今、ある塾生さんのお子さんのお部屋を探しています。
彼は3月上旬に大学の合格発表があったので、大急ぎで部屋探しを始めることになったのです。
こんな混沌とした時代に、自分は勉強なんかしていていいのだろうか?
畑に出て食べ物を作った方がいいのではないか?
彼はそんなことを思っていました。
しかし、家業は農家ではありません。
彼の気持ちはよくわかります。
コロナ問題ですっかり狂った世の中を見ていると、そんな気持ちになっても不思議ではありません。
しかし、勉強は学べるときに学んだ方がよい面があります。
社会人になってからでも学べますが、やはり勉強に専念できる環境の方が効率的です。
なぜ今学ぶのか?
それは将来の選択肢を広げるためです。
学歴のためではありません。
これから学ぶことは、必ず将来なんらかの形になって自分を助けてくれます。
そのとき初めて「ああ、勉強していてよかった」と思えるでしょう。
それは知識だけでなく、技術でも同じです。
ですから私は、これから学ぼうとする若者の応援をしたくてお部屋探しをしています。
京都から関東に住まいが変わるということは、文化圏が変わるということでもあります。
今までずっと京都の文化で育った若者ですから、関東でいっぱい刺激を受けることでしょう。
それらの一つひとつも学びになります。
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ところで彼は、なかなか繊細なセンスをお持ちです。
昨年、珈琲講座を受講してくれたとき、それはそれは上手に淹れて、素晴らしい感性でした。
大学生になるにあたり、玄米ごはんの炊き方を習っておきたいとのこと。
きっと彼なら上手に炊けることでしょう。
当初、彼のお母さんは学生用の住まいを探していたのですが、そこはIHコンロばかりでした。
それで私に連絡が来たというのが発端です。
そもそも、玄米を炊く炊かないは別として、若者にIHは止めてほしいと思ったので、私もお部屋探しを始めました。
IKだとコンロが1口というのが多いのですが、頑張ってIDKにすると2口コンロが増えます。
命の源がキッチンですから、ここは頑張って2口コンロを探せたらいいなぁと思っています。
どうしてコンロにこだわるかというと、彼にはお料理の才能を感じるからです。
少しでもお料理をしやすい環境で、彼の繊細さを開花できたら、彼の人生はかなり面白くなるはずですから。
人は住んだ場所のようになる面があります。
それは環境から陰陽の影響を受けるからですね。
マクロビオティックにも「身土不二」という言葉が登場します。
「え? 身土不二って食べ物のことじゃないの?」と思われるかもしれませんが、もともとは仏教用語なので、土地と環境が人間に及ぼす影響のことを意味しています。
それは体調だけでなく、考え方、大げさにいえば思想にも影響を与えるのです。
人生の半分近くは「その場の影響」を受けるわけですから。
多感な青春時代に、彼が良い環境のもとに暮らせるといいなと思っています。
(教室の掛け花 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)