好きなことに没頭する

マクロビオティックの創始者である桜沢如一先生は、「遊ばざる者食うべからず」と本に書いています。

最初この文章を目にしたとき、「あれ?」 と思ったものです。
もちろん「働かざる者食うべからず」を踏まえての言葉ですが、桜沢先生の本を次から次と読んでいると、この「遊ばざる者食うべからず」の言わんとしていることが良く理解できます。それが実に人生を楽しく過ごすキーワードだと思えるので、むそう塾ではパスポートを取得された時にお送りするメールに、この言葉の一部を入れてあります。
趣味を職業にしてしまうと楽しみが減ってしまうと言う人がいますし、好きなことでも職業にしたらつらいと言う人もいます。
もちろんそれほど職業というのは厳しいことを物語っているのですが、私は今まで好きなことしかして来なかった気がします。
お金のために働くというのではなく、興味があるから働かせてもらった感じです。
ですから、その仕事に興味が薄れたら働く熱意が冷めます。
こうなると仕事はつらく感じますよね。
私は仕事と興味をオーバーラップさせて働いていたので、桜沢先生の「遊ばざる者」の真意を知って凄く嬉しかったのです。
もちろんマクロビオティックを知った今となっては、遊びの心で人生を楽しんでいます。
いつも愉しい気持ちで時間が過ぎて行くのは、最高の贅沢だなぁと感じます。
そしてこの感覚は何も桜沢先生だけでなく、色んな人が色んな言葉で表現していますね。
たとえば落語の世界でも。
次に引用させていただきますので、「努力」や「没頭」と遊びの関連を想像してみるのも良いですね。

(京都 鴨川)

立川志らくの落語的了見
<第2回 努力>

ほとんど報われない
AKB48の総選挙で上位に入った子が、「努力は必ず報われる」とスピーチして感動を呼んだ、という話を聞いた。果たして本当に努力すれば報いがあるのだろうか。
結論から言えば、ほとんどないのではないか。しかし、ないとわかっていたら誰も努力しなくなり社会は退廃してしまう。だから教育の上では努力を推奨する。
だいたいその努力を推奨する教師を見ればそれが嘘(うそ)だとすぐわかる。心底子どもに勉学を教えたいと思っている教師なんか、数えるぐらいしかいない。そんな先生がたくさんいたら、学校はもう少しまともな空間になっているはずである。
 立川談志は、努力に関してズバッと言い切った。「努力とは馬鹿に与えた夢」だと。落語は努力をしても駄目な奴は駄目だと言っている。努力をして成功するのは映画の世界のお話。努力して出世するならばみな出世してしまう。
成功に必要なのは努力じゃなく没頭
では成功者はどうしているのか。
もちろん、努力はしている。ただ芸術・芸能の世界の人間は、努力を努力だと思っていない。努力をしたって自己満足以外の何物でもないことを優れた芸術家は知っている。だから、好きなことに没頭するのみ。
それが結果的に努力をしたことになるのだが、当人は楽しんでいただけだから、世間のいう「努力」はしていないことになる。
私は誰よりも落語、そして演劇の稽古(けいこ)に時間をかける。世間はそんな私の姿をみて、志らくは努力家だ、と口をそろえるが、私の感覚は、遊んでいるに近い。
好きなことをやっている限り、それは努力とは呼ばない。人生、遊んで生きていこうと思ったら努力という文字を頭から抹消すべきである。


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コメント

  1. 周子 より:

    美風さん、お早うございます。
    とてもよくわかります!
    私も没頭してきました。楽しくて、難しい事ほど深く入り込むと、更にその先の道が続いており、それがまた楽しくて更に進んできました。周りの方が仰ってくださるような「努力」とは感覚が違うので、違和感がありましたが、私がしてきましたのはコレです!ヽ(・∀・)ノ

  2. マクロ美風 より:

    周子さん、初めまして。

    そうですかぁ。
    周子さんって前向きな生き方をされる人なんですね。
    だから彼も周子さんのことが好きになったんでしょうね。
    何かに没頭する生き方って、私も好きです。

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