再び「人生は晩年だからね」 若林ケンさんのこと

今日、懐かしい人から連絡があった。
ふと横浜のことを想い出した。
一緒にコンサートを聴きに行ったけ。

このブログでも何度か登場した若林ケンさん。
今年いっぱいで新宿のお店「ペイトンプレイス」を閉めるそう。

閉じるというのは、新しいことが始まるということでもあるので、私は閉店を祝福したい。
ケンさんは私に晩年を素敵に生きるお手本を見せてくれた。

「人生は晩年だからね」 2006.11.1

上の記事を書いてから丸10年。
ケンさん、私、今とっても充実していますよ(^^)
元気に68歳を楽しんでいます♪
11月中にお邪魔しますね。

 
 

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(写真は若林ケンさんのサイトからお借りしました。記念に。)

 
 

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マクロビオティックの指導現場から 玄米ご飯と保存の陰陽

マクロビオティック関連の本や教室では、玄米ご飯の炊き方を取り上げますが、著者や教室によって炊き方はまちまちです。
白米に比べると驚くほど炊き方の違いがあります。
むそう塾の中川善博は、京料理人として白米の炊き方も相当研究していますが、その実力があっても、皆さんに最高に美味しい玄米の炊き方を伝授するまでには、300とおりほどの炊き方を研究したといいます。

それほど玄米は炊き方によって差が如実に出てしまい、それが体調に反映するので、白米と同じように思っていると知らず知らずのうちに、玄米が原因の体調不良になることがあります。
玄米の良さを最大限に取り込むためにも、玄米の良い面と悪い面をきちんと把握して、目的に応じた炊き方をおすすめします。

ところで、炊いた玄米をあなたはどのように保存されていますか?
マクロビオティックの教室によっては、炊いた玄米ご飯を冷凍して、食べる時に蒸すと教えるところが多いですね。
あるいはおひつに移して、おひつで保存すると教えるところもあります。
問題は、冷凍保存してそれを自然解凍した場合は、でんぷん質がβ化して消化に悪い状態であることです。
つまりこの場合の玄米ご飯は陰性になっているわけです。
冷蔵庫で保存した玄米ご飯も同じく陰性です。
ですから、こういう玄米ご飯を食べ続ければ陰性になっていきます。

まさか冷たいご飯を食べる人はいないでしょう?と思われるかもしれませんが、世の中には色々な人がいますので、そういう人が実際にいるのです。
何しろ、前の晩に作ったお弁当を冷蔵庫に入れておいて、そのまま家族に持たせる主婦もいるのですから。
腐敗防止目的とはいえ、マクロビオティックの陰陽を知っている人なら、ゾーッとするお弁当になってしまいます。
冷凍したおかずをそのままお弁当に詰めて、お昼には解凍されているからと平気でいると、著しい陽性の人でない限り、食べた人は段々陰性になっていきます。

では、冷凍した玄米ご飯を蒸すというのは、でんぷん質がα化しているから良いのでは?と思われるでしょうが、炊きたての玄米ご飯に比べて陰性になっていますね。
それに美味しくありません。
主食が美味しくないのは悲しいですから、もう少し陽性を加えた料理方法にして、主食はいつも中庸を保てるようにしましょう。
そこまでして初めて中庸の安定を得られるのです。

食べ物の陰陽を食材段階では神経質に考えるのに、料理方法や保存方法まで気がまわっていない人を多く見かけます。
しかし現実には、お口に入るときが最高の陰陽バランスでなければ意味がないので、そこまで陰陽を考えるように誘導してあげなければ、マクロビオティックの本や教室としては不親切といえるでしょう。
でも、その不親切な本や教室が多いので、マクロビオティックが正しく伝わりにくいのです。

*   *   *

話を玄米に戻します。
本によっては、あるいは教室によっては、玄米は陽性だと教えていませんか?
果たして玄米は陽性でしょうか?
白米に比べれば陽性だというのは間違いではありません。
昔の玄米は陽性の時代もありましたが、今の玄米は品種も含めて陽性さは薄れてきています。
しかし、しっかりした陽性の玄米を作っている人も知っています。

玄米を作った場所(土地)、作り方、作った人、気候、品種、それらの陰陽によって玄米の陰陽は変わるのです。
ですから、玄米を陽性だと決めつけずに、自分の購入した玄米が果たして陽性なのか、中庸に近いのかをはっきりと見極めましょう。
むそう塾ではその見極め方も教えていますが、これを文章で書くのはむずかしいです。
やはり、文字だけでは伝えられないことがあるんですよね。

次に玄米ご飯の美味しさについて書きます。
よく、モチモチしていることを美味しい玄米ご飯の代名詞にしている本や教室がありますが、それは偏っています。
玄米ご飯がまるでお赤飯のようなモチモチした炊き上がりでは、陽性タイプの人は美味しく感じません。
無理に食べたとしても、おかずで陰性なものを欲しがったり、玄米を食べたがらなくなります。
白米がなぜ毎日食べても飽きないかというと、モチモチしていないからです。
でも、お餅やお赤飯は毎日食べると飽きるでしょ?

