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認知症と診断されたらそれで諦めますか?

Nさんからメールがありました。
こちらの記事を踏まえてのご相談でした。
Nさんだけでなく、これから同じような立場に立たされる人も多いと思い、記事にさせていただきます。

<Nさんからのメール>

先ほど母の付き添いから帰ってきてブログを拝見したら
母が呟いた言葉と美風さんのブログの内容とがリンクしてしまいました。

歳をとるって喜びも希望もどんどん取られていってしまうのね…
今の私にはもうなんの喜びもない…

この言葉を聞いて、愕然としてしまいました。

でも今の彼女には正直な気持ちなのかもしれません。
40年以上も大好きで続けていた運転を「認知症」発症のために
やめざるを得なくなってしまったからです。
手足をもぎ取られるような感覚だとも言いました。

昨日も今日も車買取業者の方が家に来ます。
そうすると母はいつも涙目で車の話をします。
見た目はごくごく普通なのに、MRIや脳の血流検査で
少し異常が見られたために下された診察結果。
てんこさんがおっしゃるように、検査を受けても不安、受けなくても不安。
どちらにしても不安だらけだったから検査をうけたのですが、
いざ検査を受けて前に進みだそうと周りが動き出した途端の彼女の呟き。
戸惑う家族。
どう接してあげたらいいのか、残りの人生を少しでも明るく生きていってほしい
毎日を笑って過ごしてほしい、どうしたらいいんだろう。
発症したからと言って人格まで失うわけではないから新しい希望を見つけてあげたい。
それにはどうしたら…

てんこさんや美風さんが仰るように、私たちは一日一日死に向かって生きているだけに
今日の母の呟きが私に重くのしかかってしまいます。

美風さん、私は彼女にどうしてあげればいいのでしょうか?
申し訳ありません、こんなことメールにして…
でも美風さんとお話したかったのです。スミマセン…

 
 

<マクロ美風より>

Nさん、こんばんは。
誰しも老います。
誰しも死にます。
でも、死の瞬間までなるべく崩壊が少なく苦しむことなく、暮らして行きたいと誰しも思います。
では、それを現実に可能にするにはどうすれば良いのだろう?
ここが一番の問題ですね。

Nさんのメールを拝見してふっと私の父のことを思い出しました。
父は60歳を超えてから車の免許を取り、仕事や買い物など毎日運転していました。
93歳の頃、たまたま私が北海道に帰って母の買い物を頼まれたので、父の運転する車に同乗したときのことでした。
ウインカーを出したまま戻すのを忘れて運転していたので、父に教えてあげました。
夜になって何気なく兄にウインカーの件を話したところ、「そうかあ」と渋い顔をしていました。

それから何か月か経って、母と電話で話していたら、父が車に乗れないので不便だとこぼしていました。
具合でも悪いのかと聞いてみると、高齢でもあるし、万が一人身事故を起こしては取り返しのつかないことになるので、もう車を降りるようにと息子(私の兄)に言われたそうです。
父はそれまでゲートボールやカラオケをしょっちゅう楽しみ、老人会の集まりにも車で他の人を送り迎えしていたそうです。
しかし、それらが出来なくなったので、すっかり楽しみが減ってしまい、毎日寂しそうにしていると母が話していて、父のために兄はまずい判断をしてしまったなぁと思いました。

それからはつるべ落としの秋の太陽のように、父は一気に活気がなくなり、2年後に95歳で亡くなりました。
もしあの日に私が兄にウインカーのことを話さなければ、父はもっとハンドルを握っていられたのだろうかと思うと、何とも複雑な思いがこみ上げてきて、事故の被害者を出さないための対応とはいえ、父に申し訳ない気持ちになるのが正直なところです。

Nさんのお母様は、認知症とのことですが、一説によると認知症なんて病気はないとおっしゃるお医者さんもいます。
製薬会社が背景にいて、認知症という病気を作って薬を投与すれば儲かるだろうという程度のものかもしれません。
何しろこれからはお年寄りがどっさりいる時代になるのですから。

先日お母様のことをお聞きしていてとても気になったのが、甘いものが大好きということです。
お若くても甘いものが大好きな人は、どちらかというと緩慢な態度の人が見受けられます。
それはまさにマクロビオティックの陰陽でいうところの陰性な状態ですよね。
Nさんもマクロビオティックのお勉強をされているのでご存知でしょうが、そんな時には陽性な方向に持って行ったら何らかの変化が見られないだろうかと思われませんか?

