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京料理人が教える「鯛蕪」と「蕗味噌」 そして骨瘤のこと
(鯛蕪 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
昨日は今月の煮物コースの試作会でした。
天然物の鯛をおろすところから始まったのですが、途中で中川さんが「この鯛は美味しいよ〜」と言います。
その鯛には「骨瘤(こつりゅう)」というのがあって、それは天然鯛の証拠なのだそうです。
写真の円内にある丸いコブのようなものです。(二つありますね。)
(鯛の骨瘤)
調べてみると、どうやら急流を泳ぐときに骨折してしまったからという説が有力なようです。
こちらのサイトも参考になります。
次の文章も説得力があります。
鯛のコブは骨の一部が肥大した血管棘。肥大した原因は骨折。流れに逆らうために、骨折するほど尾を振っている鯛なのだ! どの鯛にもあるものではなく、天然もの、それも速い瀬に住む鯛にしかない。鯛のコブは急流にもまれた鯛の証。旨い鯛の印なのだった。(こちらのサイトからお借りしました。)
ただし中川さんによると、骨瘤があるからといって100%天然物とはいえない場合があるとのことでした。
気が遠くなるほどの数の鯛をおろして来た経験上、そういうことがあったそうです。
その理由も教えてくれましたが、長くなるのでここでは割愛します。
ということで、すっかり骨瘤に気を取られながらの試作会でした。
いえね、気を取られていたのは私だけで、中川さんもスタッフの麗可ちゃんもせっせとお仕事をこなしていましたよ。
私は知らないことがあると、納得するまで調べたくなってしまう性格なのです。
ところで、「鯛蕪」は美味しすぎてTwitterで漏洩したくなるお味だったのですが、「骨瘤」に気を取られて漏洩しそびれました(笑)
鯛蕪のお汁が物凄く美味しくて、ゴクゴク飲みたくなるお味です。
これもきっと皆さんが大絶賛してくださるお料理になること間違いなしです。
それから、「蕗味噌」の作り方がこれまた陰陽の視点からも大納得でした。
やはり私の作り方とは違っていて、憎くなるほど秘伝なのです(笑)
美味しすぎてご飯がいくらでも食べられてしまいます。
これは色々なお料理に使えるのでとても便利ですし、お弁当のおかずにも大活躍することでしょう。
お楽しみにね♪
【追記】
私が上で引用した魯山人の文章をTwitterに流したところ、塾生さんがその魯山人の文章の全文を探してくれました。
参考になりますので、下記にリンクします。
「明石鯛に優る朝鮮の鯛】北大路魯山人
カテゴリー: 料理人 中川善博の陰陽料理, 食べ物あれこれ
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雛祭りのお菓子は桜餅ではない ひちぎりと京都人
関東と関西では何かと文化が異なって、それがまた面白くもあり、ややこしくもあり、お料理をお伝えするときにふと考えるところでもあります。
今月の秘伝コースでは「中川式桜餅」をお伝えしました。
その美味しさ、美しさは何とも表現しがたい世界であり、そこには艶っぽさを感じるのでありました。
しかしお下品になってはいけないギリギリのお色気。
それが中川さんの世界なんだなぁと実感したのでした。
(中川式桜餅 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
ところで、あちこちのお料理教室で「お雛様のお菓子」として桜餅を教えるところがあります。
これはもしかしたら関東の方が多いかもしれません。
桜餅にも関西式と関東式があるので、よけい混同しているのでしょう。
しかし、日本の文化は京都を中心にして発展して来ました。
特に京都は御所を中心に文化が広がっているので、お雛祭りの歴史的背景も含めて関東とは異なることが多いです。
もう10年以上前になりますが、マクロビオティックの某先生がお雛様の飾り方について解説してくださったことがありました。陰陽を使って。
「左近の桜 右近の橘」という言葉の説明から入り、お雛様そのもののお話でしたが、その時のことを想い出しながらお雛様のお菓子のことを考えました。
中川さんによるとお雛様のお菓子は桜餅ではないと言い切ります。
では何がお雛様のお菓子なのか?
