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マクロビオティックの常識 腸と脳はつながっている
マクロビオティックを知っている人ならご存知ですよね、腸は脳とつながっているというお話を。
でも、一般の人を相手にこの話をすると、「えっ?」て言われることが多いです。
首と頭はつながっているというと頷いてくれますが、頭とお腹は離れているからつながっているとは考えにくいのでしょう。
しかし、腸と脳はつながっているのです。
脳に神経細胞があるのは誰でもご存じですが、実は腸にも神経細胞があるのです。
脳には約150兆個、腸には約1億個の神経細胞があって、そのうちの約2,000個は神経線維で腸と脳がつながっているわけです。
ですから、脳で感じたことは腸で反応するのです。
そしてその反対もあるわけです。
誰でもこんな経験はありませんか?
旅行に行って緊張すると便通が悪くなって、自宅に帰ると途端に便意を感じたりすることが。
小さい子供なんか、自宅近くになったら安心してお漏らしをしてしまうことがあります。
可愛いですね。
あるいは何らかの理由でストレスを抱えると、便秘になったり下痢をしたりします。
学校近くになるとお腹が痛いという子はストレスで痛いのです。
このストレスというのは実に厄介で、本人がストレスと感じていなくても、体にはストレスになっていることがあります。
原因不明で体調不良だという人の話を聞いていると、ほとんどがストレスが原因だと思うのですが、本人は「絶対ストレスはない」と言い張ることがあります。
我慢強い人、感情をあまり外に出さないような人は、結構このタイプのストレスを抱えています。
私自身の体験でも、ストレスのあるときには食欲が出ませんし、一時的に強いストレスにさらされると、その緊張感のあまりに帰宅してから吐いたことがあります。
弁護士さんの代理として億単位の取引に一人で初めて立ち会った時のことでした。
その責任の重大さと失敗した場合の責任を考えると、緊張感が最大限になったのです。
これに似たような経験はどなたもおありかと思います。
オリンピック選手の緊張感も相当なものでしょう。
ところで、最近はストレス耐性の弱い人が多いように思います。
体験より机上での学びを優先した育てられ方をされていたり、成績至上主義の学校教育の弊害と思える場面に出会います。
人は誰しも緊張するものですが、体験はそれを限りなく緩和してくれます。
ですから恋愛にも臆することなく、失敗して当たり前の気持ちでトライしてほしいと思うのです。
そういう姿勢がストレスを一つひとつ減らしてくれて、快調な体を維持する方向につながります。
先に触れた腸のお話ですが、腸の状態が悪いと怖がったり、度胸がなかったり、むやみに心配したりして、ひいてはそれがまた腸の状態を悪くする方向に行ってしまいます。
ですから、どこかでピリオドを打つためにも、まずは腸の状態を快適にすることに取り組みましょう。
腸の状態が良いと、ストレス耐性が増して来ます。
いわゆる「肚が据わる」状態に近づきます。
そのための食べ方や暮らし方を教えてくれるのがマクロビオティックの考え方です。
陰陽という二つの視点から観察して答えを出していきます。
そのためには陽性のエネルギーを増やさなければなりません。
腸に陽性のエネルギーが届くような食べ物を選び、お料理方法を選び、暮らし方をするうちに、だんだんと安定感が増えて来ます。
具体的には腸内の免疫機能を最大限に発揮出来る状態に導くことです。
むそう塾ではその一環として糠漬けを推奨しています。
糠漬けの中には有名な乳酸菌がいっぱいいます。
乳酸菌は善玉菌悪玉菌という単純な分類をすると、善玉菌に入ります。
面白いのはこの乳酸菌にも陽性と陰性があることです。
乳酸球菌(陽性)は美味しい糠床に必要ですが、乳酸桿菌(陰性)が増えると糠床の状態が怪しくなって来ます。
この陰陽バランスを駆使して美味しい糠漬けが漬け上がるわけです。
糠床って何だか人間の腸内に似ていますね。