認知症とひと口にいっても様々な段階があるし、果たしてその検査が妥当かどうかも分かりません。
お母様は本当に車を手放すべきなのかどうか、もう一度検討する余地はないものなのでしょうか?
お母様が運転をされて、Nさんが助手席に座るドライブがあっても良いかもしれませんよね。

私たちは確かに一日一日死に向かって生きているのですが、それは長いスパンで考えた時の言い方であって、「今」を諦めの方向に導くものではありません。
あくまでも「今」を充実させる生き方のために、もっとマクロビオティックの陰陽を活用してみませんか?
今こそあなたの知識を活かすべき時のような気がするのですが。

 
 

中川式鉄火味噌 むそう塾 マクロビオティック

(中川式鉄火味噌 料理:子象さん)

 
 
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西洋医学と東洋医学とマクロビオティックの間で最良の選択を

先日、てんこさんからメールをいただきました。
てんこさんはお医者さんとして医療の現場で日々患者さんの医療のかかわり方を体験されているので、その内容はとても貴重です。
お医者さんができること、患者さんがするべきこと。
そんな医療の原点を実際の事例をもとに、皆さんで一緒に考えてみましょう。
そして、マクロビオティックを知っているからといって、全面的に西洋医学を拒否する人を多くみかけますが、私は盲目的な拒否ではなく、西洋医学や東洋医学を上手に利用するべきだと常々言っております。
てんこさんのメールにもそのことが書かれています。
マクロビオティックの食事療法にすがって来られても、時間的にその余裕がない人もおられますので、私もてんこさんの文章を拝見して同感でした。

 
 

<てんこさんからのメール>

美風さん、こんにちは。

先日のコメントに引き続き、昨日診療で感じたことをお伝えさせていただきたくてメールします。

外来に、子宮全摘術と左の付属器(卵巣と卵管)を切除したあとの経過観察を受けている方が受診されました。
手術前は月経中でなくとも鎮痛剤が手放せず、内膜症に対する薬物療法もかなりたくさん受けていて、日常的な体調不良を訴えられていました。
手術後半年経過し、診察室に入ってきたその方は、嘘のように調子いいんです!鎮痛剤も飲んでいません!と笑っていました。
これまでで一番の笑顔だったと思います。

簡単に体の臓器を切除してしまうことに批判的な意見はありますが、私はこの方は手術してしかるべきだったと思いました。
体の一部を取り除いてしまうことでしか回復できないくらい、状態が悪かったのだと思います。
手術することで全身のバランスは変化してしまうでしょう。
でも、私は美風さんの『完璧はない』という言葉を思い出して、手術してもしなくても完璧はありえないのだから、この方は今置かれた状況から目指せる最良の状態を目指せばいいじゃないか、と思い至りました。

例えば癌性腹水(癌がおなかに散らばって産生する水がたまった状態)でお腹が苦しい方は食事療法などと言っている余裕はありません。
抗がん剤を使って一時的にでも体調を回復させ、そこからどうするか、なのだと思います。

西洋医学が医原病を作り出しているのは事実ですが、東洋医学と異なった役割を担っているのもまた事実です。
重要なのは、中心に自分があって医学的なものをどう『利用』するのかということなのだと思います。
医療に丸投げするのではなく、頼り切りにならず、自分が医療を利用することを『選ぶ』ことが基本スタンスとして必要です。

本来人間に与えられている能力を十全に発揮すれば医療のお世話になる必要はないはずで、『病んでいる』ことがスタートラインとなってしまっているのが現代社会であると認識しなければならないことは残念です。
でも、無双原理が世界を作り出していることが分かっていれば決して悲嘆しなくてよいことを知っていますから、良くなっていく方向を目指す希望を失うことはありませんね。