それは「ひちぎり」とのこと。
ちょっと検索してみると、面白いのがありました。
「ブランドを守る菓匠の心意気」
京都人らしいなあと思いました。
ブランドという視点は京都の人に感じるところ多々ありなので、クスッとしてしまいました。
>「商売人であっても、譲れないところは譲れない。世間に迎合していては、結局その文化はすたれていく。敷居が高いと言われても、その高さがあってこその京都と違いますか」
中川さんにもそんなところを感じる今日このごろなので、きっとむそう塾生の皆さんには、そんなところが伝わっていることでしょう。
これが千年を超える文化を守り伝える京都魂なのかもしれませんし、自分の中に軸を作る時のコツのようにも思えます。
周りに振り回されないで自分を貫くための指針は、案外お雛様のお菓子ひとつとっても隠れているのかもしれません。
中川式ぼたもちと桜餅 小豆の働きと健康
今月の秘伝コースではぼたもちの授業がありました。
本来はしんじょうの作り方を教えることが目的の授業だったのですが、お彼岸の前でもあることなので、ぼたもちも加えてはどうかということになって、盛り沢山の内容になりました。
その上に桜餅まで追加してもらったので、中川さんは大忙しでした。
でも、みんなの満足そうな笑顔を見ていると、ああ、中川さんに頑張ってもらって良かったなぁとしみじみ思いました。
(中川式ぼたもち 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
次に桜餅の授業もありました。
中川さんが作る桜餅は本当にやさしい美味しさで、その心地よい甘さとともに桜の葉の塩分が絶妙で、マクロビオティックの陰陽を知っている人なら誰しも唸ってしまうお味でした。
特に桜の葉の使い方が秘伝でした。
(写真では見えませんが)
(桜餅 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
桜餅の包み方が動画で公開されていますが、その手つきの見事なこと。
久しぶりに作ったとのことですが、体が覚えているそうですよ。
塾生さんがよく分かるようにと、ゆっくり作ってくれました。
[youtube width=”880″ height=”440″]
ところで、この桜餅はこしあんを使うので、ぼたもちのつぶあんとは別にこしあんも作りました。
中川さんが作るこしあんは、本当にびっくりする作り方で、これぞむそう塾!という方法でした。
きっと桜沢先生も驚かれることでしょう(笑)
陰陽で考えるとこんなことも出来るのか!ってね。
* * *
もともと小豆は腎臓に良い食材ですが、この小豆を煎ってから作る「小豆茶」もマクロビオティックを知っている人ならご存知だと思います。
この小豆茶より飲みやすいのが、さらしあんを作るときに出る小豆の煮汁です。
最初は下の写真のように全体が薄い小豆色をしていますが、時間とともに下の方に小豆の細かな粒子が沈殿して来ます。
(小豆の煮汁 秘伝コースの授業より マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
小豆は利尿効果が抜群なので、むくみのある人や排毒のお手伝いにはもってこいです。
私も先日断食の際に飲みましたが、ほんのりした甘さに癒やされるため、もっと飲みたいと思ったほどでした。
事実、小豆茶をたくさん飲む健康法もあります。
(誰にでもお奨めするものではありませんが)
腎臓の弱い人は特に美味しく感じることでしょう。
小豆には食物繊維も豊富にあり、牛蒡の3倍もあると言われています。
食物繊維は腸内細菌のごちそうでもあるので、昔から小豆を大切に扱ってきた食習慣は、まさに健康への近道だったわけです。
お一日と十五日には小豆ご飯を食べ、おめでたい時にはお赤飯に小豆を入れ、こうして餡にもなってくれる小豆はまさに豆類の王様のように感じます。
小豆そのものの効能もさることながら、お米と同じくらい大切にしたい食材の一つです。
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾, 料理人 中川善博の陰陽料理, 食べ物あれこれ
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京料理人 中川善博の新作焼きそば
(中川式焼きそば 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
きょうは中川さんの焼きそばを初めていただきました。
カモメさんがお弁当投稿で使われている焼きそば用の麺を入手出来たので、その試作を味見させていただきました。
正直なところ、あまり期待していなかったのです(失礼)。
だって、日常的に私はそんなに焼きそばは食べないし、何だか軽食っていうイメージがあったのです。
ところが、中川さんの作り方を見ていると、何やらとても不思議なことをしています。
とても自信ありげに(笑)
以前、商品開発部長だったときに、さんざん焼きそばも研究したという話は聞いていたのですが、そんなに美味しそうに見えない食材を、どんなふうに使うのか見当もつかなくて・・・。
そうこうするうちに第1号が出来上がりました。
慌ててiPhoneでパチリ!
早く食べろと言われて口に運ぶと、??
??
ん?
なんか・・・
もしかして・・・
美味しいかも・・・
あれ? この麺美味しいかも?
ここでやっと納得。
ああ〜、そうかあ、あの作り方は麺を美味しくするためだったのかあ!