さて、そろそろ春キャベツが出回って来ました。
冬キャベツに比べて春キャベツは陰性さがあるため、ちょっと高さが出てきます。
巻きもゆるくなります。
キャベツは乳酸菌をたくさん持っていて、特に外側の硬い葉に多いのです。
これを糠床に入れるなど上手に活用して、ぜひ健やかな腸を維持しましょう。
他には牛蒡やアスパラガスや玉ねぎなども食べて、免疫力を高めるようにしましょう。
それらのことがアレルギーの発症を抑えてくれることにもつながります。
(無農薬春キャベツ)
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
4件のコメント
お年寄りでお薬を飲んでいる人の食事 体験者に学ぶ
昨日の放課後、例によって教室のあちこちで相談やら塾生同士の談笑やら、自由な時間が流れる中、じゅん子さんと中川さんの会話から参考になることがあったので記事にしておきたいと思いました。
じゅん子さんは週に何回かお料理を作ってお祖母様に届けていらっしゃるそうなのですが、そのおかずの話で中川さんが次のようなことをおっしゃっていました。
「年寄りのおかずは味をはっきりさせてちょっと少ないめがいいねん」と。
お薬を飲んでいるお年寄りは、味の感覚が少し鈍くなっているので、薄味では美味しく感じないそうなんです。
さらに食べきれない量より、もうちょっとほしいかなと感じる量の方が美味しさも増すそうな。
お口を通しての感覚は鈍っていても、目で見る感覚ははっきりしているので、視覚的に与える影響は要注意とのこと。
これからは高齢者が増えてくるので、私達は実の両親、義理の両親を問わず、介護の立場に立たされることが多くなります。
すでにその立場になっている人も多いのですが、お料理を作る際の参考になれば嬉しいです。
たったこれだけのことでも、作ったお料理を喜んで食べてもらえるかどうかの分かれ目になるのです。
中川さんは実のお母様を何年も介護されたご経験から、上記の味のことをじゅん子さんに話したところ、じゅん子さんは「そうなんです!」とおっしゃっていました。
私も義理の母に食事を作っていたとき、そういえばそうだったなあと思い出していました。
「お薬を飲むとお食事の味が判らなくなって、何を作っても美味しくないと言ってあまり食べてくれないんです」と相談される塾生さんが何人もいらっしゃいます。
まだお薬に無縁な人はこれからもずっと無縁で、食べる楽しみを失わない人生であれるように、今から健康には気をつけておきましょう。
そのためにマクロビオティックの視点からアドバイスをするなら、やはり「血を汚さない」ことに尽きます。
このキャベツの葉脈を見ていると、私は人間の血管に見えてなりません。
綺麗な血液で血管を丈夫にしておくこと。
これが最大のポイントです。
自然の織りなす陰陽の美しさ(植物も人間も)は、わずかな傷から崩壊していきます。
いつまでも若いままではいられませんが、せめて楽しみを奪わない老後であってほしいと強く思います。
(無農薬キャベツ)
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
8件のコメント
絶品!中川式稲荷寿司 驚異の作り方を伝授しました
今年も稲荷寿司講座を開催しました。
受講資格が上級幸せコースでお寿司の授業を受けた人に限定されるため、去年は受講資格がなくて1年間待っての受講となった人もおられました。
待ちに待った講座というのが、ドアを開けて入って来られるときから分かります。
懐かしいお顔、先月お寿司の授業を受けたばかりの人、みんなが楽しそうに語らっている姿は、私の幸せな時間でもあります。
嫁いだ娘たちが我が家に帰ってくると、こんな感じになるのでしょうか?
授業で中川さんが大事なことを沢山話しておられました。
もしかしたら自動変換していないでしょうか?
母は心配です(笑)
ガリの購入や折り箱での置き場所は大丈夫ですね?
上級修了レベルなら、ガリは簡単に自分で作れますから、ご自分で作られてもいいですね。
輪ゴムのかけ方やお箸の添え方は間違っていませんね?
