「手」

先日「クリームパンのような手」で、中川さんのブログが賑わいました。
私のブログでも少し取り上げました。
人それぞれ「手」にまつわる想い出は多いかも知れません。
以前中川さんが、お嬢さんの手(指)が亡くなった奥様の手(指)にそっくりになって来たと、ブログに書かれていたことがあります。
お嬢さんの手を眺めながら、亡くなられた奥さまを想い出されていたのかなと思って拝読した記憶があります。
先日、そのお嬢さんと3人でお食事をご一緒する機会に恵まれました。
その時にお嬢さんがこんな話をしてくれました。
前にお兄ちゃんの肩にポンと手を置いたら、「あ、ビックリした、お母さんかと思った」と言われたんですよと。
中川さんの奥さまは、息子さんが小学校低学年の時に亡くなられたそうなので、実際にはお母さんの手が今の息子さんの肩にかかることはないのですが、その時にはそのように感じたのでしょう。
母親が亡くなってからすでに、20年近くの年月が経っていても、瞬間的に甦る記憶に改めて驚きました。
人間って、そんな小さい時でも母親の手(指)を覚えているのだろうかというのが、私の素朴な驚きだったのです。
意識して見ているわけでもないのに、指の形を覚えているなんて、子供って凄いな?。
中川さん曰く、背の低い子供の目線には、お母さんの手が一番目に入りやすいとのこと。
手もつなぐしね。
私の考えは、お洋服を着せたり、ご飯を食べさせたり、お母さんの手は子供の視界に一番登場するのかも知れないねというもの。
*    *    *    *
そういえば私が小学校中学年の時、「お父さんの手」という作文を書いて、NHKから入賞記念をもらったことがあった。
どうってことのない内容だった。
子供の目から見た父親のごっつい手は、スコップを握ったり、カンナをかけたり、丸太を切ったり、チューブの修理をしたり、牛のお乳を絞ったり、おひげを剃ったり、私の顔を剃ったり、お餅を丸めたり、きちっと整った図面をひいたり、絵を描いてくれたり、柱時計や目覚まし時計の修理をしたり、もう、数え切れないほどの働きものだった。
子供心に父親の手は魔法のように見えたということを書いた文章だったのですが、それの何が良かったんでしょうかね?。
今思うと、もしかしたら、子供目線の観察力が評価されたのかも知れません。
中川さんの息子さんがお母さんに持っていた想い出も、私のそれと似ているかも知れません。
子供って、日常生活の何気ない一コマから、強烈な吸収をしているんですね。
嬉しいような怖いような、緊張する想い出話でした。

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コメント

  1. Su(7-4) より:

    美風さん、こんにちは。
    自分の親の手の思い出。いいお話ですね。

    私は高校を卒業してすぐ上京し、20年近く経ちます。
    お盆と年末年始は帰省しますが、あまりそのようなことを思う機会はありませんでした。
    でも今この記事を拝読し、幼児期だったころの自分の親の大きな手を思い出し、ホロリと涙してしまいました。。
    親が恋しくなりました。

  2. As(7-2) より:

    私の顔は、両親にあまり似ていません。
    でも、手の爪、足の爪、特に親指が亡くなった父にそっくりで、子供のころから爪を見ると自分はこの父の子なんだなあと妙に安心していました。

    糠漬け講習のとき、中川さんにポン、と肩をたたかれて父にそうされたように思いました。実際には父に肩をたたかれた記憶はないのですが。

  3. うさぎ より:

    細っそりして、ちょっと自慢だった自分の指。
    いつの間にかよく働く、しっかりした指になっちゃった。
    手って変わってゆきますね。その人を無言で物語っています。

  4. マクロ美風 より:

    Suさん、こんばんは。

    母の手も、父の手も、私はよく覚えています。
    きっと、それだけ手仕事をしている時間が今の時代より多かったということなんでしょうね。
    何だか、本を1冊書けそうなくらいの想い出がギッシリあります。
    大切にします。

  5. マクロ美風 より:

    親指の形がそっくりで安心するなんて、人間の心って面白いですね。

    中川さんのポンは、エネルギーがありますよね~。
    特に右手にエネルギーがあるようです。

  6. マクロ美風 より:

    私も息子も爪の形がすっかり変わりました。
    アトピーから来る強烈なかゆみのため、ひっかき続けたからです。

    指はお仕事によっても変化しますよね~。
    握手をすると、かなり判断できます。

    >その人を無言で物語っています。

    本当にそう思います。
    手も目も、口ほどにものを言うようですね。

  7. ぢゅん より:

    先日、ある方にお弁当を作ったのですが、昨日お礼のお手紙を頂き、「わらびの煮物に、優しかった祖母がしわくちゃの手で採ってくれたことを思い出しました」とお言葉を頂きました。

    わたしは自分の手は変形が進んで自信がなく、人にも良い印象は与えないだろうなと思っていました。
    でもわたしが作ったものに、良い思い出を思い出してくださったお話をして頂き、救われた気がしました。

    「手」という題名に心引かれてコメントしてしまいました^^。

  8. マクロ美風 より:

    ぢゅんさん、コメントをありがとうございます。

    >わたしは自分の手は変形が進んで自信がなく、人にも良い印象は与えないだろうなと思っていました。

    これは全くの誤解ですよ~。
    ぢゅんさんの手はどんな形でも気になりません。
    本当です。

    むしろ、ぢゅんさんの手に比べると、ちゃんと働いていない我が手の方が恥ずかしいです。
    手の素敵なお話で、思い出したことがあります。
    昔、レイハネさんのブログに、働き者のお母様の手がモノクロで載っていたことがあります。
    そのお写真が目に焼き付いているのです。
    その手を重ね合わせていました。

    ありがとうございました。

  9. Unknown より:

    妹の指と爪は、もう会えない父のそれにそっくりです。
    そのことに気づいた数年前、そのこと自体にも
    それに気づいた自分にもびっくりでした。

    妹は自覚していないようですが
    そんなところ遺伝子がアピールしてくるとは、面白いものですね。

    母は、音楽家だった祖父(母の父)が亡くなったとき
    その指だけでも(自分のものとして)欲しいと思ったそうです。
    手や指から紡ぎだすものが魅力だと言われるような
    生き方がしたいです。

  10. マクロ美風 より:

    yuraraさんは素敵なことを覚えていらっしゃるのですね。
    何気ないことでも、深い思い出になっていることは、きっと将来そのことで新たな思い出を作ってくれるのかも知れません。

    >手や指から紡ぎだすものが魅力だと言われるような
    >生き方がしたいです。

    きっと、これが可能になるのでしょうね。
    楽しみです。

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