私は日常的に自分の仕事に疑問を感じていた訳ではないのですが、自分の進むべき方角がはっきりしてきたので、お伝えしたくメールさせていただきました。
読んでいただき、ありがとうございます。

今月京都でお目にかかることを楽しみに。

てんこ

 
 

【注】文中に「完璧はない」という言葉が出てきますが、それはこのような場面でのやり取りからきています。

てんこさんからのコメントの抜粋>
完璧にしてきちきちに生活することはそこに無理にとどまってしまうことになって、ゆるやかなリズムを失ってしまった状態なんですね。
なるほど~と納得でした。

私からのお返事
講座でもお話ししたように、私は大きな意味での完璧なんてないと思っています。
小さな意味でも完璧というのはごく少数です。
仕事上や自己満足としての完璧はありますが、陰陽バランスとしてみれば、それは一瞬の完璧なのだと思います。
すべてはゆらぎの範囲内ですね。
私たちは相手のある社会で生きているのですから、自己満足ではいけないと思うのです。
常に相手のことを考えて、そのうえでの自分を最大限に活かすことが、一番障碍を少なくする物事の進め方ですね。
そして満足感も大きいです。

 
 

水仙 宝泉 京都

(水仙:宝泉 京都駅店)

 
 
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玄米は炊き方次第で毒にもなり得るので要注意(Fuさんの体験)

「玄米の炊き方秘伝(第75回 愛クラス)」(8月25日に開催)を受講されたFuさんの玄米投稿が終わりました。
5日間の間に3回投稿されました。
初めて小豆ご飯を炊いたそうですが、こんなふうに52点の炊き上がりでした。
見事ですね。
彼女のメールから学ぶことがありますので、記事にさせていただきます。

 

<Fuさんからのメール> 抜粋

中川さん、おはようございます。

本日も、よろしくお願いします。

初めて、小豆ご飯を炊きました。
何も分からかったのですが、調べてしまうと迷路に迷い込みそうだったので、むそう塾の先輩方の小豆ご飯の写真から、想像して炊きました。

中略

この度のR投稿で調整していただいた玄米ご飯は、本当に素晴らしいです。
お腹が全く痛くなりません。
お通じも大変良くて、本当に、今までどんなにダメな玄米ご飯を炊いていたか…分かっていたけれど、それがどれだけ危険だったかもよく分かりました。
実は、春からずっと肩がガチガチに凝っていて、首を動かすのも痛くて、右腕が上がらなくなっていました。
そして一ヶ月前から右肩によく分からないブヨブヨとした出来物ができて、治る気配もなく、なんだろう?とは思いましたが、アトピーの治療で大量にお薬を摂ったし、体調に変化があってもしょうがないと思っていました。

ところが、前回の投稿でOKを頂いた玄米ご飯を食べると、その日のうちに肩凝りが消えて、首も腕も、嘘のように痛くなくなりました。
右肩の出来物もどんどん無くなって次の日には、ブヨブヨは消えて平になり、傷が残っているだけになりました。
これが、思い込みと言われるかもしれませんが、本当に自分の体に起こった変化です。
だから、100日食べたらどんな風に自分が変わるのか、本当に楽しみです。
ブレないよう、同じ炊き上がりの玄米ご飯を炊き続けられるよう、これからも頑張りたいと思います。

ありがとうございました。

*   *   *

<マクロ美風より>

Fuさん、こんにちは。
まずは玄米投稿をお疲れ様でした。
毎日頑張って、最後は見事に美味しい小豆ご飯が炊けましたね。
プレーンな玄米ご飯があれば、それだけで嬉しいのですが、たまには目先を変えて小豆ご飯も嬉しいですね。
1日と15日に小豆ご飯を炊いて、お疲れ気味の腎臓にご褒美をあげるのも良いでしょう。

私がFuさんを偉いなと思ったのは、迷路に入り込まなかったことです。
巷に溢れる情報は、時として悪い方に作用するものもあるので要注意だからです。
むそう塾を信じて、先輩から学んで、ご自分の感性で炊き上げて正解でしたね。
そして、さらに嬉しいことに、お身体に変化があったのですね!
それも、こんなに早く!
ちなみに、ここに書かれているようなことは、大なり小なり玄米ご飯を召し上がった方たちには見受けられることです。
でも、それが急な変化でビックリなさったのだと思います。