「陽性な人は玄米が入らないから、そういう人は分づき米にしましょう」と書いている本やマクロビオティックの教室がありますが、それは玄米の炊き方をちゃんと研究していない証拠ですね。
陽性の人でもちゃんと食べられる玄米ご飯を炊けないと、陰性な奥さんや、陽性な子どもたちと一緒に同じ釜のご飯が食べられないですよね。
昔から「同じ釜の飯を食う」ということは、とても大切な関係なのです。

少なくても玄米の炊き方を教えたり、マクロビオティックの本を出すのなら、どんな人が食べ続けても飽きない炊き上がりにするだけでなく、体調が良くなる食べ方まで丁寧にアドバイスしてあげられる環境を整えるべきです。
そして、玄米は薬にも毒にもなることを肝に銘じて接するべきです。

 
 

【関連記事】
マクロビオティックの指導現場から(6)間違いだらけの玄米選び 2014.1.22
マクロビオティックの指導現場から(7)お鍋の陰陽と玄米の炊き上がり 204.1.23

 
 

中川式玄米ご飯の炊き方教室 マクロビオティック京料理教室 むそう塾 京都

 
 

(中川式玄米ご飯 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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カテゴリー: 玄米の炊き方講座, マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

いいね! 目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティック

2年前の記事ですが、先の記事のAさんにぜひ読んでいただきたいので、リンクしておきます。

「目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティック」 2014.11.1

物質社会に生きていると、目に見えるものばかりを意識して、そのために行き止まりになっている人を多く見かけます。
そんな時には、目に見えない世界に心を向けてみましょう。
必ず解決の道が用意されていることに気づくはずです。

このことを考え方として提示しているのが「マクロビオティック」なのです。
あなたは食べ方だけに留まっていませんか?
食べ方はマクロビオティックの導入部分です。
陰陽を自分の体で感じるための具体的方法です。
ですから、そこでつまづかないで、サッサと先に進みましょうね。

 
 

牡蠣の時雨煮 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(牡蠣の時雨煮 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

牡蠣は女性にぜひ食べていただきたい食材です。
ミネラルが豊富で、鉄分が造血に貢献してくれます。
この時雨煮は、時雨煮丼にすると驚くほど食が進みます。
食べ過ぎ注意!(笑)

 
 

カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ | 9件のコメント

マクロビオティックで体調不良になった時 〜指導現場から〜

昨日はマクロビオティック相談について記事を書きましたが、その後メールのやり取りをして、主食がとんでもないことになっていることが判明しました。
本を片手に玄米ご飯を炊き上げても、その炊き上がりが著者の伝えたかった炊き上がりかどうかを確認するすべもなく、ただひたすら「玄米が体にいいんだ」と思い込んで食べているのです。
危険ですね。

私がびっくりしたのは、土鍋で炊いたあとの玄米ご飯を冷凍しておき、それを解凍してお弁当に持って行くということです。
冷凍おかずを凍ったままお弁当に詰めるのが普通に行われている今の時代では、そういう発想も当たり前なのかもしれません。
当然、玄米ご飯はかなりポロポロしているそうで、夜は解凍した玄米ご飯をオーブントースターで温めたり、少しのお水を加えて温めたりしているということでした。

私がとても悲しく思うのは、人生で一番輝いているはずの年齢で、こんなにも心が冷えるお食事をしていることです。
お食事は本来楽しい時間のはずなのに、彼女は頭でっかちになっているので、玄米を口にすることで安心してしまって、美味しさは忘れてしまったのでしょう。
でも、主食はとっても大事なんです。
毎日食べるものだからです。
ですから、その主食だけは最高の状態に炊き上がったものを口にしてほしいし、その炊き上がりが食べる人の体調に合っていることが一番健康的です。