中川さんが教えてくれた味を忠実に再現できるように、食材は完全に同じ物で復習しましょう。
材料が揃わない時は作らないように。
皆さんが熱々稲荷寿司を試食された後、中川さんが大事な秘訣を話されていました。
皆さんがなるほどと頷いておられましたが、覚えていらっしゃいますか?
あの部分がこの稲荷寿司の極意なので、しっかり理解なさってくださいね。
イメージが湧かない人のために、動画をスクショしておきます。
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
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「玄米の炊き方秘伝(第79回 愛クラス)」を終えて
昨日開催した「玄米の炊き方秘伝(第79回 愛クラス)」は新人さんがお二人でした。
お二人とも他のマクロビオティック教室で学ばれており、玄米ご飯をもっと美味しく炊きたいとのご希望でご参加くださいました。
さあ、実際にむそう塾の玄米ご飯の炊き方を知っていかがだったでしょうか?
他で学ばれた陰陽理論を中川式の玄米炊飯に当てはめた場合、あなたの中のマクロビオティック理論は納得の行く結果になりましたか?
新人さんはこんなに素敵な笑顔です。
陰陽の個性が見事に分かれているので、お二人を足して2で割ったらいいのになあと思ってしまいました(笑)
他の8名は再受講してくださったのですが、懐かしいかたもいらして、愛クラスも懇親会も和気あいあいで良い雰囲気に包まれた一日でした。
皆さん、玄米投稿頑張ってくださいね!
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
2件のコメント
お弁当に自分を詰める 沢村貞子さんのこと
私が独身時代に読んだ本の中には料理に関するものがかなりありました。
お料理をするのが好きだったこともあるのですが、高校1年の時から作り続けていたお弁当を少しでも綺麗にしたいなあと思っていたからでした。
高校生の時から分厚い料理本を見ていた私は、日々自分が食べるおかずをどうしてもそこに出てくる写真のように綺麗に盛り付けたかったのです。
今から比べるとそれらの本は圧倒的に写真の枚数は少ないし、白黒の写真が多い中で、推測と想像の域を出なかったのですが、それでもお料理に対する関心はあったので、お弁当にもあれこれ工夫をしていました。
東京で働くようになった頃、ふと手にした本に沢村貞子さんのお料理本がありました。
芸能人が作る日常的なおかずってどんなものなのだろうという気持ちでページをめくって行くと、それはお料理本というより生き方の本のように感じました。
毎日の献立を書いてあったのですが、惚れ抜いたご主人のために1食でも多く手料理を食べさせたいからと、主役ではなくあえて脇役で泊まり込み撮影の少ない仕事を選んだと書いてありました。
そんな彼女の生き方に私は心から共感して、彼女の出演するテレビや映画は観なくても文字を通じて好きになりました。
撮影現場には可能な限り共演者やスタッフにも食べていただこうとお弁当を持参したそうです。
そのお弁当のおかげで雰囲気も良く、気持ちの良いお仕事が出来たと書かれていました。
そうだろうなあと思います。
お弁当って空腹を満たすだけのものではなく、気持ちをも満たしてくれるものだからです。
グルメに終わるのではなく、自分なりの哲学をもってお料理をすると、生き方が変わります。
その一つがお弁当ではなかろうかと私は思うのです。
私も中川さんと同時期に子供のためにお弁当を作ったのですが、残念ながら1枚も写真は撮っていませんでした。
たくさん写真を残していた中川さんは、その写真に感動した人たちに囲まれて今があります。
そしてまた、そのお弁当の世界を皆さんにお伝えする機会も生み出せました。
中川さんがお子さんのお弁当に込めた想いはただ一つ。
「お守りを持たせるつもり」だったそうです。
お弁当とは「自分(作った人)を持って行ってもらうもの」と中川さんは塾生に伝えています。
あなたは相手(食べてもらう人)にどんな自分を持たせたいですか?
輝きのある自分のために、お弁当に取り組んでみませんか?
(料理:中川善博 お弁当箱:お嬢さんが使っていたもの)
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
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