8年間待った

きのう息子と一日中一緒に行動した。
家にいるとすぐ自分の部屋に行ってしまうから、外に連れ出した方が話ができる。
息子は私の性格と反対で消極的&部分的に臆病。
そこを何とかしたいとあの手この手の子育てを試みたけれど、なかなか効果が出ない。
そうだよね?、性格はなかなか変えられないし、限りなく不可能に近いのだけれど、ひょんなことからガラっと変わることもあるので、私はずっと待ちたいと思った。
もちろん、性格はその人の個性だから、こうあらねばならないなんて型のようなものはないけれど、親がいなくなっても生きて行けるための最低限の生活力は身につけてほしいと思っていて、そのためにはもう少し積極性が出る方がいいなと思っていた。
要は息子に自信がつけば積極性は自然に出てくるはずだから、自信をつけてやることが先決だ。
勉強の好きな子供は育てやすい。
なぜなら、まず子供は学校という場所で評価の洗礼を最初に受けるから、比較的得意分野で良い評価をされて嬉しい体験ができるからだ。
しかし、勉強の嫌いな子供はなかなかスッとは行かない。
勉強以外で自信の持てる居場所を見つけてやらなくてはいけないからだ。
そんな場合でも体育会系で救われる場合があるけれど、息子はそうではなかった。
親のいくつかの試みは見事に空振りに終わってしまった。
たった一つ、息子はオムツをしている時から車が好きだった。
よく男の子は車が好きな派と電車が好きな派に分かれるといわれるが、息子は完全なる車派だった。
一貫して車が好きだったので、そちらでの道も探った。
大学に入ってドリフトを始め、夜中は山に走りに行き、コンビニの食事をしたり昼夜逆転の生活をしたり、アトピーに悪い食べ物を食べたりして、体はボロボロになって行った。
それでも命さえあればと思って、私は夜中に走りに行く息子に「楽しんでおいで」といって送り出した。
「気をつけてね」とは一度も言わなかった。
無事に帰って来てくれると信じているから。
大学4年間で彼は相当走り続け、大会でも優勝してドリフトの本にも何回か登場し、取材も受けていた。
卒論にはドリフトを選ぶという狂いようだ。
しかし顔も手もアトピーがひどくなって来て、毎夜ひっかき枕もシーツも血と汁で汚れていた。
母の作る食事では追いつかない状態になったので、大学を卒業してから3週間温泉療法に行かせた。
iPad一つを持って、大好きな車と離れ、息子は九州に向かった。
そこでの生活は息子にはつらかったようだ。
食べ物の自由はないし、大好きな車にも乗れない。
私の指示で食事は一日に2回、入浴は1日に4回を守らせ、アトピーの対処についてはメールで送られてくる写真を見ながら指示を出した。
途中で私も九州入りして状態を確認した。
3週間後息子は少し変化して帰って来た。
まだアトピーは劇的に改善したわけではなかったけれど、彼の中でちょっとだけ意識の変化があったことを私は感じた。
食事を変えることが体の変化につながることを、息子は体験上知ったようだ。
今年は体を治す年にしようねという私の意見を受け入れて、息子はもう一度九州に行った。
そうこうするうちに、息子はあれほど好きだったドリフト車を手放した。
もちろんまだ未練はあるけれど、どこかに燃え尽きた感があるような僅かな芽を私は感じていた。
今は「マニュアル車に乗りたい」といいつつも普通のオートマ車に乗っている。
そして、息子が中学の時に私が言った「食べることを大事にしてほしい」という意味を、やっと体で感じてくれたようだ。
九州での体験があって、息子は食べ物に気をつけるようになって来た。
それと同時にアトピーがググっと改善してきた。


この間実に8年の歳月がかかった。
息子を妊娠している時から食事には気をつけ、出来る限り最高の食事で育ててきたのに、みずから体に悪い物ばかりを口にする息子の姿を見て、私は悲しいと言うよりこれが陰陽なんだなぁと、妙に納得していた。
そうして九州という土地で、息子は何かを感じてくれた。
私の母方の曽祖父母は鹿児島の出身なので、私は九州に出かける息子に「ご先祖様が護ってくれるから大丈夫」と言って送り出した。
そして今、ご先祖様は5代後の息子をあるべき方向に導いてくれた。
これをマクロビオティックと言わなくて何と言おう。
本当にマクロビオティックが完成するには7代かかるそうだ。
つまり私たちは今を生きているのだけれど、3代後7代後の子孫のために生きている部分もあるのだ。
そして、父や母や祖父母や曽祖父母や多くのご先祖様の部分も生きているのだ。
私は最善を尽くして息子の変化を待った。
息子はご先祖様に誘導してもらえた。
このつながりを息子はまた次の代につなげてくれたら嬉しいなと思えた一日だった。