当然のことながら玄米ご飯を炊くお鍋の陰陽も考えるべきですし、その前にそのお米が彼女に合っているかどうかも考えなければなりません。
玄米であれば何でも同じではないのです。
白米ならそこまで細かく考えなくても大丈夫なのですが、玄米は白米と同じ考えでは体調にピッタリ合わない人が出てきます。
そこが玄米炊飯の難しいところでもあります。

そういうことが背景にあるので、彼女には玄米を食べることをストップしてもらいました。
まずは白米で栄養補給をすることが先決の状態だったからです。
でも、多くの人がここで「えっ?」と思うんですよね。
玄米の方が栄養価があるのに、なぜ白米に?って。
確かに栄養成分表では玄米の方が栄養的にはすぐれていますが、それは体がきちんと吸収できればの話です。

マクロビオティック的にはもっと玄米から離れない食べ方をアドバイスする指導者もいらっしゃるでしょうが、彼女のような場合は一度一般的な和食の良さを思い出してほしいのです。
そして、精神的にほっこりと出来る状態まで戻す必要があります。
良好な人間関係のためにも。
生きることも含めて、日々が輝いて楽しい毎日が送れるようになってもらうため、まずは仕切り直しをしましょうとアドバイスをしました。
その上で、本当に彼女にふさわしい玄米ご飯を食べられるようになって、真の健康と考え方を味方につけて、人生を謳歌してほしいと思います。

*   *   *

全国には彼女と似たような人がたくさんいるはずです。
そういう人たちのために、あえてオープンにしてこの記事を書きました。
体調に合っていない玄米を食べて、かえって体調を悪くしてしまっているのに、好転反応だと思って突き進まないでください。
ここを乗り越えれば良くなるなんて素人判断をしないでください。
前の記事のAさんのように、腎臓に負担がかかっている状態は危険です。
以下にAさんの文章を抜粋します。

最近は好転反応なのか足がひどくむくみ、感情もうつむきがち。
好転反応が出ているときは特に食事に気を付けたほうがいいそうなので、
当分の間は菜食でいこうと思っております。
マクロビオティックとは何なのか、何を食べればいいのか、
病気は治るのか……悩みが多くて、勉強も身に入らないです。

悩みとしては他に、体力がなくなったことです。体重も減りました。
体力的にも精神的にも、動きたいのに動けないのは辛いです。

いかがですか? 危険ですね。
一般的に野菜は体に良いと思っておられるでしょうが、彼女のように緊急を要する場合は、案外と動物性を摂る方が早く効果が出ます。
野菜はもともと体内でエネルギーになるために時間がかかることと、傷ついた胃腸では吸収力が劣ってしまうからですね。
ですから、この場合は菜食で行くなんて呑気なことを言っていないで、好きだった動物性を召し上がってほしいと思います。
最初は動物性を頭が拒否するかもしれませんが、そういう感覚から抜け出ることが一番の解決法です。

マクロビオティックは素敵な考え方だけれど、食べ方を誤ると悲惨な結果になります。
そのことをしっかり認識しましょう。
私はAさんのような人をたくさん見てきました。
でも、白米を食べるようになって、笑顔が増えて、生理が再開して、妊娠もしてくれて、幸せに暮らしているとの報告が寄せられています。
Aさんに似た人はとても多いですし、腎臓に負担がかかっている状態は危険ですから、そういう人はこの記事を参考にして、早く対処してくださいね。

 
 

里芋の海老そぼろ餡かけ マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(里芋の海老そぼろ餡 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

餡は体の芯から温まるので、寒い季節にはピッタリのお料理です。
冷え性の人にはおすすめです。

 
 

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カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ | 2件のコメント

マクロビオティック相談より

マクロビオティックのメール相談なのですが、多くの人に一緒に考えてほしい内容なので、記事にさせていただきます。
相談者は19歳の女子大学生で一人暮らし、お名前をAさんとしておきます。
あなたが相談されたおつもりで、一緒に考えてみましょう。
そうすることによって、マクロビオティックのことや陰陽のことがよく理解できるようになるのです。
ご本人には私からすでにアドバイスを差し上げましたが、この記事を読んでより客観的に考えることをしてほしいと思っています。
なぜなら、こういう人が増えるからマクロビオティックは間違っているとか、マクロビオティックは危険だというようになるのですから。
マクロビオティックをうまく生活に活かすポイントは、陰陽を知って極端にならないことです。
そして、体に合っていないことはしないことです。
そんなことを考えながら、ご自由にコメントをなさってくださいね。

 
 

