お弁当には物理や化学の知識も盛り込もう

お弁当1 中川善博 むそう塾

(料理:中川善博)

毎朝のお弁当ツイートを見ていて思うのは、お弁当のおかずを決める時、お料理をする時、そして盛り込む時に、物理や化学の知識が生かされていない人がいるなあということです。
お弁当は作りたてをすぐいただく家庭のお食事とは違って、何時間も経ってから食べるものですから、安全面での配慮は当然のことながら、時間が経っても美味しいメニューと作り方でなければいけません。

たとえばつゆだくでいただいた方が美味しいお料理は、お弁当のおかずには向きませんね。
下の写真の菜の花は、浸し汁からさっとお皿に置いただけです。
でも、これをお弁当に入れるとなると、もう少し汁気を少なくしなければなりません。
また、出来たてをいただくととても美味しい和え物でも、和え衣の種類によっては時間が経つと浸透圧の作用で見るも無残な姿になったり、お味もグズグズになって美味しくないものです。
そんな時には先に和えてしまわないで、食べる時に和えるように盛り込む工夫も必要です。
でも残念なことに、食べる時に無神経にパクついてしまう人もいるので、食べてくれる人がどんなタイプか考えておかなくちゃね(^_-)

それから、温かい時には美味しくても、冷めたらあまり美味しさを感じないものもあります。
でんぷん質の多いものにその傾向が強いので、そんな時には冷めた方が美味しく感じる味付けをしなければ負けになります。
粉ふきいもなんてその代表格だと私は思っています。
蒸しただけの野菜は、冷めると悲しい味になるものがあるので要注意。

さらに、時間が経つと味が薄く感じるお料理もあるので、食べる時に美味しさのピークになるように味付けをする計算も必要です。
先日開催した極上お弁当講座のエビフライが、ご主人たちにとても好評だったのは、中川さんのお料理方法に時限爆弾が仕掛けてあるからです(笑)
つまり、時間が経ってからでも美味しさが増す仕掛けです。
家で揚げたてを食べたら美味しいエビフライでも、お弁当では美味しくないと感じているご主人たちもきっと多いことでしょう。

これからはお料理とお弁当の菌管理も重要になります。
お昼までの時間経過と気温に比例して菌数はどんどん増えますから、それでも安全な料理方法が必要です。
朝のお弁当ツイートでは、その辺を中川さんが逐一注意していますが、改めて気をつけてください。
思わぬ落とし穴もありますからね。
ポイントは水分と温度管理の徹底ですが、味の濃淡も影響します。
ここにも浸透圧の作用が登場しますよ。
ああ、物理と化学の嫌いな女性は多いのでしょうが、最低限、お料理に関する程度の知識は身につけておきましょう。

 
 

お弁当2 中川善博 むそう塾

(料理:中川善博)

 
 
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