カテゴリー: マクロビオティックが楽しい♪ パーマリンク

コメント

  1. あやの Hi49-3 より:

    美風さん、こんにちは。

    美風さんのご覚悟と辛抱強い子育て、本当に尊敬します。
    時間や投資が必要でも、表面的でなく根っこの部分から変わるような試みをするのは、本当に勇気のいることで、真剣勝負だと思います。
    そして親がいくら心配したり手を焼いても、本人が気づかないと本質的な変化には結びつかないのだということも、再認識です。

    私も生まれたときからアトピー体質で、母をはじめ家族に色々と苦労をかけてきました。
    ついつい評価されやすいことに力を注いでしまう傾向のある私ですが、娘、そして数代先の子孫の健康を思って、もう少し食事や娘との時間を大切にしよう、と思いました。

    記事にしていただいて、ありがとうございます。

  2. マクロ美風 より:

    あやのさん、こんにちは。

    以前から「子育ては待つこと」が私の持論でした。
    ちょっとした日常の動作から、精神的な成長まで、すべての面に待たなければ育たないことがあるからです。
    親は水をやって、陽を注いでやって、酸素を供給することしか出来ません。

    どんな根を張るのか、どんな芽を出すのか、どんな葉っぱや実をつけるのか、どんな幹になるのか、すべて誰にも分かりません。
    ただ一つ、どんな風雨にも耐えて生き延びてほしいと思うだけです。
    子供が自分の力で生きるお手伝いをさせていただく。
    これが私の子育てであり、待つことは私自身の学びでもあります。

  3. おはる より:

    美風さん、こんばんは。
    じーんと、してます。
    親の気持ち、子の気持ち。
    私自身も幼い頃からのアトピーで
    両親はあの手この手で、
    治そうとしてくれました。
    探しに探して、玄米を食べたり、温泉に行ったり。
    子供時代は、なかなか、受け入れられませんでした。

    しかし、今になって、その想いを感じ、
    丁寧に作った食事が一番で、落ち着くなぁ、
    と感じる毎日です。
    子供の頃の田舎の食卓、その光景が、どんなに大切なものだったか、
    と、感じてます。

    この先、どんな道を歩むのか、
    想像もつきませんが、
    その想いを、受け継いで生きていきます。

    あったかい、お味を出せる人に、なりたいです。

  4. げんたろう より:

    今回のタイトルがワタシの率直な感想です。

    今のところ、ワタシが実感するのは『好きこそものの上手なれ』で、
    そこを基本に生きて行かないと自分自身が確率されないような気がすることです。

    自分自身これまで、必ずしも望みどおりに行動し、生きて来れた訳ではないのですが、
    最近になってようやく?自分自身を思うような方向にコントロール出来るかな?!と思える兆しが出てきたので、
    ここが人生の勝負所と思い、日々励んでいる状態です。

    それにしても、なぜ羨ましいのかを書けば、息子さんは好きなことに没頭出来たこと。

    ワタシはと言えば、好きなことには没頭出来ず、あまり好きではないことをして、その結果、それが後に繋がらなかったことで『失われた?年』みたいなものが蓄積されてしまったので、
    今後はそういうことがないようにしたいと思い、過ごしてきたここ数年だったと思います。

    それが無ければマクロビオティックにも出会い、大森先生にお会いすることもなかったと思いますが、
    そこからが我が人生の一つの出発点になっていますからね。

    美風さんの教育方針については美風さんらしいなと思うのと同時に、
    よくぞ息子さんをそこまで信頼して送り出し続けたものだと感心してしまいます。

    ワタシの知る限り、そこまで我が子を信頼出来る親は簡単には見つけられないのが現実なので・・・

    ドリフト車を手放した現在でもマニュアル車に乗りたがる息子さんは流石だと思いますし、
    その思いこそ、ワタシはマクロビオティックだと思います。

    誰もが知るようにAT車は楽ですが、あれを運転するのは食べ物で言えば毎日、
    電子レンジでチンした食べ物を食すことと同じようなものですからね。

    マニュアル車は運転するだけでも車を自分自身のコントロール下に置かなければなりませんし、
    火加減を調整するように車に気を遣わなければ走れませんからね。

    それをドリフトさせることは、より自分自身をコントロールしなければなりませんが、
    食べ物を自分自身で調理し、食べることを考えれば、人任せ?または機械任せで食べ物を温め、食すのとどちらがより人が本来持つ筈の本能を刺激するのかを考えれば、おのずとその答えみたいなものは見つかる筈だと思います。

    もしワタシだったら、ドリフトしに行くには玄米おにぎりでも持って行きますけどね(笑)

    そんなワタシでも車の運転はまだ、やりきっていない思いを残しているので、
    機会があればいずれまた、とは思っていますし、
    本音を言えば、それを自ら作り出すべきだと思っています(笑)

    色々書くと氣が多すぎて困るのですが、来年こそは再び京都を訪れるつもりでおります。

  5. マクロ美風 より:

    おはるさん、こんばんは。

    きょう中川さんからお聞きしましたよ。
    玄米ご飯がとっても上手に炊けていたと!
    凄い凄い!