いや〜、こんな作り方があったんだね。
その後私の反応を見ながら3回試作してくれたのですが、やはり最初の不思議な作り方が一番美味しいと感じました。
ということで、これを次期上級幸せコースのメニューに入れようかと検討中。
幸せコースでは技術的に難しいから。
しかし、なんという名前にしようかな?
不思議な焼きそば 癖になる焼きそば う〜ん。
これぞマクロビオティック!(塾生さんの体験)
むそう塾生の菜花さんから嬉しいメールがありました。
そこにはマクロビオティックの見本のようなお話が現実に起きていて、私はとても嬉しいです。
これが本当のマクロビオティックなんですよね。
毎日コツコツとむそう塾で習ったお料理を作って、お子さんを育て、マクロビオティックの陰陽を意識して生活して来た結果がこうなりました。
なんと自然体で美しい生き方でしょうか。
こんな生き方をマクロビオティックの創始者である桜沢如一氏は求めたのです。
一般的にはとかくギクシャクしがちなご主人様の母親との関係も、美味しいお料理がきっかけで良い方向に進んで行けるのは、ひたすらお料理を頑張り続けた菜花さんの努力の賜物です。
菜花さんの作ってくれるお弁当は、ご主人様にとってもご両親様にとっても、本当に嬉しいし感謝されていることだろうと思います。
極端に言えば、お弁当には人の心を変えていくだけの力があるということですね。
なお、菜花さんの実のお母様は、命に関わるご病気をされてしまい、そのことを思ってご主人様の方から鉄火味噌を送ってあげることを提案されたのでした。
奥様のご実家をも大事に思ってくれるご主人様って、本当に素敵ですね。
まだお若いのに、その人間性に私まで嬉しくなっています。
ご主人様は奥様の授業があるときには、いつも笑顔でお子さんと一緒に車で教室まで迎えに来てくれます。
その笑顔はとても爽やかで気持ちよく、私はすっかりご主人様のファンなのでした(^^)
これから益々菜花さんを中心に幸せが広がって行きますように。
<菜花さんからのメール> 抜粋
昨日の夜、実家の母と電話で話をしました。
鉄火味噌をとても喜んでくれていて、大切に頂くのだと言っていました。
母の明るい声が、とても嬉しかったです。
美風さんと子象さんのおかげです。
ありがとうございました。
最近、主人は職場でお弁当を褒めてもらったり、優しい奥さんですねと言ってもらうことが何度かあったそうです。
また、お弁当以外にも、食事が充実してきたことが嬉しい様子で、残業続きの毎日をご機嫌で元気に過ごしています。
そして、先週の火曜日に、娘が3歳のお誕生日を迎えたのですが、主人の両親が遊びに来られ、こんなやりとりがあった時のことも思い出しました。
義母「よくここまできたわね。」
私 「おかげさまで。ありがとうございます。」
義母「そして、とってもいい子…」
私 「ありがとうございます。(内心、ビックリ!)」
結婚してから、主人の母に褒めて頂けたのは初めてかと思います。
お正月に、菊花蕪とあちゃら漬けをお届けした時位から、少しずつ関係が変わり始めたのを感じましたが、娘のお誕生日の時のやりとりを機に、一歩近づけた気がして、自分から、素直な気持ちで実家の母のことをお話しできました。
主人の両親は、後悔のないよう、やれる限りのことをしてあげなさい、◯◯ちゃん(娘)のことは、遠慮なく預けなさいと仰って下さいました。
おそらく、主人はこのやりとりのことを主人の両親から聞いて、鉄火味噌を送ることを提案してくれたと思います。
最近、思い(願い)が、するりと叶うことが多くなりました。でも、私が積極的に動いて説得するというのでなく、自然とその方向に向かう感じです。
私が実行しているのは、毎日、家族にお弁当と食事を作ること。ひとつでも美味しいお料理、楽しい食事を…中川さんのお味に近づくこと…という思いだけです。
それから、美風さんから座学で学んだことを意識することです。
でも、それは、主人は自分のことを、主人の両親は主人と大切な孫のことを、大切にしてもらえるという安心感・喜びにつながっているのかな…と考えると、良い方向に向かっていくこともあるかもしれないと感じるようになりました。
主人とも主人の両親とも、家族になってまだ歴史が短いので、少しずつ歩み寄っていければいいなと思います。
そして、実家の母も、病気に負けない!という気持ちで、笑顔で過ごして欲しいと思います。
また、鉄火味噌をお願いすることがあると思いますので、その時もよろしくお願い致します。
菜花
(中川式鉄火味噌 料理:むそう塾生 子象さん 白いものは大きさ比較のための米粒)