最近の本屋さんには、マクロビオティックの本が平積みで置かれ、
私がマクロビを始めた時とは、様変わりしました。
薄いものから分厚いものまで、たくさん並んでいるので、初めての人は
迷ってしまうでしょうね。
でも私は、本にも「相性」というものがあるし、どの本に手が伸びるかも、
後日のマクロビ生活に意味のあることなので、「紹介」は最低限に
したいと思っています。
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久司道夫先生の「マクロビオティックが幸福をつくる」は、はじめて陰陽の
勉強をしたい人にいいかも知れません。
マクロビを始めると、多くの人が陥りやすいストイックな考え方に、ハッと
させる記述がありましたので、引用させていただきました。
◇ ◇ ◇
<マクロビオティックの根本にある「陰陽の思想」>
マクロビオティックは、けっして単なる健康食ではありません。
また、菜食主義を掲げているわけでも、禁欲的な食生活を勧めているわけでもあり
ません。
というのも、マクロビオティックは、何ものにもとらわれ縛られないが、それでいてそ
れ自体が原理であるという「陰陽の思想」にこそ基づいているからです。
私たちを支配し、私たちを律し、私たちを照らしだす「宇宙の秩序」は、陰陽の思想
を通じてのみ私たちの前に姿をあらわします。
いや、宇宙の秩序とは陰陽そのものであるといえるでしょう。
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陰陽の思想は人間の欲望を肯定します。
ただ、際限のない欲望を戒めるだけです。
陰陽の思想は伸びやかな自由を尊びます。
鋳型にはめた自由の観念や因習にまみれた自由の観念を正しくします。
陰陽の思想は人間を幸福に導きます。
幸福を他のすべての人々と共有しようとしない人間には同情するだけです。
陰と陽は対立し、また相補います。
小は小なるがゆえに大となり、大は大なるがゆえに小となります。
弱は弱なるがゆえに強となり、強は強なるがゆえに弱となります。
つねに変化してやまないこの世界の、こうしたダイナミックなありさまを明らかにする
のが陰陽の思想なら、その変転を正しく説明できるのも、また陰陽の思想なのです。
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陰陽の思想を「食」の世界に適用すれば、「正しい食」(正食)が見えてきます。
「正食」とは、私たちの生きる環境に対して陰と陽のどちらかが過剰にもならず不足もせず、この二つをみごとにバランスさせ融合させる「食」のことです。
マクロビオティックは、この「正食」を通じて宇宙の秩序に調和するための実践であり、運動であり、思想の体系なのです。
ですから、マクロビオティックによって心身の健康と幸福をつくるためには、私たちはいったん、陰陽の思想に降り立たなければなりません。
そして、その深い部分を見つめると、私たちは次のことが理解できるでしょう。
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「正食」が肉体と精神の調和を形づくる