    >丁寧に作った食事が一番で、落ち着くなぁ、
    >と感じる毎日です。

    こうしておはるさんは一歩一歩進んで来られましたね。
    偉いと思います。
    これからも一緒に紡ぎ合いましょう。

  6. マクロ美風 より:

    げんたろうさん、こんばんは。

    車に夢中になっている時の息子は、まさに熱病に冒されている時と同じでしたから、熱が下がるのを待つしかないなと覚悟しました。
    ま、キャベツの葉っぱを当てるお手当てのように、新しい車のお手当てでシフトしました(笑)
    しかし、「そのうちお金が貯まったらまたドリフトするんだ」と言うところをみると、まだ火はくすぶっていると思います。
    ただ、本人も大学を卒業するまで自由に走りたいと言っていたので、年貢を納める形になったわけです。

    車の本当の楽しさを味わいたいのなら、徹底的に飽きるまでやったらいいと思っていましたので、黙って見守っていました。
    ただし、ドリフトってお金がかかるんですよね~。
    私と夫のすねは相当細くなってしまいました・・・トホホ

    でも、ドリフト車を手放す直前に、本人曰く「何かちょっと違うかなと思うようになった」と言っておりましたので、きっとピークは過ぎたのだと思います。
    山に走りに行っても、高揚感に変化を感じ始めたそうなのです。
    相次ぐ改造にももう納得したのかも知れません。

    息子のことは最初にバイクを買うときに腹をくくったのです。
    もしかしたら事故で死ぬかも知れない。
    でも、やりたいことを我慢して生きるより、やりたいことをして、もしその最中に死ぬことがあっても息子は本望だろうと思ったのです。
    ですから、ドリフト車を買うときにも同じ思いでした。
    事故の心配をするより、楽しく思い切って走っておいでと言う方が、むしろ事故の危険度が減るように思ったからです。
    いつも親に反対されて嫌な想いで走りに行くのではなく、むしろ応援する側にまわってあげようと思いました。
    その方が走りに集中出来ると思ったからです。

    「今度お母さんも乗せてほしいなぁ」と言ったことがありましたが、その時にはとっても嬉しそうな顔をして「いいよ!」と言っておりました。
    でも、ゴトゴトして座席は硬くて、座り心地が悪いのですが(笑い)
    彼にとっては車は恋人なんですね。
    大事に大事にしています。
    早く本物の恋人を見つけて欲しいと親は思っているのですが。。。

  7. Bu 40-2 より:

    美風さん

    こんばんは
    こちらにもお邪魔します
    >息子を妊娠している時から食事には気をつけ、出来る限り最高の食事で育ててきたのに
    私も同じ気持ちです。これからどうなって行くのかわかりませんが。
    頭でっかちなマクロビの私は、彼女のご飯にも「私のフィルター」で規制をかけてしまってる気がします。そんな彼女は私のご飯も喜んで食べてくれるけど、パンやトマト,キュウリ、果物なども普段食べさせてもらえないからか、すごい興味を示します^^;
    3歳まで、守れる間は守ってあげたい
    でもそれと同時に、規制を外して、彼女のことを信じていくほうがいいのではないか、と思ったりもしています
    話がそれてしまいましたが・・・

    「待てる」って、ほんとうにすごいことだ、と思います
    息子さんのからだにでている反応を目にしても、まだ信じて待てる、すばらしいです。息子さんもしあわせものですね☆

  8. マクロ美風 より:

    Buさん、こんにちは。

    気になります。
    Buさんのマクロビオティック。
    規制って言葉も。
    何にでも好奇心を持つ子供の感性は大事にしてあげて欲しいです。
    大人の頭でっかちな知識より、子供の無垢な感性を優先してあげましょう。

    私は息子に食べ物の規制をするつもりはありませんでしたが、息子は重度のアトピーだったため、アトピーの症状が悪化するような食べ物は避けてやりたかっただけです。
    それでも思春期になると、親の気持ちとは反対の物を食べるであろうことは想定内でした。
    案の定、友達関係が優先されて、友達と同じ物を食べてアトピーが悪化していました。
    でも、その年齢の時には親より友達が大事なんですよね。
    それでいいのです。
    いつまでも親の言うことだけを聞いているようでは親離れできませんから。

    子供が実行しなくてもいいから、情報だけは発信してあげる

    それが私の子育てでしたね。
    どこかで、いつか気づくことがあればメデタシメデタシ!

    頭でっかちになりがちなBuさんにひと言。
    お子さんを育てるというより、お子さんの周りの空気を育てるおつもりでお子さんに向きあった方が楽かも知れないですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です