私はいつも、「白米のように消化吸収の良い玄米ご飯」を炊かなければ、玄米の悪い面が勝ってしまうので、玄米は絶対パスポートレベルで召し上がってほしいと書いています。
それが出来ない場合は、白米を食べてほしいとも。
硬い玄米ご飯が体に与える影響は計り知れなく、むしろマクロビオティックを始めてから体調が悪くなったという人もたくさんいます。
悲しいですね。

Fuさんもパスポートを取られてから、何らかの理由で玄米ご飯がうまく炊けない日々が続いた結果、上記のような症状が出ていたものと思われます。
愛クラスの日を含めて、理想的な炊き上がりの玄米ご飯が入った結果、体が一気に吸収してくれたのだと想像します。
あなたには精神的な面も大きく作用しますから、ちゃんと基本に立ち返れた安心感も大きかったのかも知れません。
これからもこのレベルの玄米ご飯を召し上がって、さらなる変化を体験して下さい。
精神的にも強くなれますよ。

なお、陰陽を突き詰めて考えると、もっと小豆ご飯が美味しく炊き上がります。
今はまだ陰陽がよくご理解されていないとのことなので、これからでも良いですから、「マクロ美風の陰陽落としこみ講座」を受講されたら良いと思います。
マクロビオティックのことや陰陽のことを、具体的に生活に落とし込めるようお伝えします。

次は、9月のモバ味噌講座でお会いしましょう♪

 

てっせん 蛇籠

(てっせん 京都 宝泉)

 

カテゴリー: 子育て・野口整体・アトピー, からだ, マクロ美風の陰陽落としこみ講座, むそう塾の雰囲気(塾生の体験談を含む) | 2件のコメント

小麦は食べるな すべて小麦が原因だった!

Amazonで本を注文するとき、何かの間違いで3冊頼んでしまったようです。
同じ本が3冊届いてしまいました。
でも、読んでみると、大いに納得出来る部分もあるので、どなたかにプレゼントします。
明日は愛クラスがあるので、その時にほしい方は手を挙げてくださいね。

ちょっと小麦粉の害が誇張されているかなと思いながら読んでいました。
でも、今まで多くの人を見ていて、思い当たるフシがかなりあるので、マクロビオティック的にも頷けるのです。
要するに最近の小麦粉は品種改良されすぎて、もはや人間に害を及ぼすレベルまで品種破壊をされていることが諸悪の根源なのです。
これはアメリカの話なのですが、日本は小麦の全消費量の85%を輸入に頼り、そのうち6割をアメリカが占めている現実を考えると、小麦に対しての認識を正しく知る必要があると思います。

過去に「食生活欧米化の真の原因」という記事を書いていますが、この記事の内容とは別に、今は小麦の「質」が著しく低下してしまって、もう危険ゾーンに入ってしまったという話です。
それがアメリカでは色々な症状として現れているので、その小麦を輸入している日本でも該当する事例が多いと予測出来ます。

日本には幸いにしてお米があります。
小麦の摂取量が増えて体調を崩す人が多いこの時代に、この本は大いなる参考になると思います。
試しに小麦抜きの生活を1ヵ月送ってみましょう。
その次に純粋に国産小麦粉だけに絞り込んでみましょう。
話半分ととらえても、ちゃんと答えが出ます。

マクロビオティックではすでに小麦製品は避けた方が良いと結論がでているのですが、それは腸の組織を壊してしまうからなんですね。
そして、その体験は多くのむそう塾生もしています。
パスタの練習を続けてしたら、皮膚トラブルや口内炎や膨満感や、色々な症状を訴えています。
ふっと思うのですが、最近日本人でも欧米型の禿げになる人が多いのは、小麦粉が影響しているのかも知れません。
もちろん、肥満は確実に該当しますね。
アトピーの人は完全に小麦製品は影響しますしね。

