「日本人の体力」より (北緯50度の栄養学)

マクロビオティックは完全に動物性を否定するものではなく、玄米のみを推奨するものでもないのですが、その辺が誤解されていて、著しい偏食状態になって痩せ細っている人がいます。
そういう人を見ると、マクロビオティックって罪作りだなと思います。
でも、マクロビオティックの考え方には素晴らしい哲学としての理論があるので、それを知ることによって人生を何倍にも充実させられたらいいなと思っています。

一般的にはマクロビオティックの考え方ではなく、義務教育をはじめとして西洋的な考え方が幅をきかせていて、病気に対しては西洋医学が圧倒的に浸透しています。
食べ物に関しては栄養学が採用され、数値で栄養管理をする時代になっています。
しかし、その医学も栄養学も、日本人にとってはこの辺で見直しをしても良いように思います。
なぜなら、あまりにも不健康な人が多すぎるからです。

私が一番気になるのは、若いのに不健康という事実です。
これは国の将来を考えても由々しき問題です。
つまり、体力的に昔の日本人より今の日本人の方が弱いのではないかという問題です。
これは肉体的な面だけでなく、精神的な面でも弱さを痛感します。
我が子を見ていてもそれを感じます。
つまり逞しくないのです。

原因は色々ありますが、私は体を使わない暮らし方にも一因があると思っています。
肉体は求めれば求めるほどそれに応えるように出来ていますから、使わなければ退化の一途を辿るわけです。
つまり、今の日本人は退化しつつあるということなのです。
心身ともに退化しつつある途中に私たちが生きているのならば、何とかこれ以上退化しないようにして次の世代にバトンタッチしたいと思うのです。

ちょうど昔の日本人の体力について書かれた記事がありますので、それをご紹介します。
日本にドイツ栄養学が導入された経緯なども参考になります。

「日本人の体力」

これを読んで思うことは、やはり日本人には日本に伝わっている食べ方が一番良いのだということですね。
体の遺伝子は急に変われないから、食べ方もそんなに急に変わらないほうが健康でいられるのは当然だと思います。
そして「北緯50度の栄養学」というのがとても納得できます。
私は北海道の生まれ育ちですから、北緯50度の寒さがどの程度のものかは容易に想像できます。
北緯50度と沖縄が同じ食事で良いわけがないのです。

マクロビオティックでは陰陽という二つのエネルギーの違いに注目してあらゆることを考えます。
その視点に立てば、当然のことながら北緯50度の食事と沖縄(北緯30〜20度)の食事は異なるという結果が導き出されます。
しかし、現実にはそれを無視した食事を続けた結果、今や沖縄では見るも無残な長寿県返上の事態に追い込まれています。
沖縄の姿はこれからの日本の姿でもあります。

むそう塾ではこのような状況に対応するため、日本の伝統食を大切にお伝えしています。
写真は先日の糠漬け講座での一場面です。
高温多湿の日本では、「発酵」が健康のキーワードです。
まさに今はその発酵がどんどん力強くなる季節です。
そんな日本の伝統食を大事にして、真に体に合ったお食事をしてほしいと心から思っています。

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コメント

  1. てんこ より:

    美風さん、こんにちは。

    非常に参考になりました。ありがとうございます。

    『日本人の体力』も興味深い記事ですね。
    なかでも、『ベルツの実験』が示唆に富んでいると思いました。
    同じ人間でも食事でこれだけ仕事量が変わってしまうなんて、ここまで分かりやすく示した例は初めてです。

    いつも、自分に与えられた能力を最大限発揮して生きるにはどうしたらよいのか考えます。
    子供たちにも持てる力を出し切って生きて欲しいと思っています。
    その答えがマクロビオティックの中にあり、それを現実の世界で活かせるように教えてくださるのがむそう塾です。

    私が目指す物は主流派から大きく外れていますが、迷う事なく信じていられるのはむそう塾のお陰です。
    ありがとうございます。

    • マクロ美風 より:

      てんこさん、こんにちは。

      ベルツの実験は2名だけですが、これをもう少し人数を増やしてみたらどんな結果になるのかも興味がありますね。
      でも、マクロビオティックの陰陽を知っていたら、この結果は当然予測出来るところであり、はたまたベルツがドイツで菜食を訴えたらどうなるのかも推測できます。
      そこら辺がマクロビオティックの凄いところだと思います。

      >私が目指す物は主流派から大きく外れていますが、迷う事なく信じていられるのはむそう塾のお陰です。

      ありがとうございます。
      こうしてご縁をいただいて、なおかつ信じていただけるのは大変光栄なことです。
      私も中川さんも、もてる力のすべてを投入して、次世代のために今私たちがするべきことを追究しています。
      一緒に頑張りましょう。

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