<Aさんからのメール>  抜粋

若杉友子さんの本をきっかけに、9月末からマクロビ生活を始めました。
「一汁一菜子育て法」「子宮を温める健康法」を読みました。
マクロビオティックを始めようと思ったのは、
小さい頃からの便秘と冷え性、
中学生の頃の無理なダイエットとストレスによる無月経を
改善したいと思ったからです。

5,6年前から健康法について色々と学び、
肉、魚、卵、大豆からタンパク質を積極的に摂取すること、
生野菜や果物から酵素を取ることなどをしてきました。
現在まで続けていることは、
市販のお菓子や加工食品、添加物のものをほぼ食べないこと、
間食をしないことです。(代謝が悪く夜までに消化できません)
2年前からは朝に固形物を取らないようにする
一日二食生活を始めました。これは石原結實先生式です。
黒糖を入れた生姜紅茶を主に飲んでいました。
どの食事法も便秘、冷え性、無月経を改善しようと
思って始めたものですが、効果は出ませんでした。
マクロビ生活を始めてからは、かつお節以外の動物性は食べていません。
(現在はかつお節もやめました。)
今は若杉さんの本に従い、玄米、味噌汁、漬物、野菜のおかずを食べています。
おかずは蒸し野菜や煮物です。
ナッツやゴマ、きな粉が好きで、時々モリモリ食べてしまいます…。
あと、お味噌も時々スプーンですくってそのまま食べることも。
砂糖は使わず、甘みが欲しいときはみりんしか使いません。
甘いものが食べたいときは、カボチャやサツマイモを食べます。
空腹感がないと不安になるので
一日二食は今でも続けており、苦痛ではありません。
朝は白湯か醤油番茶を飲んでいます。
昼は梅干し、だし昆布入り味噌汁、茶碗半分の量の玄米です。
これだけでもお腹にたまります。
夜は前述のとおりです。夜にしっかり食べます。
学校があるので食べ終わるのは21時頃になります。

今の食生活としては、このような感じです。
もともと肉、魚、卵、大豆製品、陰性の食品は好きなものでした。
今は特に欲してはいません。
ただ、実家に帰ったときに動物性食品を食べないことは
親に反対されるのでできませんし、
お正月にお寿司を楽しみたいので困っています。
マクロビ=菜食のように思っておりますし、
「~しないほうがいい」「控えたほうがいい」というものは
食べることにかなり抵抗してしまう、融通の利かない性格なので
とても勇気がいります。
最近は好転反応なのか足がひどくむくみ、感情もうつむきがち。
好転反応が出ているときは特に食事に気を付けたほうがいいそうなので、
当分の間は菜食でいこうと思っております。
マクロビオティックとは何なのか、何を食べればいいのか、
病気は治るのか……悩みが多くて、勉強も身に入らないです。
悩みとしては他に、体力がなくなったことです。体重も減りました。
大学に入ってから運動量が減ったことも原因だと思います。
食事量が減ったことも原因だと思います。
体力的にも精神的にも、動きたいのに動けないのは辛いです。
今はただ、便秘も冷え性も無月経も解消され、
元気に活発に動いて生活することを願っています。

ちゃんと伝えたいという気持ちが強かったため、
長々と書いてしまいました。申し訳ありません。
御返事はいつでもかまいません。
どうかお助けください。よろしくお願いします。

*   *   *

<マクロ美風より>

結論から申し上げますと、あなたの場合は体調が悪くなって行く段階であって、好転反応だと思うのは間違いです。
好転反応だと思って症状が悪化して、病院に担ぎ込まれる人が多いので気をつけてください。
今している健康法をすべてストップして、まずは標準的なお食事をされることをおすすめします。
栄養不足による体調不良が考えられます。
白米でもよいですから、和食を中心にして少しずつ胃腸を快復させる方向で頑張ってください。
そして、帰省されたらご家族と一緒にお寿司も動物性のものも喜んで召し上がってください。

健康法というのは、何か一つだけが特効性を持っているのではなく、全体で底上げしていく方法が一番確かです。
メールでアドバイスした方法を実行して、その結果を教えてください。
もちろんメールでかまいませんが、お会いしていない段階ではアドバイスに限界があることも知ってくださいね。
まずは「脱マクロビオティック」です。
一旦マクロビオティックとは距離をおいて、仕切り直しをしましょう。

玄米ご飯は、こんなふうに柔らかく炊き上がっていない限り食べない方が賢明です。
皮の部分が胃腸に悪さをしますから。

 
 

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