この本で一番問題にしているのは、砂糖が精製されすぎて問題なのと同じように、小麦も品種改良されすぎて問題なのだということです。
アメリカではかつて食べていた小麦品種は、今は市場には存在しないそうです。
それが仮に全粒粉であっても、オーガニックであっても、品種そのものが問題なのだそうです。
次の文がすべてを物語っています。

ー訳者あとがきより引用開始ー
つまり、全粒粉の小麦は精製しているわけではないが、同じような人工的なプロセスが品種改良という作業の中で既に起きていたというのが著者の主張である。
ー引用終わりー

なお、巻末にある「小麦抜き生活健康レシピ」は、アメリカ人向けのメニューなので、日本人にはあまり参考にならないかもしれません。
でも、マクロビオティックをしている日本人なら、苦労なく小麦抜きメニューが作れると思います。

書名:「小麦は食べるな」
著者:Dr.ウイリアム・ディビス
訳者:白澤卓二
発行:日本文芸社
定価:1400円+税

 

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カテゴリー: マクロビオティックが楽しい♪, からだ | 19件のコメント

「がんの花道」 患者の「平穏生」を支える家族の力

今やがんは2人に1人がかかるそうです。
そして3人に1人はがんで死ぬそうです。
私の場合は、今のところは何も自覚症状はなく、元気に暮らしていますが、どうもがん家系のようなので、将来がんになるかもしれません。
しかし、気丈な長女(私の姉)は、「○○子(私の名前)は癌にならないね。あの子はきっと癌が逃げて行くと思うわ。」と次女(私の姉)に言ったそうです。
なんとまぁ(笑)
ちょっと私の親兄弟の病歴をご紹介しますね。

父:直腸がん(94歳で手術 人工肛門 95歳で死亡)
母:乳がん(手術せず 95歳で死亡)
長女:子宮筋腫(55歳で子宮全摘手術 75歳で生存中)
次女:乳がん(39歳で左乳房全摘手術 72歳で生存中)
長男:直腸がん(69歳で手術 人工肛門 70歳で生存中)
三女(私):病名なし(健診を受けないので判らない 64歳で生存中)

6人中4人が癌になっています。
平均値より高いですね。
こうして並べると病人一家のように見えますが、実に健康的で元気に暮らしていたんですよ。
まるで病気とは無縁で人生が終わるかのように。

まず、とても元気で93歳まで車も運転していた父ですが、94歳で便の異常を訴えるようになって病院に行ったところ癌と診断されました。
3人の娘は年齢が年齢なので手術はしない方が良いのではと思いましたが、唯一兄が手術に積極的で医師に手術をお願いしました。
父には潰瘍の手術ということで、癌を告知しませんでした。
生存中に父からは、癌に対する自分の判断は示されていなかったので、子供たちで話し合う結果になりました。

母は父の死後も、一人で日常生活を不便なく送っていましたが、どうしても胸の痛みが我慢できなくて病院に行ったところ、乳がんと診断されました。
痛み止めの薬を飲みながら自宅療養をし、最後は3ヵ月ほど入院して亡くなりました。
母は信仰心の厚い人で、毎日仏壇の前で般若心経を詠み、「いつお迎えが来ても準備はできている」と言っていましたので、一切の手術はしませんでした。

両親の人生が最期を迎えるときに、私は思いました。
「ああ、常々自分の希望をはっきり伝えておくべきだ」ということを。
人生の最期も自分の思いどおりに終えられるように、そして、残された家族が困らないように。
子供たちに共通の想い。
それは「本人の意志を尊重する」ことと、「少しでも苦しまないように」というものでした。
その時に本人の明確な意思表示が残されていたら、家族が決断をしやすくなります。

癌がこんなにも多くなってしまった現代において、人それぞれ思うところがあるでしょうから、自分なりの意志を固めておくのがご家族のためにもなると思います。
そんな意味で次の本は、癌とどんなふうに向き合って行くのかという具体的な内容が書かれていますのでお奨めです。
巻末には全国397か所の「相談支援センター」一覧がついているので、たとえば一人暮らしで癌になってしまった時にも役立つと思います。

 
 

書名:「がんの花道」
著者:藤野邦夫・長尾和宏
発行:小学館
定価:1600円+税

 
 

がんの花道 がんの花道2

 

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