点」が「おふくろの味」なのだと思うのです。
一般的には、大人になってから母親の料理を懐かしむ程度の感覚でこの言葉を使うことが多いのですが、マクロビアンにとっては重要な意味を持つと思います。
ますます、訳のわからない食材が出回ってくるこの時代において、本能ともいえる「味覚」の基準をしっかり育ててあげることは、親が子供に残してあげられる最高のプレゼントだと思います。
そして、マクロビオティックによって、最高の人生が送れるように、道しるべを示してあげられれば理想的ですね。
私も、夫や子供の味覚づくりに、全精力を注ぎ込んでいる毎日です。
子供にとっては「おふくろの味」ですが、夫にとっては何の味になるのでしょう?
妻の味?マクロビの味?
100歳ぐらいになったら、聞いてみたいものです。

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コメント

  1. へるしー殿 より:

    本日18時20分位からマクロビ風さんが私がやってます埼玉のフラワーラジオ「トワイライトアベニュー767」に登場します。ネットでもきけます。聴きかたはhttp://www.tctv.ne.jp/isaono/doiのinfoを参照下さい。ここに書いていいのかな??

  2. マクロ美風 より:

    ヘルシー殿さま、いらっしゃいませ!

    先日は大変お世話になりました♪

    ヘルシーさんのイケメンにはノックアウトされてしまいましたよ。

    ラジオではそのお顔をお見せできないのが、残念ですね~。

    きょうの放送は照れくさいですが、反省をこめて耳を傾けたいと思います。

    コメントを頂きありがとうございました。

  3. minmin より:

    マクロ美風さん、本日しっかり聞かせていただきました。予想通りの落ち着いた声、しっかりしたお話。

    仙台版マクロビ井戸端会議でお会いできるのを楽しみにしております。

  4. マクロ美風 より:

    minminさん、聞いてくださったのね~。

    ありがとうございます。

    照れくさかったです~。

    仙台版マクロビ井戸端会議、楽しみですね~。

    どんなことがあっても駆けつけます!

    でも、私の顔をみてガッカリさせるのは罪かも・・・。

  5. せさみ より:

    すごい!ラジオ出演されるなんて、ステキですね。

    おふくろの味かあ。。うちのオカンは、オトンの仕事を手伝わされていたので、食卓にのぼるのはいつも近所のスーパーの揚げ物とかでした。ワタシはといえば小中高といろいろなスポーツをしていたので、お肉大好き、牛乳大好きで一日2リットルくらい飲んでました。

    高度成長期の70年代に育ち盛りだったワタシとしては「おふくろの味」ってば、複雑な心境です。

    でも、大学受験のためにスポーツしなくなってから急に味覚が変わってオカンの料理にクレームつけはじめたのよね。「味濃いっ」「油重たいっ」って。生活環境が変わると味覚も変わるのでしょうかね。

    あー、でも松前漬けオイシソウ!

  6. マクロ美風 より:

    に、2ℓ???

    体育会系の人って、そんなに飲むんだぁ。

    それだけ体が消費してるってことなのね。

    スポーツをしなくなったら、味覚が変わったのは当然ですよね。

    それに気づいていたせさみさんは偉い!

    その気づきに従って食べ物を変えればいいのに、そのまま鈍感な食生活を続けると、だんだん体が悲鳴をあげるというわけです。

    生活環境と味覚って大いに関係ありですよ、せさみさん。

    せさみさんは良いセンスしてますね。

    これからが楽しみです。

  7. paru より:

    松前漬けって食べたことなかったです。

    旦那の実家に行って初めて見ました。

    うちは母親も働いていますので、教えてもらったレシピというのがほとんどないです。

    代わりに祖母や父が作っていました。

    父も祖母も母も出身地がバラバラなので、いろんな地域の味が混ざっています(笑)

  8. マクロ美風 より:

    paruさん、こんばんは。

    北海道は土地柄、冬の野菜の供給源として、漬け物がとても多いです。

    秋になると、漬け物をつくるためのいくつもの工程が目に焼きついていて、遠い昔の記憶として想い出します。

    その作業をする母の姿も一緒に。

    北海道は、開拓とともに全国各地から人が集まったので、実家の近所でも出身地がさまざまで、言葉や料理も違いました。

    実家では、父方の岐阜・母方の鹿児島の味がメインでしたが、出身地が青森・松山(四国)・大阪・宮城などの家庭もあって、それらがミックスした味もありました。

    きっと、paruさんとあまり変わらないのではないかと思いますよ。

  9. hina より:

    風さんこんにちは。

    なるほど~、おふくろの味って大事なんですね。子供たちの未来について考えました。TBさせてくださ~い。

  10. マーフィー より:

    マクロ美風さん、ラジオ出演おめでとうございます! どんな内容だったんでしょうか~? テレビやラジオはスポンサーの顔色を見て、放送内容を制限しないといけません。 もし全農連や漁業関係がスポンサーなら、肉食の害なんて言えませんよね~。 そんな意味でラジオ出演の内容に興味津々なんです~!

  11. マクロ美風 より:

    hinaさん、TB・コメントありがとうございました。

    私は“食の大切さ”を親から教えられて、本当にありがたいと思っています。

    マクロビオティックのフィルターにかけたおふくろの味を、しっかり子供に伝えるのが私の使命だと信じています。

  12. マクロ美風 より:

    マーフィーさん、こんばんは。

    ラジオの内容は、私のブログとマクロビオティックのことについてです。

    司会者自身が長い間玄米菜食をなさっていて、マクロビオティックを理解していらっしゃるので、禁止事項は一切なしでしたよ。

    話しやすかったです。

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