マクロビオティックの理論と現実(1)玄米ご飯

一人ひとりがお料理をするマクロビオティック料理教室を始めてから、実に多くの発見があり勉強をさせていただきました。
何と言ってもこのマンツーマンの料理教室は画期的であり、教える側の力量を問われる難しい方法です。
しかし、料理の腕が良い上に研究熱心な中川善博さんと出会って、その難しい方法をやり抜いてくださる料理教室が開催できて、私は常に学ばせてもらっています。
学ばせていただいたことはたくさんあるので、何回かに分けて記事にしたいと思います。
私が教わったマクロビオティック。
そして目の前に現れる現実のマクロビオティック実践者を見ると、その隔たりに大いに疑問を感じたことから2005年にこのブログをスタートさせたわけですが、こうして「むそう塾」を始めてからもその隔たりは延々と続いています。
その隔たりとは、マクロビオティックの理論が机上の空論のようになってしまい、マクロビオティックに出会ってから素晴らしいことより不都合になる人達もいることです。
きちんとマクロビオティックの教室に通い、知識もいっぱい入って、陰陽も理解しているはずなのに体調が思わしくない人がいるのはなぜでしょう?
あるいは、マクロビオティックの指導者に健康相談をして、食箋を書いてもらっているのに今ひとつ健康になり切れないのはなぜでしょう?
その答えはむそう塾でお料理を学んでくださる皆さんから教えていただきました。
それは個人の受け止め方とお料理の出来上がりの差によるものだったのです。
一番大きな問題は、玄米ご飯の炊き上がりにあまりにも大きな差があり、玄米の持つ良い点より弊害部分が大きくなっているのにもかかわらず、頭で「玄米は体に良いはず」と信じて食べてしまう現実があることです。
玄米は玄米の持つ力がすべて発揮されれば、野菜や穀類・豆類・海藻などでマクロビオティックの陰陽理論どおり動物性を摂取しなくても問題はないでしょう。
しかし、玄米ご飯が消化吸収しにくい状態の炊き上がりでは、マクロビオティックの理論どおりに実践すると、体調が今ひとつになる場合があります。
理由は玄米の持つ栄養価が体に摂り込まれるより、排出の力が勝る場合も出てくるからです。
それを防ぐために「よく噛む」ことを奨励して、80回なんてあたり前、100回・200回・300回なんて話が出てくるわけです。
病気治しの場合は500回・1000回なんて言われたりします。
しかし、それは現実的にとても大変で虚しさを伴ったりします。
そのためにあまり噛まないで食べてしまう人も多いのが現実で、30回くらいが平均でしょうか?
ちょっと意識して50?60回くらいの人が多いですね。
中川式の玄米ご飯ならこれでも良いのですが、中川式のパスポートレベルに満たない玄米ご飯だと、噛むことを意識しなければなりません。
玄米ご飯がきちんと体に吸収されていないと、マクロビオティックでいうところの食材だけでは体調が思わしくなくて、場合によっては動物性を一時補うことも視野に入れる必要が出てきます。
これは個人の消化吸収力の差によるためであり、民族的な違いにもよるところがあります。
人の顔がそれぞれ違うように、私たちの内蔵も微妙に個人差があります。
その違いを忘れて画一的にマクロビオティックを取り入れようとすると、先のような弊害が出てくる場合があるのです。
よく「体の声を聞いて」と言われるのはそのためです。
次の記事ではお料理の出来上がりの差について書きます。

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